現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

ターミネーター:ニュー・フェイト

2019-11-14 15:57:36 | 映画
 ターミネーター・シリーズの最新(最終?)作です。
 ターミネーターやターミネーター2で活躍した今年63才のリンダ・ハミルトンや72才のアーノルド・シュワルツェネッガーが頑張っている映画です。
 いろいろな大人の事情で、この作品世界ではなかったことになっている3以降は無視して、2の続編として、生みの親のジェームス・キャメロンのもとで製作されました。
 1984年製作のオリジナルや1991年製作の2と一番違うところは、CGによるアクション・シーンのグレード・アップですが、他の映画の記事にも書きましたが、CGなら何でもありなので、かえってリアリティが薄れています。
 それとともに大きく変わったのが、ジェンダー観やマイノリティへの配慮です。
 この映画で活躍するいい側は三人の女性で、シュワちゃんは添え物的扱いです。
 また、アンチ・トランプのハリウッドらしく、みんなが守る人類の未来を担うリーダーはメキシコ人の若い女性です。
 オリジナルでは人類の未来のリーダー(男性)を生むことになるために若い女性(リンダ・ハミルトン)が狙われ、2ではその子ども(未来のリーダー)が狙われ、そして、とうとう狙われる若い女性自体が未来の人類のリーダーなのです。
 それぞれの記事に書きましたが、最近かつてのヒット作の続編を年取ったオリジナル・キャストを使って描く映画が続いています。
 「スター・ウォーズ」のマーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、ハリソン・フォード、
「プレード・ランナー」のハリソン・フォード、そして、この映画のアーノルド・シュワルツェネッガーやリンダ・ハミルトンを見ていると、懐かしさとともに、彼らの年取った姿に自分を重ね合わせて感傷的な気分にさせられます。
 この映画でも、ラストでシュワちゃんのオリジナル・ターミネーターが死ぬ(?)時には、寂しさで少し涙が出てきてしまいました。
 こうした映画が次々に作られている背景には、ハリウッドの才能(キャメロンだけでなく、かつてのスピルバーグやルーカスやコッポラなどの映画は、すべて今までにない魅力に溢れていました)の枯渇や、スターが小粒になったことがあげられるでしょう。
 また、アメリカではブーマー世代、日本では団塊の世代と呼ばれる多数派の世代が一線を退き、金と暇をもて余していて、現在の映画の観客層でもマジョリティの存在であることも無視できません。
 ビジネスに敏感なハリウッドが、女性、外国人(特に中国人)といった映画の観客のマジョリティに過剰な配慮をしていることは、日本で封切られている映画を見ただけでも明らかですが、古い企画でオールド・スターを登場させて高齢者も取り込もうとしているのでしょう。

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