そんな事故があったなあと微かに記憶していましたが、これって日本山岳会支部のパーティだったんですね。それで報告書が出され、さらにマスコミによって報道されています。
山岳会広島支部 リーダー待機判断せず 北海道3人遭難死
毎日新聞 2017年12月31日 09時30分(最終更新 12月31日 09時30分)
引用
報告書などによると、リーダーは同支部に入会して約10年のベテランで、研修会などで会員を指導していた。他の7人は沢登りの初心者だった。事故当日、午後から天候が回復するとの見通しを山荘管理人から聞いたが、リーダーは待機するかどうかの判断をせず、成り行きに任せて下山を開始。リーダーは事故現場で「川の流れが速いので渡れない」と発言したが、その後、リーダーが知らないうちに一部のメンバーがロープを使って渡ると決め、動き出してしまった。報告書は「リーダーシップを発揮できなかった」とし、1人が転倒した後はパニック状態に陥り、2次災害を防ぐための冷静さを全員が欠いていたと結論付けた。
引用おわり
リーダー以外は沢登りの初心者。で、リーダーが知らないうちに初心者が勝手にロープ使って徒渉し始めたところ、やらかしてしまって3人溺死ですか。
引用
友人同士のグループでの登山はリーダーの位置付けがあいまいになりがちで、リーダーシップが発揮しにくいという。幌尻岳の事故のグループも友人関係で、パーティー全体でリーダーの判断を尊重する姿勢がみられなかった。
引用おわり
この記事を読み始めたときは、これは沢登りの研修会か何かで、リーダーとメンバーとは初顔合わせかそれに近い関係なのかなと思いましたが、この部分を読むとそうではないような感じです。それにしても、リーダーはメンバーをコントロールできていないし、メンバーはメンバーでリーダーの判断を聞こうともしていないし、これはもう遭難は必然ですな。一番の経験者であるリーダーの判断ミスで事故ったというのならまだしも、リーダーが知らないところで勝手に初心者が動き出して事故ったというのであれば、救いようがありません。
引用
日本山岳会のある会員は「登山ブームで比較的簡単な山しか経験のない会員も増えている。登山歴が長いだけではリーダーとしての危機対応能力を備えているとはいえない」と指摘する。
引用おわり
危機対応能力以前に、リーダーとしての意識が無かったんでしょう。自分がリーダーであり、何かあったらいろいろ責任を問われる立場だという認識があれば、「徒渉は無理だ」とはっきり主張して、メンバーが勝手なことをやらないようにコントロールしたのではないかと思います。
それにしても、現場の増水ってどんなもんだったのでしょうかね。古い山の本には徒渉を失敗して事故った話がよくでてきますけど、見た感じでイケそうでも結構しんどいものだと思います。また徒渉で転倒して水に浸かった場合、水の冷たさでパニックになるかもしれません。沢登りの本にはロープワークを含む様々な徒渉のテクニックが載っていますけど、場合によってはザックのウエストベルトを外すといった細かい話が出ています。そうしないと行動に支障が出たり、最悪おぼれてしまう可能性があるのです。ロープを使わない場合であっても、徒渉って初心者が気軽に試すようなものではないと思いますよ。
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山岳会広島支部 リーダー待機判断せず 北海道3人遭難死
毎日新聞 2017年12月31日 09時30分(最終更新 12月31日 09時30分)
引用
報告書などによると、リーダーは同支部に入会して約10年のベテランで、研修会などで会員を指導していた。他の7人は沢登りの初心者だった。事故当日、午後から天候が回復するとの見通しを山荘管理人から聞いたが、リーダーは待機するかどうかの判断をせず、成り行きに任せて下山を開始。リーダーは事故現場で「川の流れが速いので渡れない」と発言したが、その後、リーダーが知らないうちに一部のメンバーがロープを使って渡ると決め、動き出してしまった。報告書は「リーダーシップを発揮できなかった」とし、1人が転倒した後はパニック状態に陥り、2次災害を防ぐための冷静さを全員が欠いていたと結論付けた。
引用おわり
リーダー以外は沢登りの初心者。で、リーダーが知らないうちに初心者が勝手にロープ使って徒渉し始めたところ、やらかしてしまって3人溺死ですか。
引用
友人同士のグループでの登山はリーダーの位置付けがあいまいになりがちで、リーダーシップが発揮しにくいという。幌尻岳の事故のグループも友人関係で、パーティー全体でリーダーの判断を尊重する姿勢がみられなかった。
引用おわり
この記事を読み始めたときは、これは沢登りの研修会か何かで、リーダーとメンバーとは初顔合わせかそれに近い関係なのかなと思いましたが、この部分を読むとそうではないような感じです。それにしても、リーダーはメンバーをコントロールできていないし、メンバーはメンバーでリーダーの判断を聞こうともしていないし、これはもう遭難は必然ですな。一番の経験者であるリーダーの判断ミスで事故ったというのならまだしも、リーダーが知らないところで勝手に初心者が動き出して事故ったというのであれば、救いようがありません。
引用
日本山岳会のある会員は「登山ブームで比較的簡単な山しか経験のない会員も増えている。登山歴が長いだけではリーダーとしての危機対応能力を備えているとはいえない」と指摘する。
引用おわり
危機対応能力以前に、リーダーとしての意識が無かったんでしょう。自分がリーダーであり、何かあったらいろいろ責任を問われる立場だという認識があれば、「徒渉は無理だ」とはっきり主張して、メンバーが勝手なことをやらないようにコントロールしたのではないかと思います。
それにしても、現場の増水ってどんなもんだったのでしょうかね。古い山の本には徒渉を失敗して事故った話がよくでてきますけど、見た感じでイケそうでも結構しんどいものだと思います。また徒渉で転倒して水に浸かった場合、水の冷たさでパニックになるかもしれません。沢登りの本にはロープワークを含む様々な徒渉のテクニックが載っていますけど、場合によってはザックのウエストベルトを外すといった細かい話が出ています。そうしないと行動に支障が出たり、最悪おぼれてしまう可能性があるのです。ロープを使わない場合であっても、徒渉って初心者が気軽に試すようなものではないと思いますよ。
