猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

今年映画館で観た映画

2013-12-30 03:55:09 | 日記
今年映画館で観た映画、おもしろかった順に。

1)偽りなき者(デンマーク)
2)嘆きのピエタ(韓国)
3)許されざる者(日本)
4)ホーリー・モーターズ(フランス)
5)あの頃、君を追いかけた(台湾)
6)黒いスーツを着た男(フランス)
7)ローン・レンジャー(アメリカ)
8)悪いやつら(韓国)
9)コールド・ウォー(香港)
10)僕が星になるまえに(イギリス)
11)爆心(日本)
12)パパの木(フランス・オーストラリア)

去年は13本観にいった。私の体力ではこのくらいで精一杯。
「偽りなき者」と「嘆きのピエタ」がダントツで良かった。圧倒された。

来年もおもしろい映画に巡り合えますように。
それでは皆様良いお年を。


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悪いやつら

2013-12-27 05:48:19 | 日記
韓国映画「悪いやつら」を観にいった。
1990年10月13日、ノ・テウ大統領が「犯罪との戦争」宣言を発表した日の夜、釜山で
チェ・イクヒョン(チェ・ミンシク)が暴力団幹部として逮捕される。建設会社の社長が
ホテルの一室で監禁、暴行された事件の容疑だった。イクヒョンは検事に対して
「私は暴力団じゃありません」と言ってのける。
1982年の釜山。税関職員として働いていたイクヒョンだが、当時の税関内では賄賂や
密輸が横行しており、イクヒョンもそんな悪徳職員の1人だった。ある夜、巡回中に
大量の覚せい剤を発見したイクヒョンは、それを日本に密輸しようと考える。同僚の
紹介で裏社会の若きボス、チェ・ヒョンベ(ハ・ジョンウ)と知り合う。
ヒョンベが遠い親戚であると知ったイクヒョンはヒョンベの信頼を得て、公務員時代に
培ったコネと親族の絆を使い、裏社会でのし上がっていく。やがてイクヒョンとヒョン
べは結束して、勢力を広げていく。

なかなかおもしろかった。登場人物全員が悪人。韓国版「アウトレイジ」というところか。
1990年にノ・テウ大統領が「犯罪と暴力を一掃する」という旨の宣言を発表していたな
んて知らなかったなあ。当時の韓国は相当犯罪が多発していたのか?
とにかくチェ・ミンシクの存在感が圧倒的。取り憑かれたようなその演技力は本当に
すごい。でも今回の役どころは、今までとは少し違っていて、愛想が良く、情けなく、
世渡り上手で、平気で人を裏切る。極道でもなければ堅気でもない。信念を持たない
悪人といった感じか。見ていて「いやなやつだなー」と思った。
ボス役のヒョンベはスーツを着こなし、ハンサムでかっこいい。この2人の対比がいい。
韓国が年長者を敬う社会だというのは知っていたけど、血縁もそんなに大事にするんだ
な。血縁があるとわかっただけで、一般人のイクヒョンがヤクザであるヒョンベに急に
大きな顔をし始め、やがてヒョンベはイクヒョンを「大叔父」と呼んで信頼するように
なる。血縁の話をしていた時、イクヒョンが”チェ”というお互いの姓について、なんとか
派だとか言っていたのが、意味がわからなかった。韓国の姓に対する独特の文化なのだ
ろうが、そのなんとか派でヒョンベはイクヒョンに心を開いていくのだ。
ヒョンベ役のハ・ジョンウって「チェイサー」の連続殺人犯役の人だったんだな。気が
つかなかった。
韓国映画は暴力シーンがきついが、この映画はそれ程でもなかった。「アジョシ」に比べ
たら柔らかいものだ。
ヒョンベとイクヒョンを先頭に、10数人の極道が横に並んで街を闊歩するシーン(パンフ
レットの表紙でもあるのだが)は迫力あったなあ。ラストもゾッとする。



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エンゼル・ハート

2013-12-23 03:54:02 | 日記
1987年のアメリカ映画「エンゼル・ハート」。
1955年のブルックリンで私立探偵を営むハリー・エンゼル(ミッキー・ローク)の元に
ルイス・サイファー(ロバート・デ・ニーロ)という男がやってきた。戦前の人気歌手、
ジョニー・フェイヴァリットの行方を探して欲しいと言う。ジョニーは戦争の後遺症
で精神病院に入院していたが、いつの間にか退院していた。
ハリーは当時のジョニーの主治医を訪ね、ジョニーが2人の男女に連れられて退院して
いったこことを聞き出した。しかし医師はその後惨殺される。
ジョニーが占い師のマーガレット(シャーロット・ランプリング)と付き合っていたことを
知ったハリーはマーガレットに会いにいくが、詳しくは話してもらえず、その後マーガ
レットも惨殺される。
ハリーは自分の行く先々でジョニーを知る人が殺されることで、何者かがジョニーの
行方を突き止めることを妨害しているのだとわかる。

この映画大好きで、3~4回観ている。初めて観た時はほんとに衝撃的だった。ちょっと
怖いミステリー。ミステリーだからあまり書けないのだが、ハリーがジョニーのことを
調べようとすると、決まってジョニーを知る人が殺されるのが、なんとも言えない怖さ
だ。殺され方も猟奇的。ジョニーはどこへ行ったのか?ハリーの調査を妨害しているの
は誰なのか?すごくおもしろかった。映像もきれいだ。
この映画のミッキー・ロークは若くてかっこいい。シャーロット・ランプリングは
「評決」にも出演していたが、変わった雰囲気の美人だと思う。暗くてどこか普通の人
ではない感じ。「メランコリア」では年を取っていたけれど、その雰囲気は変わっていな
かった。美人なんだけど暗い、というのがこの人の持ち味だと思う。
この映画のせいで、私はタイムズ・スクエアと聞くと恐怖を連想するようになった。
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評決

2013-12-21 03:44:33 | 日記
1982年のアメリカ映画「評決」。
弁護士のフランク・ギャルヴィン(ポール・ニューマン)は、昼間から酒を飲み、荒れた
生活をしていた。昔のある事件がきっかけで全てを失い、転落の一途をたどっていた。
友人の弁護士ミッキー(ジャック・ウォーデン)もフランクに手を焼き、ある事件を紹介し、
それで立ち直れなければもう見放すと言ってきた。
出産で入院した主婦デボラ(スーザン・べネンソン)が、麻酔のミスで植物状態になっていた。
デボラの妹夫婦が聖キャサリン病院と、担当した2人の医師を訴えたのだ。フランクは原告
側の証人である麻酔科の権威、グルーバー医師(ルイス・スタッドレン)に会い、医療ミス
だと確信した。フランクは聖キャサリン病院を訪れ、デボラの病室に行き、デボラの写真を
撮影した。彼女のかわいそうな姿の写真を突きつけて、多くの示談金を出させるためである。
だが写真を撮り続けるうちに、出産のために病院へ行っただけなのに、自力呼吸もでき
ない植物状態になり、夫と子供たちは去り、全てを失ってしまった1人の主婦の哀れな姿を
痛ましく思い、怒りが湧いてきた。フランクの心の中に、無くしていた何かが蘇ろうと
していた。
一方聖キャサリン病院はカトリック教会の経営であり、評判が悪くなることを恐れた司教は
フランクに21万ドルの示談を申し出た。が、フランクは断り、裁判へ発展することに
なった。教会側は敏腕弁護士のコンキャノン(ジェームズ・メイスン)を雇う。

これは、ポール・ニューマンの映画の中で1番好きな映画だ。物語も感動的だし、ポール・
ニューマンの演技も素晴らしい。アカデミー賞の作品賞や主演男優賞にノミネートされた
が、惜しくも逃してしまったそうだ。
特に好きな場面は、フランクが病院へ行ってデボラの写真を撮影するところ。示談で使う
ために撮っていたのだが、デボラの姿をじっと見て、撮影するのをやめ、怒りと悲しみが
混じったなんとも言えない表情で彼女を見る。この表情がとてもいい。落ちぶれていた
弁護士が、昔の自分を取り戻す瞬間だ。
この映画の時のポール・ニューマンは50代後半くらい?かな。あんなかっこいい50代の
おじさんはそういない。タバコを吸う仕草、机に足を乗せるシーンなど、細かいところが
かっこいい。
デボラの夫はひどいと思った。自分の妻が昏睡状態になったというのに(胎児は死亡)、
子供たちを連れて離婚するなんて…しょせん他人なのかな、と思った。病院や医師を訴え
たのは、血のつながりのある妹。かわいそうなデボラ。
「レインメーカー」でも思ったけど、アメリカの法廷ものの映画っていい作品が多いなあ。
この「評決」の監督はシドニー・ルメットだそうで、「十二人の怒れる男」の監督だと後で
わかった。そういえば雰囲気が似ていた。
ラストシーンはどうなるのかな?という終わり方だったけど、私はあのままでいる方が
いいな、と思った。
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コールド・ウォー 香港警察 二つの正義

2013-12-18 04:20:42 | 日記
香港映画「コールド・ウォー 香港警察 二つの正義」を観にいった。
ある晩、香港の繁華街・モンコックで爆破事件が起こり、その直後に5人の警官が車両
ごと消える事件が発生した。その後、彼らを拉致したという電話が警察本部に入った。
出張中の警察長官に代わって捜査の指揮を執ることになったのは、「行動班」の副長官・
リー(レオン・カーファイ)。IT部門担当のトウ(テレンス・イン)によれば、この事件は
警察内部の事情に詳しい者が関与していると言う。
そして、消えた車両の中に息子・ジョーがいることを知ったリーは、香港警察のプライド
を懸け、各組織の人員を総動員した人質救出作戦「コードネーム:コールド・ウォー(寒戦)
を遂行する。
一方「管理班」の副長官・ラウ(アーロン・クォック)は、リー父子が事件に関係していると
察し、保安局局長・ロク(アンディ・ラウ)に彼らの情報提供を求める。
親族が関与した事件の指揮は執れないという規則があるにも関わらず、公私混同とも
言える捜査方法を行うリーにラウは反発。次期長官候補の2人は激しく対立する。

香港の警察映画!という感じの映画だった。日本やアメリカなどの映画でもそうだけど、
警察組織ってわかりにくい。誰と誰が何故対立しているのかわかりづらいことがある。
この映画はリーとラウの関係はよくわかったけれど。「踊る大捜査線」などを観ても、とに
かく肩書きがよくわからない。この人とこの人はどっちが偉いの?などと思ってしまう。
ハラハラするストーリー展開で、1時間40分があっという間だった。レオン・カーファイ
とアーロン・クォックの対立も迫力があり、さすがの実力派俳優の共演だと思った。
意外な真相とその後のまた意外な展開。おもしろかった。
香港映画は、大ヒットした「インファナル・アフェア」以降衰退していると聞く。そうなの
かな?私にはおもしろい香港映画いくつもあったけど。香港映画と言えば警察ものかカン
フー・アクションものというイメージが強くて、それ以外にもいい映画たくさんあるのに
見過ごされがちなのではないだろうか。
華流マニアの私はスクリーンに「◯◯有限公司」という文字が出たらワクワクするし、この
映画の原題である「寒戦」の文字に、キャー、である。

アーロン・クォックは相変わらず美形だった。チャーリー・ヤンも久し振りに見たがきれい
だった。アンディ・ラウが特別出演していたのも嬉しい。
ラウの同僚にビンセントという人がいて、この人どこかで見たことあるなあ、他の映画で
見たのかな、とずっと考えていたのだが、うちの近所の中国人のおじさんに似ているのだと
判明した。
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