「へンくつ日記」

日常や社会全般の時事。
そして個人的思考のアレコレを
笑える話に…なるべく

ヤツの話

2009年09月11日 16時41分02秒 | Weblog
 
ヤツが好きな人は
世界中探しても
まずいないだろう

ウチら夫婦もヤツが大嫌い
その名詞を書くのさえイヤなくらいだ
だから“ヤツ”で押し通す

僕は北海道出身で
ヤツを見たのは
東京に来てからだ

初めて見た時
カブトムシかなと思った
だが、サササササッと
異常に早く走るヤツを見て
僕は5メートルほど
飛び上がった思い出がある
思い出しただけで寒気がする

カミサンは南国土佐の出だから
子供のときから何度も
それも巨大なヤツを見てきた
大きすぎるミミズやムカデもいたが
ヤツばかりは見ただけでも鳥肌が立った

ある日、飛んできたヤツが
家の中に入り込み、ペタッと太ももに
張り付いたこともあった
その時、四万十川中に絶叫が響いたという

さて、その大嫌いなヤツが
昨夜我が家に入り込んだ

最初に異常に気づいたのが
我が家のバカ猫モネだ
「ん?」という表情で
ベランダあたりを見始めた
僕らはテレビを見ながら
ゲラゲラとバカ笑いをしていたので
モネの行動に気づくのが遅れた

と、モネは身を低くして
タタタタッと素早くある方向に走った
それに気づいた僕らは
モネの走る方向を見たら…

なんとヤツがフローリングの上を
サササッと走っているではないか!

ウワーーッ!!

夫婦は同時に絶叫した
ドッと脂汗が噴出す

その声に驚いて
モネは追跡をやめ
目をまん丸にして
僕ら夫婦を見つめている

その間に、ヤツは何処かに消えた…

消えたままにはしておけない
なかったことにするには
その存在の嫌悪さおぞましさは強大だ
もし睡眠時に枕元に現れて
「ハロ~」なんて言われたら
その場でショック死するに決まっている

僕ら夫婦は、強力殺虫剤を手に
及び腰でアチコチを探し始めた
しかし、なかなか見つからない
僕らは苛立ち、お互いに責めだした
「ベランダ少し開いていたんじゃない?」
「コンバット、新しくしといてって言ったのに」等々

と…モネが小さく鳴いた
振り返ると、冷蔵庫近くの壁際を
モネが注視している
その先に、ヤツがいた
触覚を動かしながら
僕らの様子を窺っているではないか

僕は呟いた
「ぶっ殺してやるっ!」

そのセリフにモネが後ずさりする
「ここはパパさんに任せます」と…

しかし、殺す等というセリフは
仏法者にあるまじき発言だ
僕は言ってしまった後で
心の中で仏に謝罪した
「ゴメンナシャイ…」

その時、ヤツは僕を振り返り
不敵にもせせら笑ったのだ
少なくとも僕にはそう見えた

謝罪の舌の根も乾かぬうち
僕の心に再び強烈な殺意が吹き上がる

「覚悟しろ、虫けら!」
ターミネーターのテーマが流れた瞬間
僕は殺虫剤バズーガをヤツに向けて発射した!

ヤツは慌てふためき逃げ惑う
「逃がすか!」
引き金を引いたまま
僕はヤツを追跡
冷蔵庫下に隠れ見えなくなっても
引き金から手を離さなかった

と…遂に弾(殺虫剤)が切れた
殆ど新品だったのが使い切ったのだ

肩で息をする僕の後方から
カミサンが懐中電灯を手に近づく
そして、恐る恐る光を冷蔵庫の下に当てた

光の先に
瀕死のヤツがひっくり返っていた
微かに触覚が動いている

僕はカミサンに言った
「な、何かで掻き出せよ」
その言葉にカミサンが驚いて振り返る
「わ、私が!?」
お前やれ、アンタやってよの攻防の後
僕はモップの柄の先に
ペーパーを巻きつけたものを使い
冷蔵庫の底の闇に潜む
瀕死のヤツを掻き出した

そして何重にも重ねたペーパーで掴み取り
握りつぶし、それをビニール袋に入れ
入り口を固く結んでゴミ箱に捨てた
それでも安心できず
そのゴミをマンション外の
鍵付きゴミ置き場に捨てに行った

やっとホッとした
疲労感と脱力感に襲われる
部屋に戻るとカミサンが
モップで床を拭いていた
見ると、床が殺虫剤でベタベタだ
それを見て僕も気分が悪くなった
ヤツに向けて打った弾だったが
自分にも跳ね返り、吸い込んで
かなりのダメージを受けたようだ
今朝も少し調子が悪い

今世で会いたくない
ヤツは何人かいる
テレ○の×とか
○テレの××とか
新○社の△とか…
その筆頭がヤツだ
ヤツとは来世でも
会いたくない
もー本当に嫌いだ

大嫌いだぁー!

日記@BlogRanking ←大嫌い!


コメント (2)
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