「虫王」、それは中国の古くからある遊びでギャンブルでもある「闘蟋(とうしつ)」のチャンピオンのことです。
闘蟋とはコオロギを戦わせる遊びのことで、言うならば闘鶏や闘犬や闘牛のコオロギ版です。
以前に、瀬川千秋という人が書いたその名もまさに「闘蟋」という専門書(サントリー学芸賞受賞)を読んだことがありましたが、闘蟋は単にコオロギを戦わせるだけでなく、飼育法、餌、用具などに秘伝があり、非常にマニアックな世界です。
男の子は(もちろん大人の男も)こういったマニアックな世界が大好きなのですが、現在の女性中心の児童文学の世界では男の子向けの本の出版は非常に難しいので、子ども版の「闘蟋」のような本を出すのは不可能でしょう。
本書は、闘蟋の文化のほんのさわりに触れているだけですが、侵略者に対する主人公の反抗心と闘蟋とをからませて、鮮やかなラストシーンを描いていて、短編としての切れ味はさすがなものがあります。
闘蟋とはコオロギを戦わせる遊びのことで、言うならば闘鶏や闘犬や闘牛のコオロギ版です。
以前に、瀬川千秋という人が書いたその名もまさに「闘蟋」という専門書(サントリー学芸賞受賞)を読んだことがありましたが、闘蟋は単にコオロギを戦わせるだけでなく、飼育法、餌、用具などに秘伝があり、非常にマニアックな世界です。
男の子は(もちろん大人の男も)こういったマニアックな世界が大好きなのですが、現在の女性中心の児童文学の世界では男の子向けの本の出版は非常に難しいので、子ども版の「闘蟋」のような本を出すのは不可能でしょう。
本書は、闘蟋の文化のほんのさわりに触れているだけですが、侵略者に対する主人公の反抗心と闘蟋とをからませて、鮮やかなラストシーンを描いていて、短編としての切れ味はさすがなものがあります。
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