豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

山はやがて看板だらけになるのかもしれないと悲観的に考える

2008年03月05日 | 山ネタ そのほか
その昔、槍岳山荘の前でぼーっと槍の穂先を見ていると、トンデモないところを登っている人をよく見かけたものです。一応白いペンキでマーキングしてあるのですが、必死になっているのか目に入らないのですね。穂先に向かうつもりが、だんだん山小屋側に来ているなんて人も珍しくなかったりします。よっぽど周囲を見ていないのでしょうね。その後ペンキマークが新しくなり、数も増えたのですが、変な方向へ行く人は後を絶ちませんでした。

で、そんなコトを思い出したのが、以下のニュースです。

案内看板で安全に 松尾山林道、ハイカーの救助要請多発
京都新聞  2008年3月5日(水)

引用

京都市西京区の松尾山林道とその周辺で道に迷ったり、けがをしたハイキング者の山岳救助要請が多発していることから、西京消防団松尾消防分団などがこのほど、行き止まりになる林道に注意看板を立てた。同時に林道に多く架かっている橋にも番号札を付け、万一、遭難した時に居場所の確認に役立つようにした。
(中略)
松尾消防分団の河原靖尚団長(62)は「松尾山林道から嵐山などへ抜けられると思い込み、道に迷う人が多いようだ。看板の効果で事故がなくなればうれしい」と話している。


引用おわり


地図どころか、周辺山域の概念も無く登ってくる人が多いんでしょう。ここまで低レベルな登山者に対しては、注意を促す看板を立てまくる以外に遭難防止策はないですね。



で、看板を立てたところで、道迷い遭難を完璧には防げないでしょうね。パトロールを始めてから痛感していますが、看板があってもロープで厳重に立ち入り禁止にしておいても、目の前に登山道があると人は突っ込んでくるのです。

さらに、そういう人がいると後続の人もついていくのです。

参考


ニュースでは他に現在地を知らせる番号札を登山道上に立てるということも書いてあります。22本の橋すべてに立てるようですね。個人的には登山道の雰囲気が壊れてイヤンな感じですが、これも仕方ないでしょう。自分がどこにいるのかわからない人を探すのは大変ですから・・・

やがて全国のハイキングコースにおいて、高速道路のキロポストみたいに標示がバンバン立ち並ぶ時代が来てしまうのかもしれませんね。


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