猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

悪魔のシスター

2017-05-31 03:08:36 | 日記
1972年のアメリカ映画「悪魔のシスター」。
美しいモデルのダニエル(マーゴット・キダー)と一夜を過ごした男性が何者かに殺される。
その現場を向かいのマンションから目撃した記者グレース(ジェニファー・ソルト)は警察
へ通報するが、刑事と一緒にダニエルの部屋へ入った時殺人の痕跡が何もないことにグレ
ースは驚く。被害者の姿もなく、白昼夢だと言って警察に信じてもらえなかったグレース
は、探偵のジョセフ(チャールズ・ダーニング)と共に事件の真相究明へ乗り出す。

ブライアン・デ・パルマ監督が若い頃のサイコ・サスペンス映画。うーん、期待していた
のだけど、それ程おもしろくなかったかなあ。不気味ではあったけど…。モデルのダニエ
ルとテレビ番組で共演し意気投合した男性は、食事をしている時ダニエルが見知らぬ中年
男性と口論になり、それがダニエルの離婚した夫であると知る。別れたのにしつこく付き
まとわれているのだと言う。誘われてダニエルの部屋へ行った男性は、彼女と一夜を共に
する。翌朝、男性はダニエルが女性と話している声を聞くが、その姿は見えない。ダニエ
ルは「双子の妹が来ている」と言う。「今日は私たちの誕生日」だとも。
その男性が何者かに殺されるのを向かいのマンションから記者のグレースが目撃する。し
かし警察が到着した時には男性の死体はなく、部屋に血痕もなく、もちろんダニエルは何
も知らないと言う。証拠がない上に日頃から警察を批判する記事を書いているグレースは
信じてもらえない。納得できず記者魂に火がついたグレースは探偵と共に事件を調べ始め
るが、次第にダニエル、そしてダニエルの元夫の秘密が明らかになっていく。
割と想像がつきやすい物語だと思う。それはそれでいいのだが、ちょっと退屈というかテ
ンポが悪い。血の色も真っ赤で赤絵具なのが丸わかりで、リアルさがない。昔の映画って
こんなふうだったんだな~と思った。古い映画は好きだが、この映画は突っ込みどころが
多く何だか説得力がない感じ。殺された男性が買ってきたバースデーケーキをグレースが
見つけるが、転んで刑事の足元にぶちまけるシーンはもう…ダニエルともう1人がいたと
いう証拠のケーキなのに、運ばずに台所に刑事を呼べばいいのに。あれにはイラッとした。
グレースは記者なのに愚かすぎ。
後半はどんどん不気味さを増していく。ちょっとデヴィッド・リンチっぽさも感じる。事
件に深入りしたために不条理な罠にはめられていくグレース。確かに殺人を目撃したのに
信じてもらえなかったら無理もないことなのかもしれないが、この人本当に色々とマヌケ
である。マーゴット・キダ―は顔がどうも苦手である。特に口元が神経質そうで。決して
美しいというタイプではないと思うが、映画の雰囲気には合っていたのかもしれない。




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苦手な家事は?

2017-05-27 02:00:46 | 日記
お題に参加しております。
苦手な家事…というより嫌いな家事になると思いますが、「掃除」ですね。片付けるのは
好きというか、物が乱雑に出ているのがイヤなので整理整頓はよくします。むしろ何でも
きちんと並んでいないとイラッとします。でも掃除となるとまた別なんですよね。元来体
を動かすのが大っ嫌いですから。
好きなのは洗濯です。1番成果が目に見えてわかる家事だと思います。お天気のいい日に
ベランダで洗濯物を干すのも好き(習慣で夜洗濯をして干しますが)、取り込んで畳むのも
好き。きちきち畳みます🎵洗濯物を外に干して乾かすのはアジア(だけではないでしょう
けど)ならではらしいですね。
あっ、でも「アイロンがけ」は嫌いです!アイロンがけなんてしません、面倒くさいです。
アイロンを掛けないと着られないような服はまず買いません。シャツなんか形態安定加工
の物しか買いませんよっ!(`Д´)ノ




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アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち

2017-05-24 19:58:51 | 日記
2015年のイギリス映画「アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち」。
1961年、元ナチス親衛隊将校アドルフ・アイヒマンの裁判が開廷された。生存者たちが
ナチス戦犯の前で語る証言は、ホロコーストの実態を明らかにする絶好の機会となる。
ナチスがユダヤ人にしたことを全世界に知らしめるため、TVプロデューサーのミルトン
・フルックマン(マーティン・フリーマン)とドキュメンタリー監督のレオ・フルヴィッツ
(アンソニー・ラパーリア)はこの世紀の裁判を撮影し、その映像を世界へ届けるという
一大プロジェクトを計画する。世界初となるTVイベントの実現のため制作チームは撮影
の準備を進めるが、様々な困難が立ちはだかる。

元ナチス親衛隊将校で、多くのユダヤ人を強制収容所に送り込んだアドルフ・アイヒマ
ンの裁判を撮影し、世界中に配信したTVマンたちを描いた実話である。こんなことがあ
ったなんて知らなかったなあ。日本でもこの裁判は放送されたのだろうか。
アイヒマンは戦後アルゼンチンで逃亡生活を送っていたが、1960年に捕らえられ、収監
される。イスラエルの執念の追跡が実を結んだのである。ホロコーストの生存者たちが
証言しても、強制収容所の映像が流れても、アイヒマンは涼しい顔をしているのが怖い。
本当に普通の人だったらしいのだが、何故普通の人がこんな残虐行為を平気で行うよう
になるのだろう。「命令に従っただけ」と言うアイヒマン。時代が人を狂わせるのだろ
うか。誰でも彼のようになる可能性があるのかもしれない。そう思いたくはないが。
「強制収容所はなかった」「ユダヤ人は追放されたが虐殺はされていない」と主張する
人々がいるが、多くの映像が残されているのにどうしてそう思うのかわからない。そう
いうことにしたいのだろうか?ホロコーストはでっちあげということにしたい程ユダヤ
人が嫌いなのか。ガス室はただのシャワー室だったなんて平気で言える人たちが理解で
きない。
プロデューサーのフルックマンたちは権力に押しつぶされそうになりながら、裁判の撮
影と映像の配信にこぎつけるのだが、彼らの姿は本当に感動的。フルックマンが「脅し
には負けない」と力強く言うシーンは特に印象に残った。

ホロコーストに関心がある方には是非こちらも観て頂きたいと思う。実際の映像とナレ
ーションだけの31分のドキュメンタリー映画である。アラン・レネ監督作品。
夜と霧




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無限の住人

2017-05-20 03:13:55 | 日記
日本映画「無限の住人」を観にいった。
百人斬りの伝説を持つ男、万次(木村拓哉)は、妹・町(杉咲花)を賞金稼ぎの男・司戸菱安
(金子賢)に殺されて生きる意味を失った時、謎の老婆・八百比丘尼(山本陽子)に無限の命
を与えられ、傷が勝手に再生する不死身の体になってしまう。それから50年後、1人で永
遠を生きる万次の元に浅野凜(杉咲花・2役)という少女が現れる。2年前に無天一流の師範
代だった父を殺され、仇討ちを誓った凜は、八百比丘尼に教えられた「絶対にくたばらな
い男」である万次を探し当てたのだった。父を殺した逸刀流統主の天津影久(福士蒼汰)と
彼が率いる剣士たちに敵討ちをするため、助っ人を頼みたいと頭を下げる凜に妹の面影を
見た万次は、無限の命を彼女の用心棒として使うと決める。

漫画を実写化したエンターテインメント作品。すごくおもしろかった。評価が今ひとつな
のは原作に思い入れがある人が多いせいか。私は原作を読んでいないためかとても楽しめ
た。読んでいても充分におもしろそうだけど。ストーリーもおもしろいが、とにかくアク
ションシーンが見事だった。キャストも豪華。
侍である万次は、目の前で妹の町を賞金稼ぎの男に殺され、怒り狂って男とその手下を次
々に斬る。自らも瀕死の重傷を負うが、謎の老婆に血仙蟲を埋め込まれ、不死身の体にな
ってしまう。死にたくても死ねなくなった万次は、それからずっと孤独な時を生きていく
ことになる。映画のキャッチコピーが「不死身って、死ぬほどめんどくせえ」らしいが、
何となくわかる気がする。昔ある漫画で、不死身ではないが病気のために異常に長生きす
ることになってしまった男が、やはり1人で長い時を過ごし、「人間はいつか死ぬんだ。
死ななければ人間じゃないんだ」と泣きながら訴えるシーンを思い出した。
道場の娘である凜は逸刀流統主の天津影久とその仲間たちに父を殺され、母を連れ去られ、
彼らに復讐を誓うが、天津という男はただの悪役ではなく、悲しい過去を抱えている。そ
の、ただの「善対悪」の図式ではないところが良かったと思う。命の奪い合いに善も悪も
ないのかもしれない。
とにかく殺陣がすごかった。私は弓矢や刀(剣)が大好きなのだが、ラスト近くで万次と天
津が300人以上の幕府軍を相手に戦うシーンは、同じ三池崇史監督の「十三人の刺客」を
彷彿とさせる迫力だった。これだけでも観る価値はあるだろう。市原隼人のクズっぷりも
良かったし、戸田恵梨香も太ももを出しまくって頑張っていて、かっこよかった。主題歌
も良かった。DVDが出たらまた観たいが、これは映画館で観る映画だなあ~と思った。




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ドント・ブリーズ

2017-05-19 02:51:10 | 日記
2016年のアメリカ映画「ドント・ブリーズ」。
デトロイト。経済破綻しゴーストタウン化が進む街で、養育放棄の両親と共に暮らす
不良少女ロッキー(ジェーン・レヴィ)はいつの日か一緒にここから抜け出そうと妹に
約束していたが、そのために必要な逃走資金を得られる当てはなかった。ボーイフレ
ンドのマニー(ダニエル・ゾヴァット)から地下室に金庫を持っているらしい盲目の老
人宅への強盗を持ちかけられた彼女は、マニーと友人のアレックス(ディラン・ミネッ
ト)の3人で真夜中に老人(スティーブン・ラング)の家に押し入る。だがその老人は元
軍人であり、盲目でも超人的な聴覚を持ち、侵入者の殺害をも厭わない恐ろしい男だ
った。

悪霊ではなくとても怖い人間が出てくるスリラー映画である。若者3人が強盗目的で
盲目の老人の家に押し入るが、その老人はとんでもない男だったという物語。若者た
ちは相手は目が見えないから楽勝だろうと思って強盗に入るのだが、老人は超人的な
聴覚と勘を持ち、銃まで持っていたため、彼らは予想に反して苦戦を強いられること
となる。
この老人、イラク戦争で失明し、娘を交通事故で失い、1人暮らしをしている。境遇
はちょっと気の毒かもと思ったが、途中でとても気の毒とは思えない事情があること
がわかる(娘はかわいそうだが)。とにかくパワフルなじいさんで、侵入してきた若者
3人を相手に一歩も引かない戦いっぷりを見せる。おまけに頭も充分いかれているの
である。とは言え若者たちも強盗であるから全く同情する気にはならない。ロッキー
の家庭環境は悪く、幼い妹を連れて街を出ようと思うのはいいが、その資金のために
強盗って…働けよって感じ。街を出たいと願いつつも彼女は何もしていないのである。
若者たちもじいさんもどっちもどっちか。
密室サスペンスというのはやっぱりおもしろい。逃げ場がない状況で追い詰められる
恐怖、そして狂気。タイトルの「Don't Breathe」の意味は観ているうちにわかる。
ラストもええっという感じで、なかなかおもしろかった。




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