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地下核シェルターの住人と地上文明の相克・・ホピ族のペテログラフ(5)

2014-02-19 | ホピの白い兄・石版など


吉田信啓氏の「岩刻文字の黙示録」のご紹介を続けます。

リンクは張っておりませんが、アマゾンなどでご購入になれます。

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         (引用ここから)


私はマーティン氏の話を聞いていて、思った。

ホピの神話に言う「地下の国」とは、日本流に言えば、「記紀」でイザナギノミコトが妻のイザナミノミコトを追って訪れた根堅州国(ねのかたすくに)だ。

それは中国思想の影響で、黄泉の国=死者の国と考えられたりするものの、元々はその文字が示すとおりに「地下にある堅固な国」つまり、現代に置き換えれば堅固な核シェルターであり、多数の人間が生活できるように設計され構築された地下都市であったのではないのか?


ホピの神話に言うように、人類は何度も地上で絶滅状態になり、おそらく核戦争による汚染で住めなくなったため、選ばれた人間だけが地下都市で生き延びていたのだ。

アトランティスやムーの高度な文明も、原子戦争で滅んだという説もある。

12000年前も、それ以前も、人類は少なくとも2度は、壊滅状態になってしまったのだ。

ホピの神話は、核戦争で滅びた人類の歴史を伝えているのに違いない。

すると、イザナギ・イザナミの神話は、日本列島でも現実に存在した地下都市王国の女王=地下シェルター人の代表であるイザナミと、地上王国の王=地上王国の代表であったイザナギの対立の物語ではなかったのか?」と。


カナダインディアンのクリンギット族を含む北米インディアンには、「大地の神「マニトー」が地上に現れ、人々を守護する」という信仰があり、「マニトー神」が現れる場を「マニトバ(マニトーの場)」として祭祀する。

カナダの「マニトバ」は、その代表的な祭祀の土地であった。

現在ニューヨークと呼ばれる地も元はマンハタン(「マニトーの神」の島)であった

そこをオランダ移民がインディアンから買収してニューアムステルダムとしたものを、後に英国からの移民集団がオランダ移民から買い上げて、「新しいくびき」の意味も込めて「ニューヨーク」と改名したのがそのいわれである。


この「マニトー神」は、ホピの場合は「キバ」という地下神殿で祀られる神にあたる。

日本流に置き換えれば、キバの神は「蛇神」である。

ホピ族は「ホピとは平和の意味」というが、その平和とは地下の蛇穴にいる蛇のように、静かに時を過ごすことに由来している。

ホピ族の宗教的中心地であるキバは、まさしく村の中心にあって蛇穴に似せて作った地下神殿であり、

地上に開いた穴から見えているはしごでホピの人々が出入りするホピ祭りの神事の風景は、蛇穴から出入りする蛇の精霊そのものである。


私がオールドオライビを訪れた日は、ちょうどホピ族の祭りの日で、ホピ族がオールドオライビの地に住みついた日を記念したホピの踊りが奉納される日であった。

かつては岩山をくりぬいた横穴式のとりで状住居であったものに、時代が下がるにつれて扉や窓を入れ、更には岩山に隣接する住宅を石と木材で建てたりして、

メサの頂上部のすり鉢型の地形を上手く使い、中央部分の平たい場所を神事のための広場にし、周囲を防御用のとりで兼住宅にした場所で、ホピ伝統の踊りは数時間にわたって繰り広げられた。

日本の盆正月の感覚で、この日のために帰郷した人々は親族や友人の家で食事をしたあと、すり鉢の縁にあたる岩山や民家の屋根に上がって広場で奉納される踊りを見物する。

踊りといっても、数十名の男は裸体に腰布を巻き付け、手足に脚絆のような毛皮や布を巻き、それに土鈴のようなものを下げ、頭にワシやタカの羽飾りをつけただけ。

女は、上体ははんてんのような衣服で、腰布、首飾りと手足の装飾といういでたちで、素足である。

40~50人の踊り手が一重か二重の輪になって、太鼓と囃子手の歌声に合わせて足を踏み鳴らし、手はほとんど動かすこともなく、ぐるぐる回るだけのものである。

手足を最も簡単なラジオ体操のように動かすこともなく、歌声や掛け声は聞いていると、仏教の声明やお経に似ている。


「海の向こうにホピより肌の白い兄弟がいる。

その兄弟はもともとホピであったのが、世界に散ったのだ。

やがて世界が浄化された時、その兄弟の代表が、ホピと共に、それぞれの部族に伝わる石版を持って「雲母の部屋」に集まり、世界の立て直し方を記した石版の文字を読み、新しい生き方を始める。

日本人はその兄弟の一つなのだ」

と言って、一族の食卓に招いてご馳走してくれ、ホピダンスにも招待してくれたホピの長老マーティン氏の好意に対して、私は妻や宮田監督と共に、炎天下の岩山の広場で繰り広げられる神の踊りに、暑さに耐えることで参加していた。

ホピダンスでは、悪霊や地霊が踊り手を誘惑したり、かく乱したりしに現れる。

その役目をする男たちは、メサの頂上の住居群の中心部にあるキバの穴からはしごを伝って現れ、踊りが終わるとまた中から地下に消える。


その装束と様子を見ていて、私はイザナギを鬼たちといっしょに「黄泉比良坂(よもつひらさか)」まで追いかけてきたイザナミを思った。

「死者の国」と「生者の国」との境の「黄泉比良坂」に「ふさぎ岩」として置いた「千引岩」をはさんで、

「私はあなたの国の人間を毎日1000人殺してやる」と叫ぶイザナミに対して、「それならおれは毎日1500人生まれさせる」と言い返すイザナギの話は、

1000人の人間でしか動かすことができないような巨石で出来た頑丈なシェルターの出入り口越しに、「地下王国の女王」と「地上王国の王」が憎しみをぶつけあったことと解釈できる。


ホピの神話でいう「蟻人間」と「地上人間」の相克にあたる。

今、目の前で繰り広げられている悪霊・地霊とホピの善良な「地上人間」とのやり取りは、まさしく根堅州国(ねかたつくに)と筑紫国の住民との物語だ、と理解しながら、遥か彼方にそびえるホピの霊山カチーナ山の万年雪に覆われた頂上を眺めると、霊山は富士山に重なって見えるのだった。

           (引用ここまで)


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