豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

失敗するかもしれない登山靴選び その1

2009年02月18日 | 山ネタ そのほか
私の足はとっても甲高幅広です。


最近、靴のサイズをチェックするサイトで自分で計測した左足の数値をフォームに入力してみたら、


ワイズは


と答えが返ってきました。ワイズで2EとかEEEってのはよく聞きますけど、Gなんてのがあるんかいな、と思って調べてみたら、6Eに相当するみたいです。ふだん履いている登山靴のワイズは4E+なのですが、これでもまだ幅が狭いらしいですな。




さらに、


右と左でサイズが違います。左の足長(親指の先から踵まで)が、センチ弱程度、右より大きいのです。こうなると、小さい方の靴はいつもブカブカな感じで、普通に履いているとかなりアレです。





これほど甲高幅広でなおかつ左右でサイズが違うと、靴選びは困難を極めます。






初めて買った皮革製重登山靴は、たった5回山行に使用しただけで捨てました。

某有名店のオリジナルを買ったのですが、キツ過ぎてダメでしたね。下山なんかほとんど拷問で、途中から靴を脱いでザックにしまい、靴下だけで歩いていました。

なんでそんなアホな靴選びをしてしまったのかといいますと、間抜けな初心者だったとしか言いようがありません。

店員に選んでもらったのですが、予算内に収まる登山靴はどれを履いてもキツいのです。購入した靴の場合、甲がパンパンで靴ひもの長さが足りないという状態でした。

店員はそれを見て「靴ひもの替わりに、細いスリングを使えばいい」なんてことを言いだし、おまけに「革靴はやがて馴染みます!」と断言するので、うっかり購入してしまいました。

このことがあって以来、某有名登山ショップだけは絶対に行きません。




以前、コフラックのプラブーツを履いていたことがあるのですが、この製品はもろにヨーロッパ向けなので、ワイズが狭いです。左足の足長は26.5センチなのですが、29センチでようやく足を入れることができました。それでもかなりきつい感じだったものの、安さに釣られてついつい購入したのが大失敗。山に行くたびに拷問状態で、さらに右足はブカブカですから、氷に蹴りこんでも不安定で怖かったです。




そんなわけで、最終的にゴローのオーダーメイドに飛びついたのですが、1年ほど履いて馴染んだら、もう手放せなかったですね。冬山OKな重登山靴で重かったですけど、夏のパトロールにも使っていました。




が、

幅広な足に合わせて作ったものですから、今度はアイゼンが合わないという問題が出てきました。アイゼンの幅が狭くて入らないとか、無理矢理はめ込んだら前爪が斜めを向いてしまった、なんてことが起こり、アイゼン選びに苦労したものです。結局、縦走用アイゼンが欲しいのに、唯一まともにハマってくれたアイス用のアイゼンを購入しましたが、場所によってはとても使いづらかったです。







とまあ、前置きをグダグダ書いてきました。


今ではショップで靴を履いた瞬間に「コレはダメ」とわかるぐらいに経験を積んでいますから、大失敗というほどの間違いは犯さなくなりました。それだけ授業料を払いましたけどね。というわけで、今回は「失敗するかもしれない登山靴選び」と題しまして、登山靴の選び方について何回かに分けて書いていきたいと思います。

初心者向けに詳しくしつこく書きますので、靴選びであまり悩まない人には面白くないかもしれません。それに、前述のような経歴を経ているので、やや神経症に近いレベルの靴選びです。




まずは下準備。


登山用品店に行く前に、自分の足について知っておくべきですね。冒頭で足のサイズをチェックするサイトについて触れましたけど、こういうサイトを利用して自分の足形が幅広なのかそれとも狭いのかについて認識しておくことは悪くありません。

ふだん履いている靴が25センチだとしても、実際はワイズが広いだけで本当は23センチぐらいだった、なんてことはよくあると思います。また左右の違いについても知っておけば、靴を選ぶときにまずは大きな方から履いてみるという習慣がつき、靴選びが能率的になります。小さい方から試してみても、しょーがないですからね。

この段階で「左右の足長が1.5センチ以上違う」とか「ヤケに甲高幅広」という事実が判明した場合、作戦変更が望ましいでしょう。極端に幅が広い場合、幅広サイズを用意している靴をネットか何かで探し、それを販売しているショップへ行くのが一番です。また冬山用の登山靴でしたら、オーダーメイドも考慮した方がいいですね。東京近郊にお住まいでしたら、巣鴨のゴローに行っておけ、ってところです。



そして次にやるべきは、靴下選びです。どんな靴下を履きたいかによって、サイズは違ってきます。特に厚みが大事ですね。事前に購入するか、靴を選ぶ前にその店で購入するようにして、ショップで用意している試し履き用の靴下を避けた方がいいでしょう。好みの厚さのものがあるとは限りません。どちらかといいますと、薄いのが多いですね。

個人的に勧めるのは、普通のトレッキングシューズなら厚手のものを1枚です。靴を購入してから「やっぱりきついなあ」と思ったら、薄手に変えることで調整が利きます。



そして下準備の最後は、どのタイプの靴を購入するか、です。初心者にお勧めするのは、やはり日帰りから1泊程度の山小屋泊山行を想定した、ライトめのトレッキングシューズです。もちろんハイカットタイプでいきましょう。

日帰り用といっても、別にテント山行で使えないわけではありません。最初のうちは冬山以外これで歩き、山歩きに足を慣れさせるべきです。

当然ながら、トレラン用のシューズみたいなローカットはオススメしません。長靴とかも論外です。このような靴は山を歩きこんで、それなりに脚力や筋力がついてからにしたほうがいいですよ。

一方で、ゴツい重登山靴はサポート力が強くて安心感がありますけど、重いですし、サポート力が強すぎるために、拳大の石がゴロゴロしているような道ではかなり歩きづらいです。ですから、やはり脚力や筋力、そして下りのテクニックが身についていないと疲労しやすいでしょう。


というわけで、次回に続きます。




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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kato)
2009-02-19 00:32:53
私も右26cm左27cmで かなりの靴を無駄にしました。ゴローのセミオーダーも作ってもらいましたが好きになれず 結局
26サイズと27サイズを2足購入
しています。左右サイズ違いの人はかなりいるんではないでしょか。メーカーで
対応してもらいたいものです。
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Unknown (bongo-pete)
2009-02-19 01:06:19
kato様

2足買って1足にするってのは、やりたいんですけどお金が・・・・・・・・・

左右のサイズが違う人が一定数いるなら、商売になりそうな気がしますね。
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Unknown (川坊主)
2009-02-19 22:37:34
私は、某ショップオリジナルの大学山岳部向けと称する見かけは重登山靴を使っていました。足のサイズは大丈夫でしたが、夏使えば革から塩を吹くわ、残雪期は靴の中がびしょびしょになるは、で大変でした。
今は、山スキーで兼用ブーツ。履き心地はいいのですが一日履くとかなり湿気がこもります。日帰りは良いですが、雪中泊は心配です。
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Unknown (bongo-pete)
2009-02-20 01:21:14
川坊主様

ショップオリジナルの革製重登山靴ですと、それほどいい皮を使っていないと思います。ゴローのオヤジも当時言ってましたけど、スイスのガルサーレザーは別物らしいですね。
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