豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

佛教大ワンゲル部員が比良山系で遭難 その1

2008年02月29日 | 山岳遭難
滋賀県の比良山系へ今月26日に入山した佛教大ワンゲル部3名が、道に迷ったために救助要請を行ったようです。で、無事に救助・・・・・

佛教大ワンゲル部員ら3人遭難、大津市の比良山系から救助依頼
京都新聞  2008年2月27日(水)

遭難の佛大生ら3人無事救助、大津の比良山系
京都新聞  2008年2月28日(木)

雪山での雪崩・遭難事故のまとめ



2番目のリンク先に救助シーンの画像が出ていますが、キャプションに「共同通信ヘリから」と書かれています。接近し過ぎとかなかったのでしょうかね。個人的に一度、報道ヘリでイヤな思いを現場でしていますので気になります。


で、どんな状況だったのかを簡単にまとめてみます。

26日に日帰り予定で入山

雪が多いので山中1泊にした

午前9時頃、尾根を間違ったらしい、と、大学に電話連絡

午後4時に大学から警察へ救助要請



ずいぶんあっさりと救助要請しているなあ、というのが印象です。ケガや病気しているわけでもないですし・・・



気になるのは、山中1泊を決めた経緯でしょうか。日帰りしようと頑張ったが時間切れになったのか、それとも単に「雪が多いけど1泊すれば予定通り山頂に登れるから」ってことで日帰り予定を変更したのか、ってことです。

前者と後者では、意味合いがまったく違ってきます。また最終下山予定をいつに定めているのかも気になりますね。



それにもまして気になるのは、朝の9時に携帯電話で「道を間違ったらしい」なんて電話を大学にしているところでしょうか。今の大学ワンゲル部は電話で相談しながら山に登るのか、と言いたくなります。結局救助要請は午後遅い時間に出されているわけですから、なんかそれまでダラダラとあーでもない、こーでもない、と電話でやっていたのでしょうか。

報道ではGPSがなかったのが敗因みたいに書かれていますけど、それ以前の問題があるような気がしてなりません。



で、佛教大学って2005年にも山岳部員が3名、北アルプス白馬周辺で行方不明になり、春になってから発見されています。この捜索と遺体搬出には私の知人が関わっていたので、印象に残っています。で、遭難が続いていることから佛教大学当局は、GPSの携帯を義務づけたり事前にヒアリングを行うなどの対策を発表しています。

佛大、事前に行程検証へ、遭難事故受け再発防止策
京都新聞  2008年2月28日(木)

それなりに山を知っている人がヒアリングするならわかりますが、そんな人材が大学にいるんですかねえ。というか、そういう人は大学ワンゲル部や山岳部の顧問になると思いますし、山行前には顧問の承諾を得るのが普通ぢゃないの?という疑問があるのですが・・・・・・


で、GPSの携帯義務づけにツッコミを入れようかと思いましたが、長くなったのでいったん切ります。続き



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2 コメント

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Unknown (daytime)
2008-02-29 21:36:49
謎です
●剣岳のようなキツい山ならまだしも滋賀県の低い山で警察、諸関係部署の捜索救助は必要だったのでしょか?
●大学OB、関係者のみでの捜索で十分ではなかったか?

やはり大学上層部で北アの事が頭にうかんだのでしょうか?
こればかりは当人らに聞いてみないとわかりませんね
大学のワンゲルって事で報告があるといいですね
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Unknown (bongo-pete)
2008-02-29 22:52:56
コメントどうもです。

>●剣岳のようなキツい山ならまだしも滋賀県の低い山で警察、諸関係部署の捜索救助は必要だったのでしょか?
>●大学OB、関係者のみでの捜索で十分ではなかったか?


どこの大学山岳部やワンゲルでも該当すると思いますが、部員は恐ろしいほど少なかったりしますし、動けるOBもいないと思います。先日も関西の大学山岳部がヒマラヤを目指すという記事が出ていましたが、現役部員は2名しかいないとか。そんな状態ですから、若いOBだってすごく少ないと思いますよ。

ずーっと昔の社会人山岳会なんかは遭難が起きるとサラリーマンでも何でも全員出動で、出ないヤツは破門なんてところもあったそうですが、今の時代にそれをやっているところはほとんどないでしょうね。

それに現実問題として、ヘリコプターを飛ばすのが手っ取り早いですし・・・・
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