猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

アジョシ

2013-08-30 02:53:02 | 日記
韓国映画「アジョシ」。
古いビルの一室で質屋を営むテシク(ウォンビン)は、家族もなく、質屋の客以外には、
隣に住む少女ソミが訪ねてくるくらいだった。
ソミはテシクを”アジョシ”(おじさん)と呼んで慕っており、無口なテシクを相手によく
おしゃべりをする。
ソミは母親と2人暮らしだが、ダンサーをしている母親は生活するのに手一杯で、ソミの
世話はほとんどしていなかった。
ある時質屋に見知らぬ男たちがやってきた。ソミの母親が犯罪組織から盗んで、質に入れて
いたカバンに、麻薬が隠してあったのだ。
麻薬を取り戻した男たちは、ソミと母親を拉致した。テシクは全力で車を追いかけたが、
すぐに車は消えていった。組織の男たちは、テシクの身のこなしや、銃を恐れない様子に
驚く。
そして組織の頭であるマンソク兄弟は、ソミと母親を人質に、テシクに麻薬の運び屋を
させる。

暗いアクション映画だが、おもしろかった。とにかくウォンビンがかっこいい。心に傷を
抱え、孤独に生きるテシク。次第にテシクの正体が明らかになっていく。
特に後半のアクションシーンはすごかったなー。ちょっと人が死に過ぎな気はするが。
韓国映画のバイオレンスシーンはかなりきつい。バンバン銃を打ち、人が血を流して倒れる
ようなシーンは、アメリカ映画より生々しい。
おもしろかったのだが、ひとつ残念なことがある。ソミ役の少女がかわいくない!
テシクは自分になついてくるソミに、亡くした子供(と言ってもまだ生まれていなかったの
だが)を重ね合わせて、情を持ったのかもしれないが、命をかけてまでソミを助けようとする
気持ちが今ひとつわからない。そんなにあの子大切かなあ、と思った。手癖も悪いし。
ソミがもっと美少女だったら、私の感想も少しは違っていたのかな、と思うが、やっぱり
テシクのソミを思う気持ちがしっくりこなかった。


「はだしのゲン」を小中学校の図書室に置くのなら、是非「ブラック・ジャック」も置いて
欲しい。小学生には難しいかな。中高には置いて欲しい。
私は「ブラック・ジャック」は医療をベースにした人間ドラマの金字塔的作品だと思っている。
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大腸内視鏡検査

2013-08-23 03:44:06 | 日記
大腸内視鏡検査に行ってきた。大腸癌の可能性は低いけれども、一応検査した方がいいと言われ。
あああああ辛かった。検査の経験のある方はおわかりだと思うが、検査当日の準備がまず辛い。
何なんだあのポリエチレン水(ニフレック)って。私は10年以上前にも検査をしたことがあり、
その時も「今までに経験したことのない味」だと思ったが、今回もやはり同じだった。
あんなにまずい飲み物はおそらく他にはないだろう。どう表現していいのか…水に塩と砂糖を
入れ、更に金属サビを入れたような味というか。それを早朝から2リットルも飲まなければなら
ないのだ。冷たくしていたら少しは飲みやすいということで、前の晩から作って冷蔵庫に入れて
おいた。それでも充分飲みにくいのだが。2リットルを時間かけながら飲むのだが、コップ1杯
飲む度に口直しに水道の水を飲んでいた。その水道水のおいしいこと(T_T)
そしてバスに乗って病院へ。10:30の予約なのにものすごく待たされて…いやそんなこともう
どうでもいい。やっと検査室に入り、30代半ばくらいの秀才っぽい感じのお医者さんがやってきて
よろしくお願いしますう、とおっしゃって、あっ大丈夫そう、と少し安心した。
前の検査の時も私は薬で眠らせてもらって、知らないうちに検査が終わっていた感じなので、今回
も同じことをお願いした(病院は別のところ)。麻酔ではないが、安定剤みたいなものを点滴に混ぜ
るのだ。
それでいきますと言ってくださったのだが、何故か今日は薬が効かなかった。いつまで経っても
私は眠らない。困った。「眠くなってきましたか?」「少し…」「様子を見ながら薬を追加しますね。
あんまり追加しすぎても危ないので」
検査が始まったが、痛い痛い。検査の間じゅう痛い痛いと唸ってて、看護婦さんが薬を追加して
くださったがちっとも眠くならない。
頻繁に激痛が襲うので、「痛いー!!」と言って身をよじるのだが、その度に先生と看護婦さんが
私を押さえつけて続行する。涙は出るし過呼吸にはなるし。
先生が「いかん、過呼吸になっとる」と言いながらも続行。そして検査が終わる頃薬が効いてきた
らしく、頭がボーッとなってきて、その後だいぶベッドで休むことになった。
結局癌もポリープもなくて良かったんだけど、久し振りにあんな激痛を経験した。陣痛の次くらい
に痛かったかもじれない。実際途中で「陣痛!?」と思ったこともあった。

ああ疲れた。まだ少しお腹が痛い。胃の内視鏡検査の時も死ぬ思いをしたが、あれは痛いという
より苦しい。どっちもイヤだが。当分こんな痛い思いはしたくない(´;ω;`)
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レッド・ドラゴン

2013-08-20 02:57:31 | 日記
2001年のアメリカ映画「レッド・ドラゴン」。
元FBI捜査官のウィル・グラハム(エドワード・ノートン)は、仕事を辞め、妻子とフロリダに
住んでいた。
そこへFBIの元上司クロフォードが訪ねてきて、猟奇殺人事件の解決に力を貸して欲しいと言う。
グラハムは優秀なプロファイラーだったのだが、「人食いハンニバル」ことハンニバル・レクター
(アンソニー・ホプキンス)を逮捕する際重傷を負い、精神的に参ってしまいFBIを辞めたのだった。
初めは断るグラハムだったが、つながりのない2つの家族全員が惨殺されるという事件の解決を
請われ、妻が心配する中捜査に協力することになった。
グラハムらは事件の起きたアトランタに飛び、現場を見て、殺され方や犯人像を考えた。
更にクロフォードは、グラハムが逮捕して刑務所に入っている、ハンニバル・レクターに意見を
求めるように言う。レクターは殺人鬼でありながら、天才的な精神科医なのだ。
グラハムはレクター逮捕の時に精神的にボロボロになったものの、事件の真相を知りたいと
思い、レクターに会いにいくことにする。
一方、ビデオ技師として働いている”D”ことフランシス・ダラハイド(レイフ・ファインズ)は、
顔の傷のために孤独な人生を送っており、自らを超越したいと望んでいた。

大ヒットした「羊たちの沈黙」「ハンニバル」に続くレクター博士3部作だが、時系列としてはこの
映画が1作目に当たる。すごくおもしろかった。「羊たちの沈黙」もかなりおもしろかったが、
(「ハンニバル」もおもしろいけど)この「レッド・ドラゴン」が1番おもしろい。
とにかく話がよくできている。おもしろすぎて画面から目が離せない。「羊たちの沈黙」や「ハン
ニバル」はサイコ・サスペンスという感じだが、この映画はサイコ・ミステリーの色が濃い。
グラハムがレクター博士に意見をもらいながら、少しずつ謎が解けていく過程が、本当におもし
ろい。話もおもしろいが、やっぱりエドワード・ノートンの演技がすごいと思う。
「羊たちの沈黙」と「ハンニバル」は主役がそれぞれジョディ・フォスターとジュリアン・ムーアで
華があったが、こちらはエドワード・ノートンで全体的に地味なのだが、そんなことは気になら
ないくらいよくできていた。
畳み掛けるようなラストに、エドワード・ノートンってすごいなあ、と思った。

実はこの「レッド・ドラゴン」、「羊たちの沈黙」が制作される何年も前に、1度低予算で作られて
いる。「刑事グラハム/凍りついた欲望」というタイトルで、勿論レクター博士役もアンソニー・
ホプキンスではない。
「羊たちの沈黙」が大ヒットしたので「レッド・ドラゴン/レクター博士の沈黙」に改題された。
私はこの「刑事グラハム/凍りついた欲望」もずっと前に見ていたのだが、知らない俳優ばかりで
「レッド・ドラゴン」より更に地味だったが、これはこれでおもしろかった。
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ローン・レンジャー

2013-08-17 03:55:41 | 日記
アメリカ映画「ローン・レンジャー」を観にいった。
1869年のアメリカ開拓時代。少年時代のある忌まわしい事件のために復讐に燃える戦士
トント(ジョニー・デップ)は悪霊ハンターとなっていた。
若い検事ジョン・リード(アーミー・ハマー)は8年ぶりに帰郷していた。ジョンには、町を
守り無法者たちと戦うテキサス・レンジャーの兄ダン・リード(ジェームズ・バッジ・デール)
がいた。ダンは妻レベッカ(ルース・ウィルソン)、息子ダニー(ブライアント・プリンス)と
暮らしていたが、ジョンはずっとレベッカに恋心を抱いており、レベッカも彼を意識していた。
ある日列車から脱走した死刑囚ブッチ・キャヴェンディッシュ(ウィリアム・フィクナー)を
追っていたダンたちレンジャー部隊は、仲間の裏切りによってブッチらに全滅させられる。
そこへトントがやってきた。トントは不思議な白馬の導きによって、「偉大な戦士が自分の
復讐に手を貸す」というお告げを信じており、そこへやってきたのだった。
トントは自らの聖なる力で瀕死のジョンを甦らせた。
兄の仇を探そうとするジョンとトントは手を組むことにした。

なかなかおもしろかった。「ローン・レンジャー」は昔人気のテレビドラマだったらしいが、
私は見たことないので、予備知識なしで見にいった。ジョニー・デップが製作総指揮にも
参加している。
正直前半はあまりおもしろくなかった。テンポが良くなく、ダラダラとした感じだった。
しかし後半からはおもしろくなってきて、ラスト近くの最大の見せ場である列車アクション
はすごかった。痛快、爽快。
誰でも聞いたことがあるであろうウィリアム・テル序曲に乗せて繰り広げるアクションは、
どうやって撮影したのだろう、と思うくらい迫力があった。
白馬に乗って列車の上を走っていくローン・レンジャーはそれはそれはかっこよかった。
ただ、時間が長過ぎた感はある。2時間30分の映画だが、もう少し削ってまとめても良かった
んじゃないかなあ、と思った。
あとヒロインのレベッカ役、もう少し美人の女優を使えなかったのかなあ、と思った。
でもあの列車アクションシーンはもう1度見たいものだ。

余談だが列車に乗った撮影の時、ジョニー・デップとアーミー・ハマーは実際に危険だった
ことがあったらしく、アーミーが「僕たち今死にかけた?」と聞くと、ジョニーは「そうだよ」
と平然と答えたそうだ。
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黄金を抱いて翔べ

2013-08-12 03:58:57 | 日記
「黄金を抱いて翔べ」。高村薫氏の小説の映画化。
幸田(妻夫木聡)は、犯罪者相手に調達屋をしている29歳。20数年ぶりに戻ってきた大阪で、
同じ大学だった北川(浅野忠信)に会う。そして、大手銀行本店の地下にある240億円相当の
金塊を強奪する計画を持ちかけた。
初めは気乗りしなかった幸田だが、いつの間にか計画に加わる。他に、銀行担当のシステム
エンジニアの野田(桐谷健太)、爆弾に精通している元北朝鮮の工作員モモ(東方神起チャンミン)、
元エレベーター技師で銀行の内部に詳しい”じいちゃん”こと斉藤(西田敏行)、計画を知って
しまった北川の弟の春樹(溝端淳平)と、6人の仲間が集まった。
6人は金塊強奪の計画を練り始めた。

あらすじを書くのが難しいので、この辺りまでにしておく。私はなかなかおもしろかったの
だが、ネットでレビューを読むととても評価が低く、散々に書かれている。そんなに良くない
かなあ、この映画。
私は原作を読んでいないので、「原作と違う」とか「原作の良さをダメにしている」といった
感想はない。高村氏の小説は長いので、よく2時間ちょっとにまとめたなあと感心してしまう
くらいだ。
金塊の強奪といってもこの物語はサスペンスではない。主要人物6人の人生や人間関係が繊細に
描かれた、人間ドラマである。特に幸田、モモ、じいちゃんのエピソードは暗く悲しい。
でも後半の、銀行に侵入してからの運びは、ハラハラしておもしろかった。それに単純に、
命をかけてまで強盗なんてやるもんじゃないよ、と思った。北川がリーダーとなって計画を持ち
かけなければ、幸田も、モモも、北川自身も、違った人生があっただろうに。
私はチャンミンという人を知らなかったが、この人がなかなか良かった。チャンミンだけで
なく、俳優の演技は皆とても良かった。

ただ、わからない点もいくつかあった。まず主人公の幸田は「人のいない土地を探している」の
だが、生育環境に問題があったとはいえ、大学まで行っているのに、どうしてそんなに心が
すさみ、調達屋なんかをやっているのか。幸田はいつも暗く、感情をあまり表さない。
次に、幸田とモモは以前出会っているのだが、「モモが幸田をじっと見ていた」のは何故なのか。
次に、北川は仲間うちで唯一の既婚者なのだが、大事な妻と幼い息子がいながら、どうして
金塊の強奪などという大胆な犯罪に走ったのか。しかもリーダー的存在である。
金が欲しかったから、と言われればそれまでだが、北川はそれほど荒れた生活を送ってきた
ような感じではないし、ちょっとしっくりこない。
次に、北川の弟の春樹はどうしてあんな人間なのか。北川は大学を出て仕事をして家庭を築いて、
ある意味まあまともな人間である。強盗を思いつくような人間がまともかと言うとそうではない
のだが、少なくとも表面的、世間的にはまともだろう。
それに比べて弟の春樹は高校中退、それはいいとしてもびっくりしたのは彼の食事の仕方だ。
いわゆる犬食い、握り箸。弟は親からちゃんとした躾をされなかったのか?何故弟だけ?
あの食べ方を見た時にはぞっとした。
それから、モモはあだ名であるが、「正体不明の桃太郎」から来ているのだが、どうして桃太郎が
正体不明なのか?意味がわからないのだが。この辺りは原作を読めばわかるのだろうか。
わからない部分もあったが、全体的に私は楽しめた。あ、ひとつだけ残念なことが。主題歌が
安室奈美恵なのだ。どうしてあんな歌手を使うのか。せっかくの映画が安っぽい感じになって
しまった。
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