猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

バスケットボール・ダイアリーズ

2015-08-31 05:00:13 | 日記
1995年のアメリカ映画「バスケットボール・ダイアリーズ」。
ミッションスクールの不良生徒・ジム(レオナルド・ディカプリオ)は仲間のミッキー、
ペドロ、ニュートロンと共に非行を働き問題児ではあるものの、バスケットボールへ
の情熱は人一倍だった。だが、良き理解者である親友のボビーが白血病で亡くなり、
ジムはニュートロンを除く仲間と共にヘロインを始めた。コーチのスウィフティに肉体
関係を迫られ、怒って殴った後、ジムは試合中に意識がもうろうとするという失態を
犯し、警察沙汰に発展した。麻薬は見つからなかったものの、3人は退学処分を受
けた。ジムも母親に問い詰められ、家出をした。ジム、ミッキー、ペドロは麻薬のた
めに犯罪を犯しては金を得るようになった。

ジム・キャロルという人の自叙伝「マンハッタン少年日記」を基に映画化したもので
ある。レオナルド・ディカプリオの若い時の映画だ。予想以上に悲惨な物語だった。
バスケットボールと詩を書くのが好きな不良高校生が、ヘロインのためにとことん
堕ちていく様子を悲しく迫力あるタッチで描いている。
薬物中毒の禁断症状とはあんなにひどいものなのか。レオナルドの演技が凄い。
近所に住むおじさんが、ジムの詩の才能を見込んで、薬を絶たせようとした時も、
ジムはおじさんの留守の間に逃げ出してしまう。あの時我慢していれば立ち直れ
たのに。
不良と言ってもジムは札付きの不良ではない。このくらいの少年ならどこにでもい
るという感じの少年だ。母親とも仲が良い。それが、ヘロインに手をつけたために
後戻りできない状況にまでなってしまう。あまりにも壮絶な青春だ。レオナルドが
演技がうまいのはわかっているが、禁断症状に苦しむ姿はこちらまで胸が苦しく
なってくる程だ。こういう人たちが世界中にたくさんいるのだと思うと、本人の責任
だとはいえ、やはり辛いものがある。
もうこれはレオナルドの演技を観る映画。素晴らしかった。美少年だし。今も美形
だが、顔も体も少しやせた方がいい、若い頃みたいに。

映画の冒頭で、ジムが平たい棒のようなもので教師に何度も背中を殴られている
シーンがあって驚いた。この映画の舞台は恐らく60年代だと思うのだが、当時あん
な体罰をしていたのだろうか。あれはひどすぎる。しかも教師は神父さんである。
神父さんがあんなことをしていたのだろうか。あの神父さんは、全く神父に見えな
かった。



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ラブetc.

2015-08-26 04:26:43 | 日記
1996年のフランス映画「ラブetc.」。
絵の修復家・マリー(シャルロット・ゲンズブール)はアパートの階下の男と惰性で
不倫を続ける自分に疑問を抱き、新聞の恋人募集欄に広告を出す。返事をよこし
たのは銀行員のブノワ(イヴァン・アタル)。人生に不器用な彼は「僕は写真写りが
悪いから」と、親友の高校教師・ピエール(シャルル・ベルリング)の写真を送ってい
た。しかし不器用ながらも誠実に自分の気持ちを伝えようとするブノワにマリーは
魅かれていく。

ありがちな三角関係の物語だが、フランス映画だからそれもおしゃれだ。新聞の
恋人募集欄で知り合ったマリーとブノワ。ブノワは友人のピエールの写真を送った
ことを詫び、2人は急速に仲良くなっていく。ブノワはピエールをマリーに紹介し、
3人でよく遊びに出かけるようになる。やがてマリーとブノワは結婚するが、その時
ピエールは自分がマリーを愛していることに気づく。そしてマリーへの愛を告白す
る。マリーは戸惑いながらも熱烈にアプローチをしてくるピエールのことが気にか
かるようになる。
いかにもフランス映画的な三角関係だ。親友の妻に愛の告白をするなんて。大胆
というか図々しいというか。妻も夫を愛していても、ああ熱心に口説かれたら気に
もなるだろう。やがて夫も2人の態度のおかしさに気づき、不安でたまらなくなって
しまう。その心情をシャルロット・ゲンズブールとイヴァン・アタルがうまく表現し
ていて、好感が持てた。2人の表情演技はいい。
フランスの新聞には恋人募集欄なんてものがあるんだな。そういえば「ミナ」にも
出てきた。この映画も「ミナ」も90年代の映画なので、今はわからないが。
ラストはなんとも妙な関係になり、おかしな決着を見せるが、これもフランス的な
のだろう。パートナーであるシャルロットとイヴァンが共演しているのも見どころ
だし、25歳の自由な女性をシャルロットが好演しているのも良かった。おしゃれで
哀しくて、素敵な映画だった。



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ノーウェイ・アップ

2015-08-22 05:09:18 | 日記
2005年のアメリカ映画「ノーウェイ・アップ」。
上司にそそのかされ、1000万ドルを横領するプログラムをインプットしてしまう証券
担当者のトム・ウェーバー。夜もふけた頃に地下5階の駐車場に降りてきたトムは、
資料を見ているところに謎の赤い自動車に乗った男にじっと見つめられる。その直
後トムに、1台のトラックが猛スピードで襲い掛かってくる。殺意をみなぎらせた黒い
トラックに追われ、トムは広大な地下駐車場を逃げまどう。

B級サスペンス映画っぽいが、なかなかおもしろかった。舞台がほぼ地下駐車場
なので、閉塞感があり、まさに息詰まるような怖さを感じた。広い駐車場で、トムに
襲い掛かってくる黒いトラック。実は犯人は割と最初の方でわかってしまうのだが、
それでも充分おもしろかった。
トムは妻の浮気疑惑に悩み、上司と共に1000万ドルを横領したことも後悔している。
この横領の方法というのが私には理解できなかった。どうでもいいことだが。とにか
く色々悩んでいるトムは、わけのわからないトラックに命を狙われ、必死に逃げる。
これは怖い。逃げている途中で数人の犠牲者が出る。密室状態の中で逃げるトム、
追うトラック、とても迫力があった。
犯人の動機がやるせない。意外に拾い物の映画だった。



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ドラゴンファイト

2015-08-21 04:29:29 | 日記
1989年の香港映画「ドラゴンファイト」。
リー・コクラップ(通称ラップ/ジェット・リー)は中国武術団で活躍するスター。武術団が
公演のためにサンフランシスコを訪れた際、ラップの親友ワイがアメリカへ亡命しようと
する。ラップは必死に止めるが失敗に終わり、2人はその場で別れる。その後ワイは警
察官を殺し、帰りの飛行機に乗り遅れたラップがその犯人にされてしまう。殺人犯として
護送される途中偶然の事故に紛れて逃げ出すラップ。行くあてもないラップを彼のファン
だという青年ヤウ(チャウ・シンチー)が救う。やがてラップは、悪に手を染め別人のよう
になってしまったワイと再会する。

ジェット・リーがリー・リンチェイだった頃の映画である。地味だが割とおもしろかった。
物語は香港アクション映画の王道というか、古い感じがするけれど(80年代の作品だし)
それなりにかっこよくて、切なかった。
ラップはヤウのおじさんが経営している雑貨店で働き、住まわせてもらうことになる。ま
じめに働くおじさんやラップと違い、ヤウはいい加減でお調子者だ。ヤウを演じるチャウ・
シンチーがユーモラスでいい。でも罪のない人が殺されてしまうのも香港映画の王道
である。後半は結構シリアスというか悲しい展開になってくる。
見どころは冒頭のラップの演舞、迫力あるアクション、そして若いジェット・リーとチャウ・
シンチー。ジェット・リーはかわいい。後にジェット・リーの奥さんになるニナ・リーも出演
している。この映画をきっかけに交際が始まったのだろうか?それにしてもコクラップ
って中国人っぽくない名前だ。



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すべては海になる

2015-08-15 07:01:39 | 日記
2010年の日本映画「すべては海になる」。
夏樹(佐藤江梨子)は大型書店で働く27歳。夏樹はお勧めの本のポップを書くのが
得意で、それに惹きつけられた様々なお客が、彼女が作った本棚に集まっていた。
ある日夏樹は万引きを目撃。捕まえたのは、いつも淋しげに時間を潰していた中年
の主婦だった。しかし盗まれた本はなく、夏樹の間違いだったとわかる。謝罪に訪れ
た家で、彼女は高校生の光治(柳楽優弥)と出会う。

本が好きで、本を心の支えにして生きている2人の男女の物語。なかなかおもしろ
かった。男女と言っても27歳の女性と男子高校生なので、恋愛関係にはなりそうで
ならないのだが。信頼関係といったところか。
書店員の夏樹は万引きと間違えてある主婦を捕まえてしまう。店長と一緒に謝罪
に行くが、実はその主婦は万引きの常習犯だった。主婦の夫もそれを知っていな
がら夏樹を責める。この家庭は、暴力的で威圧的な父親、そのためいつもビクビク
していてノイローゼ状態の母親、不良の妹がおり、崩壊寸前だった。長男の光治は
そんな家庭をなんとか立て直したいと思っていた。光治が書店を訪ね、夏樹に、自
分がなんとかするからもう謝罪には来なくていい、と告げたことから、夏樹と光治は
急速に親しくなっていく。
でも実際、書店員とお客が携帯電話の番号やメールアドレスまで交換して、あんな
ふうに仲良くなったりするものだろうか、と思った。夏樹は大手出版社勤務の鹿島
(要潤)と付き合っているが、光治はそれに嫉妬したりする。10歳くらい年上の女性
に対して、恋愛感情なのかよくわからない気持ちを持つ。夏樹も微妙に光治のこと
が気になる。その心情を佐藤江梨子と柳楽優弥は繊細に表現していて、とても良
かった。
ぶん殴りたくなるくらい憎たらしい光治の父親のキャラクターや、本当の愛を見つ
けられなくて悩む夏樹、鹿島のクールな態度、光治の不安げな表情など、どれも
良かった。この映画は公開当時に佐藤江梨子のベッドシーンが話題になったらし
いが、スリップ着てるし、大したことはない。でもとてもスタイルがいいのが印象的
だった。



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