猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

青の稲妻

2020-02-18 21:53:38 | 日記
2002年の中国・日本・韓国・フランス合作映画「青の稲妻」。

2001年の山西省大同(ダートン)市。19歳のビンビン(チャオ・ウェイウェイ)は
仕事を失う。彼には恋人のユェンユェン(チョウ・チンフォン)がいたが、彼女は
北京市の大学を受験すると言い出す。ビンビンは北京市へ行くために兵役検査を
受けるが、肝炎を患っていることが判明し、不合格となる。ビンビンはウー(ワ
ン・ホンウェイ)から金を借りて、ユェンユェンに携帯電話を買い与える。ビン
ビンの親友であるシャオジィ(ウー・チョン)は、アルコール飲料のキャンペーン
・ガールであるチャオチャオ(チャン・タオ)と出会う。チャオチャオはチャオサ
ン(リー・チュウビン)というギャングと交際しているが、シャオジィはチャオチ
ャオに惹かれていく。

ジャ・ジャンクー監督の青春映画。大同という寂れた街を舞台にしている。失業
したばかりのビンビンだが、恋人は北京市の大学へ行くつもりだと言い出す。そ
れならば自分も北京へ行こうと兵役検査を受けるも、肝炎であることがわかって
不合格になってしまう。何もかもうまくいかないビンビン。ビンビンの親友のシ
ャオジィはアルコール飲料のキャンペーン・ガールのチャオチャオに恋をするが、
彼女にはギャングのチャオサンという恋人がいた。
19歳という年齢の青年2人の焦燥感というものが伝わってくる。街も何だかガラ
が悪くて、こんなところには住みたくないなあと思ってしまう。シャオジィが好
きになるチャオチャオはキャンペーン・ガールにしては少し年を取った感じがし
て、衣装や髪形が無理している感がある。シャオジィは彼女のどこが良かったの
かな。割と美人ではあるけれど。彼女もギャングの恋人と別れたいのか別れたく
ないのかがよくわからない。
少し退屈な感じのする映画だった。特に何も起きず、淡々と日常が流れていくか
らだろう。いや実際は色んなことが起きているのだが、ワンシーンワンシーンが
長いのだ。シャオジィがバイクを走らせている場面や、バスの中のチャオチャオ
とチャオサンの場面など、いつまで続くのだろうと思ってしまった。
WHOへの加盟、北京オリンピック開催決定など経済発展の波に沸く中国で、取
り残されていく大同市。その閉塞感というものはよく描写されていたと思う。退
屈さはあったが割と好きなタイプの映画だった。ジャ・ジャンクー監督作品は「
罪の手ざわり」がすごくおもしろかったなあ。あれはとても見応えのある映画だ
った。




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ロードキラー

2020-02-13 21:12:12 | 日記
2001年のアメリカ映画「ロードキラー」。

ボストンの大学に通うルイス(ポール・ウォーカー)は、ネブラスカへの帰省のつい
でにコロラドに住む幼馴染のヴェナ(リーリー・ソビエスキー)を拾い、大陸横断ド
ライブを楽しむことを計画する。だが母から連絡が入り、釈放された兄フラー(ス
ティーヴ・ザーン)をソルトレイクシティで先にピックアップすることになった。
強引なところのあるフラーはルイスをけしかけ、無線で1人のトラッカーをからか
い出す。しかし悪戯が過ぎた頃、ラスティ・ネイルと名乗るそのトラッカーの異常
ぶりが明らかになる。やがて2人はヴェナと落ち合うが、それは恐怖のドライブの
幕開けだった。

ちょっとくだらないけど、かなり怖いサスペンス映画。くだらないと思ったのは、
とにかく兄のフラーがバカすぎて。弟のルイスに女性の声真似をさせて、無線であ
るトラック運転手をからかったこと。普通そんなことするだろうか。ルイスも最初
は嫌がっていたけど、フラーがあまりしつこいので根負けして、ノリノリになって
きてしまって。フラーは自分のことを「俺は家族の鼻つまみ者」と言っていたけど、
ほんとそう。あんな人が家族にいたら嫌だな。大体男性の声が女性の声に聞こえる
ものだろうか。
ルイスとフラーは怒ったトラックの運転手に追い回されることになるが、その途中
でヴェナを拾い、ヴェナに事情を説明する。怯えるヴェナ。トラックは本気でルイ
スたちを殺そうと追ってきているのだから怖い。スピルバーグの「激突!」と似て
いるが(運転手の顔が映らないところも)、あちらは主人公は何も悪いことをしてい
ないのに大型のタンクローリーに追い回されるのがとても怖かったが、本作は明ら
かに主人公である兄弟が悪い。そしてからかった相手もサイコパスだったというこ
とが不運だった。
ハラハラドキドキのシーンの連続で、なかなか怖かった。トラック運転手の執念深
さと言ったら。途中で犠牲になる人も出てくる。兄弟は何というバカなことをして
しまったのだろうか。ラストもお決まりの終わり方。ゾッとした。




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ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密

2020-02-08 22:50:59 | 日記
2019年のアメリカ映画「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」を観にいった。

世界的ミステリー作家ハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)の85歳の
誕生日パーティーがニューヨーク郊外の彼の豪邸で開かれた。その翌朝、ハーランが
遺体となって発見される。匿名の人物から依頼を受けた名探偵のブノワ・ブラン(ダ
ニエル・クレイグ)は、事件の調査を進めていく。莫大な遺産を抱えるハーランの子
供たちとその家族、家政婦、専属看護師と、屋敷にいた全員が事件の容疑者となった
ことから、裕福な家族の裏側に隠された様々な事情や人間関係があぶり出されていく。

探偵もののミステリー映画。大きなお屋敷、大金持ちの被害者、屋敷にいた人たち全
員が疑わしい、名探偵登場と言えばこれはもうアガサ・クリスティーの世界である。
舞台は現代のアメリカだが。実際監督のライアン・ジョンソンはクリスティーが大好
きだそうだ。富豪の作家が自らの誕生日パーティーの翌朝遺体で発見される。警察は
自殺だと判断するが、匿名の人物の依頼を受けてやってきた探偵のブノワは、自殺に
見せかけた他殺ではないかと推測する。警察とブノワは共同捜査を始めるが、死んだ
ハーランの遺産は莫大で、家族たちは遺産の行方を気にする。
誰もが怪しく見えて、犯人の想像がつかない。ハーランの健康状態に詳しい専属看護
師マルタ(アナ・デ・アルマス)はまだ若い女性だが、ハーランは彼女をとても信頼し
ており、友達だと言っていた。彼女は嘘をつくと吐いてしまう体質で、その言動にブ
ノワは興味を寄せていた。家族たちはハーランの死を悼みながらも最も関心があるの
は遺産の行方で、お互い疑心暗鬼になって口論になったりする。一見何不自由ない家
族だが、実は複雑な関係を抱えており、それが明るみになっていくと同時にブノワに
は事件の真相が少しずつ見えてくるのである。
ミステリーの王道でとてもおもしろかった。探偵のブノワも切れ者なのかへっぽこな
のかよくわからないところがユーモラスでいい。クリストファー・プラマーの存在感
はさすが。今90歳だそうだが、堂々とした風格で、物語の中心にどっしりと腰を据え
ている。ジェイミー・リー・カーティスとドン・ジョンソンが年を取っていてびっく
りした(特にジェイミー・リー・カーティス)。私はこの2人が結構好きなのだ。
キャストの演技は皆良くて、癖のある家族の面々をうまく演じている。マルタはエク
アドル移民だが、家族たちはハーランの友達だったマルタを家族同然に思っているよ
うなことを言っているが、実は見下しているのである。彼女がどこの出身かもはっき
り覚えていない。その点もこの物語の肝になっており、現代アメリカの実情も描かれ
ていて興味深い。ラストシーンも象徴的でとても良かった。




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ホテル・エルロワイヤル

2020-02-03 22:37:32 | 日記
2018年のアメリカ映画「ホテル・エルロワイヤル」。

1969年。カリフォルニアとネバダの州境に建つ寂れたホテル「エルロワイヤル」
に集まった7人の男女。怪しげな神父(ジェフ・ブリッジス)やヒッピーの女(ダコ
タ・ジョンソン)、セールスマン(ジョン・ハム)、歌手(シンシア・エリボ)、ホテ
ルスタッフ(ルイス・プルマン)など、これまで全く関係のない人生を送ってきた
彼らは、全員が重大な秘密を抱えていた。やがてそれぞれの正体とホテルに隠さ
れた衝撃の真実が明らかになり、彼らは恐ろしい夜を迎えることになる。

群像劇風なミステリー映画。エルロワイヤルというホテルを舞台に進行するのだ
が、のっけから登場する人物は怪しい感じの人ばかり。ホテルは外観はモーテル
のようだが、ロビーは広くてきれい。しかしホテルマンは1人しかいない。そし
て奇妙なことに各部屋にはマジックミラーがついており、廊下から部屋の様子は
丸見えである。何故こんなおかしな造りになっているのか。
時間軸が交差しながら物語は進んでいく。ヒッピーの女が妹(ケイリー・スピー
ニー)を監禁していたり、それを知ったセールスマンが殺されたりして、次第に
皆の正体が明らかになっていく。おもしろくなくはないが、ちょっと退屈する。
特にヒッピーの女が妹を監禁していたエピソードは長くて、理由も何だか興味が
そがれてしまう。そしてヒッピーの親分(クリス・ヘムズワース)が現れてからは
退屈さが増してくる。それに時間が少し長すぎると思った。
確かに衝撃的な展開であり、神父の秘密にまつわる話や結末はおもしろかった。
ジェフ・ブリッジスはやっぱりうまい。グザヴィエ・ドランがチョイ役で出演
していて、この人どうしてこの映画に出たのだろうと思った(笑)。あの年代ら
しさはよく出ていたと思う。全体的に冗長な感じだったのが残念だった。




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エクストリーム・ジョブ

2020-01-29 22:29:00 | 日記
2019年の韓国映画「エクストリーム・ジョブ」を観にいった。

忙しく走り回りながらも、思うような実績を積めずに解散の危機を迎えている
麻薬捜査班。国際犯罪組織の国内麻薬密搬入情報を入手したコ班長(リュ・スン
リョン)は、チャン刑事(イ・ハニ)、マ刑事(チン・ソンギュ)、ヨンホ(イ・ド
ンフィ)、ジェフン(コンミョン)の4人のチーム員たちと共に潜入捜査を開始す
る。24時間監視のため、犯罪組織のアジト前にあるチキン屋を買い取り、麻
薬捜査班メンバーによるチキン屋稼業をスタートさせるが、絶対味覚を持つマ
刑事の隠れた才能により評判が広まり、チキン屋は捜査にも手が回らないほど
の大人気店となってしまう。

ひょんなことから人気フライドチキン店を経営することになってしまった麻薬
捜査班の刑事たちの奮闘を描くアクション・コメディ。コ班長率いる麻薬捜査
班はちっとも犯人を検挙できず、解散の危機にある。ある日国際犯罪組織の麻
薬密輸の情報を入手したコ班長は、潜入捜査のために、犯罪組織のアジト前に
あるチキン屋を退職金を前借りして買い取る。表向きチキン屋を営業しなくて
はならなくなったのだが、マ刑事の作るフライドチキンが大変おいしく、評判
が広がり、捜査をする暇もないほど店は繁盛してしまう。
とても笑える映画だった。5人の刑事たちがチキン店を切り盛りする姿はユー
モラス。昼間店を営業し、夜犯罪組織のアジトを監視するつもりだったのだが、
昼間の仕事が忙しく皆夜はクタクタだ。次第にチキン屋が板についてくる刑事
たちの様子がおもしろい。自分たちはチキン屋なのか刑事なのか、悩み始める
彼ら。それに5人のキャラクター設定もいい。それぞれ個性的で味がある。
クスクス笑いが止まらない。本当に笑える映画だ。日本人のツアー客が店を訪
れた時、5人で口を揃えて「いらっしゃいませ!」と日本語で言ったシーンは
とても好きだ。終盤のアクションシーンもいい。特に女性であるチャン刑事と、
犯罪組織の用心棒である強い女の闘いは見もの。チャン刑事もムエタイ・チャ
ンピオンであり、とても強いのだ。ラストも爽快。今月は韓国映画を2本観に
いったが、衝撃的な展開である「パラサイト 半地下の家族」とは違って、こ
ちらは何も考えずに笑って観られる映画。これはこれでとてもおもしろかった。




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