豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

山梨県が富士山で入山規制をイキナリやると言い出した模様

2023年08月01日 | 入山料・入山規制
===追記===
記事を書いた直後に読んだ報道によりますと、登山道が過密になった場合に8合目あたりで登山者を待機させるようです。




今年は富士山を目指す登山者がやたら多い上に、コロナ対策で山小屋が宿泊制限を行っているために弾丸登山が増加するのではないかということで、登山道の混雑がすごいことになるのではないかという懸念がありました。

地元自治体や山小屋からは「登山者を規制してくれ!」と県や国に対して要望があったのですが、私が知る限り、まともな対策は取られていません。救護所の期間延長と富士スバルラインの営業時間短縮といった、間接的な対策のみです。

なぜ、登山者を登らせないような規制ができないのか。それは富士山の登山道が県道であるからです。公道ですから、法律が定める場合を除いて通行を妨げることができません。

報道では県の担当者が「法律があるから難しい」というコメントをしていて、記者もそれ以上はツッコミを入れられない感じでした。

以上が一ヶ月前の話です。




すっかり忘れていた話題だっただけに、記事を見つけたときはびっくりしました。

富士山 登山規制を県と県警が検討 混雑予想されるお盆に向け
NHK  08月01日 18時09分

法律上難しかったはずの登山規制を、山梨県知事がやると言い出したのです。

引用
具体的には、登山者数を把握する調査や安全誘導員の情報をもとに、山頂付近の危険が高まるとされる1日の登山者数が4000人を超える場合を規制実施の基準とする方向で、山小屋の関係者などと最終的な調整を進めるということです。
引用おわり

これまで法律上できないと言い続けていたのですから、何らかの形で合法的にクリアする方法を見つけたのでしょうか。

登山者の規制といっても、簡単な話ではありません。例えば山小屋に宿泊する予定の登山者が規制に引っかかってしまっては困ります。かといって、山小屋に宿泊するか否かを条件に登山道の通行を許可するなんてことをやったら、法律的にマズそうです。

どんな方法で規制するのか、とても興味深いのですが、今のところ得られる情報だとよくわかりません。

それにしても、突然過ぎる感じが否めませんね。お盆から対策に入るそうですが、周知期間が全然ありませんし、何をどうしたら入山できなくなるのかということすら現時点ではわかりません。

何も知らずにやってきて、登山口の直前で突如通行止めを言い渡された登山者が、どういう反応をするでしょうか。

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