ぶつぶつ地蔵

地蔵 呟く ひーの言葉を。ぶつぶつと…。

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東大寺 修二会 その2

2013-03-08 15:11:50 | 奈良
声をかけさせていただいた方は、ほんとうに良いお方で。
お母様と修二会にこられたんだそうです。
こぶ平さん(今は正蔵さん)に似た感じで、とっても優しそうな方でした。以降こぶちゃんと呼ばせていただきます。

さて、二月堂の西局(にしのつぼね)で日中の行法を行われるのを待つオイラ。
西局はいわゆる二月堂の正面です。格子戸の向こうに大きな扉がありまして、その前に向かって右側に五体投地の台(五体板)、左側に数取懺悔の畳があります。中央には高めの台みたいなのが置いてあって大きな鉢みたなのが置いてありました。

11時前くらいかなぁ。大きな鉢を取りに来て、11時半から食堂作法なのでそのまま食道へ行った模様。
食堂作法も見たかったけれど、あれもこれもは一回には無理ですから、オイラはおとなしく西局で待つのでありました。

ちなみに、こぶちゃんも食堂作法は見に行かずに、舞台の上から生飯投げ(さばなげ)を見ていたようです。(この頃はまだ、こぶちゃんに声をかけた程度)

しばらくして、練行衆の方が上堂され、目の前の扉が開かれました。扉の奥が内陣です。
扉の内側には白い長い布が垂れ下がっており、内陣が見えないようになっています。その端っこをクルクルっと巻き上げて、内陣の清掃が始まるのです。
なんか、内陣からいっぱい掃き出されてくるんです。小さな白い紙切れのようなものと粉が入り混じったモノが・・・あれはなんだろうと思いつつ、掃除風景を眺める。
外陣と内陣とは扉で隔てられ、橋を架けてあるんです。橋とゆーのは、大きな扉の前の部分が一段下がった造りになっているので、そこに板が架けられて橋の役割をしているのであります。
その一段下がったところに内陣から掃き出されたもろもろを落とし、大きなちりとりで集めてお堂の外に持っていきます。
内陣を掃くのは練行衆の方。内陣外は練行衆の身の回りのことをする人(←役名が解らない^^;)が担当されてました。

内陣が清められて、クルクルっと巻き上げられていた帳が降りて(端っこの方の少しだけ巻き上げた状態まで帳が下がります)、いよいよ行法の始まりです。

帳の奥で。。。ボツボツボツ・・・と低い声で声明を唱えているようです。隔たりがあるので外にはあまり中の声が漏れてきません。
途中で大きな声明になったり、小声になったり・・・節回しもお薬師さんで聴くお経さんとは全然違います。
途中で内陣を回ったり、出てきて何かを取り替えたり・・・いろいろ作法があるようです。

宝号を唱える頃にはだんだん大きな声になり「なむかんじざい」と言い出すと、南無観のコーラスへと突入。オイラが一番聴きたかった部分です。だんだんとスピードが増し練行衆の方がどんどん没頭していくのが感じられます。
「南無観」を何度も何度も繰り返すあたりは、聴聞しているオイラもトランス状態(笑)
南無観とは、南無観自在菩薩の事。興奮のあまり縮まって言われてるんですね。
花会式の時の「なむや~」と同じです。(こちらは、南無薬師如来が縮まって「なむや」になってます。)

南無観コーラスの後、一人の練行衆の肩が出てきて五体投地が始まります。

五体投地を間近で見たんですが、ものっそ迫力!ってか、痛そうです。
いわゆるインドの巡礼で見るような、中国やチベットのお寺で見るような五体投地ではありません。
大きく弓のように体を反らせた後、右の脛を中心に全身を五体板に打ち付けるんです。(右膝を着いたような格好になります)
聴聞の人たちの小さなため息のような感嘆の「おぉ」が漏れ聞こえます。

五体投地の後しばらくして、数取懺悔が始まります。

数取懺悔は毎日あるのではなく5、7、12、14日にだけあるそうです。
畳が敷いてあるのと「数取」という響きだけで、勝手に箸で豆を右の皿から左の皿に移す様な作法をするって思い込んでました。(←まなさんのブログで「激しい礼拝」って予習しているのに、思い込めるところがすごいでしょう?)
目の前の格子が少し開かれ、数取懺悔が始まりました。(チョーラッキーでしょ♪)
体を大きく反らせ、弓なりの姿勢から腰をかがめて礼拝する。
五体投地の様な痛みはありませんが、数回続けて休むことなくこの礼拝をするのです。
練行衆といえども行中に過ちがあったりするので、それを懺悔しているのだそうです。
独特の数え方で「千遍」「二千遍」「三千遍」と数えていきます。
どうやら4の数字は飛ばしていたようです。
数え方を調べたらこんな風に数えているらしい・・・

「同時に、
  一遍、 二遍、 三遍、 五遍、 六遍、 六遍、 七遍、 八遍、 九遍、
  十遍、二十遍、三十遍、五十遍、六十遍、七十遍、七十遍、八十遍、九十遍、
  百遍、二百遍、三百遍、五百遍、六百遍、七百遍、八百遍、八百遍、九百遍、
  千遍(せ~んべん)」
これが1セット。

これで分かるように、位が上がると途中を飛ばすんです。
そして、「四」が避けられます。
そのかわり「六遍」、「七十遍」、「八百遍」をダブルカウント。

(ブログのちょっと奈良までいってきます を参照させていただきました。ってか、こちらのブログ、めっちゃ素敵!お気に入り登録しちゃった♪)

こんなからくりがあっても、このセットを3回もするので、ものっそしんどそうでした。


あ、ちょっと余談ですが、この数取のときに数を数えていらっしゃったのが堂司さんだったらしいのですが、びっくりするくらいええ声の方でした。
いやね、帳の中でお経を読まれている時にも、一人ものっそええ声の人がいたんですが。
いかんせんお顔は見えませんからね、気になってたんですよ。
謎も解明されて、ホクホクです(笑)


日中の行法が終わると、西局にぎっしり詰まってた聴聞の方が三々五々散っていきます。
気づくとこぶちゃんもいなくなってました。(後から聞いた話だと、北局に移動されてたんだって)

もう一度内陣の清掃が始まります。
そして日没の法要となるのです。

何がどう違うのかはわからないんですが、日中の時とお経の読み方が違う気がします。
南無観のテンポも微妙に違う気がします。
何ぶん初めての悔過法要なので、どこがどう違うかさっぱりわからないんですよね。何度もお参りさせていただくと違いがわかってくるのだと思います。
毎年一回は来ないとなぁ~。

日没の法要が終わり遅昼へ出かけようとした時、内陣から出てきた件の「モノ」と遭遇。

こちらがその「モノ」
小さいものなので見えにくいですが、お堂の職員さんに聞いたところ、櫨の実だとのこと。
元々は米を撒いていたようですが、手に入りやすいもので櫨に代用されたのではないかとのことでした。(本当のトコロは解らないですけどね。)
この櫨の実とお香を撒いて内陣を清めているそうです。いわゆる、畳を掃除するときにお茶っ葉を撒いて汚れを引っ付けながら掃除しるのと同じで、ハゼの実とお香に穢れや埃をくっつけて内陣から出す・・・ということらしいのです。
くしゃくしゃになっている紙は、油などを拭き取ったあとだとのこと。
どこに油が?って思ったんですが、お灯明の油なんですって。

オイラと同じようにこの「モノ」が気になっている方がいました。
係りの人に聞いてらっしゃったので並んで一緒に聞いていると。。。なんとこぶちゃんでした(笑)

日中が始まる前に話していたこともあって、なんとなく意気投合。
その後の予定を話し合ったところ、こぶちゃんも初夜からの法要をお参りされることが判明。ご一緒に居られたお母様は、日没で帰られるとのこと。
北局でご一緒することにしました(笑)

遅昼に行くオイラにこぶちゃんはこんなものを教えてくれました。

じゃーん。さだまさしさんの奉納されたお松明。8日に使われるそうです。
その後、被災地に持っていくらしいです。


練行衆の方は初夜までの間に湯屋へ行き仮眠を取るそうな。
その湯屋の横では餅つきしてました。
8日の壇具になるそうな。


おくどさんで蒸し上げられるもち米。

一旦こぶちゃんとお別れし、オイラはお昼を食べに。。。どこで食べれるかなぁ~って探してたら、二月堂のすぐ近くの茶店が開いていたのでこちらで食べることに。
ものっそお腹空き空きちゃんだったので、ガッツリ注文。

かやくご飯とあんかけ玉子とじうーどん♪
なんだか、ベロンゴックンの勢いで食べちゃいました(笑)

早々に二月堂に戻り、お堂の周辺をゆっくりめぐります。来た時は法要法要!って思ってゆっくり見てなかったので^^;

舞台の欄干に行って奈良の街を見渡していると、となりの方が「お帰り」って声をかけてきました。こぶちゃんです(笑)
こぶちゃんはオイラがお昼に行っている間、奈良の街を見ていたようです。
そのへん回ってきます!とこぶちゃんに言って、お堂を回りだすオイラ。

こんな吊り灯篭、ぜんぜん気づかなかった~。


垂木の重なりや、柱の重なりを見るのは大好きです。
綺麗だよね。


正面の額


舞台から見た奈良の町。


お堂から参籠宿所へと続く階段には、この日使われるお松明が用意されてました。


いたる所に張られている結界。
これは服忌令という決まりで、穢れを忌むために修二会の間は服喪中の人は入ってはいけないというもの。僧侶はもちろんお堂の職員の方もこの結界内に入れないんですって。


食堂で練行衆の方が食事を取られる時に使う食器。。。だと思う。


蒸されるのを待つもち米たち。


これ、井戸なんですけど。。。


釣瓶はこーんな感じで上げ下げされるんです!!


今回初めて知ったこと。
お松明に使われる竹って、根っこから引っこ抜いてくるんだ!!


お松明を見るところ、柵が設けられています。


手水には十一面観音様の梵字「キャ」が。。。
ここのお水は飲めません。

ぐるぐる回って疲れたので、北局で場所取りがてら休憩する。

しばらくするとこぶちゃんも休憩にきました(笑)
局の中でこぶちゃんといろんなお話をしながら時間潰し。
こぶちゃんは28日の別火にもこられてて、前日にも来てたらしい。で、ビデオでいろいろ撮していたので、オイラの見られなかった食堂作法や生飯投げなどを見せてくれました。
やっぱり何日か通うのっていいなぁ。。。
こぶちゃんは地元なので、お仕事の帰りに聴聞に来ようかなって言ってました。羨ましい。。。いや、オイラも聴聞だけなら聴きに来れるか(爆)

実はこぶちゃん、この日は娘さんが修学旅行から戻って来る日だったらしい。。。でも、「パパは修二会を選びました!」って笑って言ってました。
娘さんに怒られてないかな?

こぶちゃんと話してたので、待ち時間もすぐに過ぎていきました。
で、初夜。

西局から見てた外からの法要と違い、内陣の一部が見えるので、これまた神秘的です。
局にいるので、お松明を見ることはできないのだけれど、お松明の爆ぜる音や焦げる匂いはわかります。
次々に内陣に入ってくる練行衆。差懸の音が響き渡ってなんだか荘厳です。
全員が内陣に入る=お松明終了なので、このあたりからお外がザワザワ(笑)
お松明を見た方が聴聞のため局に入ってきます。

なんていうんでしょ。
ある意味、奈良時代のおおらかさでしょうか。。。ザワザワキャッキャしてても、まったく意に介さず法要は続けられます。
この日は実忠忌があったんですが。。。内陣の見える北局で聴聞していてもさっぱりお経さんはわかりませんでした^^;

こんな時にもこぶちゃんが小声で行法の推移を教えてくれたりして、ホント助かりました。

オイラが唯一わかったのは、やっぱり南無観コーラス。
そして神名帳のなかの「ふたかみのみょうじぃ~ん」っての♪この部分はテンション上がった!!
電車の時間の関係上、オイラは10時過ぎには二月堂をあとにしなければならず、過去帳が聴けるか聴けないかの瀬戸際でした。
こぶちゃん、大阪のどこ?車で遠いの?と気にかけてくれます。
思わず「こぶちゃん送ってくれそう。。。過去帳聴けるかも。。。」とか思ってしまいましたが、いやいや明日もお仕事あるので、こんなところでご迷惑はかけられん。と自粛しました。(当たり前です)
でもね、なんと過去帳の「聖武皇帝」「光明皇后」は聞いた!(ちょっと・・・さんのブログによると、聖武天皇と光明皇后の間に「藤原宮子」のお名前があるようです)
とにかく、この日の目的は達成されました。
時間もそろそろリミットか。

こぶちゃんに別れを告げ、聴聞の方の足を踏み踏み(ごめんなさい)、局を出て帰路に向かうオイラ。
たくさん親切にしていただいたのに、結局こぶちゃんにお名前を伺えずじまいでした。


吊灯篭に灯がともり、昼間とは全く違うお顔の二月堂です。


うーん。。。堪能する時間がない^^;
ってことで、急ぎ帰るんですが。。。昼間と見え方が違って道がわからぬ~(爆)
早めに出てきてよかった(苦笑)
それでも東大寺さんの境内は明かりがちゃんとあるので、それに沿って下っていくとなんとか大通りまで出ることができました。


。。。んが!


奈良博を越えたあたりからの大通りの真っ暗なこと!!!
ビックリするくらい暗いのです。もうね、笑っちゃうくらい。
前から来る人が見えぬ。。。
夜の泉涌寺もたいがい暗かったんですがね、奈良公園の比じゃないですね。
人が潜んでそうとかそういった次元ではなく、「闇」に対する本能的な怖さがありました。
あまりに怖いので走っちゃいました!!!
駅までは緩やかな下り坂ですのでめっちゃ早く走ることができ、駅まで30分を見込んでたのですが20分もかからずに二月堂から駅まで出れたと思います(笑)
早く帰れたので、近鉄奈良駅前のコンビニで肉まん買いました。

帰りの電車で肉まんを頬張ったのはオイラです。

こうしてオイラの東大寺修二会は満足のうちに終えたのでありました。
長々と(そしてダラダラと)した文章にお付き合い、有難うございました。









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