豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

佛教大ワンゲル部員が比良山系で遭難 その2

2008年03月03日 | 山岳遭難
というわけで、前回の続きです。


佛大、事前に行程検証へ、遭難事故受け再発防止策
京都新聞  2008年2月28日(木)

引用

佛教大(京都市北区)のワンダーフォーゲル部員ら3人が大津市の比良山系で救助された遭難事故を受け、同大学は28日、事前に行程を検証したり、GPS(衛星利用測位システム)の携帯を徹底する再発防止策を設けることを決めた。

引用おわり


2005年にも北アルプスで佛教大の山岳部員3名が行方不明になり、その後遺体で発見されるという事故がありました。そのために難度の高い登山を行う時には大学側が事前にヒアリングを行うという決まりがあったようです。が、今回の事故ではそれほどのこともない、ということでヒアリングの対象外だったようです。

で、遭難の再発防止策としてヒアリングを徹底させるほか、GPSの携帯を義務づけることに決めたのだとか。


ヒアリングを行い、GPSの携帯を義務づけたところで、冬山には雪崩とか凍傷とか滑落といった不確定要素がたっぷりあるわけで、この程度の防止策では気休めだと思うのですが、なんでもいいから改善策を出しておかないとアレなんでしょうね。



で、GPSの普及が進み、携帯電話にも当たり前のように搭載されるようになった今、「山登るのにGPS持って行かないの~~?山ナメ過ぎ!」と言われる時代が近づいてきたような気がします。

遭難の原因において道迷いは筆頭ですし、地図を読もうともしない登山者が多いのですから、GPSの普及は大変いいことだと思っています。

が、GPSの携帯が義務になったり常識となるのは、話が別です。



地図とコンパスを駆使してルートを探しながら登るのは、登山にとって重要な要素だと思うのです。「正しいルートはどこなんだ?」と圧迫感を感じながら登るのと、「GPSがあるから、絶対迷わないよーーーん」てな感じで登るのとでは、難易度も充実感も違ってきます。ですから山をもっと楽しむためにも、GPSの所持不所持ぐらいは選択の自由があってもいいんじゃないですかねえ。

まあ妥協案としては、GPSを所持するだけで使わないという手がありますけど、それだって完全な不所持とは意味合いが違ってきます。イザという時に使えるかどうかでは、やはりドキドキ感が違いますよ。


というわけで、最後に当ブログ内の山行記事へのリンクを張って、この記事を終わりたいと思います。

GPSで遭難未遂
GPSがあるのに自分が通ったコースを逆走してしまった人のお話

富山県・大品山で道迷い、他
GPS持参で読図訓練のために雪山に登ったパーティが道に迷って救助要請した例



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