ぶつぶつ地蔵

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アイーダ×アイーダ×アイーダ その3

2009-10-22 11:13:22 | 舞台関係
さて、いよいよ梅芸版の感想です。
ストーリーは、ズカ版アイーダと同じですが、いかんせん配役が違います。
ってか、ヅカは女性の園ですが、梅芸版は男性は男性が女性は女性が演じます。
同じストーリーでも、おのずと雰囲気や印象が変わります。

前回の転用感想にストーリーは載せたので、今回は見た後の感想のみで。

安蘭さんの退団後初主演の舞台だけあって、客層が大劇場並みにヅカってます(笑)
幕間、付近のお客さん伊礼君ラダメスをこう評してました。
「ラダメスが男だなんて~
いやいやいや。ラダメスは男ですから!(笑)
ヅカからアイーダ入りした人には、確かにお耽美なラダメスではなく、ライオンキングのシンバよろしくのラダメスは、イメージが違う!となってしまうのでしょうね。

そーなのです。
今回のアイーダの印象のなかで、一番のインパクトはラダメス。
登場シーンのラダメスの歌。あれは衣装も歌も咆哮(?)も、シンバと重なって仕方ありませんでした。ってか、シンバより吠えてた(笑)
ヅカ版のときより、強く、アイーダとの出会いのシーンを描いてほしかった!と思いました。あれだけアイーダに惚れ込んだその瞬間が描かれていないので、なんでこんなにベタ惚れ?と思っちゃうんですよね。

次にアイーダ。
ヅカで見たときも安蘭さんだったのですが、ヅカのときより、たおやかな女性になっていて、本当に無力な感じがしましたね。
今回のアイーダの「それ(戦の勝敗)を私に聞くの?」のセリフで、『あぁ、アイーダは、古代の王女にありがちな、巫女だったのかもしれんな』と思ったオイラです。
神託を受ける巫女であるならば、アイーダの一連の行動が納得できるような気がします。
初めは国の安泰を祈る巫女だった。→戦が始まり勝利を祈るようになる。→終わりのない戦いの中で生まれる恨みを感じ、戦のむなしさを強く感じる。→ 戦のない世界を祈る・・・・みたいな。

問題のアムネリス。
ヅカ版の時には「お嬢故の我儘」に見えたアムネリスが、なぜか今回は意地悪なアムネリスに見えて仕方がない。
嫉妬ひとつにしても、ヅカの時には全てが手に入る姫が手に入れられないものにじたばたしている!的な、我儘にも近い嫉妬な気がしたんだけれど、ANZAアムネはごっつメラメラ炎に焦がされたような嫉妬を露わにしてた気がします。
なんでこんなにアムちゃんの心が生々しいのか・・・
ひとつは、ディズニー版のようなアイーダとの心の交流がない事。
もうひとつは、ヅカのようにひとつの性だけで演じていない事。
ではないかと思う。
ヅカのアムちゃんに生々しい感情を感じなかったのは、同性がラダメスを演じていたからではないかと思うのだ。どこまでも、お耽美からは脱線しないっ感じ。
お能の船弁慶で、静と義経の別れのシーンがあるんだけれど、この場面でのシテは静を演じます。対する義経は子役が演じます。なぜか?
それは、男と女の別れの情を生々しく表現しないため。義経を子供にすることで、見た目的に男女として生々しさが消えるのであります。
お能はこうやって、全ての生々しい感情を表に出さないように演じるわけなのですが、今回のアイーダはむしろ真逆。
ラダメスは見目麗しい青年だし(しかもサービスかってくらい肌を露出してる)、アイーダは可憐な娘だし、アムネリスは気高い王女様だし(しかも、意外と国の行く末を憂えていたりするし、お洒落に興じてないし。)。
これだけ生い人たち(←そんな表現があるのか?)が演じているんだもの、アムちゃんの嫉妬も、美しい耽美なものにはならず、生々しい情念となってもいたしかたあるまいと思うのであります。
そこに女特有の陰湿さが相まって、あのごっつ意地悪アムちゃんが完成するのではなかろうか。
三つのアイーダのアムネリスが出す答えの全ては「わたくしの生きているうちは、エジプトは戦いません」という事なんだけど、梅芸版アムちゃんのこの言葉が一番心に痛かったんだな。それは、ラダメスだけに向けた言葉に感じたから。
アイーダの心も、ラダメスの心も、自分の心も受け入れた四季版のアムネリスとは違い、ANZAアムはもっと一人の女としての心が勝ったファラオだったんだと思うのです。

こうやって主要人物三人の感想をピックアップすると、見ているときにはなんて意地悪!って思ったANZAアムちゃんに一番心を持っていたれていたことが解りますね(笑)

ディズニー版では、メレブとかネヘブカとかアイーダ信者ががっちりアイーダを固めますが、こちらでは家族がアイーダをガツンと困らせまくり。しかも、ヅカ版と梅芸版では、その温度差が・・・。兄ちゃんや王を男が演じることで、熱さが違う気がしました。(なにせ、戦シーンが重々しい声になりますからね)
個人的には、鳩ちゃんのときの沢木さんの声がごっつ好きです。(そしてアモナスロ王が出るたびに、なだぎ武の藤岡さんがオーバーラップしてしまったオイラです^^;似てない?)

あとね、個人的に気になったお方は、死にかけ伝令役の加藤さん。なんか、目について可愛かった(笑)

そして、オイラが観に行った日から復活して下さったあきおさん♪
ラストのラダメスの処刑のシーンからのみのご出演でしたが、黒あきおが見られたのはすんごく嬉しかったなぁ・・・。踊る黒あきおも見たかったけど、先ずはご出演されただけでも満足です♪


それぞれのアイーダ感想を書いてみましたが、一番ドラマチックなのはディズニー版ですね。
でも、個人的には、梅芸版のアイーダ、いろいろ納得できるところも(突っ込むところも)多くて好きです。

お江戸では四季のアイーダ開幕してますし・・・ちょっと四季のアイーダを見たいかも。と思うオイラでもありました。

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