まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

技のあるひと。

2015-11-08 21:58:49 | 日記
期が変わって何が大変って
目標達成面接というやつ。

これ、世の中の多くのサラリーマンが
やってることなんですってね?
私にこの災難が降りかかってきたのは
数年前のことなので
正直に言って、ぽかーん、でした。

なにしろしがない事務ちゃんなのですもの。
上司もさぞやお困りでしょう、役割与えるったって、毎年まいとし変わらないでしょうに。
面接するにも書類つくるにも膨大な手間ひまかかるでしょうに。誰得なの?

事務って仕事はだれにでもできる。
いつだれがここに座ってもできるようになっているべきだと思う。
まいにち、明日私がしんでても会社が困らないようにしようと思って働いてます。記録つける。マニュアル整備しとく。どこに何があるかを明示しとく。
まいにち使ってるこの机も、じぶんのものだと思ったことはないです。
だから子供の写真とか飾らない。
正確に期日どおりになされてあたりまえの仕事。評価ったってね。目標ったってね。
どうすりゃいいのかなーと、Google先生に聞いたこともあります。
自己目標なんてじぶん以外に考えられるわけないだろう、というのが、答えでした。さーせん。(笑)

いちばんはじめに勤めたところは、
金融系のシステム屋でした。
お偉い銀行のひとに、仕様の確認をとおもってつっこんだ質問をしたら、
あんたらはそんなこと知らなくていい、ただ言われたとおりのものつくればいい、
って冷たくあしらわれました。
そのひとはほんとうはきちんと答えるべきだったと思う。
システムの精度をあげるためには、情報を多く与えることと、現場のモチベーションをさげないことが大事です。
兵隊にこそ真摯に対応すればよかったのにね。

でもまあ、そんなんでも、新しいものをつくって、どこかのだれかの役に立つという仕事はとても楽しかったのです。
もしかしたら今も、いくつかのシステムのコードには、私のサインが残っているかもしれません。そんな想像をすることも楽しい。

今やってる仕事は、仕事じたいはさほど楽しかぁないや。
職場環境、いっしょにいる人々はとても素敵なのです。私にとっていま、大切で必要なことをもらえてる仕事。

そこいくと、職人さんっていうのは
ココロ千々に乱れるお仕事かもね。
というのもイタリアの高級自転車ブランドで最近起きた事件を聞いたから。
父親が興し、三兄弟が継いだその名門の、溶接担当次男が家を飛び出して、自分のブランドを立ち上げたのだとか。

次男はただ純粋に、自分の満足いくとおりに、フレーム組んでいたかっただけのようです。
だけどそのブランドの影響力が強くなればなるほど、そこの部分とは相反するものが生まれてくるわけです。
殺到するオーダーに、次男ひとりがしゃにむに働いたって、到底追い付かないんだから。
アジアの国で、ざくざくと作られたフレームに、ロゴマークをはりつけ、一丁上がり・・・とかね。
それだって、その仕事にブランドとしての責任は、負わないわけはないんです。
発展のかたちとしてはアリだと思う。
それに、いくら本人の技がすばらしいとはいえ、50過ぎてマイブランドを作って、この価格で打って出られるのは、
彼が名門の出身であの男の息子だからに他ならない。そうじゃないというのなら、偽名でも使ってやってみたら?
そそくさと日本市場にもショップたちあげて、「彼が作ったからと慌てて買いにこないで、品質を見てほしい」だなんて、よく書けるなぁと思います。

やりたいことをやって、欲しいだけの対価もらえてる人ってどんだけいるのだろう。お金も称賛も尊敬も。
そもそも、なにを目的に働くのか、それこそじぶんでしか決められないこと。

こんな私にも青い頃があって、よく
「目標は資格取って社会の役にたつこと、夢はしあわせになること」って言ってたんだけど
じぶんだからできるなにかを仕事にしたいなぁとはいまだにおもってるし
やっぱりみんなそうだとおもうけど
しんじゃう直前にこのいのちはしあわせだったなって感じられたら
それはほんとに素敵だとおもう。
目標シートにゃ書けないけどね。