猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

少林寺

2016-02-25 05:40:19 | 日記
1982年の中国・香港合作映画「少林寺」。
中国・隋朝の末期、東都(現:河南省洛陽市)に王将軍が暴政の限りを尽くして
いた。ある時1人の少年・小虎(シャオフー/リー・リンチェイ)が重傷を負いながら
少林寺まで逃げ延びる。少林寺の門前で力尽きた小虎は武僧らに介抱される。
小虎は捕らわれている仲間たちを助けようとして王将軍に返り討ちにあった父の
仇を討つために、仏門に入門し、少林寺の修行に励む。

リー・リンチェイ、後のジェット・リーのデビュー作である。ストーリーはありがち
だが、これはもうジェット・リーの美しくてかっこいい武術を見る映画。他にも本物
の武術家たちが出演しているらしく、アクションシーンは無茶苦茶迫力がある。
香港映画らしく(中国合作だけど)コミカルなシーンも多く、結構笑える。図らずも
死なせてしまった飼い犬を、いったんは埋めてやるものの、「もったいないな」と
言って掘り起こし、丸焼きにして食べてしまうところなんか、中国だな~と思った。
皆笑って食べていたけれど、私はこれは笑えない。日本では犬猫食べないから
ね…(-_-;)
とにかくジェット・リーのかっこよくて強いこと。ブルース・リーともジャッキー・チェ
ンとも違う、正統派中国武術。中国武術っていいなあ~。型が美しいんだよね。
少林寺の僧たちもすごく強い。私は強い男が好きだ。この映画の時のジェット・
リーは18~19歳くらいだろうか。顔もかわいい!(≧▽≦)



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殺されたミンジュ

2016-02-20 05:04:53 | 日記
韓国映画「殺されたミンジュ」を観にいった。
ある夜、女子高生ミンジュが男たちに無残に殺害された。1年後、ミンジュの
死の真相を執拗に追いかける謎の集団が、暗闇の中で不気味に動き始める。
謎の集団は、ミンジュ殺害に関わった7人の男たちを1人、また1人と誘拐して
「去年の5月9日を覚えているか」と拷問を加えながら問いただす。

キム・ギドク監督作品。私はこの人の作品を観るのは「嘆きのピエタ」以来2
作目なのだが、本当に凄い映画を作る人だと思う。「嘆きのピエタ」を観た時
は、こんな映画作る人いるんだ!と衝撃を受けたが、この「殺されたミンジュ」
も凄かった。ストーリーとしては「嘆きのピエタ」の方がおもしろかったが。
ある日突然殺された女子高生ミンジュだが、彼女の死は闇に葬られた。殺害
に関わったのは7人の男たち。そして1年後、復讐のためなのかよくわからな
いが、7人の男女のグループが加害者たちを1人ずつ拉致し、薄暗い部屋の
中で、1年前に自分がしたことを紙に書かせ、血判を押させる。向こうも7人、
こちらも7人。
もちろんただの復讐劇ではなく、謎のグループのメンバー1人1人の生活に
ついて掘り下げて描かれているのでおもしろい。この7人は、いわば社会の
底辺に暮らす人々だ。貧しく、仕事でも辛い目にあい、暴力を振るわれてい
る。彼らを駆り立てたものは何だったのか。ただの正義感や政治への不満
だけではない気がする。このグループに所属することで、自分もこの社会で
生きている、価値があるのだという思いを実感したかったのではないだろうか。
でも、ミンジュを殺した7人も、謎のグループ7人も、どちらも加害者であり被
害者でもある。人間とはあっさりと加害者、被害者になってしまう生き物だ。
キム・ギドク監督らしく"痛い"シーン満載の映画だが、ラストの問いかけは
重い。
ミンジュは漢字で書くと「民主」らしい。韓国では民主主義が崩壊しつつある
という(本当?)。だから冒頭で殺される女子高生は、その象徴だというキム
監督の言葉である。やっぱりこの人はただ者ではない。


良かったらこちらもどうぞ。キム・ギドク監督作品です。
鰐ーワニー
嘆きのピエタ




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龍三と七人の子分たち

2016-02-15 05:32:00 | 日記
2015年の日本映画「龍三と七人の子分たち」。
かつてヤクザの組長だった龍三(藤竜也)は息子・龍平(勝村政信)の元で隠居
生活を送っているが、龍平はヤクザの息子と白い眼で見られた過去から、父子の
仲はうまくいっておらず、龍三は家庭の中でも窮屈さを感じていた。連休に龍平が
妻の実家へ帰省、留守を預かる最中に詐欺集団・京浜連合からオレオレ詐欺の
電話がかかる。ひっかかりかけた龍三は、彼らの存在を知り、詐欺で人々を騙す
連中を成敗しようと、昔の仲間を呼び寄せて世直しに立ち上がる。

北野武監督のアクション・コメディ映画。愉快痛快、スカッとおもしろかった。何も
考えずに安心して観られるのがいい。藤竜也を初め、七人の子分たちは近藤正臣、
中尾彬、小野寺昭などそうそうたるメンバー。みんな年を取ったなあ。安田顕をリ
ーダーとした京浜連合がオレオレ詐欺などの詐欺行為をしていると知った龍三は、
昔の仲間を集めて「一龍会」を作り、若い奴らに好き勝手にはさせないと、成敗に
乗り出す。
テンポがいいし、とにかくセリフがおもしろい。ツービートのコントみたいで単純に
笑える。私が1番好きなセリフは、序盤の龍三のメダルの話をしている時のセリフ。
最高におかしい。8人の俳優陣の演技はさすが。こんなにもじいさん達が活躍する
映画って他にあっただろうか。龍三と龍平の会話もいい。子供の頃から龍三にさ
んざん迷惑をかけられてきた龍平の態度は冷たいが、龍三は何も言えない。
笑える中にも高齢化社会への問題をさりげなく投げかけていたりして、シニカル
でもある。こういうところはさすが北野武だなあ~、と思う。終盤はアメリカ映画
みたいにバスが暴走し、街中の物を壊していくという展開になるが、それでもた
だのアクション・コメディでは終わらない。ラストの龍三のセリフと物悲しいエンディ
ングの曲で、映画全体を締めるのである。
主要キャスト8人をじいさんにするなんて、たけしにしか思いつかないだろうな~。



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ブラック・スキャンダル

2016-02-11 03:19:48 | 日記
アメリカ映画「ブラック・スキャンダル」を観にいった。
1975年、サウス・ボストン。アイルランド系移民が多く住むこの地域を、人々は
"サウシー"と呼ぶ。ここでウィンターヒル・ギャングを率いるジェームズ・バルジ
ャー(ジョニー・デップ)は、北ボストンのイタリア系マフィア、アンジェロ・ファミリー
と抗争を繰り広げていた。数年ぶりにサウシーへ戻ってきたFBI捜査官のジョン・
コノリー(ジョエル・エドガートン)は、マフィア浄化に取り組む組織でのし上がる
ため、バルジャーに「FBIにマフィアの情報を売らないか?」と話を持ちかける。
実はコノリーとバルジャー、そしてバルジャーの弟でマサチューセッツ州上院
議員のビリー(ベネディクト・カンバーバッチ)はサウシーで育った幼なじみだった。

ジョニー・デップ史上最凶の男。おもしろかった~ジョニー怖かったあ!特殊メ
イクのせいもあるだろうけど、ジェームズ・バルジャーに成りきっていた。ウィン
ターヒル・ギャングを仕切り、恐れられる一方で、生まれた街では皆が彼を好き
だった。冷酷で残忍で裏切り者は決して許さないが、恋人と息子を愛し、母を愛し、
弟と幼なじみのコノリーとの絆は強かった。3人はギャング、有力政治家、FBI、
という全く違う道に進んだが、お互いに誰も裏切るようなことはしなかった。この
辺りもこの映画の見どころの1つではないだろうか。単なる実在のギャングの映
画というだけでなく、人間ドラマの側面もある。
若い時は小悪党に過ぎなかったバルジャーは、コノリーとの協定のおかげで
法から逃げ続け、ボストン犯罪社会の頂点に上り詰める。コノリーもFBIでの
地位を固めていく。しかしバルジャーは6歳の息子を失い、母も他界したことで、
彼の狂気は歯止めが利かなくなくなっていく。
ビリー役はベネディクト・カンバーバッチでなくても良かったのではないかと思う。
わざわざベネディクトを起用した割りにはあまり役が光ってないし。あと本当に
どうでもいいことだが、コノリーの妻役の女優がすごく肌が汚くて、こんな人が
女優になれるんだ?とびっくりした。活躍しているらしいし。どうでもいいけど。
凶暴で残忍なバルジャーだが、タバコを吸わない、麻薬もやらない、野良猫を
かわいがるといった意外な一面も持っていたようだ。
ジョニーかっこよかった!



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リベンジ・オブ・ザ・グリーン・ドラゴン

2016-02-08 03:31:59 | 日記
2014年のアメリカ・香港合作映画「リベンジ・オブ・ザ・グリーン・ドラゴン」。
1983年、アメリカ・ニューヨークのクイーンズに中国からの不法移民として
流れ着いた少年サニーは、同い年のスティーブンと親しくなり、劣悪な環境
の中で日々を過ごす。ある日、地元で勢力を誇る犯罪組織"グリーン・ドラ
ゴン"に引き抜かれた2人は、白人の国で成り上がるにはギャングになるし
かないと教えられ、ギャングとしての生き方や流儀を学び、銃の扱いや殺し
のルールも覚えていく。

アンドリュー・ラウ監督、マーティン・スコセッシ製作総指揮作品。暗くて色々
考えさせられる映画だった。実話を基にしているらしい。これが実話だった
ら本当に怖くて悲惨な現実だ。日本でも中国からの不法入国者が問題に
なるが、アメリカも同じなんだなあ。豊かな生活を求めてアメリカに不法入
国する者たち。だが身分保障がないからロクな仕事に就けず、子供たちも
学校で他の中国人グループにいじめられる。それに子供でも朝から働か
され、通学もままならない。そんな生活の中でサニーとスティーブンは犯罪
組織に入ってしまう。成長して、いっぱしのギャングになっていく2人。
グリーン・ドラゴンが決めている殺しのルールの1つに、「白人を殺さない」
というのがある。白人を殺すと警察が動き、自分たちの首が絞められるこ
とになるからだ。有色人種が殺されても、真剣に捜査しないということか。
日本人である私はそのルールを聞いて悲しくなった。そういうルールを決
めないと、有色人種のギャングはやっていけないんだなあ。もちろんギャ
ングの存在を認めている訳ではない。
ラストは悲しい。ネットでこの映画のレビューを読んでいたら、「タイトルが
意味わからない」と書いている人がいて、は?と思った。原題も同じだし、
タイトルそのままのストーリーなのに。こっちが意味わからん。



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