1931年に発表された中編です。
90年近く前に年も前に書かれたとは思われない、みずみずしい感性と精密な描写力を備えた佳品です。
今で言えばシェアハウスのような住まいに暮らす若い男女四人(ただし、姻戚関係にあります)とその隣人たちを描いて、一番年少である主人公の女性の繊細な感情の起伏を鮮やかに描いています。
風俗を現代に置き換えれば、現在の芥川賞候補に入っていてもおかしくありません。
いや、文学性という点では、こちらの方がはるかに上でしょう。
尾崎翠は早くに筆を折ったため、文壇ではあまり取り上げられることがなかった作家ですが、近年また注目されはじめているのにも納得させられました。
題名の第七官(感)とは、五感以外のいわゆる第六感のさらに外側にある神秘的な領域のことで、作者が影響を受けた1920年代の日本ないしは世界文学の世界に通ずるものと考えられます。
90年近く前に年も前に書かれたとは思われない、みずみずしい感性と精密な描写力を備えた佳品です。
今で言えばシェアハウスのような住まいに暮らす若い男女四人(ただし、姻戚関係にあります)とその隣人たちを描いて、一番年少である主人公の女性の繊細な感情の起伏を鮮やかに描いています。
風俗を現代に置き換えれば、現在の芥川賞候補に入っていてもおかしくありません。
いや、文学性という点では、こちらの方がはるかに上でしょう。
尾崎翠は早くに筆を折ったため、文壇ではあまり取り上げられることがなかった作家ですが、近年また注目されはじめているのにも納得させられました。
題名の第七官(感)とは、五感以外のいわゆる第六感のさらに外側にある神秘的な領域のことで、作者が影響を受けた1920年代の日本ないしは世界文学の世界に通ずるものと考えられます。
第七官界彷徨・琉璃玉の耳輪 他四篇 (岩波文庫) | |
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岩波書店 |