大手芸能プロ吉本興業の大崎洋社長が、新年の祝賀を兼ねた
創業百年記念プロジェクト発表会見の席上で、昨年に引退し
た島田紳助氏の「早期復帰」を熱望する発言を行った。島田
氏は暴力団との交際が問題となり、その社会的責任をとって
芸能界から去った訳だが、大崎社長にとって「黒い交際」は
「辞めるほどの問題ではない」と思っているようだ。彼の発
言は、そう取られても仕方がない。それは社会の常識と大き
くかけ離れている。それも、会社の総力を挙げた企画を発表
する場での発言は、単なる個人的心情の吐露とは意味合いが
違ってくる。その場にいた関係者の衝撃は大きかった
そもそも彼は、社長になる前は社内で“芸能界のしきたりや
躾を教える”教育係だったという。いわば、所属タレントの
反社会的行為を正す役目だったのだ。普通なら、所属タレン
トと暴力団との交際した事実が判明したのなら、その立場か
らも、また企業のコンプライアンスの観点からも「絶対に許
さない」姿勢を貫かなければならないはずだ。大企業の代表
なら尚更のことだ。それにも関わらず、先の発言
そこに、大崎社長の善悪の基準が透けて見える。もしかした
ら、教育係の際に「暴力団との交際を認めていた」というう
がった見方もできる。そうだとしたら、真っ先に責任を取り
辞めなければならないのは、大崎社長の方だ
反社会的行為の容認という社会の常識と相反する彼の発言は
昨今問題になっているオリンパスの旧経営陣を思い出させる
彼らと同じ臭いがする。社会的な常識が判らなくなっている
経営者の存在自体が“社会悪”と言わざるを得ない。そんな
人間の傘下にいる芸人たちがいくら“お笑い”を振りまいて
も、舞台袖に隠れている“非常識な黒い人”が気になってし
まい笑えないのは、僕だけだろうか…