現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

ウルズラ・ヴェルフェル「よその子どもたち」灰色の畑と緑の畑所収

2016-10-06 08:13:07 | 作品論
 貧しい人たちやジプシーやトルコ人が住んでいる汽車道の子どもたちと、新興住宅街の池通りのドイツ人の子どもたちはお互いに反目しています。
 大人たちが、両方の地域について偏見を植え付けていたからです。
 しかし、池通り側の先入観を持たないまだ五つのカステインが汽車道へ遊びに行くようになったのをきっかけに、子どもたちはお互いを知るようになります。
 すると大人たちが植えつけた偏見が誤りであったことがわかり、二つの地域の子どもたちは仲良くなりました。
 異文化をお互いが知ることによって偏見が取り除かれるのは、子どもに限ったことではありませんが、やはり先入観が少ない分だけ交流が容易なのでしょう。
 現在、日本は、中国、韓国、北朝鮮などの近隣諸国との関係はよくありませんが、子どもたちの交流を通して改善される可能性はあるのではないでしょうか。
 お互いの児童文学をもっと紹介しあうことも、その一助になるかもしれません。

灰色の畑と緑の畑 (岩波少年文庫 (565))
クリエーター情報なし
岩波書店

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