猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ミスティック・リバー

2014-06-23 02:33:25 | 日記
2003年のアメリカ映画「ミスティック・リバー」。
犯罪社会から足を洗い今は雑貨店を経営しているジミー(ショーン・ペン)、家族と共に
平凡な生活を過ごしているデイヴ(ティム・ロビンス)、刑事のショーン(ケヴィン・ベー
コン)の3人は、ボストンで共に少年時代を過ごした幼なじみである。しかし彼らが11歳
の時に、にせ警官にデイヴだけが誘拐されて性的暴行を受け、それ以来離ればなれに
なっていた。
それから25年後、ジミーの19歳の娘が殺害される事件が起き、ショーンが捜査を担当
することになった。

クリント・イーストウッド監督作の、ミステリーであり人間ドラマでもあるこの映画。
重たい。本当に重たく、そして救いがない。
ジミーの愛娘が殺害され、同じ晩デイヴは血だらけになって帰宅する。強盗に襲われた
と妻に言うが、それは嘘だった。それによってデイヴは容疑者となってしまう。本当の
ことを最初に言えば良かったのに、彼は自身のトラウマのために嘘をついてしまう。
デイヴを疑う妻、ジミー。嘘と疑惑が皆の中で錯綜する。デイヴはジミーの娘を殺した
のか?デイヴでなければ誰なのか。その結末はあまりにも救いがない。
この映画は原作があるそうだが、作者はなぜこんな重たい物語を書いたのだろうか、と
思ってしまうほど。見応えはあったが、悲惨過ぎてもう1度観たいとは思わない。ただ
主要メンバー3人の演技は素晴らしかった。ショーン・ペンはアカデミー賞の主演男優
賞を、ティム・ロビンスは助演男優賞を受賞しているが、納得の熱演だった。



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明日、君がいない

2014-06-20 02:28:31 | 日記
2006年のオーストラリア映画「明日、君がいない」
午後2時37分。オーストラリア南部の高校で、誰かが自殺を図る。
その日の朝。弁護士を目指す優等生のマーカス、両親の自分に対する扱いに不満を抱く
マーカスの妹メロディ、スポーツマンで人気者のルーク、自分たちは最高のカップル
だと信じるルークの恋人サラ、ゲイに対する差別に悩むショーン、排尿障害により
いじめを受けるスティーブン、6人の高校生たちがそれぞれに悩みを抱えながら登校する。

重たい青春映画とでも言おうか。悩みを抱えた高校生たちの姿に胸が痛む。
インタビュー形式という変わった手法が取られているこの映画、とてもおもしろかった。
監督のムラーリ・K・タルリは19歳の時にこの映画を作ったというから驚きだ。主要の
生徒たちの悩み、辛さを繊細に描き出している。
観ていながら、「誰が自殺するのだろう」と考えていた。人の悩みに重さ軽さを言うこと
はできないだろうが、少なくとも観ている限りでは、スティーブンとメロディ、それに
ショーンとルークがかなり重い悩みを抱えていると思った。マーカスとサラはそれほど
でもない気がした。誰が自殺するのか。自殺した生徒のことを思うと、ああ、そうだった
んだな、と納得する。ネタバレになるのであまり書けないのだが。
監督のその後の情報が見つからないのだが、もう映画は撮っていないのだろうか。
とても悲しく、辛く、深い映画だった。



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エイリアン

2014-06-15 02:58:11 | 日記
1979年のアメリカ映画「エイリアン」。
宇宙貨物船ノストロモ号の乗組員7人は、地球へ帰る途中、他の宇宙船からのSOSを
傍受し、救出のためにある惑星に着陸した。3人の乗組員が信号発生地へ向かうが、
見つけた宇宙船は既に黒く焼けこげ、人影はなかった。
その宇宙船の底の方を見にいった1人は、そこで、床一杯に転がっている大きな卵状
の物体を見つけた。ところが彼は突然飛び出した小さな生物に顔をふさがれてしまっ
た。ノストロモ号に連れ戻され寝かされた彼の顔の上には、付着した生物が息づいて
おり、無理にはぎ取ろうとすると彼の顔を破壊しかねない程、しっかり覆っていた。

あまりにも有名なSFホラーの金字塔。何度観たかわからないくらいなのに、テレビで
放送されているとついまた観てしまう。
閉ざされた宇宙船の中で、「得体の知れない何かがいる」という恐怖。船の乗組員たち
と共に、観ている方もその恐怖を味わう。
大体乗組員の1人である科学者がおかしい。正体不明の生物に顔を覆われた乗組員が
いるというのに、妙に冷静である。宇宙に捨てようと提案しても、研究のために地球
に持ち帰ると言う。乗組員の1人、リプリー(シガーニー・ウィーヴァー)は最初から
この科学者に不信感を持つが、彼女の勘は当たっていた。その後誰も助けに来ない船
の中で、恐ろしい殺戮が始まるのだ。
エイリアンの造形も本当にグロテスクで気味が悪い。この映画はリドリー・スコット
監督とシガーニー・ウィーヴァーの出世作であると共に、「エイリアン」とはこういう
ものだ、という印象を世界中の人々に植え付けた名作だと思う。シリーズとして続い
たが、やはりこの1作目が1番おもしろい。



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恋の罪

2014-06-13 02:42:56 | 日記
2011年の日本映画「恋の罪」。
ある日ラブホテル街の廃屋のアパートで、女性の死体が発見される。事件を担当する
吉田和子(水野美紀)は、仕事と幸せな家庭を持つにもかかわらず、愛人との関係を
断てないでいた。
和子は事件を追ううちに、大学のエリート助教授・尾沢美津子(冨樫真)と、人気小説家
を夫に持つ清楚で献身的な主婦・菊池いずみ(神楽坂恵)の恐るべき秘密に行き当たる。

園子温監督の、実際の殺人事件をモチーフにした物語である。おもしろかったが、ちょ
っと長い。前半は「この映画、144分も観るのかあ…」という気持ちで観ていたが、後半
はスピードが出てきておもしろくなった。でももう少し削っても良かったのではないだ
ろうか。
キャッチコピーが「ようこそ、愛の地獄へ」だったらしく、その通りこの映画は和子、
美津子、いずみという3人の女性が愛の地獄にはまってしまう過程を描いている。愛の
地獄というより性の地獄と言うべきか。
とにかく神楽坂恵と冨樫真の演技が迫力があってすごい。主演の水野美紀が霞んでしま
うほど。冨樫真という人は初めて見たのだが、二面性を持った女性が変わるところなん
か迫力ありすぎて怖いくらい。
でもこれはやっぱり神楽坂恵のための映画だと思う。そこまでやる?というシーンが
満載で、本当の主役はこの人だろうなあ、と思った。
ただ、いずみの堕ち方があまりにもひどくて、人はあんなにも早く堕ちてしまうものだ
ろうか、と思った。いずみは美津子やカオル(小林竜樹)に「ついておいで」と言われて、
戸惑いながらもついていってしまうシーンが多い。そこで「私は行かない」という意志を
持っていれば、ああまで堕ちなかったのではないだろうか。人ってあんなに他人の言い
なりになるもの?という疑問は残った。

「冷たい熱帯魚」とは違うタイプの映画だが、なかなかおもしろかった。




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耳に残るは君の歌声

2014-06-10 02:14:06 | 日記
2000年のイギリス・フランス合作映画「耳に残るは君の歌声」。
1927年のロシア。貧しい村に住むユダヤ人少女・フィゲレ(クリスティーナ・リッチ)
は、母を亡くし、父と祖母と暮らしていたが、父はいずれ娘を呼び寄せると約束し、
ひとり渡米する。しかしフィゲレは村を襲った暴動から逃れ、ロンドンへ辿りついた。
スージーと名づけられた彼女は、10年後、父を捜す旅に出ようと決意し、旅費を稼ぐ
ためにコーラス・ガールとしてパリで働くようになった。
スージーはロシア人ダンサー・ローラ(ケイト・ブランシェット)と親しくなり、やがて
ジプシーの青年チェーザー(ジョニー・デップ)と恋に落ちる。
だがナチスによる第二次世界大戦の影がパリにも迫ってきていた。

クリスティーナ・リッチ、ケイト・ブランシェット、ジョニー・デップという豪華キャ
ストによる感動的な映画である。この映画はひたすら暗い。時代も時代だし、主人公の
少女・フィゲレがとてもかわいそうなのだ。何度もひとりぼっちになる。ロンドンでは
英語がわからないために孤独な生活を送る。激動の時代で、激動の人生を生きた少女の
物語だ。
クリスティーナとジョニーが会話を交わすシーンは美しい。ジョニーは「ショコラ」でも
そうだったけど、長髪のジプシーがなんて似合うんだろう。ジョニーの雰囲気にぴった
りだ。
でもこの映画、男の人の性というが業というものを感じずにはいられない。だから完全
なハッピーエンドとは言えない。それでも、ラストは感動的だった。



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