豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

女性初ヒマラヤ8000m峰全14座制覇の呉銀善に対する登頂疑惑→メスナー「登頂したんじゃねーの?」

2010年05月12日 | 山ネタ そのほか
ここ最近、山好き以外の人にまで話題になっている呉銀善のカンチ登頂疑惑ですが、呉銀善に強力な援軍が登場しました。8000m峰全14座登頂に初めて成功した、ラインホルト・メスナー先生です。酸素使用を「アンフェア」とブッタ切る、ちょっとヤバいくらいのお方です。



「呉銀善はンチェンジュンガ登頂に成功」 憧れのメスナー氏が評価
東亜日報  MAY 11, 2010 07:10

ヒマラヤ14座制覇した初の女性、呉銀善隊長が帰国
中央日報  2010.05.12 16:56:38



メスナーは呉銀善に会うとすぐにカンチェンジュンガ登頂疑惑について質問してきたらしいのですが、呉銀善は紙を用いて詳細に説明を行ったようです。で、メスナーは周囲の人に登頂間違いないべ、とコメントをしたみたいですね。





カンチェンジュンガ登頂疑惑の元になったのは、呉銀善が撮影した写真には岩が写っているのに、同時期に登った他のクライマーの写真には雪しか写っていなかったということです。


東亜日報の記事からちょっと引用してみましょう。

引用
カンチェンジュンガについて、「私の観点からすべてが当てはまる。当時、確かに頂に立つまでには、至らなかったかもしれない。ところが、吹雪に遭ったならば、正確な頂上を見つけられなかっただろう。そのため、数メートルを進められなかったかもしれないが、それでも登頂は登頂だ」と語った。
呉氏が、カンチェンジュンガ頂上の正確な頂点に立っていなかったことは自らでも認める部分だ。メスナー氏は、悪天候のため、頂点を踏み損ねたとしても、頂上として認める国策的な慣例に触れ、呉銀善の14座制覇を認めた。

引用おわり



カンチ登頂疑惑そのものについてはよくわからんのですけど、このあたりが今回の問題を象徴している感じです。





それにしても、中央日報の記事は、読んでちょいとビックリしました。けっこう濃いですね。記者が「メスナー氏のパートナーと知られたハンス・カマランダー氏(イタリア)は最近、呉隊長の14座制覇を酸素ボンベと物量主義登山だと評価をしたが。」なんて質問をしていますけど、日本のマスコミでは考えられないですね。

ていうか、ヒマラヤのことをよくわからん私がこのエントリーを書いたのは、中央日報の記事にうっかり感動したからだったりします。