高名なシャーロッキアン(シャーロック・ホームズ研究家)が書いた入門書です。
彼らが正典と呼ぶ全60篇(長編4篇、短編56篇)の解説をもちろん、主なキャラクター(ホームズとその相棒のワトソン博士をはじめとして、仇敵のモリアーティ教授までの重要人物が詳しく述べられています)、時代や地理の背景、著者のアーサー・コナン・ドイル、さらにはパスティーシュ(他人が書いた続編)やパロディ、関連図書、他のメディア作品など、詳しく紹介されています。
特に、どの単行本や文庫本(著作権が切れているせいもあり、各社から出ています)を読めばいいかを読者のタイプ別に紹介しているのは、初心者には親切です。
全編、シャーロック・ホームズへの愛にあふれていて、いかに同好の士を一人でも増やそうとしているかの熱意が感じられて、好感が持てました。