猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

アレックス

2024-07-13 21:24:43 | 日記
2002年のフランス映画「アレックス」。

ある男を捜してゲイクラブへ押し入る2人組。彼らは男を見つけ
出すと凄惨な暴力を加える。発端はあるパーティーの夜。マルキ
ュス(ヴァンサン・カッセル)は会場に残り婚約者アレックス(モ
ニカ・ベルッチ)を1人で帰してしまう。その直後、アレックス
はレイプに遭い、激しい暴行を受けてしまう。自責の念に駆られ
るマルキュス。彼は友人でアレックスの元恋人のピエール(アル
ベール・デュポンテル)と共に犯人捜しを開始する。やがて、テ
ニア(ジョー・プレスティア)という男に行き着く。

ギャスパー・ノエ監督作品。物語はシンプルで、婚約者をレイプ
された男が犯人を見つけ出し、復讐するというもの。しかし演出
が変わっていて、エンドロールから始まり、時系列とは逆にさか
のぼっていく。あるパーティーの夜、婚約者のアレックスを1人
で帰しレイプされてしまったマルキュスは、怒りと自責の念のあ
まり、「サツより先に犯人を見つけてやる」と息巻く。彼を落ち
着かせるために友人でアレックスの元恋人のピエールが同行する。
アレックスを襲ったのはゲイの男だとわかり、2人はゲイクラブ
やゲイバーを回り、テニアという名の男に行き着く。そしてマル
キュスはテニアに激しい暴行を加える。
場面が変わって地下道をアレックスが歩いていると、変な男に因
縁をつけられ、レイプされる。この地下道が赤く、印象的だ。そ
れにしてもゲイの男がどうして女性をレイプしたのだろう。本人
も「いつもは女とはやらないんだ」と言っていた。場面が変わっ
てパーティー会場で、アレックスとマルキュスがちょっとした言
い合いになり、アレックスは1人で帰ると言い出す。このように
映画の進行と時系列が逆なのだ。
けれども特に観にくくはない。アレックスのレイプシーンは本当
に凄惨。モニカ・ベルッチもよくあの役を引き受けたと思う。ヴ
ァンサン・カッセルもだが、この映画の当時2人はまだ結婚して
いた。あんなバイオレンス描写満載の映画によく夫婦揃って出演
しようと思ったものだ。9分間にわたるレイプシーンは賛否両論
あったそうだ。それはそうだろう。本当に目を覆いたくなるよう
なシーンだ。その後のシーン(時系列では前)でアレックスは妊娠
を喜んでいたが、あんなにひどい暴力を受けたらお腹の子はもう
ダメだろう。実際にアレックスは出血していた。
ギャスパー・ノエ監督の映画を観たのはまだ3作目だが、変わっ
た映画をつくる人という印象だ。この映画はもう1度観ようとい
う気にはならないが、この人の映画はもっと観てみたいと思う。


良かったらこちらもどうぞ。ギャスパー・ノエ監督作品です。
ルクス・エテルナ 永遠の光
VORTEX ヴォルテックス


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