現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

サキ「ラプロシュカの霊魂」サキ短編集所収

2020-01-21 15:46:51 | 作品論
 非常にケチな友人が、わずか2フランの主人公への貸し金(主人公が巧妙に仕組んで、絶対にお金を貸さない友人に貸せさせたので、それをうらんで死んだとも読めます)を残して急死します。
 それ以来、彼の霊魂は、主人公がその2フランを金持ちに寄付する(つまり意味のない使い方をさせる)まで、まとわりつくという、かなり滑稽な設定の掌編です。
 アイデアは面白いのですが、2フランを寄付する適当な相手を見つけるプロセスが、現在の読者にはなかなか理解が困難なので、作品としての賞味期限が過ぎてしまっているのかもしれません。

サキ短編集 (新潮文庫)
中村 能三
新潮社



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