猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

アンチクライスト

2011-03-28 20:37:05 | 日記
デンマーク・スウェーデン・ドイツ・フランス・イタリア・ポーランド合作映画
「アンチクライスト」を観にいった。
夫(ウィレム・デフォー)と妻(シャルロット・ゲンズブール)が愛し合っている最中、
幼い息子が窓によじ登っているのを気づかず、転落死させてしまう。自らの不注意
が原因で子供を失ったことで妻は罪悪感にさいなまれ、精神を病んでいく。セラピ
ストである夫は、森の中にあるエデンと呼んでいる山小屋へ妻を連れていき、治療
しようとするが、妻の精神状態は悪くなる一方で、やがて狂気に走る。

ラース・フォン・トリアー監督による衝撃的な映画。2009年の作品だが、日本で
は公開が危ぶまれたそうで、遅れて公開された。サイコ・スリラーとかエロチック
・スリラーとか言われているが、何だろう、ジャンル分けが難しい映画だ。まず冒
頭から衝撃的である。夫婦(名前は出てこない)が愛し合っている最中に、幼い息子
が窓をよじ登り、雪の中を落ちていく様子がスローモーションで映し出される。葬
儀の時妻はショックから気を失ってしまう。セラピストである夫は、森の中の山小
屋に2人で行き、妻を療養させようとする。
しかしいくらセラピストだと言っても、夫も子供を亡くしているのだから当然ショ
ックを受けているだろうし、自分で妻を治療するのではなく他の精神科医に任せて
おいた方が良かったのでは、と思った。山小屋で2人だけで過ごすが、妻は良くな
らず、事態は悪化していく。そして夫は子供の検視報告書から、妻が子供を虐待し
ていたことを知る。妻は子供が死ぬ前から、精神を病んでいたのだ。森の中で夫婦
の精神状態は極限になっていく。
後半は本当に衝撃的なシーンの連続で、グロテスクだ。R-18指定になるのも無理
はない。妻は息子をかわいがっていた風に見えたが、どうして虐待していたのだろ
う。映画のタイトルが「アンチクライスト」なので、妻の存在は悪魔の象徴なのだ
ろうか。とにかくシャルロット・ゲンズブールの狂気にとりつかれた演技がすごい。
シャルロットはこの作品でカンヌ国際映画祭の主演女優賞を受賞している。ラスト
シーンも奇妙である。夫婦に救いはなかったのか、それともあったと言えるのか、
私にはわからない。
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さくらがいない日常

2011-03-13 20:51:05 | 日記
猫のさくらが天国へ行って、2週間以上が過ぎた。
今でも、さくらのことを思い出すと、涙が出てくる。
もっと早く病院に連れていけば、助かったのではないか。
いや、あの子はあれが寿命だったのだ。
両方の思いが交錯する。
もっとしてあげられることはなかったのだろうか。
後悔が付きまとう。
でも、なんにしても、さくらはもういないのだ。
あのふわふわした子を抱っこすることは、もうできないのだ。
エサが欲しい時、えさ入れの前に座って、じっと私の目を見ていた子は、
もういないのだ。
どうしようもなく淋しい。ほんとにほんとに可愛かった。
私はこの先、何匹か猫を飼うかもしれないが、さくらより可愛い猫には
巡り会わないと思う。
私にとっては、世界一可愛い猫だった。


「害虫」という映画を観た。前から観たかったものだ。
やっぱり宮崎あおいさんはすごいと思う。
撮影当時15歳だったらしいが、15歳であんな役を演じられる女優って、
日本にはそういないのではないかと思う。
サチ子(あおいさんの役名)こそが害虫ーそれがテーマなのだという。
計らずも周りの人を不幸にしてしまう少女。
少女は小さな反抗をし、先の見えない未来へ歩いていく。
怖い映画だと思った。
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