猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

海をみる

2018-11-30 18:05:32 | 日記
1997年のフランス映画「海をみる」。

出張中の夫と連絡がとれないまま、海辺のとある島に赤ん坊と2人きりで過ごすサーシャ
(サーシャ・ヘイルズ)。そこへバックパッカーの若い女・タチアナ(マリナ・ド・ヴァン)
が訪ねてくる。キャンプ場が満員なので庭にテントを張らせて欲しいと言う。承諾したサ
ーシャはその晩人恋しさから、この奇妙な空気を漂わせた訪問者を夕食に招いた。

フランソワ・オゾン監督の52分の作品。変わった物語だがおもしろかった。生後10ヵ月の
娘と過ごすサーシャは、夫の出張先に何度も電話をかけているが、連絡がない。退屈な毎
日の中でサーシャは家で子供の面倒を見たり、海に遊びに行ったり。ある日バックパッカ
ーの女・タチアナが訪ねてきて、広い庭なのでテントを張らせて欲しいと言う。初めは夫
に聞いてみないと、と断るが、結局承諾するサーシャ。タチアナは庭の隅にテントを張る。
その日の夜、サーシャは人恋しさと好奇心から、彼女を夕食に招く。タチアナは不思議な
雰囲気を漂わせ、その話もどこか掴みどころがなく、サーシャは戸惑う。
タチアナを夕食に招いた時から、運命は決まっていたのだろうか。それとも、その後彼女
との接触を避ければ良かったのだろうか。サーシャはこの変な女に翌日朝食も用意し、ま
た夕食に呼ぶのである。私なら、タチアナがトイレを流していなかったのを知った時に彼
女と関わるのはやめる。気持ち悪い。タチアナも奇妙だが、サーシャの無邪気さも少しイ
ラつく。こんな女いるだろうか。
そして衝撃的なラスト。女の嫉妬は恐ろしい。こうなるんだろうな、と思いながら観てい
たけれどやはりショッキングである。海がとてもきれいで、サーシャの家が広く素敵な家
で、その印象が強いだけにラストのおぞましさが強調されている気がする。52分という長
さに絶妙に収まった映画だった。



ねむねむ。


















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好きなコンビニスイーツ

2018-11-26 17:45:11 | 日記
お題に参加しております。
ダイエットも忘れるコンビニスイーツということで、私はローソン以外のコンビニ
にあまり行かないのでローソンの商品に限らせて頂きます。

カスタードプリン、プレミアムチョコロールケーキ、ティラミスかな。もちろん他
にも色々ありますけどね。あまり高いとケーキ屋さんに行った方がいいですね。







(画像はローソンさんの公式ホームページからお借りしました)




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メイド・イン・ホンコン

2018-11-21 15:00:00 | 日記
1997年の香港映画「メイド・イン・ホンコン」。

1997年、中国への返還が迫る香港で、取り立て屋を手伝う青年チャウ(サム・リー)は、
取り立てに行った先でベリーショートが似合う少女ペン(ネイキー・イム)と知り合う。
チャウの弟分のロン(ウェンバース・リー)は、女子学生サン(エイミー・タム)の飛び
降り自殺に遭遇し、2通の遺書を拾う。チャウとロン、そしてペンの間には奇妙な友
情が芽生えるが、それは過酷な日々の始まりでもあった。ペンに恋心を抱くようにな
ったチャウは、彼女が腎臓病で余命わずかなことを知る。

中国への返還前の香港を舞台にした青春ドラマ。社会の底辺で生きる若者たちの姿を
スタイリッシュに描いている。チャウの家は父親が出ていって母親と2人暮らしであ
る。チャウは借金の取り立て屋というチンピラみたいなことをしているが、根はいい
奴である。ちょっと頭の弱い弟分のロンをかわいがっており、ロンがいじめられると
仕返しに行く。そんなロンはある日女子学生の飛び降り自殺に遭遇し、2通の遺書を
拾う。チャウとロンと、チャウが知り合った腎臓病の少女ペンは、遺書を宛て先に持
っていってやろうとする。
チャウたちのいろんなエピソードが同時進行していき、とてもおもしろい。返還前の
香港らしく、「大陸」という言葉が何度も出てくるが、香港の人たちは本当は返還さ
れたくなかったんだろうな、と思う。サム・リーはこれがデビュー作とは思えない程
の熱演で、若者たちの希望、絶望、焦燥感といったものを見事に体現している。香港
の暑さや湿気も画面から伝わってきて、とてもリアルだ。
物語には救いはない。チャウたちはそれぞれ破滅の道へ向かうが、その描写の1つ1つ
がとても愛おしく感じられる。チャウは父親の愛人に会いにいくが、その愛人がいい
人なのも悲しい。低予算で作られた映画だが香港で大ヒットしたという。香港の大ス
ター、アンディ・ラウが製作総指揮として参加している。映画館で観たかったなあ。
観て良かったと思える、大好きな香港映画の1つである。




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幸福の罪

2018-11-17 19:17:15 | 日記
2011年のチェコ映画「幸福の罪」。

リハビリ医のトマシュ(オンドジェイ・ヴェトヒ)は、妻のミランダ(ズィタ・モラヴコヴァ)
と娘、ミランダの父親、ミランダの妹のリダ(アンナ・ゼイスレロヴァ)と暮らしている。あ
る時、患者である14歳の少女オリンカ(アンナ・リンハルトヴァ)に性的暴行を受けたと訴え
られ、逮捕される。捜査に当たることになった刑事のラダ(ヒネク・チェルマク)はミランダ
の元夫だった。ミランダはラダと結婚中にトマシュと不倫し、トマシュの子供を妊娠したこ
とからラダと離婚しトマシュと再婚したのだった。ミランダはラダに、その仕返しをしてい
るのだろうと言い放ち、ひどく貶す。

チェコの心理サスペンス映画。とてもおもしろかった。リハビリ医のトマシュは患者である
14歳の少女に性的暴行で訴えられる。観ている方は彼が無実だとほぼわかっているが、捜査
の行方が気になる。トマシュは屈辱的な検査まで受けさせられ、ようやく釈放される。だが
このトマシュと妻のミランダは最低である。ミランダはトマシュと不倫をして妊娠し、夫ラ
ダと離婚してトマシュと再婚したという経緯がある。ラダは刑事として客観的に冷静に捜査
をしているだけなのに、ミランダから中傷を受ける。ミランダを見ていると腹が立ってくる。
自分が不倫をしているのに。ラダとの間にできた息子は知的障害児で、ミランダとラダは交
代で面倒を見ている。ラダは息子を愛しているが、ミランダの娘は父親違いの兄を嫌ってい
る。本当にラダがかわいそうなのだ。ミランダの妹のリダは病院でボランティアをしている
が、実はこれは彼女にとって罪ほろぼしなのだ。リダの罪は物語の中核を成している。
トマシュは診察の時、患者を下着姿にさせていて、ちょっと驚いた。普通検査衣とか入院衣
とか着てやるものではないだろうか。だから14歳のオリンカも下着姿で、そのシーンは刺激
的である。それに刑事とオリンカとの会話で、「君が15歳だったら問題はなかったのだけど
ね」みたいなことを言っているのだが、チェコでは15歳なら大人が性交渉を持ってもいいの
だろうか。色々と文化の違いが興味深い。
一見幸福に見える家族も実はドロドロしている、という映画だ。トマシュのラストは因果応
報と言うべきか。でも本人も罪を受け入れているように思えた。やっぱりヨーロッパ映画は
深く、重く、おもしろい。



「聖☆おにいさん」の表紙描いてみました。下手だな~
11月22日に16巻が発売されます。(さり気なく宣伝)






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王の男

2018-11-13 16:20:17 | 日記
2005年の韓国映画「王の男」。

16世紀初め、燕山君(ヨンサングン/チョン・ジニョン)治世下の李氏朝鮮。旅芸人の
チャンセン(カム・ウソン)は仲間のコンギル(イ・ジュンギ)と共に漢城にやってきた。
2人はそこで、燕山君と愛妾張緑水(チャン・ノクス/カン・ソンヨン)を風刺する芸を
披露して有名人となるが、国王を風刺した罪で義禁府に捕えられてしまう。「王を笑
わせたら罪を許す」という条件を取り付けたチャンセンはあの手この手で芸をするが
燕山君は無反応。だがその時コンギルが機転を利かせて芸をし、燕山君を笑わせたこ
とで2人は許された。燕山君に仕えることになったチャンセンとコンギルは宮中で様
々な芸を披露するが、コンギルは特にその美貌と演技力で燕山君に気に入られ、その
ため2人は宮廷の陰謀や策略に巻き込まれていく。

韓国の時代劇だが、とてもおもしろかった。燕山君と張緑水は実在の人物である。燕
山君は大変な暴君で、張緑水は大変な悪女だったということだ。この2人を風刺する
芝居をやって町で有名になった旅芸人のチャンセンとコンギルだが、国王を風刺した
罪で捕まってしまう。だが王を笑わせられたら罪を許すということになり、結果王は
彼らの芸に大笑いし、許される。燕山君に気に入られ宮廷に住むことになったチャン
センとコンギルだが、コンギルはその美貌ゆえ燕山君に溺愛されることになる。その
ため張緑水は嫉妬に燃える。国王が美青年を寵愛し、国王の妾がそれに嫉妬するって、
昔はよくあったことだろうなあ、と思う。洋の東西を問わずそういう話はよく聞くも
のだ。
コンギル役のイ・ジュンギは「女よりきれい」と言われているらしく、確かに中性的
な雰囲気がある。フィギュアスケートの羽生結弦選手にちょっと似ている。チャンセ
ンとコンギルの芸は本当に息が合っていておもしろい。彼らが宮廷の陰謀に巻き込ま
れていく様子は、所詮は身分の低い旅芸人であるため哀れである。ラスト近くでチャ
ンセンは死刑を言い渡されてしまうのだが、死刑が執行されたのかどうかがはっきり
わからない描写になっている。私はチャンセンとコンギルが逃げることができたのだ
と思いたい。
韓国で大ヒットしたそうだが、本当におもしろかった。やっぱり時代劇(時代もの)は
興味を惹かれる。




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