遭難者の捜索にドローンを活用しようって動きを知ったのは1年ぐらい前です。鳥取県警がドローンを導入したという話があったのですが、報道される記事を追っていくと強風に対してはあまり強そうでないこと。そして小型カメラを搭載しているだけでは樹林帯の中にいる遭難者を見つけるのは困難だべなー、ってな印象だったので、特にネタにすることはありませんでした。
が、最近になって人工知能を搭載した3機のドローンを使って捜索しようという試みがニュースになりました。
AI搭載ドローンで遭難者捜索 世界初のレスキューシステム実用化へ
ITmedia 2016年05月24日 16時20分 更新
これはビーコンを持った登山者が遭難して位置が不明な時に、3機のドローンが広範囲を飛び回ってビーコンの電波を拾い、位置を特定するというシステムです。また赤外線カメラも搭載しているので、樹林帯にいる遭難者でも発見できる可能性があります。また、この記事だと夜間でもOKみたいなことが書いてあります。これは何気にすごいなー、と思ったのですが、これを発表した会社のサイトをのぞく限り、詳しいことはわかりませんでした。
このニュースがいくつかのメディアで報道された後、今度は東京都山岳連盟と日本山岳救助機構合同会社が開発中の捜索システムについて報道されました。
日本山岳救助機構、ドローンによる山岳遭難者捜索技術を開発
ASCII.jp 2016年05月30日 17時55分更新
これも登山者がビーコンを持参していることが前提で、何度か実証実験を行ったようです。で、日本山岳救助機構合同会社のサイトにいくと報告書がダウンロードできるのでざっと読んでみました。上記のサイトに出ている話だと非常に有効みたいな感じでしたが、報告書を読む限りではまだまだ問題点が多い印象です。想像はしていましたけど風には弱いようで、風速5mを超えると操縦困難というのでは、実用化は大変かもしれません。実験に使われた機体だと雨では飛ばすことができないそうですし、風雨に耐えられる機体は非常に高価とのこと。
さて、以上2つの記事からすぐに思いついたことを書いてみます。それは実際のレスキューでヘリコプターと比較してどの点が有利なのか、ってことです。その点を厳密に検証しないと、単なるムダに終わってしまいます。
ドローンの話を聞いて実際のヘリコプターレスキューと比較すると、一番感じるのは行動範囲の狭さとスピードです。日本山岳救助機構合同会社の実証実験だと、行動時間は実質15分程度であり、飛行距離も数キロレベルです。これがモノホンのヘリコプターだと松本空港から数十キロ離れた白馬岳まで一気に飛んでいって長時間捜索できるわけです。
どちらのドローン捜索システムも、実証実験と言いつつ、実際には限られた範囲でテストしているだけ、って感じが否めません。本気で検証するのであれば、実際の行方不明を想定してどのようにドローンを活用すべきなのか研究するべきです。
例えば「五竜岳に遠見尾根経由で登ろうとした登山者が帰宅しない。これをどのように探すか」という想定で、ドローンをどのように活用するのかを実際にやってみるのです。日本山岳救助機構合同会社の実証実験だと捜索範囲は数百mですが、これが数キロ、あるいは十数キロになった場合、どのようにドローンを活用すれば有効なのか、あるいはヘリコプターのほうが有効なのか、そういうの試す必要があるのかなと思いますわ。
登山・キャンプ ブログランキングへ
が、最近になって人工知能を搭載した3機のドローンを使って捜索しようという試みがニュースになりました。
AI搭載ドローンで遭難者捜索 世界初のレスキューシステム実用化へ
ITmedia 2016年05月24日 16時20分 更新
これはビーコンを持った登山者が遭難して位置が不明な時に、3機のドローンが広範囲を飛び回ってビーコンの電波を拾い、位置を特定するというシステムです。また赤外線カメラも搭載しているので、樹林帯にいる遭難者でも発見できる可能性があります。また、この記事だと夜間でもOKみたいなことが書いてあります。これは何気にすごいなー、と思ったのですが、これを発表した会社のサイトをのぞく限り、詳しいことはわかりませんでした。
このニュースがいくつかのメディアで報道された後、今度は東京都山岳連盟と日本山岳救助機構合同会社が開発中の捜索システムについて報道されました。
日本山岳救助機構、ドローンによる山岳遭難者捜索技術を開発
ASCII.jp 2016年05月30日 17時55分更新
これも登山者がビーコンを持参していることが前提で、何度か実証実験を行ったようです。で、日本山岳救助機構合同会社のサイトにいくと報告書がダウンロードできるのでざっと読んでみました。上記のサイトに出ている話だと非常に有効みたいな感じでしたが、報告書を読む限りではまだまだ問題点が多い印象です。想像はしていましたけど風には弱いようで、風速5mを超えると操縦困難というのでは、実用化は大変かもしれません。実験に使われた機体だと雨では飛ばすことができないそうですし、風雨に耐えられる機体は非常に高価とのこと。
さて、以上2つの記事からすぐに思いついたことを書いてみます。それは実際のレスキューでヘリコプターと比較してどの点が有利なのか、ってことです。その点を厳密に検証しないと、単なるムダに終わってしまいます。
ドローンの話を聞いて実際のヘリコプターレスキューと比較すると、一番感じるのは行動範囲の狭さとスピードです。日本山岳救助機構合同会社の実証実験だと、行動時間は実質15分程度であり、飛行距離も数キロレベルです。これがモノホンのヘリコプターだと松本空港から数十キロ離れた白馬岳まで一気に飛んでいって長時間捜索できるわけです。
どちらのドローン捜索システムも、実証実験と言いつつ、実際には限られた範囲でテストしているだけ、って感じが否めません。本気で検証するのであれば、実際の行方不明を想定してどのようにドローンを活用すべきなのか研究するべきです。
例えば「五竜岳に遠見尾根経由で登ろうとした登山者が帰宅しない。これをどのように探すか」という想定で、ドローンをどのように活用するのかを実際にやってみるのです。日本山岳救助機構合同会社の実証実験だと捜索範囲は数百mですが、これが数キロ、あるいは十数キロになった場合、どのようにドローンを活用すれば有効なのか、あるいはヘリコプターのほうが有効なのか、そういうの試す必要があるのかなと思いますわ。

おっしゃるとおり「足の長さ」「速さ」を考えれば、答えはおのずと出ているように思います。
みいさん様
ただドローンだと視界不良の時や夜間でもビーコンの電波を探知できるようになるかもしれない点に可能性を感じます。ヘリコプターと組み合わせて機動性を確保するとか、そういうのもアリかな?と
いずれにしろ、通報から短時間のうちに現場での捜索ができなければ、それは単なる遺体捜索システムで終わってしまう気がします。