豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

熊本の山で位置情報がわかる標識を大量に設置してるとか

2014年04月04日 | 遭難と救助について考える
登山道上にある道標の位置をあらかじめGPSで測定しておき、データを蓄積しておくことで迅速な救助に役立てるという試みは奥多摩でもやっていますね。


標識設置、遭難者救助スムーズに 八代市五家荘
熊本日日新聞  2014年03月28日


引用
八代市泉町の五家荘で進められていた遭難者救助の目印になる標識「レスキューポイント」が、予定していた157カ所にすべて設置された。登山者が救助要請をする際、正確な位置を伝えることができ、スムーズな救助が可能になる。
引用おわり


画像を見ますと、3桁の数字が大きく描かれていますね。この数字を関係機関に通報するだけで、即座に位置が分かるというわけです。

引用
標識はA4判の大きさで、ポイント番号や緯度、経度を記載。京丈山(1472メートル)や白鳥山(1638メートル)、大金峰(1395メートル)など30ほどある山の総延長約100キロの登山道と縦走路に設置されている。157カ所のうち、約半数で携帯電話が通じるという。
引用おわり


100キロで157ヶ所ということですから、数百メートル~1キロぐらいの間隔で設置されてるのでしょうか。ちなみに奥多摩ですと、国立公園内で500ヶ所の標識に管理番号がついているとのことです。

管理番号表による通報/奥多摩消防署





さて、これだけ手間ヒマかけた標識を設置したところで、登山者が正しく使ってくれないと意味がありません。緊急事態が起きた時、すぐそばにこの標識があって、なおかつ携帯電話が通じればサイコーですが、通常はそんなうまい話は無いのです。

このような標識が設置されている山域を歩くのなら、標識に記載されている番号を必ずチェックして忘れないようにしておきましょう。そうすれば位置を通報する際に「315番は通過したけど、316番は見ていない」と報告できます。どんぴしゃで位置が分からなくても、かなり狭い範囲で特定できるでしょう。

ついでにですけど、このような標識を活用するのであれば、足下ばっかり見て歩くスタイルではダメですよ。大量に標識を設置したところで、足下ばかり見て歩いていたら無意味です。頻繁に視線を上げて周囲を見ること、そして見たものを頭に叩きこむことです。