goo blog サービス終了のお知らせ 

豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

奥多摩・川苔山での遭難事故例

2013年08月25日 | 山岳遭難
奥多摩では毎年相当な数の遭難事故が発生しているのですが、ネットでチェックする限り、報道されることは少ないです。死亡事故であっても、あまり目にしないですね。

長野県の場合、死亡事故や行方不明だと報道される可能性が高いです。が、通常のケガではまずニュースになりません。東京新聞のサイトに山の事故をまとめて載せているページがあるのですが、ここをみるとわかります。

他の地域では通常のケガや道迷いで無事生還でも掲載されることが多くなります。実名か匿名かも地域によって様々で、統一されてる感じは無いですね。

と、長い前置きの後で本題です。



【山 再考】遭難 誰にでも起こる
読売新聞  2013年8月24日

奥多摩の遭難事故が報道されるのは珍しいな-、と思いながら読み始めたのですが、なかなか凄い内容です。

引用
全身30か所の骨折のほか、脳挫傷、肺挫傷などの重い傷を負ったが一命を取り留めた
引用おわり

よくもまあ、助かったと思います。


ネットでは読めないようですが、読売の紙面だと、これに加えて青梅警察署山岳救助隊副隊長として有名な金邦夫さんによるコメントも掲載されています。助かった理由としてザックに入っていた雨具や防寒具が緩衝材になったことと、ベルトをしっかり締めていたことで頸椎へのダメージが無かったことを挙げられています。

また、このコメントには昨年秋から5人も行方不明のままであるという、恐ろしいことが書かれています。



ちなみに事故の状況は、こんな感じです。

引用
季節は秋で、登山道にはたくさんの落ち葉があった。市川さんは、滑落の瞬間をこう振り返る。「階段の最後の一段を終えて土の道に下りて進んでいた。地面から突き出ていた大きな石をよけようとして、登山道を踏み外した。山側によけるのではなく、谷側によけてしまった。落ち葉に足を置いたつもりが、その下に地面はなかったのです」
引用おわり


登山道に突き出た岩はクセものですな。登山道にこういった障害物がある場合、谷側に足を置けばイージーに抜けられる場所であっても、なるべく山側に足を置くようにすべきだと思います。またどうしても谷側に置く場合、あまり勢いをつけないとか、不意に路肩が崩れる可能性を常に意識しておくといった対策が必要でしょう。


2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お疲れさまでした (きっと)
2013-08-26 19:59:42
奥多摩というところは危険な場所が多いところなのでしょうか。
それとも山に入る人間の数が圧倒的に多いから、事故も多いということなのでしょうか。


全身30ヶ所の骨折に脳挫傷、肺挫傷で生きて帰ってこられたその方は、かなり急峻な崖を転落していったと想像して
しまいます。
「おお、怖い・・・」
と思いながらも「自分は気をつけてるから」
と考えてしまう自分、イカンぞ。
と気を引き締めるのでありました。

関係ないですけど、最近山の路肩が崩れていたり、出っ張った岩がごっそりと落ちていたり、
という事が多いです。(大雨もなし、台風もなしの状態で)
山が動いてるんだろうか?なーんて首をかしげながら歩いてきましたけど。

返信する
Unknown (bongo-pete)
2013-08-30 06:05:38
奥多摩は樹林帯にあるのでわかりにくいのですが、険しい山だと思います。このケースでは100mぐらい滑落していますが、通常であれば即死ですね。何年か前にハセツネカップで死亡事故が起きてますけど、その時は130mぐらい滑落しています。
返信する