猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

イントルーダー 侵入者

2015-04-30 03:52:25 | 日記
1999年のイギリス・カナダ合作映画「イントルーダー 侵入者」。
キャサリン(シャルロット・ゲンズブール)は愛する夫と暮らしていたが、2年前に殺害された
彼の前妻の影に支配されていた。夫は、前妻のことや過去については多くを語らず、同じ
建物の別フロアに住む住人たちとの付き合いから、キャサリンは自分が知らなかったことを
少しずつ感じ取るようになる。グラスについた口紅、ブラシの髪の毛、他人が侵入した形跡
を見つけたキャサリンは、やがて精神的に追い詰められていく。

家の中で奇妙なことが起きているのに、夫は信じてくれない。結構あるパターンである。
しかし本作はサスペンス?と思って観ていたら、いやオカルト?となり、結局はまさかの
SFという、ちょっと変わった映画である。
キャサリンの夫の前妻は2年前に殺害され、犯人は未だに捕まっていない。幸せに暮らし
ていたキャサリンだが、何者かが自宅に侵入している痕跡を見つける。が、夫は取り合って
くれない。やがて前妻の日記を見つける。それは夫も存在を知らないものだった。そして
その日記から、恐ろしいことがわかるのである。
怪しい人が何人が登場して、サスペンス風味を醸し出している。でも、結局すごく怪しかっ
た管理人のおじさんや、夫の前妻の双子の妹は何だったのか、という感じ。なんというか
いろんな面で中途半端。せっかくナスターシャ・キンスキーというスターが共演しているの
に、あまり活躍の場がなかったし。おもしろいのかおもしろくないのか、よくわからない映画
だった。
それと、シャルロットの顔にキャサリンという名前は似合わない。フランスから来たという
設定になっているのだから、普通にフランス名でいいのに、とそれも気になった。



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ヒート

2015-04-26 06:26:56 | 日記
1995年のアメリカ映画「ヒート」。
ニール・マッコリ―(ロバート・デ・ニーロ)率いるギャング集団は、周到に練られた完璧な
作戦で、現金輸送車を襲い、有価証券を奪う。捜査にあたるロス市警のヴィンセント・ハナ
(アル・パチーノ)は、少ない手掛かりから次第にニールたちの犯行と突き止め、執拗な
追跡を開始する。

ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノの共演と演技を観るための映画。評価は高いようだが、
ストーリーはそれほどおもしろいとは思わなかった。だが主演2人のかっこよさ、個性的な
登場人物たち、アクションものにしては哀愁漂う雰囲気で、長時間だが退屈せずに鑑賞
できた。
主要メンバーの家庭事情が描かれているのもいいと思った。ヴィンセントは仕事中毒で、
妻とその連れ子との関係が悪くなってきている。ニールには家庭はないが、知り合った
女性を愛するようになり、次の仕事を最後に堅気の暮らしをすることを決意する。ニールの
仲間のクリス(ヴァル・キルマー)は妻を愛しているが、夫の裏の仕事に不満を抱いている
妻とうまくいっていない。これらの描写が、ただの犯罪映画とは違い、人間ドラマの側面も
表現している。
ロサンゼルス市街での銃撃戦のシーンは迫力があって凄い。時間も長いし、この映画の
見どころでもあるだろう。
刑事と犯罪者、追う者と追われる者でありながら、ヴィンセントとニールの間には友情に
似た感覚がある。この2人がとても渋くて見惚れてしまう。かっこいい映画である。ラストも
良かった。
1つだけ、ヴィンセントが妻とよりを戻すのか、それがよくわからなくて気になった。

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「アルジャーノンに花束を」のドラマが放送されているが、何故ドラマでやるのか。10数年
前にもドラマ化されていたが、観るに堪えなかった(勿論今回のは観ていない)。大体アメ
リカの小説の舞台を日本に置きかえて映像化するのは無理があるだろう。しかもあんな
感動的な小説があちこち変えられて、台無しである。悲しい物語なのに、前回のはハッピー
エンドに変更されていて、「はああ!?」と思った。今回のドラマの結末がどうなるのか知ら
ないが、くだらないドラマなんか観ていないで、是非原作を読んで欲しい、と思う。



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太陽がいっぱい

2015-04-25 03:47:42 | 日記
1960年のフランス・イタリア合作映画「太陽がいっぱい」。
トム(アラン・ドロン)は悪友フィリップ(モーリス・ロネ)を彼の父親から謝礼金5000ドルで
雇われて、アメリカから連れ戻しにきた。放蕩息子であるフィリップは父親の元へ戻る気は
なく、親の金でイタリアを遊び回る。約束を果たせず謝礼金を受け取ることができなくなった
トムは手持ち金がなくなる。フィリップの金目当てに行動を共にするが、トム自身やフィリッ
プの恋人マルジュ(マリー・ラフォレ)に対してフィリップが時折見せる傍若無人な態度に
怒りが増す。そしていつしかフィリップから邪険に扱われるトムの心に、殺意が芽生える。

言わずと知れたフランスの傑作サスペンスにして、アラン・ドロンの出世作である。本作
でのアラン・ドロンは本当に美しく、そしてギラギラするような殺意を秘めていて、はまり役
だと思う。
金持ちの道楽息子フィリップを、彼の父親から頼まれてアメリカへ連れ戻しにイタリアへ
やってきたトム。2人は友人だが、トムは貧しい育ちのため、フィリップに対して劣等感を
持っている。フィリップの方も一緒に遊びながらもトムを見下していて、それが態度に出る
ことも多い。この辺りは観ていてフィリップに対して不愉快になる。そして、トムがフィリップ
を殺しても、気の毒な感じがしない。これは役柄もあるだろうがアラン・ドロンの魅力による
ところが大きいのではないかと思う。フィリップに成り代わろうとして、サインの練習をする
シーンは印象的である。
トムの犯行がばれないかと、とにかくハラハラする。テンポの良い演出、映画にぴったり
合った音楽、何もかもが秀逸である。
ラストでイタリアの夏の太陽をいっぱいに浴びて幸せな気持ちになっているトムだが、
最後の最後でその幸せは崩れ去ることになる。が、結末まで描かれておらず、それが
またいい。いかにもフランス映画らしい最高のラストである。



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ピンク・フラミンゴ

2015-04-21 14:48:20 | 日記
1972年のアメリカ映画「ピンク・フラミンゴ」。
凶暴な殺人鬼のディヴァイン(ディヴァイン)は、バブス・ジョンソンと名前を変え、卵しか
食べない頭の弱い母親イーディ、変態息子のクラッカー、覗き趣味のある友人コットンと
共に、ボルチモア郊外のトレーラーハウスに住んでいた。新聞がディヴァインのことを
「世界で最も下品な人間」と評したことから、我らこそが世界で最も下品な人間だと主張
するマーベル夫妻との争いが始まる。

とにかく下品な映画である。世界最低の悪趣味映画として、カルト的な人気があるらしい。
でも、ストーリーはおもしろい。主人公のディヴァインのキャラクターは強烈である。かなり
太っていて、もの凄く変な化粧をしているのだが、この俳優は男性である。ディヴァイン、
母親、息子、友人と、一緒に住んでいる人たちは相当な変態である。友人のコットンだけ
は美人で一見普通の人に見えるのだが。母親のイーディ役の人は、演技とは思えない
ほど、頭の弱い肥満体の人に見える。これが演技なのだと思うと凄い。
そして同じくらい変態的なマーベル夫妻。このマーベル夫妻はディヴァインが「世界で最も
下品な人間」と言われもてはやされていることがおもしろくない。「私たちこそが世界で最も
下品な人間よ!」とディヴァインに対抗意識を燃やし、ディヴァインの住所を調べて、破滅
させる策を練るのだ。
下品さを競ってなんになるというのか、と思うけれども、この映画はそういう映画なのだ。
悪趣味と言えば悪趣味だが、ジョン・ウォーターズというこの映画の監督は、実は大変
頭のいい人なのではないだろうか、と思った。変態さや下劣さがしっかり計算されている
のだ。大体こんな異常な映画を作ろうと思い立つこと自体、普通の感覚ではない。
「ピンク・フラミンゴ」というタイトルも、どういう意味があるのだろう。フラミンゴは元々ピン
クではないか。
異常で、下品で、変態的で、ディヴァインの容姿と共に、強烈に印象に残る映画だ。



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間奏曲はパリで

2015-04-17 02:54:34 | 日記
フランス映画「間奏曲はパリで」を観にいった。
50代の主婦ブリジット(イザベル・ユペール)と夫グザヴィエ(ジャン=ピエール・ダルッサン)は
ノルマンディーで畜産業を営んでいる。仕事は順調だが、子供が巣立ってからは穏やかで
平凡な毎日が続いていた。遊び心のあるブリジットが何か変化をもたらそうと努力しても、
実直で無骨な夫は無関心。そんなある日、パリからやってきた若者の誕生パーティが隣家で
開かれ、そこでブリジットは25歳の魅力的なパリジャン、スタンと出会う。スタンとの楽しい
時間は彼女の心に火をつけ、ブリジットは夫に嘘をついて1人パリへと出かけていく。

ロマンチックでユーモアがあってほろりとする、そんな映画だった。ブリジットは夫を愛してい
るし、仕事も問題ない。でも、何か物足りなさを感じている。彼女は胸の辺りに湿疹ができて
いて、一向に治らない。その湿疹は彼女の不満の表れである。ある日ハンサムなパリジャン
に出会って楽しい時間を過ごしたことをいっかけに、彼女はパリの皮膚科で診てもらうと夫に
嘘をつき、1泊2日のプチ家出をする。
パリの街を観光したり、スタンに再会したり、彼女は思い切り羽を伸ばす。そしてスウェーデン
人の渋いおじさまと出会い、親しくなる。
とにかくイザベル・ユペールがチャーミング。この人は重たい役が多いイメージだが、普通の
主婦をこんなにもかわいく軽やかに演じられる人なんだなあ、と驚いた。さすがとしか言い
ようがない。
夫役のジャン=ピエール・ダルッサンもいい。真面目で実直な男だが、あるきっかけで妻が
皮膚科に行ったのではないということを知ると、胸をざわつかせて、妻を追ってパリへ行く。
そしてそこで、妻が男と親し気に歩いているのを見てしまい、ショックを受ける。夫が、ふらり
と入った美術館で、羊飼いの少女の絵を観て、涙ぐむシーンがいい。夫婦は農業高校の
クラスメートで、ブリジットが「将来は羊飼いになりたい」と言ったのを気に入っていたのだ。
更に、夫はサーカス学校へ入ってしまった息子のことを認めていなかったが、その学校に
寄り、息子がトランポリンのアクロバットをするのを見て、思わず拍手をしてしまうシーンも
いい。ここで父と息子は和解するのだ。
ラスト近くで、ブリジットが、夫が自分を追ってパリに来たことを知るが、お互い何も言わない、
というのもいい。結局2人は愛し合っているのだ。胸がじーんとするシーンである。夫婦は
これからも、穏やかで平凡な日々を過ごすのだろう。
とてもいい映画だった。

映画館で、フランス製のラズベリー・サブレを1箱おまけに貰った。おいしかった。



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