猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

胸騒ぎ

2024-06-03 21:16:19 | 日記
2022年のデンマーク・オランダ合作映画「胸騒ぎ」を観に行った。

休暇でイタリアへ旅行に出かけたデンマーク人の夫妻ビャアン(モ
ルテン・ブリアン)とルイーセ(スィセル・スィーム・コク)、娘の
アウネス(リーバ・フォシュベリ)は、そこで出会ったオランダ人の
夫妻パトリック(フェジャ・ファン・フェット)とカリン(カリーナ
・スムルダース)、息子のアーベル(マリウス・ダムスレフ)と意気
投合する。数週間後、パトリック夫妻から招待状を受け取ったビャ
アンは、妻子を連れて人里離れた彼らの家を訪問する。再会を喜び
合ったのも束の間、会話を交わすうちに些細な誤解や違和感が生じ
始め、徐々に溝が深まっていく。彼らの「おもてなし」に居心地の
悪さと気味の悪さを感じるが、ビャアンとルイーセは週末まで耐え
ようと考える。

ある善良な家族を襲う悪夢のような週末を描いたサスペンス・ホラ
ー。とても怖い映画だった。デンマーク人夫婦のビャアンとルイー
セ、娘のアウネスは、イタリア旅行でオランダ人夫婦のパトリック、
カリン、息子のアーベルと仲良くなる。帰宅後、ビャアンたちはパ
トリックたちから週末遊びに来ないかという手紙を受け取る。オラ
ンダは遠いため迷うが、車で出かけることにする。欧米人はフレン
ドリーなんだな、と思う。私なら旅先で出会った人の家に遊びに行
こうとは思わない。
オランダのパトリックとカリン夫婦の家へ辿り着き、2組の夫婦は
再会を喜び合う。デンマーク土産も喜んでもらえた。しかし一緒に
時間を過ごすにつれ、ビャアンとルイーセは小さな違和感を抱くよ
うになる。ルイーセがベジタリアンだと知っているのにいきなり肉
料理が出てきたり、夜レストランに行くのに子供たちはシッターに
任せて置いて行ったり。それぞれの夫婦の考え方が違うと言ってし
まえばそれまでなのだが。
アーベルは先天的に舌がなく、ほとんどしゃべれない。それでもア
ウネスとアーベルは仲良くなる。2人が一緒に踊ると言うので皆で
見ていたが、アーベルは踊りがヘタで何度も間違える。ビャアンと
ルイーセは特に気にせず見ていたが、パトリックはアーベルに何度
も何度もやり直させ、アーベルが泣いても許さないという様子に、
ビャアンは怒る。こんなふうにパトリックとカリンはどこかおかし
いのだ。不信感を抱いたビャアンとルイーセは週末を待たずに帰る
ことにする。
一連の流れで、ビャアンとルイーセは何度も方向を間違えている気
がする。そっちを選ばなければ良かったのに、と思うことが多い。
そしてビャアンが頼りなさすぎる。彼の出方次第では違う結末もあ
ったのではないだろうか、と思ってしまう。非常に理不尽な物語な
のだが、ビャアンとルイーセに感情移入できないので、あまり同情
する気になれないというか。ビャアンはパトリックたちの大変な秘
密を知ったのに、どうしてそれをルイーセに言わないのか?そして
大急ぎで脱出すれば良かったものを。頼りなさすぎる。そうなるよ
ねえ、という方向に行ってしまうのも仕方ない気がする。ともかく
理不尽で怖い映画だった。後味の悪い映画が苦手な人にはお勧めし
ない。



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2 コメント

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旅行で会っただけでお呼ばれ… (ウラジーミル・アスポン)
2024-06-08 01:00:35
デンマークのビャアン/ルイーセ夫妻は、
旅行で会っただけなら、そう親しいとは言えないのに
オランダのパトリック/カリン夫婦の家まで遊びに行くのは確かに驚きますね。
何やらフレンドリーですね。

デンマークとオランダは遠そうですね。

ルイーセがベジタリアンな事実を知りつつ、カリンはいきなり肉料理を出したのですね。
ベジタリアンの方が少数派なので特殊な嗜好に合わせてはいられないにしても、
もろ肉料理を出すのは驚きです。
日本よりも欧州の方がベジタリアンに配慮する傾向だと聞いた記憶なのです。

オランダのパトリック/カリン夫婦は、夜レストランに行くのに子供たちはシッターに任せて置いていくんですね。
でも、シッターに任せているなら、子供だけで留守番させているわけではないので、
オランダのパトリック/カリン夫婦はそんなにおかしくないです。
これは、デンマーク人のビャアン/ルイーセ夫妻との考え方の違い程度ですよね。


パトリック/カリン夫婦の子、アーベルは先天的に舌が無いとは驚きです。
ビャアン/ルイーセ夫妻の娘のアウネスは、会話がろくに成り立たなくても、アーベルと仲良くなったんですね。
アーベルとアウネスの2人がダンスをする場面では、
アーベルは踊りがヘタッピで何度も間違えるので、父親のパトリックは執拗に何度もやり直させるのがビックリです。
ダンスなんてできなくても、どっちでもいいのに、子供が鳴いても何度もやりなおさせるとは虐待ですね。

この様子に不信感を抱いたビャアン/ルイーセ夫妻は予定より早く帰る事にしたんですね。
でも、帰ろうと思ってもひきとめられて大変な目に遭うんですかね??
デンマークのビャアン/ルイーセ夫妻はもっと早くに帰る事にしていれば良かったのでしょうか…。
ビャアンはパトリック達夫妻のヤバい秘密を知ったのに、それをルイーセに言わなかったのですね。
せっかくの週末を台無しにしたくないし、いいムードのまま終わりたくて、
妻に内緒にしていたのでしょうか?
大急ぎで脱出できなかったのも、事を荒立てて、週末を台無しにしたくない気持ちからでしょうか…。
返信する
Unknown (杏子)
2024-06-08 15:58:35
>ウラジーミル・アスポンさん
コメントありがとうございます。旅先で仲良くなっただけで家に遊びに行こうとは
私なら思いませんね。それほど会いたいとも思わないし…
この時行くことを決めた時から、ビャアン一家の運命は決まっていたのかもしれません。

ベジタリアンと知ってて肉料理を出されたり、レストランには当然みんなで行くと思ってたのに
子供たちは連れていかなかったり、
レストランでパトリック・カリン夫妻がすごく体を密着させて踊るので
目のやり場に困ったり、違和感が少しずつ重なっていきます。
極めつけはアーベルが泣いているのに何度もダンスの練習をさせて、
ビャアンは「やめろ!」と怒ります。

この辺りから何かこの夫婦変…と思い始めます。
ビャアンたちは2回帰ろうとするんですよね。
でも1回目は引き止められて戻って。
2回目はビャアンがパトリックたちの秘密を知って、大急ぎで帰ろうとします。
秘密をルイーセに言わなかったのは、恐ろしくて言ってる時間がないと思ったのかもしれません。

でも2回目は車にトラブルが起きるんです。洋画のホラーあるあるですね。
とにかく不条理で怖い映画でした。
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