とめどもないことをつらつらと

日々の雑感などを書いて行こうと思います。
草稿に近く、人に読まれる事を前提としていません。
引用OKす。

日帝当時、「渡日」や「日本軍へ志願」した朝鮮人の規模=韓国が隠したい歴史資料

2021-09-20 20:34:56 | 海外・国内政治情報等

日帝当時、「渡日」や「日本軍へ志願」した朝鮮人の規模=韓国が隠したい歴史資料
9/19(日) 18:26
https://news.yahoo.co.jp/articles/50e451d96516e091b271ad6a19670bdc7763fb07

太平洋戦争が終わった頃、日本に居住していた朝鮮人は190万人程であった。その内の120万人は韓半島(朝鮮半島)へ帰り、70万人ほどは日本に残留した。


日本に居住していた朝鮮人の人口は1911年(※日韓併合の翌年)の2527人を嚆矢として、終戦直前の1944年には193万6843人に増加した。33年間で760倍以上増加したわけだ。

この期間中、1914年にのみ在日朝鮮人の人口が前年比でマイナスを記録しただけで、残りの年度は全て前年比でプラスを記録した。1917年の場合、前年比で150%以上の増加率を記録した。

1911年の2527人からスタートし、1944年に193万人以上の人口となったのは、全期間で毎年平均22%以上の増加率を見せたという話となる。

特記すべきことは「3・1運動(※万歳事件)」を契機に1919年に日本政府が朝鮮人の日本への渡航を抑制する措置を取ったにもかかわらず、その後、日本へ渡って行く朝鮮人の規模は変わらず増加したという点だ。

また関東大震災が発生した1923年の在日朝鮮人の人口は8万415人であったのだが、翌年の1924年の在日朝鮮人の人口が11万8152人へと大きく増加したのも特記するに値する。

一言で言って、日帝時代の期間中、韓半島の朝鮮人は就業、学業、新たな機会追求など、様々な事由で絶え間なく日本の地へと渡って行ったことが分かる。

●日本に居住する朝鮮人の人口(※出処:森田芳夫、『数字が語る在日韓国・朝鮮人の歴史』)

1911年、2527人

1912年、3171人(前年比増加率、25.5%)

1913年、3635人(14.6%)

1914年、3542人(-2.6%)

1915年、3917人(10.6%)

1916年、5624人(43.6%)

1917年、1万4502人(157.9%)

1918年、2万2411人(54.5%)

1919年、2万6605人(18.7%)※朝鮮人の日本への渡航制限措置

1920年、3万189人(13.5%)

1921年、3万8651人(28.0%)

1922年、5万3722人(39.0%)

1923年、8万415人(49.7%)※関東大震災発生

1924年、11万8152人(46.9%)

1925年、12万9870人(9.9%)

1926年、14万2798人(10.7%)

1927年、16万5286人(14.9%)

1928年、23万8102人(44.0%)

1929年、27万5206人(15.6%)

1930年、29万8091人(8.3%)

1931年、31万1247人(4.4%)

1932年、39万543人(25.5%)

1933年、45万6217人(16.8%)

1934年、53万7695人(17.8%)

1935年、62万5678人(16.4%)

1936年、69万501人(10.4%)

1937年、73万5689人(6.5%)

1938年、79万9878人(8.7%)

1939年、96万7591人(21.0%)

1940年、119万444人(23.0%)

1941年、146万9230人(23.4%)

1942年、162万5054人(10.6%)

1943年、188万2456人(15.8%)

1944年、193万6843人(2.9%)※朝鮮人への徴用開始


●朝鮮人青年の日本軍志願入隊の現況

1938年:400人の募集に2900人余りが志願(競争率、7.2対1)

1939年:600人の募集に1万2300人余りが志願(20.5対1)

1940年:3000人の募集に8万4400人余りが志願(28.1対1)

1941年:3000人の募集に14万4700人余りが志願(48.2対1)

1942年:4500人の募集に25万4300人余りが志願(56.5対1)

1943年:5330人の募集に30万3400人余りが志願(56.9対1)

1940年(競争率、28.1対1)の場合、志願したが脱落して日本軍に入隊出来なくなったことを悲観した江原道横城郡のある青年(李某)が自殺する事件が発生した。

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米刑務所内でワクチン接種者にインスタントラーメンが配られる。その理由は“闇通貨”だから!?

2021-09-20 20:26:59 | 雑感
「貨幣・財政・会計・経済」カテに入れようと思ったが、雑感として。

私の意見は下記。
(と言うかどうもこの日本語文章書いているの日本人じゃないような気がするけどもね・・・「安くて美味しいインスタントラーメン人気メニューになっていると言われている。」「主力級だという」こういう書き方は日本人はしない。「〇〇級」と言うのは韓国記事の日本語翻訳でよく見る文章だ。)


米刑務所内でワクチン接種者にインスタントラーメンが配られる。その理由は“闇通貨”だから!?
8/29(日) 13:00
https://news.yahoo.co.jp/articles/5d6a9e16ccc5737d6e5ce717b922393ba6fa7a7a

世界中で新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、アメリカの刑務所でユニークなキャンペーンが行われ、話題になっている。

オレゴン州ベントン郡の刑務所では、服役中の囚人に対して、ワクチン接種に応じれば袋麺を10袋配給するというキャンペーンを実施したと、ワシントン州のメディア「The Olympian」が伝えた。

以前から、アメリカの刑務所では安くて美味しいインスタントラーメン人気メニューになっていると言われている。

英放送局「BBC」によれば、アメリカの刑務所内では即席袋麺が人気メニューで、“刑務所グルメ”を満喫するには欠かせないアイテム。また米メディア「CNN」によれば、インスタントラーメンはアメリカの刑務所内で物々交換に使える“闇通貨”としても主力級だという。

ベントン郡の矯正施設管理当局職員は、「The Olympian」の取材に応じ、現地8月23日までに90人の囚人に900袋のインスタントラーメンを配給する予定と語った。

刑務所内には、このキャンペーンを知らせるポスターが貼られている。そこには、食欲を刺激するウェーブのかかった麺の画像に、ラーメンを意味する「Soup」という単語が用いられ、「Soups for Shots」というキャッチフレーズがデカデカと書かれているという。

矯正施設管理当局職員のスコット・ソウザ氏は「ワクチン接種を促進させるため、できることをやっています。すでに素晴らしい反応が得られています」と「The Olympian」に語った。

マサチューセッツ州では、ワクチンを接種する代わりに減刑という恩恵が得られる施策を打ち出している。ソウザ氏は、この「ラーメンキャンペーン」詳細をオレゴン州の刑務所間で共有し、コロナ対策に役立てたいと言う。

刑務所は収容密度が高く、感染拡大が続いている。また、高齢、あるいは持病のある受刑者も多く、死亡リスクも高い。アメリカの刑務所内のコロナ対策として、ラーメンが大活躍する日が来るかもしれない。


さて、記事では「安くて美味しいラーメンがもらえるからワクチン接種をする」「闇通貨として機能するトークン(代用硬貨)をもらえるから接種をする」と言う論については、そのプロセスについて結論を出していない。

が、これはもう簡単な話で後者だからだと私は考える。
と言うのも、仮に政府が「これから100円札を配るけれども、これはお湯で煮たら美味しいスープになって食べられます」と言うトークン(代用硬貨)を一人10枚配ると言ったらどうするだろう? 
誰もが食べず、それをトークンとして使用するはずだ。中には興味本位で一食分くらいは食べる人間は結構出るかもしれないが、全部食べる人間はいるまい。
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纏流子×AKIRAのバイク

2021-09-20 20:13:45 | 映像作品
こちらから。
https://www.pixiv.net/artworks/42931675
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気になる英語発音メモ

2021-09-20 19:30:31 | 雑感
voyager
日本語発音:↑ボイジャー
英語発音:↑ボイアジャー

motivation
日本語発音:モチベーション
英語発音:モタベイ↑シュン(モウ↑タベイ→シュンの場合もあり)
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アニメにしか見えないリアルタイム3Dグラフィックス GUILTY GEAR

2021-09-20 10:16:45 | 映像作品
ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルドが出た時には、これが現在の描画の最高峰だと思った。
その後、中国で同じコンセプトの「原神」がその上を行った。

現在はGUILTY GEARが、現時点における描画の最高峰であり、完成形であると思う。
CGであるがCGではない、アニメであるがアニメでない。

2014年かあ〜。
これ多分売上最多市場のアメリカと中国では受けないんだよね。
もっとゴリゴリのCGとかが受ける(MGSVTPPみたいな)。


西川善司の「試験に出るゲームグラフィックス」(1)「GUILTY GEAR Xrd -SIGN-」で実現された「アニメにしか見えないリアルタイム3Dグラフィックス」の秘密,前編
2014/07/12 00:00
https://www.4gamer.net/games/216/G021678/20140703095/

 新連載「試験に出るゲームグラフィックス」は,特定タイトルのゲームグラフィックスにスポットを当て,その仕組みや,そこで用いられている技術の解説を行っていくという主旨のものだ。筆者の連載としてはこれまで「西川善司の3Dゲームエクスタシー」を展開してきたが,カバーする範囲が広くなりすぎたので,特定のゲームタイトルと強く紐付いた技術解説は,今後,こちらの新連載のほうで扱っていきたいと思う。
 記念すべき第1回で取り上げるのは,アークシステムワークスが開発し,2014年2月からアーケードで稼働中の格闘ゲーム「GUILTY GEAR Xrd -SIGN-」だ。

フル3Dグラフィックスになったギルティギア

 格闘ゲームの起源には諸説あるが,「レバーの方向入力とボタン押しの組み合わせによるコマンドシステムを採用し,サイドビューのビジュアルで対面するキャラクターが戦う」というリアルタイム格闘ゲームのスタイルは,カプコンのストリートファイターシリーズが事実上の元祖と述べていいだろう。
 やがて,このサイドビュービジュアル基軸の格闘ゲームは,1990年代初頭に3Dグラフィックス化され,「3D格闘ゲーム」と呼ばれるようになった。そして,3D格闘ゲームの元祖的な存在はといえば,セガの「バーチャファイター」ということになるわけだ。

 面白いのは,その後,すべての格闘ゲームが3Dグラフィックスへは移行しなかったことだろう。そのため,従来からあった「書き割り」「ドット画」ベースのものは,「2D格闘ゲーム」という新たな名称を与えられて,生き残ることとなった。

 3D格闘ゲームは,GPUの進化に合わせる形で,グラフィックスがよりリアルになったり,動きの説得力が増したり,あるいはエフェクトが派手になったりと,分かりやすい進化を遂げてきたわけだが,それと比べると,2D格闘ゲームの進化は全体的に地味だった。それもそのはず,2D格闘ゲームのグラフィックスは,結局のところ「キャラクターの動きパターンを1枚1枚手で描いていく」作業になるので,GPUが進化しても,得られる恩恵はあまり大きくないのだ。

 もっとも,2D格闘ゲームのグラフィックスを革新するための試みがなかったわけではない。CAPCOM VS. SNKシリーズのように,キャラクターを2Dグラフィックスで描きつつ,背景をダイナミックな3Dグラフィックスで表現するものはこれまでも数多く登場してきている。また,近年のザ・キング・オブ・ファイターズシリーズなどのように,3Dグラフィックスでキャラクターのポーズを生成し,それを作画スタッフがトレースする例もある。
 ちなみに,「3Dベースのラフな人体モデルをトレースして作画する」という手法は,近年のテレビアニメでもよく用いられている技術だ。

 また,近年ではカプコンが,「ストリートファイターIV」で,90年代初頭の大ヒット作「ストリートファイターII」のドット画テイストの雰囲気を壊さない3Dグラフィックスを作り上げた。「グラフィックスは3Dだがゲームシステムは2D」という,新しい表現も生まれてきているのである。

 以上,2D格闘ゲームでは,何らかの形で3Dグラフィックスの技術を取り入れる形で,いくつかの新しい表現技法が模索されてきたわけだが,今回取り上げるGUILTY GEAR Xrd -SIGN-はどうか。本作は2D格闘ゲームであるとお断りしたうえで,下に示したムービーを見てもらえればと思う。これは,アークシステムワークス編集による,ゲームプレイシーンのダイジェストだ。PS4版で実現される予定の解像度1920×1080版なので,ぜひチェックしてほしい。



 どう見ても「手描きグラフィックス」にしか見えないかもしれない。しかし結論からいうと,これは100%,3Dグラフィックスでできている。
 超必殺技などのビジュアルで,通常バトル状態のサイドビューから大胆にカメラが動いて,キャラクターのアクションをダイナミックに見せてくれる表現は,まさに3Dグラフィックスの恩恵によるものだ。


ゲームエンジンとしてUnreal Engine 3を採用

 「作画ベースの映像かと思いきや,リアルタイム3DCGベース」という事実に衝撃を受けた人も少なくないと思うが,もう1つ驚かせそうな話題を提供しておくと,GUILTY GEAR Xrd -SIGN-は,Epic Games製ゲームエンジン「Unreal Engine 3」(以下UE3)ベースで制作されている。

 UE3は,Gears of WarシリーズやMass Effectシリーズなど,リアル系3Dゲームグラフィックスを得意とするエンジンとしてよく知られている。もちろんゲームエンジンというものは基本的に,さまざまなゲームの制作に対応できるよう設計されているので,技術的な観点から冷静に述べるなら,「そりゃあ,UE3でもアニメスタイルのビジュアルも実現できなくはないだろう」といったところだ。ただ,格闘ゲーマーからすると,「アニメ表現的な手描きテイストを得意とするアークシステムワークスが,いわゆる“洋ゲー”表現の得意なUE3を使ってギルティギアの新作を作った」というのは,やはりインパクトが大きい。

 なぜUE3なのか。まずはその点を,開発スタッフに聞いてみると,ゼネラルディレクターである石渡太輔氏,そしてディレクターの山中丈嗣氏から,次のような回答が得られた。


石渡太輔氏(以下,石渡氏):
 明解な理由を1つ挙げるとすれば「時間的な余裕があまりなかった」ということですね(笑)。
 3Dグラフィックス表現を採用するという方針に至る経緯については後ほどお話ししますが,定められた制作期間のなかで,3Dグラフィックスを用いて完成させるには,既存のゲームエンジンで制作することが必要だったんです。
 我々は以前,「ギルティギア2 オーヴァチュア」で,リアルタイムストラテジ風の3Dグラフィックス採用作品を,フルスクラッチの自社製ゲームエンジンで開発したことがあります。ただ,このエンジンを改良して制作に臨むという時間的余裕はありませんでした。

山中丈嗣氏(以下,山中氏):
 Epic Gamesさんは,次世代ゲームエンジンとして新たに「Unreal Engine 4」(以下,UE4)を発表しましたよね。我々がエンジン選定を開始したときはちょうどそのタイミングでして,UE4の登場によってUE3のディスカウントが進み,我々のような中小のスタジオでも手を出しやすい価格になってきたんです。この点は,採用に至った大きな要因の1つと言えますね。
 それと,GUILTY GEAR Xrd -SIGN-のプロトタイプ版をご覧になったEpic Gamesさんが「UE3の新しい潜在能力を引き出してくれた」と,高く評価してくださいまして,その後,多角的な支援をいただけることになったことも決め手になりました。


 GUILTY GEAR Xrd -SIGN-はアーケード向けタイトルである。その後発表された家庭用ゲーム機用移植も,PS4を前提とするなら,UE3ではなくUE4を採用してもよかった気はする。UE4は検討しなかったのか。あるいは,国内外,そのほかのエンジンはどうだったのだろう。この点についてはリードプログラマーの家弓拓郎氏が下記のとおり回答してくれている。

家弓拓郎氏(以下,家弓氏):
 もちろん検討しました。ただ,GUILTY GEAR Xrd -SIGN-の開発にあたっては,既存のゲームエンジンに対して機能追加や機能改変を行っていくことになるであろうと考えていたので,「ソースリストが開示してもらえる」ということと,「機能的に枯れている」ことが要件になっていました。
 そして,この要件を満たしてくれるのがUE3だったと。自分のようなエンジニアからすると,UE3には大きな魅力があったのです。


 氏の言う「機能的に枯れている」という表現は,「成熟している」と言い換えたほうが分かりやすいかもしれない。UE3は2005年頃から採用タイトルがリリースされているエンジンであり,先行して取り組んできた開発者達からのフィードバックによって,機能的に,とても安定したものになっているのだ。
 アークシステムワークス側で独自に機能追加を行ったときに,全体が不安定になっては困る。また,万が一そういった事態が生じた場合に原因の特定を行うときも,エンジン側が安定しているほうがやりやすい。そういうところも重要だったというわけである。

 アーティスト側から見たUE3については,アートディレクター兼チーフアニメーターの坂村英彦氏とリードモデラー兼テクニカルアーティストの本村・C・純也氏が次のように評価している。

坂村英彦氏(以下,坂村氏):
 アーティストの立場から使いやすいというのも,UE3を採用する決め手になりました。UE3では“フリー版”ともいえるUDK(※開発キット)が公開されていますが,これを使うと,私のようなアーティスト側だけで,弊社の3Dモデルを使ったサンプルゲーム的なFPSが作れてしまったんですよ。統合ツールとしての使い勝手はかなりよかったです。

本村・C・純也氏(以下,本村氏):
 プログラマーの手を煩わせることなく,どんどん開発を進めていけるUE3は,プログラマーの数がそれほどが多くないGUILTY GEAR Xrd -SIGN-開発チームにおいてはありがたいと思いました。アーティスト側でどんどん作り込んでいけますからね。
 格闘ゲームは開発中にさまざまな調整が発生するんですが,その都度,アーティストとプログラマーの間でデータをやりとりしていたら開発効率が悪くなります。その点UE3では,アーティスト側が各自でセットアップできて,作り込んだものを反映していけたので,そうした問題は起こりにくかったです。


 GUILTY GEAR Xrd -SIGN-開発プロジェクトでは,基本的なコンテンツ制作には,UE3で提供されるツール群を活用しつつ,それ以外の,とくに「2D格闘ゲームとしての中核部分の作り込み」は,アークシステムワークスが過去のプロジェクトで利用し続けてきた内製のツール群を利用したという。具体的にいうと,内製ツールとは,2D格闘ゲームとしての衝突判定設定ツールや,キャラクタアクションを制御するスクリプトツールなどだ。


 2D格闘ゲームとしてのゲームロジック部分,「2D格闘ゲームエンジン」というべき部分も,新規に起こしたりはせず,自社で熟成させてきた,実績あるものをUE3向けに移植する方策を取ったとのこと。
 使い慣れた社内ツール群は,安定した動作実績があるだけでなく,社内でそれらを使える者も多い。新しい技術を採用しつつ,開発効率も維持することを考えると,アークシステムワークスがGUILTY GEAR Xrd -SIGN-の開発で選択した方針は,確かに現実的だったとまとめることができそうである。

 なお,GUILTY GEAR Xrd -SIGN-の開発チームは,取材時点で,アークシステムワークス社内の専任メンバーだけで25名になるという。マネジメント担当を除く“実働部隊”の内訳は,プログラマーが4名,ゲームデザインなどを担当するプランナーが3名,デザイナーが12名とのこと。そのほかに国内外の外注スタッフがいるため,総勢では100名前後が関わっているとのことだった。

 ゲームの構想自体は2008年頃に立ち上がり,具体的な開発プロジェクトとして発足したのは2011年春頃。このときに「3Dグラフィックスを採用すること」がほぼ決定し,社内向けプレゼンテーションのためのパイロットムービーが制作されている。
 プロトタイプ版の開発が始まったのは2011年後半で,暮れ頃にUE3の採用が決定。本格的な開発作業に着手したのは2012年後半で,実制作期間は1年半ほどになるそうだ。

「2D格闘ゲームを3Dグラフィックスで表現する」ということ

 アークシステムワークスには,多数の2D格闘ゲームを世に送り出してきた実績がある。2D格闘ゲーム開発の職人集団と言ってもいいだろう。
 そして,前出のギルティギア2 オーヴァチュアという例外を別にして,ギルティギアシリーズはこれまで,ドット画の2D格闘ゲームとして多くのゲーマーから認知されてきた。それだけに,今回の3Dグラフィックス移行は,アークシステムワークスにとっても大きな決断となったはずだが,その点について石渡氏は次のように振り返っている。

石渡氏:
 2011年の春頃,「ギルティギアの格闘ゲーム」としての新作プロジェクトが立ち上がりました。その前に我々は2008年に「BLAZBLUE」をリリースしていますが,これが自分達にとっての「ドット画ベースとなる2D格闘ゲームの頂点」という位置づけの作品となったんですね。
 では,それに続く新作のギルティギアで何をしたらファンにインパクトを与えられるのか。そう考えたときの結論が,「ドット画かセルアニメにしか見えないリアルタイム3Dグラフィックス」だったんです。


 石渡氏は,最初から3Dという方針を決めていたわけではなく,自身は「ベクトルグラフィックスを2D格闘ゲームに応用できないか」と独自に研究を進めたこともあるという。
 続けて氏は2007年頃から,ギルティギアシリーズのキャラクターを3Dモデリングして,試験的に動かしてみる実験も行っていたが,いわゆるフォトリアル系のビジュアルでの作り込んでいくことに限界も感じていた。

 同じ頃本村氏は,セルアニメ的な表現をリアルタイムで行う「トゥーンシェーダ」(Toon Shader。Cel-Shaderとも言われる)の研究をするようになっていたのだが,その研究成果が石渡氏の目に留まり,最終的に,トゥーンシェーダを使う方向へ舵を切ることになったのだそうだ。
 プログラム面はどうかというと,家弓氏いわく,3D格闘ゲーム「BattleFantasia」の開発を経験していたため,この方針採択にそれほど大きな不安はなかったとのことだった。

 カメラのアングルを変えることで,ダイナミックなビジュアル表現を行える。ここが3Dグラフィックスにおける一番の魅力になることは素人でも容易に想像できるわけだが,総監督の立場である石渡氏自身は,そのこと以外にもう1つ,この手法に秘められた大きな可能性を見出していたようだ。


石渡氏:
 3Dグラフィックスを採用すると,ドット画では実現の難しい,多彩な表情表現……いうなれば「顔芸」がやりやすくなるんですよ。体の動きとは別に顔を動かせますから,戦闘中,セリフなしでも多彩な感情表現ができるんです。


 画面解像度が低かった時代,ドット画で表現されるキャラクターの表情はそれほど精細に描かれていなかった。プレイヤー側も,そこにあまり関心を示さなかったり,想像で補っていたりしたと思うが,近年,ディスプレイが高解像度化を果たすと,そういったディテールの表現にごまかしがきかなくなってきた。ドット画を採用する場合は,ディスプレイ解像度に見合う形で作画解像度を上げる必要に迫られるようになったのだ。
 BLAZBLUEシリーズではそれを実現していたアークシステムワークスだが,GUILTY GEAR Xrd -SIGN-では“その先”を見据え,より自由度の高い顔面アニメーションが可能な3Dグラフィックスに注目していたというわけである。


GUILTY GEAR Xrd -SIGN-のグラフィックス仕様は?

 続いて,グラフィックス仕様をチェックしていこう。
 GUILTY GEAR Xrd -SIGN-はシステム基板として,セガの「RINGEDGE 2」(※スペック非公開)を採用している。OSは32bit版Windows XP Embeddedなので,実行バイナリも必然的に32bitだ。

 レンダリング解像度は(アーケード版だと)1280×720ドットの720pでフレームレートは60fps。アンチエイリアシング技法としては定番のMSAA(Multi-Sampled Anti-Aliasing)ではなく,ポストエフェクト的な手法であるFXAA(Fast Approximate Anti-Aliasing)を採用している。

 1シーンあたりの総ポリゴン数は約80万。内訳は,キャラクター2体で約25万,背景に約55万となるが,この値はあくまで参考値で,「1シーンのレンダリングにおける,可視および不可視ポリゴンを合わせた,GPUにかかる総ジオメトリ(頂点)負荷」というイメージだ。
 1キャラクターは約4万ポリゴンでモデリングされているという。

 GUILTY GEAR Xrd -SIGN-では,バトルシーンの3Dモデルとカットシーンでの3Dモデルで,頭部は別個にモデリングされている。ただ,いずれのシーンにおいてもポリゴン数に大きな変動はないという。
 「キャラクターごとにバトルシーン用とカットシーン用の頭部3Dモデルを用意している」と聞くと,3Dグラフィックスに詳しい人ほど,LoD(Level of Detail)的に多ポリゴンのモデルと少ポリゴンのモデルを用意していると想像してしまいがちだ。しかし実態はそうではなく,バトル中の局面ごとに見栄えのよいものを用意したかったためだと,石渡氏は述べている。


石渡氏:
 バトル中のキャラクターは顔面が小さく描かれます。衣装やアクセサリー類も同様です。ただ,その3Dモデルでは,アップになったときに,キャラクターに与えられたアイデンティティを表現し切れません。そのため,バトル中のための3Dモデルと,カメラが寄ったときに用いる3Dモデルを個別に制作することにしました。


 たとえば,ギルティギアシリーズに登場するミリアはクールビューティ的な女性キャラクターであり,切れ長の目を持つ,大人っぽい顔をしている。実際,カットシーンや,特定の必殺技を繰り出したときなど,カメラが寄る場面では,その「大人っぽい顔」を持つ近景用3Dモデルで描画される。
 しかし,この「大人っぽい顔」を持つ3Dモデルをそのままバトル中に用いてしまうと,目鼻立ちが細くなりすぎてしまい,キャラクターの個性や表情が今ひとつ表現しづらくなってしまうのだ。
 そこでアークシステムワークスは,キャラクターの表情や,キャラクターの衣装やアクセサリーにおける象徴的な部分のディテールを強調すべく,バトルシーン用3Dモデルでは近景用3Dモデルと造形を変えることにした。それこそミリアの場合,バトルシーン用の3Dモデルでは,意図的に目を大きくするなどの変更を行っている,といった具合だ。

 ボーン数は,主人公キャラクターであるソルで約460本。一番多いキャラクターで約600本とのこと。ただし,手足を含む肢体に仕込まれるボーン構造は基本的に共通という。
 頭部内のボーンは約170本で,うち約70本が表情用に割り当てられている。この値は平均的なイマドキの3Dゲームキャラクターと比べてかなり多く,それだけ,表情にこだわりがあるというわけである。

 レンダリング方式は一般的なForwardで,近年流行のDeferredは採用されていない。Deferredは多くの光源を扱うときに有効な手法だが,アニメ調の“2D風”では必要なかったのだろう。
 ただし,早期カリングのためのZバッファレンダリング(※Z-Prepass。深度値の先出し)は行っているそうだ。つまり,すべての3Dモデルに対してジオメトリレンダリングが最低2回は行われていることになる。さらに,キャラクターに対しては,アニメ調の輪郭線付加を行うため,追加でもう1回のジオメトリレンダリングが行われているという。このあたりは後述する。

 1シーンあたりの総テクスチャ容量は約160MB以下。1シーンあたりのシェーダプログラム総数は,頂点シェーダが60~70個程度で,ピクセルシェーダが70~80個程度となっている。
 すべてのシェーダはUE3のツールセット内で制作できたとのこと。キャラクターのシェーダは本村氏のチームが,背景やエフェクトのシェーダは各担当者がそれぞれ担当し,プログラムチームが個別にシェーダを開発する局面はほぼ生じなかったようだ。こうした部分にはUE3採用の効果が現れているといえるかもしれない。


ライティングとシェーディング(1)
~オーソドックスなトゥーンシェーダにきめ細かなカスタム手法を組み合わせて

 というわけで,ここからはGUILTY GEAR Xrd -SIGN-で採用されているグラフィックス技術を1つ1つ見ていきたいと思うが,まずはライティングシステムからだ。ライティングシステムにおける見どころは,ズバリ,物理的な正確性がまったくないところである。

 頭の上に大きな疑問符が浮かんだ人も多いと思うが,これは,GUILTY GEAR Xrd -SIGN-で目指す「ビジュアルの最終ゴール」がセルアニメであることと関係している。開発チームは,「物理的に正しいというより,絵描き的に正しいものを目指した」そうで,そちらに向けてさまざまに凝らされた工夫の数々が,技術的観点からするとユニークで面白いのだ。

 というわけで細かく見ていくと,GUILTY GEAR Xrd -SIGN-のゲーム世界で設定されるグローバルな光源は,太陽光に相当する平行光源が1つだけ。この平行光源は,キャラクターが地面に落とす動的な影生成のために用いられている。
 逆にいうと,それ以外の影,たとえば静的な背景オブジェクトの影などは,頂点カラーやテクスチャによる焼き込みの影となっているわけである。

 それでは,キャラクター自体の陰影はどのように付けられているのかというと,「キャラクター自体が連れて歩いている専用の光源」によるライティングの効果となる。「プレイヤーの目には見えない,各キャラクター専用の照明担当者」が,キャラクターにうろうろとついて回っているイメージだ。


石渡氏:
 セルアニメのビジュアルを目指したということはつまり,見栄え重視ということです。
 シーンに設定した光源でライティングすると,ある側面ではリアルに見えるかもしれません。でもたとえば,ある位置にキャラクターが来ると,顔に影が落ちて真っ暗になってしまったり,あるいは陰影が消失してのっぺりしてしまったりする状況が出てきてしまいます。
 見映えの違いが出てきてしまうことは,常に対等条件で闘い合う2D格闘ゲームでは避けるべきなんですよ。

本村氏:
 実装的には,キャラクターそれぞれのライティング用シェーダ内に光源を持たせているイメージです。「キャラクターごとに,個別のベクトルパラメータを光源として持たせている」と説明したほうが正確かもしれません。


 この「各キャラクター専用光源」は,モーションごとに位置や角度が調整されるとのこと。バトルシーンはともかく,カットシーンでは,見映えのため,光源の位置や向きを1コマ1コマ調整してあるという。

 ライティングの結果として陰影を与えるシェーディングには基本的に,ある閾値を超えれば「明」,下回れば「陰」とする(※),ごくごく一般的な二階調型のトゥーンシェーダメカニズムが採用されている。たとえば,ライティングの結果が0~255の値を取りえるとき,128以上を「明」,127までを「陰」とするような処理系だ。

※「影」と「陰」。本稿では便宜上,他者に遮蔽されて生じる暗部を「影」,照明効果の結果として光が当たりにくく暗がりになる部分を「陰」と使い分けている。

 ただ,シェーディングの結果の値が,あらかじめ設定された閾値に近い領域だと,キャラクターやカメラのちょっとした移動で明陰が反転してしまいやすくなったり,明陰の領域が細かく分断されて斑(ぶち・まだら)状に出てしまい,見映えが悪くなったりすることもある。

 そこでGUILTY GEAR Xrd -SIGN-では,セルアニメっぽい明陰の塗り分けになるよう,3Dモデル側にいくつかの工夫を盛り込むことによって,見映えの調整を図っている。
 1つは,3Dモデルを構成する各ポリゴンの頂点カラー,具体的には頂点カラーのRチャネルに,「陰となりやすい重みパラメータ」を仕込むというものだ。
 これは,窪んだところや,周囲から遮蔽されているようなところで,強めに設定されている。主人公のソルでいけば,アゴ下や首周りなどだ。アゴ下や首首周りには頭部のセルフシャドウ的な影が出るわけだが,ここはこの「陰となりやすい重みパラメータ」が大きく貢献しているのである。

本村氏:
 「陰となりやすい重みパラメータ」は結果的に,アンビエントオクルージョン(Ambient Occlusion,自己遮蔽率)的なパラメータになっていますが,アーティストのセンスに基づいて,手作業で設定しています。
 この「陰となりやすい重みパラメータ」は,照明制御用テクスチャ――開発チーム内では「ilmテクスチャ」と呼んでいますが――のG(=緑)チャネルにも設定してありまして,このパラメータが最大値だと,テクスチャ焼き込みの陰に相当します。たとえばアゴの裏側や,首とアゴの接合部周辺など,常に陰となる部分は,この方法で陰としていたりしますね。

 首元に出る,アゴの輪郭形状的な陰は,一見,セルフシャドウ表現のようにも見える。しかし実際には,「陰となりやすい重みパラメータ」によってできた陰なのだ。

 セルアニメっぽい明陰の塗り分けを実現するための工夫,もう1つは,頂点法線の調整である。

 頂点法線とは,分かりやすい言葉で言い換えると,「頂点の向き」のこと。
 3Dグラフィックスにおけるライティング計算には「光源の向き」(光源ベクトル)と「視線の向き」(視線ベクトル),「面の向き」(法線ベクトル)の3パラメータが必要になる。つまり,陰影の出方は,「面の向き」を変化させることでも調整できるということだ。

 GUILTY GEAR Xrd -SIGN-の場合,キャラクターモデルは前述のとおり,約4万ポリゴンでモデリングされている。そのため,何もしないと,4万ポリゴンに見合った,複雑な陰影が出てしまうが,出したいのはセルアニメっぽい大ざっぱな陰影である。そこで,「4万ポリゴン分の3Dモデル形状(≒3Dモデル解像度)を維持したまま,各ポリゴンに持たされている『面の向き』情報だけを粗くすることで,ライティングした結果の陰影だけを大ざっぱにする」というアイデアが考案された。
 「面の向き」は,頂点単位に与えられた法線ベクトルで表される。そこでGUILTY GEAR Xrd -SIGN-において開発チームは,大ざっぱな陰影が出るよう,この頂点法線を調整したのである。

 UE3は標準状態だと,スケルタルメッシュ(Skeletal Meshes,キャラクター用のボーン変形に対応したメッシュ)のインポート時に,頂点法線を必ず再計算する仕様になっている。そのため,そのままでは3Dグラフィックス制作ツールである「Softimage」上で編集した法線をゲームに反映することができない。
 そこで,プログラマーの家弓氏が,エンジンのメッシュインポート回りをカスタマイズし,編集された法線をそのままゲームに使用できるように改造を行ったのだそうだ。「この改造なくして,法線編集による陰影の制御は不可能でした」と,本村氏は述懐している。

 さて,UE3の改造によって頂点法線の調整は可能になったが,その方法にはいくつか選択肢がある。かつてスタジオジブリが「ハウルの動く城」のCG部分で行っていたのは「隣接する法線ベクトル同士の平均値を反復的に求めて,法線ベクトルのばらつきを吸収し,平坦化する」というものだった。開発チームはどういう手法を選択したのか。


本村氏:
 GUILTY GEAR Xrd -SIGN-では,キャラクターの見映えが最重視されたので,顔面上の陰影の出方には最新の注意を払いました。顔面や頭部では,アーティストが手作業で法線の編集調整を行っています。

 たとえば,頬のあたりの法線を,こめかみあたりの法線に近づけるようにしてやれば,こめかみあたりが暗いときには頬あたりも同様に暗くなるような陰影にできる。本来,3Dモデルの形状としては曲面状にモデリングされているのだが,あえて法線を揃えてしまうことにより,低ポリゴンモデルのような大ざっぱな陰影を多ポリゴンモデルに与えるわけだ。

本村氏:
 一方,衣服や頭髪などではGatorを使って,よりシンプルな形状モデルの法線分布を転写することで,複雑な形状モデルに大ざっぱな陰影が出るようにしています。


 ソルのズボン(=脚部)は,凹凸の与えられた複雑な形状をしているが,陰影はやはり大ざっぱにしてある。ほぼ同サイズの円筒形(=円柱)モデルを用意し,その法線をあらかじめ,ズボンモデルに転写することで,法線の調整を行っているのだ。
 本村氏が述べているように,この部分は手作業ではなく,Gator(Generalized Attribute Transfer Operator)と呼ばれる3DCGソフト――開発チームは「Softimage 2013」を使っている――の3Dモデルの属性転送機能を使い,半自動的に生成していることになる。

 GUILTY GEAR Xrd -SIGN-におけるキャラクター達の頭髪は,相当複雑な形状をしているが,ここも,セルアニメ風観点から具合のいい陰影になっている。普通にシェーディングしたら,凹凸の固まりごとに陰影が分断されてしまうはずだが,法線編集とシンプル形状モデルの法線転写を組み合わせつつ,さらにモデリング段階での特殊な調整を入れることで,なんとか納得のいく状態にたどり着けたとのことだった。

ライティングとシェーディング(2)
~鏡面反射の制御と疑似表面下散乱テクニック

 セルアニメ的な2Dグラフィックスでは,鏡面反射によって出現する「スペキュラハイライト」(Specular Highlight,視線依存なハイライト)の存在感をそれほど感じないことが多い。だが,GUILTY GEAR Xrd -SIGN-では,このスペキュラハイライトも,「手描きイラストでハイライトを付加するときの文法」に基づいた調整の結果として,ライティングにしっかり付加されている。

ではその文法とは何なのか。
 一言で表現するのは難しいのだが,いくつか例を挙げるならば,肌と衣装のように,互いが近い位置にあっても材質が異なるときにはハイライトがくっつかないようにしたりとか,物理的にはまったく正しくないのを納得ずくで凹凸境界や材質境界に沿ってハイライトを出したりとかいったものだ。

 スペキュラハイライトの制御は,照明制御用のテクスチャのB(=青)チャネルに格納される「ハイライトの入りやすさ」パラメータによって行われる。このパラメータは鏡面反射の計算結果に対して強弱を調整するものなので,最大値なら焼き込みのハイライトになり,逆に値が小さい領域ほどハイライトが減退しやすくなる。
 ちなみに,照明制御用テクスチャのRチャネルは「スペキュラハイライトの強度」パラメータとなっており,金属やツルツルとした材質の部分には大きめのが設定されることになる。

 ただ,これだけの工夫を盛り込んでも,開発チームはまだ納得できなかったという。目指す「完全なセルアニメ風テイスト」に向けて,何が足りないのか。

本村氏:
 「色」ですね。トゥーンシェーダの結果として明暗ができますが,その明暗に,どこか単調な印象を受けたんです。陰になった箇所に単色の陰色を乗算で載せちゃうだけの,単純なトゥーンシェーダ処理だと,そこの素材感に説得力や豊かさが不足しているように感じたというか。
 一方で,テレビアニメの制作現場には,色彩設計という,専門職のアーティストがいて,「このキャラクターのこの部分は,日が当たるとこの色,陰になっているところはこの色」とった感じで,色を個別に細かく設定しているんですよ。違いはここにあるんじゃないかと考えたわけです。


 もちろん,セルアニメのように事細かく個別設定するわけにはいかない。そこで,系統立てて実装するための研究を進めた結果,テレビアニメの色彩設計担当は本能的に,「そのシーンの環境光色」と「表現対象の材質の光の透過率」を吟味して,設定する色を決めているのではないか,という推論に辿り着いたそうだ。この推論に基づいて実装してみたところ,理想にかなり近い結果が得られることになり,最終仕様に盛り込むことを決断したと,本村氏は語っていた。

 実際の仕組みは,それほど複雑なものではない。
 まず用意するのは,3Dモデルに適用する基本テクスチャ(Base Texture,ベーステクスチャ)に対応する「陰となったときに出やすい色」分布のテクスチャだ。このテクスチャは開発チーム内では便宜上「SSSテクスチャ」(SSS:SubSurface Scattering)と呼ばれているという。

 ライティングの結果で陰となった場合,当該ピクセルは,このSSSテクスチャの値と「環境光の色」を乗算して得られた色を陰色として決定する。一方,ライティングの結果で明となった場合は,SSSのテクスチャの値を無視するので,結果,光源色だけが影響することになる。
 この切り分け処理により,セルアニメ風の彩色に近づくことになり,開発チームは満足したのだそうだ。


 具体的にどのような効果が表れているかというと,たとえば,キャラクターの肌色の部分に出る陰は若干の赤味を帯びるようになる。また,衣服部分の陰には衣服の彩色の彩度が残るようになる。つまり,SSSテクスチャとは,そうした「赤味」や「衣服の彩度が残った色」で構成されたものになる。

本村氏:
 SSSテクスチャは表面下散乱をシミュレーションしているわけではないので,この名称は厳密には正しくないかもしれません(笑)。
 補足説明をするとすれば,SSSテクスチャは「その材質が光をどのくらい透過するか」を端的に表していると思います。薄い紙の上に出る陰の色は薄めですよね。そういうイメージのテクスチャです。


輪郭線の秘密(1)
~背面法

 GUILTY GEAR Xrd -SIGN-のアニメ調ビジュアルを形作る要素において,かなりの根幹部分を担っているのが,輪郭線(線描)の部分だ。漫画でいうところのペン入れ部分だが,この表現にあたってGUILTY GEAR Xrd -SIGN-では,2つのアプローチを組み合わせたものを実装している。

 最も基本的な線描となる3Dモデルの形状輪郭線には「背面法」(Back-Facing,バックフェイス法)が採用されている。
 通常,3DモデルをGPUで描画しようとした場合,視点に対して背面側にあるポリゴンは「見えないもの」として描画対象外として破棄されてしまう。この仕組みは,「正面を向いているキャラクターモデルの背中側のポリゴンはどうせ視点からは見えないので描かない」という発想に基づく「背面カリング」(Backface Culling,裏面カリングともいう)と呼ばれている。
 それに対して背面法の線描では,この背面カリングの仕組みを反転したレンダリングを組み合わせている。「反転」とはつまり,通常は「背面を描かない」とする処理系を反転させる,つまり「背面を描いて正面を描かないようにする」ということだ。

 処理の流れを説明しておくと,第一段階として,3Dモデルを若干膨張させつつ,反転させた「背面カリング」を行う。その結果として,当該3Dモデルの真っ黒なシルエットが描かれるので,これをひとまず保存しておく。
 第二段階として,その3Dモデル本来の大きさで,通常の処理系を用いてレンダリングする。
 そして最終段階では,真っ黒なシルエットと通常のレンダリング結果を合成する。真っ黒なシルエットは,通常のレンダリング結果で大部分が上書きされてしまうが,真っ黒なシルエットは3Dモデルを若干膨張させた状態になっているので,結果として輪郭部分だけが残るというわけだ。

 GUILTY GEAR Xrd -SIGN-のレンダリングパイプラインでは,Zバッファの先出しを行っているため,第一段階の時点で,ほぼ完璧に近い輪郭線が得られる。なので最終段階の合成フェーズは不要な気もするが,概念としてはこんな感じになる。

 実のところ,この手法はプログラマブルシェーダ技術が台頭する前から使われてきたクラシックなものだが,GUILTY GEAR Xrd -SIGN-では,頂点シェーダを駆使して,このクラシックな手法を独自に拡張して実装している。

 アークシステムワークスによる独自拡張部分は,カメラのズーム具合やキャラクターの遠近にかかわらず,線の太さが細くなりすぎたり太くなりすぎたりするのを避ける制御部分や,手描きの作画タッチを再現するために曲線部や直線部で線の太さに強弱を付ける制御部分だ。実際にペンを走らせて描いたかのようなGUILTY GEAR Xrd -SIGN-の線描は,こういった頂点シェーダによる制御から生まれているものなのだ。


本村氏:
 背面法を採用したのは,アーティスト側で線描の強弱を自在に制御できる部分にメリットを感じたためです。GUILTY GEAR Xrd -SIGN-の3Dモデルでは,頂点カラーに「線描するときの太さ制御値」を仕込んでいて,これによって線描の強弱が付けられるようになっています。これで,アニメの手描き作画で見られるような,頬のあたりは太く,顎にかけて細くなっていくというような表現が行えるんですよ。

 本村氏によれば,GUILTY GEAR Xrd -SIGN-における頂点カラーの活用内訳は以下のようになっているという。

R:陰影判定の閾値に対するオフセット。1が標準で,影になりやすい部分ほど暗く。0だと必ず影になる
G:カメラからの距離に応じて輪郭線をどの程度膨張させるかの係数
B:輪郭線のZオフセット値
A:輪郭線の太さ係数。0.5が標準で,1にするとMAXの太さ,0にすると輪郭線なしになる


 GとAが輪郭線の太さ制御に関わるパラメータだ。Rは,ライティングとシェーディング(1)の段でも触れた,手仕込みのアンビエントオクルージョン的な自己遮蔽率係数だ。Bは,背面法で膨張させるとき,視点に対してどのくらい奥行き方向(Z方向)にずらして(=オフセットして)膨張させるかの係数で,この値を大きく設定すると,膨張モデルが隣接する面に埋没しやすくなって結果的に輪郭線を消すことができる。本村氏によれば,頭髪や顔面の鼻下などに,歓迎されないシワのような輪郭線が出てしまうのを防ぐために盛り込んだパラメータだとのことだった。
石渡氏:
 ポストエフェクト的なアプローチを採用しなかったのは,今回のような「線の太さの強弱制御」を行いにくいと思ったからです。この背面法の線描の仕組みだと,アーティスト側で行われる3Dモデル制作の段階から,実機でどう線が出るのかを調整できますから,モデルの作り込みと輪郭線の出方を同時に作り込めるんですね。


 石渡氏の言う「ポストエフェクト的なアプローチ」とは,レンダリング結果に対して,ピクセルシェーダによるリアルタイムフォトレタッチ的に線描を行うものだ。具体的には,レンダリング結果の深度値段差を検出したり,あるいは画素単位の視線(=視線ベクトル)と面の向き(=法線ベクトル)の内積値の段差を検出したりすることで,輪郭線ピクセルを決定していく。この方法は,背面法ではジオメトリ負荷が高すぎると判断される場合に採用されることが多く,最近では「GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動」が背景3Dモデル専用の線描手法に用いていた。

輪郭線の秘密(2)
~新開発!? の「本村式ライン」

 GUILTY GEAR Xrd -SIGN-では,輪郭線の表現にあたって,衣服やアクセサリ類の溝,縫い目,筋肉の隆起といったところに,もう1つ別の手法による線描を加えているという。


本村氏:
 3D構造的に溝になっている部分など,背面法では輪郭線が出せないところが存在します。そうした箇所にはテクスチャマッピングで入れ込むしかないわけですが,普通にテクスチャマッピングすると,カメラのズームインで拡大されたときにジャギーが出てしまい,背面法による綺麗な輪郭線との差が目立ってしまうんです。そこで,「テクスチャの解像度に依存しない綺麗な線分」をいかにして出すかを,「テクスチャマッピングでジャギーが顕在化するのはどういう状況か」という基本にまで立ち返って研究しました。


 その結果生まれたのが,開発チーム内で「本村式ライン」と呼ばれる,ユニークな線描テクニックだ。

 そもそも,テクスチャマッピングにおけるジャギーは,とあるテクセル(=テクスチャを構成するピクセル)がポリゴン面に対して単独テクセルとして描き込まれるときに顕在化する。これに対し,隣接するテクセルがあれば,単一テクセルのときとは違い,四角いテクセル形状の輪郭が事実上消失してまうため,ジャギー感が露呈しにくい。
 ただ,隣接していても斜め上や斜め下にあったのでは,事実上,そのテクセルは単一状態に等しく,ジャギー感が出てしまう。つまり,水平線状や垂直線状にテクセルが並んだピクセル集合なら,ボケ味が付加されることはありこそすれ,ジャギー感が出てしまう状況は回避できるということである。

 分かってみれば当たり前のことなのだが,このことに気が付いた本村氏は,「輪郭線として与える実線を垂直線と水平線だけで構成したテクスチャ」を作成。そのうえで,3Dモデルに適用するとき,斜め線や曲線が欲しいところでは,そうマッピングされるように歪みや曲げを与える形でUVマップ(=3Dモデル上の各ポリゴンが,テクスチャマップのどこに対応するかを表したデータ)を設計したのだ。
 いざ,この手法でテクスチャマッピングを行ってみると,あら不思議。それほど高くない解像度のテクスチャであっても,美しく滑らかな線描が得られたのである。

 下が,実際に用いられた本村式ライン用のテクスチャだ。なお,本村式ライン用のテクスチャは描線情報のみで構わないため,照明制御用テクスチャマップのαチャネル上に単色で格納されている。

 本村式ラインの例では,直行する線分だけという,なんだか都市計画図のような不思議なテクスチャになっているのが分かるが,たとえば四角い線で縁取られたテクスチャは,筋肉の隆起部に適用される輪郭線だったりする。筋肉の隆起は,楕円形の半球形状になるが,それを本村式ラインでは「四角状の縁取り線を楕円状にマッピングする」ことになるわけである。
 四角が楕円状になる以上,四角内部の領域はかなり引き伸ばされ,歪む。なので,この四角内部に文字や模様などがあると,それも当然歪んでしまうが,あくまでもこのテクスチャは輪郭線付加のためのものなので,そうした文字や模様は盛り込まれていない。見た目として顕在化するのは,あくまでも線だけなので,この手法で生じる歪みは,見た目の問題として露呈しないのである。

 当然,歪みや曲げを与えたUVをベースにテクスチャマッピングがなされ,キャラクターや視点が動けばテクスチャは拡大縮小回転の影響も受ける。となると,描かれる線分もその影響を受けて,曲線になったり斜め線になったりするわけなのだが,テクスチャマッピングにあたってはバイリニアフィルタリング(Bilinear Filtering)を適用しているため,そうした曲線や斜め線には適度なボケ味が与えられる。そして,これがちょうどいいアンチエイリアシング効果になってくれるのだ。

 ところで,本村式ラインで描かれる線分にも太さの強弱が見られる。しかし,本村式ライン用のテクスチャ自体にそうした微妙な線分の強弱はなく,線の太さはほぼ単一だ。テクスチャの線の太さが均一なのに,どうやって描線の強弱をつけているのだろうか。


本村氏:
 本村式ラインで行う描線の太さの強弱は,UVマップの設計でつけています。太い線を出したいときは,テクスチャ上の線表現テクセル達がポリゴン面に対して広く割り当てられるようにUVマップを工夫すればいいんです。


 この本村式ライン,やり方次第では,アニメタッチ以外のゲームグラフィックスにも広く応用できそうな予感がする。

 といったところで前編はここまで。
 後編では,よりゲーム表現的な部分の話題やアニメーション(動き)の部分にスポットを当ててお届けするので,お楽しみに。



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