現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

黒川博行「後妻業」

2018-07-09 08:15:16 | 参考文献
 悪徳結婚相談所を舞台に、資産家の男性高齢者たちを狙った連続殺人を描いています。
 高齢化社会における中高年の出会いブームといった現代的な問題に着目し、熟練の腕前で一定のレベルのエンターテインメント作品にまとめあげていて、大竹しのぶが主演して映画化もされました。
 ただ、黒川の代表作である「疫病神」シリーズ(「破門」で直木賞を受賞。各作品の記事を参照してください)に及ばないのは、登場人物、特に犯罪を突き止めていく興信所の探偵に魅力がなく、彼に共感しながら読み進めていかれないからでしょう。
 また、ラストをミステリーとしてはうまくまとめきれずに、単純なアクションドラマにしてしまっているのも物足りませんでした。

後妻業
クリエーター情報なし
文藝春秋
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