ぶつぶつ地蔵

地蔵 呟く ひーの言葉を。ぶつぶつと…。

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ユタカの月

2006-05-21 02:56:34 | 舞台関係
シアタートップス。初めて踏み入れる劇場である。
手の届きそうな舞台。無門館やオレンジルーム、ミュージアムスクエアとはまた違った劇場である。
この劇場で上演されている『ユタカの月』を5月20日に観に行った。
朝から、2つの公演のチケット発売と重なり、新幹線の中で携帯と格闘する。あーママにも手伝ってもらって、何とか無事2公演ともGETする事が出来た
早めに家を出たので、新宿にも早めに着いた。なので、役者さんへの差し入れに入れるメッセージを近くの喫茶店で書いていた。

ポッカリまぁるい生クリームのお月様が浮いている様な、カフェショコラを注文。甘過ぎる事もなく、美味しかったですよん♪
準備を整え、いざ、劇場入り。

蓬莱竜太さんの脚本、茅野さんの演出。いつもの扉座とは違った舞台。
何が違う?って聞かれると、ハッキリとは答えられないんだけど、横内さんの作品と違うのは、劇中の問題がリアルに現実に近いって事かな。

今回はキャストが少ないので、キャスト別敬称略で感想いっちゃいましょう。
ネタバレですので、ご注意を!!

■ユタカ ◆岡森諦
植木屋の親方。本編の主人公。
全てを内にしまい込んでしまう、職人。しかしそれは、ある意味引き蘢りである。心の。
子供の頃はガキ大将だった。近所の子供を子分に沢山引き連れて面子をした。いつから?心を閉ざしたのは。夢の挫折?それとも現実に流された時?父の死で否応なく植木屋を継ぎ、父の残した負債を背負ったユタカ。
「社会と交じりあいながら生きなさい」「尊敬される大人になりなさい」
娘・アコにユタカが言った言葉。ユタカの内から沸き上がった言葉。熱かったなぁ。。。
ただ難しかったのは、なぜユタカがそこまで心を閉ざしたのか・・・アコへの愛情はちゃんとあったのに、表現する事も出来ず、内に言葉を止めてしまったのか。
このアタリが解らない部分。

■アコ ◆高橋麻理
笑顔の似合う麻理さんなので、この役の影の表情にはインパクトが・・・。
あやこでも、あいこでも、あさこでもなく、「あこ」。何かが足りない、何かを足したくなる名前。でも、アコに足りなかったのは、「や」でも「い」でも「さ」でもなく、父親ユタカと同じ「心を表す」「表現する」事だったのだと思う。
ラストでかわいらしい色合いのワンピースを着たアコは、少し外へ向けて開かれた心の扉を感じる。アコの表情も穏やか。

■安田 ◆犬飼淳治
ユタカの元にいる植木職人。密かにユタカに師事していると思われる。さすが職人だけあって、技は盗むもの的な生き方が垣間見られる。でも、とても心穏やかな人だと思われる。だって、いつものギラギラな研ぎ澄まされた武士の様な犬飼さんではなく、優しい声の色と表情だったから(笑)

■ハチロー ◆岩本達郎
ユタカの植木屋のアルバイト。現代っ子。岩本さんも個人的には職人タイプの役の似合う役者さんだと思っていたので、今回の軽い役にちょっとびっくり(笑)
殆ど喋らないユタカ・アコ・安田・ノリオの中で、唯一コメディアンでおしゃべりなハチローくん。彼も成長の途中。本当の自分を捜しをしたい1人なのだと、「お前、まだ、ウチを辞めてねぇだろ」とユタカに言われた時の目の輝きに感じた気がした。

■ノリオ ◆津村知与支
ユタカの幼馴染みの加奈子の子供で、ユタカの植木屋のアルバイト。引き蘢りだったが、加奈子の強引な取り決めでユタカの元でバイトする事になったらしい。
いわゆる現代っ子の象徴の様なノリオ。与えられ、教えられなければ何も出来ない受け身な性格。しかし、その自分の殻を破りたくて一番もがいていたのはノリオ自身だった。周りの皆が笑っていた、自分を虐める皆をノリオが告発するシーン。オイラには笑えなくって。何だかノリオの内から出て来たたどたどしい言葉には、外の世界と擦れ合おうと踏み出そうと必死になっている感じが感じられて。。。逆に泣いちゃったよ^^;
最後には自分で自分の道をちゃんと見つけちゃった。ノリオくん、凄い。

■加奈子 ◆中原三千代
ノリオの母で、ユタカの幼馴染み。いわゆる調子のいい図々しいおばちゃんである。
言葉遊び・・・という所までは行かないかもしれないけど、軽快なセリフが三千代さんならではのテンポで、ごっつ面白い。
小猾いおばちゃんの顔になったり、気のイイおばちゃんの顔になったり、親ばかな母親の顔になったり・・・でも最後は、わが子を見守る母親だった。

■新井 ◆有馬自由
なんかね~。久々にカッコイイ有馬さんを見た(笑)(あ、個人的な意見ですよ。有馬さんファンの方怒らないでね^^;)
バリバリの大阪弁で♪心地よかったですね。変なイントネーションないし。(当たり前だけど)
新井は新井なりにいろんな葛藤がある訳なんだけど・・・まぁ、一番普通の人だった気がするね。

■月子
舞台上登場はしない。話の中にだけ存在する月子。でも、常に話の中心にいる気がした。
月子の月は上弦の月でも満月でもなく、朽ちて行く下弦の月。消え行く月。でも、最後の途切れそうに細い傷跡は必ず輝いている。物語の中の光。


ノリオ君が最後に言った「ぼくに仕事を教えて下さい」っての。この言葉から感じたのが、「僕を見て」だったの。アコも多分ずっと思ってたと思う「私を見て」って。そして月子も思ってたかも。。。
見て見て!っていう感情は子供の時によく感じると思うんだよね。
アンケートにも少し書いたんだけど、子供は何時大人になるんだろう?年齢は時間と共に重ねられ、日本では二十歳をもって大人の仲間入りをする。でもそれって外見(法的)だけだよね?心は?いつ??
3才の私も10才の私も20才の私も30才の私も全部ひと繋がりで、どこかに境界線なんてない。殆どの人が大きな転機なんてないまま、「今」を迎えている。
『ユタカの月』大人と子供の境界線について考えさせられた。(答えは出てないけど。)
外界との接触を拒む引き蘢り。もしかしたら、心の引き蘢りは誰もがしている事なのかもしれない。


そして、帰りは恒例の1人打ち上げ~♪

そして京都に着く頃には綺麗な夕日が見えたのだ。

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3 コメント

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お返事 (nao)
2006-05-22 22:40:15
>岡森さん

いつの間にか大人の年齢になるように、ユタカの心もいつの間にかカタクナになってしまったのかもしれませんね。はじめは小さなワダカマリが気付けば修正出来ない固さになっていたのかも。と、今日思いました。

次の公演も楽しみにしていますねo(^-^)o



>たけこ姉

いえいえ。是非、寿美礼ちゃんを生で聞いて欲しかったんだもん♪チケ押さえられてホッとしました☆
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ええっ!? (たけこ)
2006-05-22 20:21:12
東京行ってたの!?先行は新幹線の中で!?

誠に申し訳なかった・・

ごめんよぉ~

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Unknown (岡森)
2006-05-22 20:07:30
ほんとうに、ありがとうございました。
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