猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ブラック・ウォーター

2019-06-18 21:31:04 | 日記
2008年のオーストラリア映画「ブラック・ウォーター」。

オーストラリア北部へ旅行に来たリー(メイヴ・ダーモディ)と姉のグレース(ダイアナ
・グレン)とその恋人アダム(アンディ・ロドレーダ)は、ガイドと共にマングローブが
生い茂る沼地へと入り込む。そこで釣りをしていると突如ボートが何かにぶつかって転
覆する。川に投げ出された一同がそこで目撃したのは、巨大なクロコダイルであった。

この手の動物パニック映画はよくあるが、本作が他と違っているのは、実話を基にして
いるということだ。2003年に実際に起きた事件だという。実話だと思うと恐ろしい。
姉妹と姉の恋人は川釣り体験ツアーに参加し、ガイドと共にボートに乗り込むが、何か
がボートにぶつかって転覆してしまう。ぶつかってきたのは巨大クロコダイルで、ガイ
ドはすぐに犠牲になってしまう。グレースとアダムは木に登るが、リーはひっくり返っ
たボートにしがみついたままだ。そのままではまたワニが襲ってくるからと、リーは命
がけで泳いで木に登る。しかしこれからどうすればいいのかわからない。木を伝って陸
地へ上がっても道に迷うだろうし、ボートで帰るにしてもまたワニに襲われる。3人は
木の上で途方に暮れる。
こういう映画だと、大体おバカな高校生や大学生が次々と巨大ワニに襲われるというパ
ターンが多いと思うが、この映画は登場人物が3人だけで、舞台のほとんどが沼地なの
で地味である。でもそれがかえってリアルな緊迫感をもたらしている。いつどこからワ
ニが現れるかわからない。助けを呼んでも来ない。絶望的な状況だ。それでも、やはり
ボートを元に戻して帰るしかないと、ボートのロープを手繰り寄せて何とか近づけよう
とする。
実際の事件も3人で、木の上に20時間以上いたそうだ。さぞ怖かっただろう。体力も消
耗するし。人間は巨大な動物には勝てない。死体もグロテスクだったし、色々とリアル
な感じでなかなかおもしろかった。



ふわ~あ。


















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ブラック・ダイヤモンド

2019-06-12 21:31:51 | 日記
2003年のアメリカ映画「ブラック・ダイヤモンド」。

強盗団のリーダー、フェイト(DMX)は、ある宝石商の金庫破りを図っている時、自分
たちを追跡する男を発見する。その男、ダンカン・スー(ジェット・リー)は「金庫の
中の何を盗んでもいいが、ブラック・ダイヤモンドだけは置いていけ」と警告する。
スーの言葉を無視し、ありったけの宝石を強奪したフェイト一行だったが、犯罪組織
のボス、リン(マーク・ダカスコス)がフェイトの娘を誘拐する。娘と引き換えにブラ
ック・ダイヤモンドを要求するリン。窮地に陥ったフェイトの前に、スーが手を差し
伸べる。

ジェット・リー主演のアクション・サスペンス。と言ってもサスペンス要素はあまり
ないけれど。王道のアクション映画で、ジェット・リーがかっこよかった。サングラ
ス姿もいいし、片手をポケットに入れたまま敵を倒すのも良かった。冒頭の高層ビル
のベランダ侵入パフォーマンスから惹き込まれた。ただやっぱりアメリカ映画なので、
大柄なアメリカ人たち(特に黒人)と比べると小柄で地味だなー、と思った。これは仕
方ないか。
ブラック・ダイヤモンドの正体も興味深かった。「ブラック・ダイヤモンドだけは置
いていけ」などと言うから、スーも別の強盗なのかと思ったら、そう来たか、という
感じ。フェイトは子供がいるのに強盗団って…まともな仕事をしろよ、と思った。そ
の娘が誘拐されて、人質になっているところにスーが助けに入るのだが、リンを中心
とする犯罪組織は悪で、フェイトたちは善、みたいな図式になっているのがちょっと、
と思った。強盗も犯罪なのだが。
地下鉄アクションやカーチェイスがすごくて、見どころ満載である。ただそのために
ジェット・リーのアクションが少し霞んでしまった感がある。他の俳優たちのアクシ
ョンシーンもかなり多いので。それが残念。終盤のスーとリンの戦いのシーンは良か
った。リンなんてヘリコプターが爆発したのに生きてるなんて、不死身か!という感
じ。まあストーリーもそこそこおもしろかったが、もっとジェット・リーの活躍を見
たかったな。




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静寂の森の凍えた姉妹

2019-06-08 22:14:54 | 日記
2016年のアイスランド映画「静寂の森の凍えた姉妹」。

アイスランドの平和な都市レイキャヴィク。ある日、凍てついた森の中で幼い姉妹の
他殺体が見つかる。捜査を担当することになった女性刑事エッダ(マルグレート・ヴ
ィルヒャムズドッテイル)と同僚のヨイ(スヴェイン・オーラフル・グンナルソン)は、
過去に性犯罪歴のある男たちを中心に捜査を進めていく。その中には、釈放されたば
かりのエッダの弟アンドリ(ピエトゥル・オスカル・シーグルドソン)もいた。やがて、
知的障害者のマグニ(ハンネス・オーリ・アウグストソン)が容疑者として浮上する。

アイスランドのミステリー・サスペンス映画。雪深い森の中で発見される幼い姉妹の
他殺体。観ていても凍えるような思いだ。アイスランドでは凶悪事件はあまり起きな
いらしいが、姉妹が1度に殺害されるという大事件に街は大騒ぎになる。姉妹の母親
が遺体を確認するシーンは本当に胸が痛む。過去に性犯罪歴のある男たちを中心に捜
査していくが、皆アリバイがある。アイスランドは性犯罪歴のある者に対して非常に
厳しいらしく、連行されても文句は言えないようだ。そして彼らに対する人々の差別
もひどい。
やがて知的障害のあるマグニが自白したとヨイは言い出す。しかしエッダは、彼は目
撃された白い車も持っていないし、運転もできないと反対する。それでもヨイや上層
部はマグニを犯人だと決めてかかる。孤軍奮闘して真犯人を見つけようとするエッダ
だったが、捜査は手づまりになる。
地味で暗くてとても後味の悪い映画だった。私はこういう映画が好きなのだが。1つ
わからないことがある。姉妹の母親は娘の日記を見つけるのだが、そこには犯人に結
びつくような記述があったのに、彼女はそのページを破って警察に隠すのである。あ
れが何故なのかわからなかった。あの記述がわかればもっと早くに真犯人に辿り着く
手がかりになったであろうに。その点がわからなかった。
ラストで犯人ははっきりするのだが、それでもとても後味は悪い。アイスランド映画
は「レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー」しか観たことがなかった
が、あちらは笑えるスプラッター・ホラーだった。本作はなかなかおもしろかった。




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マン・ダウン 戦士の約束

2019-06-04 22:45:24 | 日記
2015年のアメリカ映画「マン・ダウン 戦士の約束」。

米軍の海兵隊員ガブリエル(シャイア・ラブーフ)は、妻ナタリー(ケイト・マーラ)と
息子ジョナサン(チャーリー・ショットウェル)を故郷に残し、アフガニスタンへ向か
う。戦場での任務は過酷を極めたが、故郷で待つ妻と息子の存在がガブリエルを奮い
立たせた。そして遂に、アメリカへの帰還を果たす。しかし、辿り着いた故郷の街は、
建物や橋が崩壊し住人たちの姿も消えていた。まるで異世界に迷い込んだかの様に、
懐かしき面影は失われていた。この街に一体何が起きたのか。ガブリエルは共に帰還
した戦友デビン(ジェイ・コートニー)と、荒廃した街で妻子の行方を捜す。

あらすじを読んだ時SFかと思ったが、違っていた。とても悲しいサスペンス映画だっ
た。妻子を残しアフガニスタンに派遣された海兵隊員のガブリエルは、過酷な戦場を
経験し、アメリカへ帰還する。だがそこは、建物が崩壊し住民の姿もない荒廃した街
だった。ガブリエルは幼馴染であり戦友のデビンと共に妻子を捜して歩き続ける。
物語は、ガブリエルがアフガニスタンに行く前、戦場、大尉(ゲイリー・オールドマ
ン)との面談、帰還してからの荒廃した街、と4つの場面が交錯しながら進行するが、
わかりにくくはない。前半は大尉との面談が多いので少し退屈さを感じるが。兵士た
ちの訓練の様子を見ていると、ああ本当に戦争は大変なんだな、と思わせられる。ど
うして戦争なんかしなければいけないのだろう。傷つけ合うだけなのに。
ガブリエルたちは荒廃した街を歩きながら、ガブリエルの息子の手がかりを見つける
が、それは驚くべき結末へとつながっていく。謎だらけだったものが収束に向かう様
子はとてもおもしろい。そして悲しい。ラストで字幕が出るのだが、イラクやアフガ
ニスタンからの帰還兵の多くがPTSDにかかったり、ホームレスになったり、自殺を
図ったりしているのだという。戦争は悲しみしか生み出さないのだと、改めて思う。




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ポンヌフの恋人

2019-05-30 22:58:58 | 日記
1991年のフランス映画「ポンヌフの恋人」。

閉鎖中のポンヌフ橋で暮らす天涯孤独の青年ホームレスのアレックス(ドニ・ラヴァン)
は、いつものように酒を飲みながら夜のパリを放浪していたが、車に片足をひかれてし
まう。そこに通りかかった女性は、失恋の痛手と目の病気による失明の危機から家出放
浪中の画学生ミシェル(ジュリエット・ビノシュ)。アレックスはミシェルの美しさに初
めて恋の心地を知り、ポンヌフ橋を仕切っている初老の浮浪者ハンス(クラウス=ミヒャ
エル・グリューバー)にこの家出娘のミシェルを置いてくれるよう頼み込む。そして2人
のホームレス生活が始まる。

レオス・カラックス監督の「アレックス3部作」の3作目。ポンヌフ橋で暮らすホームレ
スの青年と、失明の危機に絶望した画学生との切ない恋愛を描いている。画学生ミシェ
ルは失恋への未練と目の病気で失明するかもしれないという恐怖を抱えて、家出して放
浪していたが、ホームレスのアレックスに出会う。アレックスはミシェルに恋をし、ポ
ンヌフ橋を仕切っている初老のホームレスにミシェルを置いてくれるよう頼み込む。行
くあてもないミシェルはアレックスと共にいることにする。
ミシェルはいつも片目にガーゼを当てている。何の病気かはわからない。今まで他人と
のつながりを全く持たずに生きてきたアレックスが、ミシェルと出会って柔らかな気持
ちになり、2人の間に徐々に愛情が芽生えていく過程がいい。普通のお嬢さんだったミ
シェルがホームレスと恋愛なんて考えられないが、特殊な事情を抱えていたミシェルに
は受け入れられたのだろう。ミシェルにとってはいわば刹那的な恋なのだと思う。
やがて「目の病気は治るから、この人を捜して」というミシェルの顔写真のポスターが
貼られるようになるが、ミシェルを失いたくないアレックスはミシェルの目に触れない
よう剥がしたり燃やしたりする。その頃はもうミシェルは薄汚れてボロボロの姿になっ
ている。目の病気が治ることを知らないミシェルはずっとアレックスと一緒にいるのだ。
その姿が痛ましい。
ポンヌフ橋の上での花火のシーンや、アレックスの火吹き芸のシーンは圧巻である。私
はレオス・カラックスにはまっていた時期があって、「ボーイ・ミーツ・ガール」「汚
れた血」「ポンヌフの恋人」のアレックス3部作(いずれも主役はドニ・ラヴァン)は何
度も観たし、「ホーリー・モーターズ」(これもドニ・ラヴァン主演)もおもしろかった。
特に本作は好きな映画だ。圧倒的な映像美もいい。




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