豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

室堂山荘のすぐ近くで凍死

2008年11月23日 | 山岳遭難
あと20mで(人がいる)山小屋だったのですけどね。

吹雪の北ア・立山、室堂山荘の目前67歳男性遭難死
読売新聞  2008年11月22日19時52分


22日に室堂山荘を出るツアースキーがあり、それに参加するために前日ひとりで室堂山荘目指して歩いていたようです。昼間だったのか夜中だったのかわかりませんが、当日は吹雪であり、視界は5m程度だったようです。

室堂平から室堂山荘まで、数百mぐらいですかね。天気が良ければ何ともないはずですが、視界が悪い状態だったら完全な冬山です。というより、地形がフラットなだけに、下手な冬山より怖いかもしれません。



さてさて気になるのは、コレが現地集合のツアーだということです。現地集合ってことは、集合場所から先においてツアー会社あるいはガイドが安全について責任を持つということですね。裏を返せば、集合場所へのアプローチでお客さんに何かあっても、ツアー会社およびガイドには責任が無い、ってことです。

上高地バスターミナルだとか松本駅だというのならいいのですが、問題なのは集合場所まで多少なりとも山歩きが必要なケースです。いくら短距離だからといっても、何がトラブルがあれば「山岳遭難」扱いになってしまいます。個人ガイドの山行だと現地集合のケースが多いと思いますが、そこまでのアプローチについてガイドやツアー会社は充分気を配るべきですね。

今回のケースについてツアーの主催者側に過失があるのかどうかまでは何とも言いようがありませんが、短い距離とはいえ、お客さんひとりで吹雪の中を歩かせたら何が起こるのか、想像するのは難しくないと思います。



↑この記事が参考になる、面白い!と思ったらクリックしてください。ランキングサイトです。




3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (野歩)
2008-11-24 04:42:11
>お客さんひとりで吹雪の中を歩かせたら何が起こるのか、想像するのは難しくないと思います。

同感です。吹雪の室堂からみくりが池温泉までお客さんを連れて歩いたことがありますが、旗竿があってもミスりそうで途中で全員をロープで縛りました。
有料ガイドする「立山室堂周辺スキー」より難度の高いこと(吹雪の室堂から室堂山荘)をしないと集合できない以上なんらかのフォローは必要だったと思います。参加者にも想像力は必要ですが主催者にはもっともっと自分のお客さんに対する想像力が必要だと思います。
返信する
Unknown (むかしむかし)
2008-11-24 09:12:45
私は10日ほど前、奇跡的な快晴無風の室堂で散歩気分で浄土山まで歩きました。
ただ、室堂はすでに2400m以上。ここで積雪期に強風やガスに巻かれたらホワイトアウトで怖いと思いました。
みくりが池温泉のブログでは数日前から悪天の凄さをブログで危機感を持って警告し《ターミナルまで迎えに行くので単独行をしてはいない》と厳命していました。
ただ一部ホテルや交通機関では晴れた日の写真ばかり載せています。冬山の一瞬見せた美しさのみ見せのは恐ろしいです。
山小屋の責任はどこまであるかは大変難しいと思いますが
「遭難」「行方不明」に至った場合の救助等を考えるとみくりが池温泉の《電話をもらってターミナルまで迎えに行く》方法は適当な方法だと思います。
返信する
Unknown (bongo-pete)
2008-11-25 18:32:04
>野歩さま
>むかしむかしさま

この件はもっと問題視した方がよろしいような気がしますね。でないと、同じコトの繰り返しを招きそうです。








返信する