ぶつぶつ地蔵

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正倉院見学会 その1 本体編

2013-03-18 15:11:57 | 好き・応援
天平・校倉といえば、正倉院。
日本人なら一度は聞いたことがある有名な倉。

現在正倉院正倉では、屋根の葺き替えを主とする大整備工事が行われております。
有り難ことに、この工事の足場を利用して現場の公開をして下さいました。
オイラが行ったのは、第一回第二回に引き続き行われた第三回目。

事前に公開日と時間割が発表されているので、その中から希望の日時を第一希望、第二希望と書き込み、参加者の住所氏名と共に宮内庁へ申し込みます。
オイラはお友達のゆかちゃんと申し込みを致しました。
第一希望の3月16日10:00~の見学です。

ここ数日不安定だったお天気とは裏腹に、とても穏やかなポカポカの陽気。
ゆかちゃんもオイラもウキウキで奈良へと乗り込んだのであります。

正倉院なんて、ン十年行ってません。場所もちゃんと覚えていなかったので、地図をちゃんと持って行きました(笑)

特に大きく迷うこともなく、10:15頃無事に到着。
身分証明書と参加証を受付に提示し、早速見学です。

門の中に入ると、宮内庁警察の方々ががっちり警護しております。
ネーミングだけで「かっちょいぃ~」とテンションの上がるゆかちゃんとオイラ。
好き好きポイントが似ているのであります(笑)


豪気なことに、正倉院見学では三脚を使わなければ写真撮影がOKなのであります。
しかもいたる所に係りの方がいらっしゃるので、オイラのようなおしゃべりさんは係りの方をとっ捕まえて、説明をガンガン乞う訳です。
旅の恥はかき捨てよ(苦笑)


まずは足元。束柱部分。
って、しまったことに束柱写してなかった~~~゜(゜´Д`゜)゜


こちらは束柱が見える位置から南倉の金物を写したもの。
台輪の先端部分と扉に金物がついています。
台輪の先端部は木材の保護のために付けられたと考えられますが、扉の方は飾りとして付けられたもののようです。
元々「倉」でありますから、装飾や彩色は全くなかったそうです。
扉の方は勅使の方を迎えるにあたって、飾りを施したのではないかとのこと。
この金物、江戸時代の修理で付けられたもので、非常に荒い仕事でイマイチなんだとか。
ところどころに見える白い点々は、大正期の修理の時に虫食いや隙間に詰め物をしたんだろうとのこと。
江戸時代の仕事はどうやらイマイチだったようです。ゆかちゃんとオイラの中で江戸時代の評価がダダ下がり(笑)

三角の角材を重ねた校倉造り。
隙間なくミッチリ重ねられているように見えますが、実は隙間がたくさんあって、通風に優れているんだそうです。
倉内に湿気た空気が停滞しないように、空気が流れるように造られている。
中に収められている宝物は生身でポンと置かれているのではなく、唐櫃に収められ、更に高価なものは漆の箱に納められて保管されておりました。
この唐櫃が優れもので、温度湿度共に通年、ほぼ一定の値を指しているそうなのです。(それは現在も同じなんだって!)
通気の良い倉に安定した空間を作り、宝物は保管されていたわけです。
奈良の時代の匠、スンバラ。


一階上に上がると、南倉・中倉・北倉のフロアです。
南倉の扉は閉じられております。

中倉の扉が開かれております。第一回、第二回の時は公開していなかったんだそうです。(北倉は扉の中を公開していたようです)

倉の中は1階二階屋根裏となっております。
1階部分は階高が低く、180cmほどでしょうか。


二階部分に上がる階段及び二階部分の手すりは、大正の大修理の時に付けられたものだそうです。
木の色が違うのでよくわかりますね。


屋根裏への吹抜け。
これは創建当初から吹き抜けだったそうです。


南倉と北倉は校倉造りですが、中倉は板張りなんですよ。
オイラ知らなかったので、目からウロコです。

作った年代が違うのかな?と思ったのですが、年輪年代法で調べたところ、南中北共に同時期の木材なんだそうです。このことから、それぞれの倉が別々に作られたのではなく、一気造られたことがわかります。
校倉である部分と板張りになっているのとは、意匠的にわざと違えたのかもしれませんね。


北倉の屋根は一部剥がして垂木が見えるようにしてあります。
天窓効果で、北倉の中は明るくて見えやすのです。


中倉では暗くて見えにくかった奥の壁の補強。
階段の奥に2本の柱が見えますね。これは大正の大修理の時に屋根を支えるためにいれた柱なんだそうです。


その柱を囲うようにコの字型に入っている真新しい木材が、今回補強された部分です。
コの字の角部分は、L型金具で留めてありました。


あ、この写真、L型金具がよく見えますね。
北倉の奥の壁は校倉作りの内側となります。三角の底辺が連なるので板張りのような見え方です。


北倉と中倉との間の壁を中層側から見ると、校倉のカクカク部分が見えるんです。
当たり前の事なんだけれど、こうやって直に見ると「そうなんだぁ~」と実感できて面白いですね。



北倉の角部分。
木組みがしっかり見えます。


ワタクシ、意外と三角が小さいことから、1本の木から2本くらい三角の材木を取るのかな~と思ったんですが、よくよくしっかり見てみると、年輪の中心がすべての木材にあります。
ということは、1本の木から1本の木材しか作り出していないってことですね。
しかも、中心の位置は木ごとに大きく違います。
どこが一番強いのか、ちゃんと考えられて三角に成形されてるのかなと思いました。


長くなってきたので、その2(屋根編)に続く。












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