猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

引っ越し大名!

2024-06-13 21:33:38 | 日記
2019年の日本映画「引っ越し大名!」。

姫路藩書庫番の片桐春之介(星野源)は人と接するのが苦手で、いつも
書庫にこもり書物を読んでいた。幕府から豊後(大分県)の日田への国
替え(引っ越し)を言い渡された藩主の松平直矩(なおのり/及川光博)
は、度重なる国替えからの借金と、これまでにない遠方への引っ越し、
更に減俸と、国の存亡が危うくなる程のピンチに頭を抱えていた。こ
の国難を乗り切れるかは、国替えを仕切る引っ越し奉行の腕にかかっ
ていたが、前任者は激務が原因で既に亡くなり、国替えのノウハウも
失われていた。そんな中で、書物好きなら博識だろうという理由から、
春之介が引っ越し奉行に任命されてしまう。

何度も国替えをさせられた実在の大名・松平直矩のエピソードを基に、
高額な費用のかかる遠方への引っ越しを、知恵と工夫で乗り切ろうと
する姫路藩士たちの奮闘を描く、時代劇コメディ。監督は犬童一心。
江戸時代前期。姫路藩主の松平直矩は幕府から豊後国日田藩への国替
えを命じられる。国替えとは、参勤交代をはるかに上回る莫大な労力
と金額が必要な一大事業なのだが、直矩はこれまでの度重なる国替え
で藩の財政は逼迫しているというのに、減俸まで言い渡される。更に
悪いことに、国替えを担当していた引っ越し奉行が激務がたたって亡
くなってしまう。
そこで直矩は後任の引っ越し奉行に、書庫番の片桐春之介を指名する。
彼は人と接するのが苦手で、いつも書庫にこもって書物を読んでばか
りいたため、「かたつむり」とあだ名されていた。読書家なら博識だ
ろうという理由で任命されたのだった。春之介は幼なじみの武芸に秀
でた武士・鷹村源右衛門(高橋一生)くらいしか話をできる相手がいな
かった。そして国替えの経験などない春之介はどこから手を付けて良
いかわからず、前任の引っ越し奉行の娘・於蘭(高畑充希)に助けを求
める。
春之介は源右衛門ら仲間の協力や於蘭の厳しい引っ越し指南に助けら
れて、国替えの準備を進めていく。それにしても松平直矩はどうして
そんなに国替えを命じられたのだろう。生涯で7回も国替えをさせら
れ、「引っ越し大名」とのあだ名があったそうだ。春之介は引っ越し
奉行を引き受けなければ切腹と言われ、源右衛門が「ではわたくしが
介錯を」と言って刀を構えるシーンがおかしかった。いくら幼なじみ
だからと言っていきなり介錯とは(笑)。そして於蘭の指導の厳しさに
も笑えた。まず体力作りと言って武士たちをしごいている。
於蘭は父親の残した引っ越しに関する文献を持っており、それを春之
介に渡し、春之介は不用品の処分を始める。この時代の引っ越しは大
変だっただろうな、トラックもないし。観ていると引っ越しというよ
り民族大移動という感じ。藩士たちだけでなくその家族も皆引っ越す
のだ。現代で言えば会社が県外へ移転し、社員とその家族たちも引っ
越すようなもの。星野源は頼りない感じやひきこもりの読書オタクが
はまり役。髪型が武士らしくなく現代風なのが気になったが、ご愛敬
なのだろう。高橋一生、及川光博のキャラクターもおもしろく、他に
も豪華キャストがたくさんである。愉快痛快の時代劇エンターテイン
メントだった。



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2 コメント

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引っ越し苦手。7回もとは気の毒。 (ウラジーミル・アスポン)
2024-06-16 17:31:19
藩主の松平直矩は、7回も国替えさせられるとは、酷い話ですね。
莫大なお金がかかりますね。
幕府は、松平直矩の居る藩にばかり、
何回も国替えを命じるなんて酷過ぎますね。費用を補助してくれるわけでは無いんですよね…(+o+)

今回の話では、姫路藩(兵庫県)で引っ越し先では豊後藩(大分県)なんですね。
江戸のある関東から引っ越しする事を考えると、関西から九州はそんなに遠くない気もすするものの、昔と考えると、かなりキツイですね。

ただ個人が引っ越すんじゃなく、藩ごと。しかも藩主の松平直矩に使える武士の家族達も引っ越すので大移動ですね。
参勤交代の比では無いほどの労力と金額なんですよね。

過去の引っ越しのせいで、藩の財政は圧迫中なのに、さらに減俸は気の毒ですね。

国替え担当の引っ越し奉行が亡くなってしまったので、書庫番の春之介が新しい引っ越し奉行に任命されるんですね。
博識だという理由で任命されたけど、カタツムリというニックネームがつくほど、引っ込み思案なんですね。

前任者の引っ越し奉行の娘の於蘭や、友人の源右衛門などの協力を借りつつ、国替えの準備をするんですね。

個人レベルでも引っ越しは大変で、二度としたくない気分です。
2011年に引っ越して今の家に来た時は、引っ越しのストレスで、白髪がドドッと出来ました。
モノを引っ越し前に多量に処分しましたが、あれから13年経った今、モノがたくさん増えました。

このドラマの春之介も不用品の処分を始めるんですね。
引っ越しは、まずそこから始まる気がします。
持っていく荷物を減らさないと引っ越し代金が嵩みます。
現代ならトラックが大型になるので、代金が高くなるけど、この時代はトラックはないけど、荷物が増えれば、人員が余分に必要になり、お金がかかりますね。

春之介は、引っ越し奉行を引き受ける事を半ば強要されたんですね。
【引っ越し奉行を引き受けなければ切腹】と言われているんですね。
いきなり幼馴染の源右衛門が「介錯を」とか言うし、切腹がネタ化してますね…('ω')

参勤交代の制度だけでも酷いと思ってたけど、これは相当、酷い命令ですね。
返信する
Unknown (杏子)
2024-06-16 21:59:31
>ウラジーミル・アスポンさん
コメントありがとうございます。私も何度か引っ越ししましたが、荷造りが嫌なんですよね〜。

松平直矩はどうして7回も国替えを命じられたのでしょうね。
幕府の都合なんでしょうけど、気の毒ですね。

関西から九州でも、あの時代は大変だったでしょうね。民族大移動ですよ。

ウラジーミルさんは引っ越しで白髪がドッとできたほどストレスだったんですね(*_*)
苦労すると白髪ができるって本当みたいですね。
私は30代の時にすごく苦労したのですが、白髪がドッとできました。

私も引っ越す時に不要品をかなり処分したのですが、それなりに増えましたねえ(^^;)
つい買っちゃうんですよね( ̄▽ ̄;)

源右衛門は自分が引っ越し奉行にさせられそうになったので、無理矢理春之介を推薦します。
幼なじみで親友なのに意外と悪い奴です(笑)
春之介と源右衛門のやり取りがおもしろかったです。
あと於蘭とかも、セリフがおもしろかったです。
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