猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

サベイランス

2018-09-29 16:46:07 | 日記
2008年のアメリカ映画「サベイランス」。

米ニューメキシコ州サンタ・フェで発生した猟奇殺人事件の捜査のために、FBI
捜査官のエリザベス(ジュリア・オーモンド)とサム(ビル・プルマン)がやってく
る。2人は殺人現場に居合わせた3人の目撃者の事情聴取を始めるが、3人はそれ
ぞれ悲惨な経験をしており、保身のために嘘をつくため、証言は2転3転し食い違
いが生じてくる。

デヴィッド・リンチ製作総指揮、ジェニファー・リンチ監督・脚本と、変態親子
(?)ががっつりタッグを組んだサスペンス・ミステリー。と言っても決して変態
映画でもないし難解でもなかったのは娘が監督したためか。淡々と進行し、ちょ
っと眠たくなる感じはあるがそれなりにおもしろかった。
サンタ・フェの街で猟奇殺人事件が発生する。目撃者は同僚を殺され自らも負傷
した警察官、ボーイフレンドを目の前で殺されたコカイン中毒の女、家族を目の
前で殺された8歳の少女。3人からそれぞれ事情を聞くが、彼らの証言はどこかあ
いまいで一貫性がなく、捜査は難航する。
さすがリンチというか、事件の描写は凄惨。だがそんなに異常という感じではな
く、ミステリーとしては割と良くできているのでは、と思った。他の人のレビュ
ーを読むとオチがすぐにわかった人もいるようだが、私は鈍いのかわからなかっ
た。ラスト近くで「あ~」という感じ。違和感がない訳ではなかったのだが、真
相には結びつかなかった。結局1番賢かったのは8歳の少女ということか。デヴィ
ッド・リンチが監督をしたらまた違う雰囲気になっていたのかもしれないが、私
はなかなか好きなタイプの映画だった。




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ベルリン・シンドローム

2018-09-25 22:02:50 | 日記
2017年のオーストラリア映画「ベルリン・シンドローム」。

クレア(テリーサ・パーマー)はドイツを旅しているバックパッカーだが、ベルリンに
やってきたクレアはアンディ(マックス・リーメルト)と名乗る男性と出会った。アン
ディは英語が堪能な上に話がおもしろく、2人は恋に落ちた。クレアはその日アンディ
の部屋に泊まるが、翌朝目を覚ますとアンディはいなかった。クレアも外に出ようと
したがドアには鍵がかかっており、窓も二重窓になっていた。やがてクレアはアンデ
ィに監禁されたことがわかり、部屋からの脱出を試みる。

海外旅行先で知り合った男に監禁されてしまった女性の恐怖を描いたサスペンス。ク
レアはオーストラリアからドイツに旅行に来ていた。やがてベルリンでアンディとい
う英語が話せてフィーリングの合う男性と知り合う。一緒に食事をした後、クレアは
アンディの部屋に泊まり、ベッドを共にするのだが、いくらなんでも初対面の男の家
にその日のうちに泊まってはダメでしょう。あまりに軽率すぎる。だからクレアに対
して気の毒さを今一つ感じないのだ。翌朝目が覚めるとアンディは出かけた後で、ク
レアも出かけようとするがドアの鍵があかない。窓は二重窓になっており、大声を出
しても外へは聞こえず、割ることもできない。そしてアンディは夜になって花束を持
って帰宅するのだ。この男の異常さがよくわかるシーンである。
監禁は続き、クレアは憔悴していく。どうしたらこの部屋から出られるのか。男の異
常な言動に胸が悪くなる。そして終盤衝撃的なことがわかる。昔のイギリス映画の「
コレクター」に似ているが、「コレクター」の方がずっと気味が悪く後味も悪い。あ
ちらは気に入った女性を拉致してくるのだから。
ラストも「え、それでいいの?」という感じで、ちゃんと決着をつけなくていいのだ
ろうかと思った。まあこれはこれでいいのかもしれないけれど。旅先で知り合った男
の家にすぐに泊まったりしてはいけませんよ、という映画である。



ノエルの尻尾はいつもくるんと上に上がっていて、いつもお尻が丸出し。柴犬みたい。











なつっこい野良ちゃんたち。






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1987、ある闘いの真実

2018-09-22 21:28:48 | 日記
韓国映画「1987、ある闘いの真実」を観にいった。

1987年1月14日、ソウル大学の学生パク・ジョンチョル(ヨ・ジング)が、警察の
尋問中に死亡する。この頃の韓国では、軍事政権の圧政にあえぐ国民が、自由と
平等を約束する民主化を求めて、チョン・ドゥファン大統領への反発を募らせて
いた。なかでも学生による反政権デモが激化し、亡くなった学生はデモのリーダ
ーとの関係を疑われ南営洞警察で取り調べを受けていたのだ。報せを聞いたパク
所長(キム・ユンソク)は、部下に死体の火葬を命じる。「22歳が心臓麻痺?」と、
警察からの申請書類を見て不審に思うのは、ソウル地検公安部長のチェ検事(ハ・
ジョンウ)だ。今夜中に火葬する許可を迫るパク所長の部下に、チェ検事は法律
通り解剖で死因を解明するようにと言い渡す。状況から見て拷問による死だと睨
んだチェ検事は、上司から「パク所長に盾突いて生き残った奴はいない」と諭さ
れても、「後は俺が勝手にやりますよ」と腹を決めるのだった。

実話を基にした社会派ドラマ。とてもおもしろかった。1987年に韓国でこんなこ
とが起きていたなんて知らなかった。暗黒の時代だったんだなあ。軍事政権に国
民が反発しデモを起こしたりするのは多分どこの国でもあることだろう。日本だ
って軍国主義の時代はあった。そしてどこの国でも、市民の多大な犠牲を払って
改革を成し遂げてきたのだ。
ソウル大学の学生と言えば輝く未来を約束されているはずの身である。その学生
が警察の取り調べ中に死亡した。急いで火葬をしようとする警察。遺族の叫びは
涙を誘う。チェ検事は火葬の書類に判を押さず、解剖を命じ、パク所長と対立す
る。絶大な権力を持っているパク所長の脅しに臆することなくチェ検事は解剖さ
せ、拷問致死であると確信する。が、お決まりの隠蔽が行われ、記者たちに囲ま
れた解剖医はしどろもどろだ。チェ検事の後輩のリークにより新聞には「取り調
べ中の大学生ショック死」というスクープが載り、国民は騒然となる。
学生の遺族が海に遺灰を撒くシーンは本当に胸がつぶれそうになるくらい悲しい。
このソウル大学の学生パク・ジョンチョルと、終盤で催涙弾を頭に受け重体とな
る延世大学の学生イ・ハニョル(カン・ドンウォン)は実在の人物で、本物の写真
や映像が出てくる。当時のデモやデモ隊と警察との衝突がいかに激しいものだっ
たかがよくわかる。終盤のそのシーンは私は涙が出そうになった。俳優たちの演
技は素晴らしかったし、音楽も良かったし、これは本当にすごい映画だと思った。
歴史に興味がある人はきっとおもしろいと思う。




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寝ても覚めても

2018-09-18 21:20:39 | 日記
日本映画「寝ても覚めても」を観にいった。

大阪で暮らす朝子(唐田えりか)は友人の遠縁である鳥居麦(ばく
/東出昌大)と知り合い、運命的な恋に落ちる。しかし麦に夢中
だったある日、麦は突然朝子の前から姿を消してしまう。2年後
朝子は東京の喫茶店で働いていたが、職場のすぐ近くの会社に
勤める丸子亮平(東出昌大2役)と出会うが、彼が麦に顔がそっく
りであることに驚く。どちらともなく惹かれていった2人は付き
合うようになるが、朝子は亮平に麦のことは打ち明けられずに
いた。 5年後亮平と朝子は共に暮らし、友人にも恵まれ、平穏
だけど満たされた日々を過ごしていた。ある時朝子は、麦が人
気モデルとなり注目されていることを知りショックを受ける。

柴崎友香氏の小説の映画化。何というか、全体的にフランス映
画みたいな雰囲気だった。感想は様々だと思う。だが朝子にイ
ライラする人は多いのではないだろうか。私もその1人だが。朝
子が亮平に出会った時ひどく驚いたのはわかる。ふらっといな
くなってしまったかつての恋人に瓜二つだったのだから。でも
だからといって朝子の態度はおかしすぎる。亮平が不審に思う
のも無理はない。「あなたにそっくりな人を知っていてびっく
りしたんです」くらい言えばいいのに。
やがて亮平は朝子に惹かれていき、朝子も顔が麦そっくりとい
うきっかけではあるものの、麦とは全く違う実直な亮平に惹か
れていく。それからは麦と付き合っていた頃とは違う、平和な
毎日が朝子に訪れる。麦が人気芸能人になっていることを知る
までは。
この映画は東出昌大の代表作になると言えるのではないだろう
か。放浪癖があり掴みどころのない麦と、誠実で真面目なサラ
リーマンの亮平を見事に演じ分けている。亮平の痛いような感
情がこちらにも伝わってくる。
ラストではこれからどうなるのかがはっきりと描かれていない
が、これも観る人によって解釈が分かれるところだろう。そし
てそれでいいのかどうかも。何だか江國香織氏の世界みたいだ
なー、と思った。痛々しくひりひりするような物語だったが、
私は好きである。




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銀魂2 掟は破るためにこそある

2018-09-14 16:12:29 | 日記
日本映画「銀魂2 掟は破るためにこそある」を観にいった。

時は幕末、地球人と宇宙からやってきた天人(あまんと)が共に
暮らす江戸・かぶき町。便利屋「万事屋銀ちゃん」を営む坂田
銀時(小栗旬)は仕事の依頼もなく、家賃を滞納しているため、
従業員の志村新八(菅田将暉)に促され、しぶしぶバイトを探す
ことに。ある日、新八の姉・妙(長澤まさみ)が働くキャバクラ
を訪れると、人手不足で困っていた店長(佐藤二朗)から、幕府
のお偉いさんの接待を依頼され、何故かキャバ嬢のバイトを始
める銀時と新八と神楽(橋本環奈)。しかし、その上客とは、警
察庁長官・松平片栗虎(堤真一)と共に現れた江戸の最高権力者、
将軍・徳川茂茂(勝地涼)だった。

前作に引き続き、痛快な時代劇コメディだった。とにかく笑っ
た。映画館中爆笑である。基本的にやる気がなくだらけた生活
を送っている銀時だが、新八にバイトしましょうと言われて成
り行きでキャバ嬢をやることに。神楽はいいが銀時と新八はも
ちろん女装である。現れたのは将軍で、銀時たちは思い切り緊
張する。このキャバクラのエピソードがおかしくてたまらない。
勝地涼、全裸で頑張ったなあ。
今回物語の中心となるのは、真選組を乗っ取るため、局長・近
藤勲(中村勘九郎)の暗殺を企てている、伊東鴨太郎(三浦春馬)
の話。そして「真選組の頭脳」と言われ、鬼の副長と恐れられ
る土方十四郎(柳楽優弥)が首に謎のチップを埋め込まれ、ヘタ
レなアキバ系オタクのトッシーになってしまう話である。この
2つの話が同時進行していく。この土方がオタクになってしま
うエピソードがおかしくてたまらない。もうこんな格好の人い
ないんじゃないのと思うような典型的なオタク姿なのである。
そしていつもは鬼なのにヘタレ。笑える笑える。
前回と同じでギャグが満載なのだが、伊東鴨太郎の生い立ちは
悲しく、少しホロリとする。子供は親にあんなふうに扱われた
ら歪んだ方向へ行ってしまうものだろう。私は原作を読んでい
ないが、原作でもギャグとシリアスが交互に描かれているらし
い。
キャストは皆とても良かった。楽しい現場だったのではないか
と思わせられる映画だった。




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