現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

相馬泰造「じんべえさんとフラスコ」講談社版少年少女世界文学全集49現代日本童話集所収

2020-04-21 16:58:07 | 作品論
 大正時代に書かれた短編です。
 江戸時代の大阪商人のじんべえさんを主役にした連作のうちの一編のようです。
 この作品では、オランダ商館の店先に飾られていた巨大な(底の広さが四畳半もあります)ガラス製のフラスコを水中料亭にしようと持ち帰ったり、途中の船上で大金を海中に落としてしまって身投げをしようとしていた若い男のためにフラスコを潜水艇の代わりにして探索したり、巨大なタコと格闘したりして、大活躍します。
 僅かな紙数の中で、こんな奇想天外なホラ話をした作者は。真面目な作品の多い当時の童話の世界では貴重な存在だったと思われます。




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« スライディングタックル | トップ | 逃げるは恥だが役に立つ »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

作品論」カテゴリの最新記事