猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

警官の血

2023-07-29 19:13:59 | 日記
2022年の韓国映画「警官の血」。

高い検挙率を誇る広域捜査隊の敏腕刑事パク・ガンユン(チョ・ジ
ヌン)が、警官殺害事件の黒幕として浮上した。警官だった父が殉
職した過去を持つ新人刑事チェ・ミンジェ(チェ・ウシク)は、ガン
ユンの内偵調査を命じられ、ガンユンと組んで動くことになる。ガ
ンユンとミンジェは新種の麻薬捜査に乗り出すが、その過程でガン
ユンは越えてはならない一線を越えてしまう。違法捜査を繰り返す
ガンユンの隣で正義とは何かを追い求めるミンジェは、警察内部の
秘密組織とその裏に隠された不正行為、そして父の死の真相に迫っ
ていく。

佐々木譲氏の小説を韓国で映画化したクライム・サスペンス。警察
組織の闇を描いた映画というのはどこの国でもよくあるが、おもし
ろかった。ある夜、1人の警官が殺害される。その黒幕として浮上
したのは、高い検挙率を誇る広域捜査隊(FBIみたいなものだろう
か?)のエース、パク・ガンユンだった。ガンユンは暴力団との噂
が絶えないが、敏腕刑事として実績を上げていた。ガンユンはいつ
も出どころ不明の莫大な後援金を受け、捜査に従事していた。
新人刑事のチェ・ミンジェは上司から警官殺害についてガンユンを
内偵調査するように言われる。ミンジェが「何故僕に?」と尋ねる
と、上司は「君のお父上は子供の頃に殉職しているね。君には警官
の血が流れている」と言う。しかしミンジェは父親から、「警官に
だけはなるな」と言われていたことがずっと気になっていた。そし
て実直で正義感の強いミンジェは先輩であるガンユンの内偵調査を
することが気が進まなかった。
登場人物が多いので多少混乱するが、わかりにくい物語ではない。
韓国映画お得意のキツい暴力描写も控え目。裏社会に精通しながら
違法捜査を繰り返し、犯人検挙のためなら何でもやるガンユンと、
曲がったことが許せず、規則第一主義のミンジェとの対比がおもし
ろかった。ガンユンの家にはハイブランドのスーツやネクタイなど
がたくさんあり、ミンジェは驚く。ガンユンはミンジェにも好きな
ものを選べ、捜査の時にはこういう恰好をしなければいけない、と
言う。
ミンジェはガンユンのやり方に戸惑いながら捜査を共にすることで、
警察内部の秘密組織やその裏に隠された不正行為、そして父親の殉
職の真相に辿り着いていく。「あーあれはやっぱりそうなんだ」と
わかりやすい部分もあれば、思いもよらなかった真相に行きつく部
分もある。キャストの演技がみんないい。どちらかと言うと香港映
画みたいで私は好みだった。チェ・ミンジェ役のチェ・ウシクは見
たことがある顔だなと思ったら、「パラサイト 半地下の家族」の
長男役の人だった。



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ベルの顔が大変なことに…(゚Д゚;)

2023-07-24 21:35:17 | 日記
ベルの顔が大変なことになってしまいました







右のほっぺに穴が空いてしまいました(※閲覧注意)









高齢猫には割とあることなのだそうです(ベルは今19歳です)。歯周
病や歯肉炎が悪化して化膿して、ほっぺの皮膚を破ってしまうのだ
とか。抗生剤の注射を打って頂き、様子を見るように言われました。
実は以前、当時18歳だった次女猫のななも同じようになりました。
↓なな





痛々しくてたまらないです…
少し出血も減ってきましたが、まだかさぶたは出来ていません。
ベル、早くよくなってね。ノエルも大好きなベル姉ちゃんのことを
心配しているよ

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バイオレント・ナイト

2023-07-19 21:51:52 | 日記
2022年のアメリカ映画「バイオレント・ナイト」。

物欲主義な子供たちに嫌気がさして久しく、何かと疲れ気味のサンタ
クロース(デヴィッド・ハーバー)は、それでも体に鞭を打ち、良い子
にプレゼントを届けるため、トナカイの引くソリに乗ってクリスマス
イブの空を駆け回っていた。とある富豪一家の豪邸に降り立ち、煙突
から中へ入ったサンタは、金庫にある3億ドルの現金を強奪しようと
邸内に潜入していた悪党のスクルージ(ジョン・レグイザモ)率いる強
盗団と鉢合わせしてしまう。見なかったことにしてその場を去ろうと
するも、すぐさま大騒動に発展。子供たちにプレゼントを届ける能力
はあっても戦闘能力はゼロのサンタが、武装集団を相手に孤軍奮闘す
る。

本物のサンタクロースが強盗団と戦うアクション・コメディ。そう聞
いただけでもおもしろそう。サンタクロースは休憩中にバーでビール
を飲みながら、近年の物欲主義の子供たちのことを憂いており、そろ
そろ引退するべきかと考えていた。もちろんバーにいる人たちには本
物のサンタだと思われるはずもなく、「アルバイト?」と声をかけら
れる。それでもサンタは良い子たちにプレゼントを配るため、トナカ
イのソリに乗って出発する。
ある女社長の豪邸でクリスマスパーティーが行われていたが、そこへ
武装集団が訪れ、一家を拘束する。目的は金庫に入っている3億ドル
の現金だ。何も知らないサンタはその豪邸の煙突から入るが、すぐに
強盗団と鉢合わせしてしまう。強盗団たちは「サンタの恰好をした奴
がいるぞ」と騒ぎ出し、サンタを殺そうとする。武器を持たないサン
タはクリスマスツリーのオーナメントなど、その辺にあるもので応戦
する。これがうまくいくのだからおもしろい。強盗団とサンタの戦い
はヒートアップしていく。
かなり人がたくさん死ぬし、結構グロテスクなシーンも多いのだが、
基本がコメディなので大したことはない(それでも一応R‐15指定であ
る)。サンタの奮闘と同時に、女社長の息子一家のことが描かれる。
息子と妻は別居しており、娘は両親が仲直りすることを望んでいる。
その娘がトランシーバーを使ってサンタと連絡をとり、悪党たちの撃
退に協力する。こういうところはアメリカ映画だな、と思う。そして
なんとサンタは元海賊だということがわかる。武器は持たずとも海賊
だった時の戦闘スキルを活かして戦うのだ。
サンタ版「ダイ・ハード」という感じでなかなかおもしろかったし、
強盗団の首領の名前がスクルージというのも笑えた。どうして海賊が
サンタになったのだろうか。女社長の息子一家に関しては、夫婦がど
うして仲直りをしたのかよくわからなかった。そんなきっかけってあ
っただろうか。サンタがトナカイの引くソリに乗って夜空を駆け回る
シーンは、幻想的で良かった。


ららぽーとの伊右衛門カフェでフルーツクリームあんみつを食べまし
た。おいしかったです

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アンナと過ごした4日間

2023-07-13 16:59:35 | 日記
2008年のポーランド・フランス合作映画「アンナと過ごした4日間」。

ポーランドの寂れた地方都市に住む中年男性のレオン(アルトゥール
・ステランコ)は、病院の火葬場で働きながら年老いた祖母と暮らし
ていた。ある日釣りに出かけたレオンは、看護婦のアンナ(キンガ・
プレイス)が何者かにレイプされているのを目撃してしまう。急いで
警察に通報するが、犯人だと誤解されて自分が捕まってしまう。やが
て釈放されるが、レオンはアンナに恋心を抱いてしまったため、自分
の家から見えるアンナの部屋を覗き見るようになる。やがてレオンは
アンナに睡眠薬を盛って彼女の部屋に忍び込む。

イエジー・スコリモフスキ監督によるサスペンスフルな人間ドラマ。
人間ドラマと言っていいものか、何ともジャンル分けがしにくい映画
である。祖母と暮らす孤独な中年男性・レオンは、病院の火葬場で働
いている。ある日釣りの帰りに雨宿りに入った小屋で、若い看護婦の
アンナが何者かにレイプされているのを目撃する。すぐに警察に通報
するが、犯人と間違われて自分が逮捕されてしまう。アンナに恋心を
抱いてしまったレオンは、自宅の向かいにある看護婦寮のアンナの部
屋を双眼鏡で覗き見るようになる。
アンナは私から見るとそんなに美人でもスタイルがいい訳でもない。
東欧の女性ってゴツい体型の人が多いように思う。それでも普段女性
に縁のないレオンはアンナを好きになる。最初は覗いているだけだっ
たが、次第にアンナの部屋に入りたいと思うようになるレオン。祖母
が服用している睡眠薬をつぶして粉にして、アンナの部屋の窓から侵
入して砂糖のビンに混ぜる。そしてアンナが寝入ってしまってから侵
入する。アンナの部屋に入ったレオンは、取れかけている服のボタン
を縫いつけたり、部屋を掃除したりと世話を焼いて笑える。
アンナの部屋で誕生パーティーが行われた時は、アンナが寝た後部屋
に入ってパーティーのごちそうの残りを食べ、「ごちそうさま」と言
う。レオンは変態といえば変態なのかもしれないが、そこにはアンナ
への純粋な愛がある。こういう方法でしか愛を表現できないのだろう。
やがてレオンは病院の火葬場が閉鎖されることになり、職を失ってし
まう。少ない退職金をもらい、次の仕事を探す。祖母が死んだ時、家
の前で雨に打たれながらアコーディオンを弾いているシーンがとても
悲しかった。
中年男性が好きになった若い女性の部屋を覗く、というと、パトリス
・ルコントの「仕立て屋の恋」を思い出す。あちらの主人公の方がか
わいそうだったが。本作は時系列が行ったり来たりして最初少しわか
りにくかったのだが、おもしろかった。ベッドの下に入られるのは嫌
だが。看護婦寮の前に高い壁ができているシーンは衝撃的だった。レ
オンはこれからまた孤独に生きていくのだろう。「仕立て屋の恋」の
主人公もレオンも、本来は害のない孤独なおじさんなのが悲しい。


良かったらこちらもどうぞ。イエジー・スコリモフスキ監督作品です。
エッセンシャル・キリング


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水曜日が消えた

2023-07-04 21:50:32 | 日記
2020年の日本映画「水曜日が消えた」。

小学生の時の交通事故が原因で、曜日ごとに7人の人格が入れ替わる
青年・斎藤数馬(中村倫也)は、思考や性格はバラバラだが、各曜日の
名前で呼び合いながら平穏な日々を過ごしていた。その中でも1番地
味な"火曜日"は、他の曜日から家の掃除、荷物の受け取り、通院とい
った面倒な用事を押しつけられていた。ある日の朝、目を覚ました火
曜日が水曜日がいなくなっていることに気づく。火曜日は、見慣れな
いテレビ番組などに戸惑いながらも水曜日を満喫するが、その日常は
次第に恐怖へと変わっていく。

多重人格をテーマにした異色のサスペンス。斎藤数馬は小学生の時の
交通事故の後遺症で曜日ごとの人格を持つようになる。1人暮らしだ
が、衣類や靴や食器などは7種類に分けられていた。それぞれの曜日
は他の曜日と話ができないため不便なこともあるが、生活の記録ノー
トや付箋にメモをして伝言を残し、意志の疎通を行っていた。ある朝
「火曜日の僕」が目を覚ますと、「水曜日」が消えていて、火曜日の
僕のままであることに気づく。火曜日の僕は本が好きなのだが、毎週
火曜日が図書館が休館のため、行くことができなかった。水曜日に起
きた火曜日の僕は、喜んで図書館へ出かける。
物語は「火曜日の僕」を中心に進行している。朝目覚めると隣に見知
らぬ女性が寝ていて、それは奔放な「月曜日」が連れ込んだのだが、
火曜日は女性を追い出し、「月曜日へ 女性を連れ込むな」と付箋に
書くといった具合。いつも目が覚めると1週間後になっていた火曜日
は、あらゆることが新鮮でたまらない。そして図書館で働く女性・瑞
野(深川麻衣)と惹かれ合うようになる。彼女は以前から水曜日のこと
を知っていたようで、火曜日は戸惑いながらも彼女と気持ちを通わせ
ていく。
数馬の家には一ノ瀬(石橋菜津美)という昔の同級生がよく遊びに来て
いて、彼女は全ての曜日と交流があるようだった。最初の方で彼女が
火曜日の恋人なのか女友達なのかわからなかったのだが、どうやら彼
女の方は火曜日が好きだけどそれを言っておらず、火曜日は彼女を友
達だと思っているように見えた。私はこの一ノ瀬の存在が何だかうっ
とうしく感じた。何故か自分でもよくわからないのだが「ウザい」と
いう感じ。やがて火曜日は木曜日も消えていることに気づく。
火曜日は自分がいなくなってしまうのではないだろうかという不安を
抱くようになる。いつも通院している病院へ行くが、もう16年も数
馬を診察してきた精神科医の安藤(きたろう)は数馬の変化に気づく。
そして安藤の助手の若い医師・新木(中島歩)は数馬を外科手術によっ
て治した方がいいのではないかと考える。私は精神病を扱った映画は
好きなのだが、この映画はあまり惹き込まれなかった。そんなに興味
を持てなかった。ラストがあっさりしていたのも残念な感じ。病気が
重くなっていって数馬の頭の中で7人の人格が混乱していくシーンは
良かったと思うが。中村倫也の演技はとても良かった。



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