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たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

関空は災害対応大丈夫? <空港孤立「旅行台無し」=眠れぬ一夜>などを読みながら

2018-09-05 | 災害と事前・事後

180905 関空は災害対応大丈夫? <空港孤立「旅行台無し」=眠れぬ一夜>などを読みながら

 

台風21号は気象庁の早めの予測通り猛烈でした。その上陸後のフルスピード、その驚異的な暴風雨の強さは見事に想定したとおりでした。津波の強さや高さは想定外だったのでしょうかね。

 

時事通信社の記事<空港孤立「旅行台無し」=眠れぬ一夜、船で脱出-利用客、関空から神戸に>は、関空が台風21号の影響でダウンした状況の一端を報じています。最後に、<被害状況や復旧見通しなどに関する空港側からの説明はほぼなし。停電や通信状況悪化で自由に情報収集することもできなかったといい「不安解消のため、責任者が出てくるべきだ」と憤った。>という被災に遭った乗客の声を取り上げていますが、それは当然でしょう。

 

関空のホームページを見ても、まったく被災状況が分かりません。信じがたいですね。説明責任をまったく果たしていませんね。これだけで、この責任者の姿勢を疑いたくなります。私もなんどか関空を利用してきましたが、このような対応だと、内外から強い批判を受けても当然と思います。

 

空港に取り残された人たちは、エアコンが聞かない、情報伝達・受信もできない、寝るところもない、ないないづくしで、旅行はむろん台無しですから、不満のはけ口がないですね。空港の対応や、今回の台風被害を見ながら、少し事実を確認しようかと思いました。

 

少し古いですが、<最終段階に入った関西国際空港二期工事  水没する運命の関空は撤去以外にない!讃岐田 訓(神戸大学)>といった指摘もありました。

 

海上の空港、関空は計画時から地盤沈下という人工地盤そのものの問題に加えて、地震や台風などによる津波高潮や豪雨という問題に対応できるか懸念されていたそうですね。ま、素人が考えても不安になります。

 

今回の台風被災では、浸水被害とタンカー衝突による連絡橋の破損の2つが大きく報じられ、前者はすでにかなり排水できていますが、後者の復旧の見通しはたたないようです。

 

タンカー衝突の原因については、今後の調査をまって議論した方がよいかと思います。ただ、すでに報じられたところでは、当該タンカーは給油オイルを空港に下ろした後、台風の来襲に備えて停泊していたところ、流されて衝突したとのことですね。第一ターミナルにはオイルタンカーバースがありますが、そこから離れた位置に停泊したのはそこで安全と判断したのでしょうか。台風による高波や暴風は想定外だったのでしょうか。疑問は残りますが、今後の調査を待ちたいと思います。

 

本日のテーマは空港の高潮対策が適切であったかという点です。

 

いくつか情報を入手しました。

一つは<関西空港 集中豪雨対策

今回の広範囲の冠水・浸水(両者に一応の違いがありますが、空港の場合あまり峻別しなくてもよいと思うのです)を見て、私は排水がどうなっているのかが気になりました。すると、排水対策として、巨大排水ポンプを設置しているとのことです。たしかに排水ポンプは有効ですが、雨、とりわけ海水が浸入したら、福島第一原発事故のときのように、アウトですね。今回はそうではなかったようですが、その位置や浸水対策は十二分に講じられているのか不安になります。

 

排水ポンプで気になるのは能力ですね。明らかに今回は能力を超えていたといえるでしょう。上記記事では<雨水用の排水管の海への出口付近にポンプを設置し、雨水をスムーズに海に流す方式に順次切り替えてきました。ポンプは、10年に一度の大雨(1時間で55mm)が降っても排水できる能力を備えています。>時間55mmなんて、いまどき時間100mmであってもどこにでも発生する可能性があるのですから、明らか十分とはいえませんね。

 

とりわけ産経記事の141015日では産経<台風19号で関空第2ターミナルビル「開港初」の広範囲浸水>とあり、<台風19号による豪雨の影響で、関空第2ターミナルビルが13日の夜から広範囲にわたって浸水したと発表した。>のですが、そのときの雨量は<1時間あたり75ミリの豪雨>で、結構な被害を受けたわけです。このとき会社側は<中庭の雨水の排水能力について「1時間55ミリ程度」としており、「今回の豪雨は想定の範囲を超えていた。今後対策を考えたい」と話している。>ということでしたが、ほんとに対策を講じてきたのでしょうかね。

 

そもそも排水ポンプでほんとに排水できるのかも気になります。上記のポンチ絵では排水できることになっていますが、地震津波や台風高潮で海水が増大し、空港周辺の大阪湾は袋小路状態で海水の逃げ場がないので、海側の圧力に負けてしまわないか心配です。

 

それに加えて大きな問題はどこから浸水したかですが、まだはっきりしていないようですね。

 

毎日写真記事<滑走路が浸水した関西国際空港=2018年9月4日午後5時55分>を見る限り、第1ターミナルの滑走路が全体にわたって水浸しです。どこから浸水したのか、堤防を越水したのか、判断しかねるところです。

 

毎日写真記事<台風21号で崩れた関西国際空港島の護岸(左手前)。中央は高潮で浸水し、まだ水が残る誘導路=2018年9月5日午前8時15分>だと、第1ターミナルの護岸で突き出たところの一部が崩れているようです。ただ、上記の9月4日午後5時55分段階の写真を見る限り、この箇所から浸水して広がったものとまでいえないように思われます。

 

この浸水原因もまた調査を待たないといけないでしょうね。

 

そこで、これまで関空は津波高潮対策を講じてこなかったのか、あるいはどのような対策をしてきたのかを調べてみました。

 

関空の記事では<高波対策 ~護岸のかさ上げ~>があります。

04年に巨大台風があり、関空にも被害があったそうです。

それで高波対策として護岸の嵩上げを行い、<かさ上げでは、大阪湾で記録が残っている最高の潮位(第2室戸台風を想定)の際に、50年に一度に相当する高波が来襲しても、護岸を越える波が抑えられるような高さまで護岸のコンクリートを継ぎ足しました。>ということで、3.2mの高波の高さまで大丈夫にしたという図解もあります。

 

今回の高波は第2室戸台風を超える規模だったようですので、この護岸対応は甘かったと言えるのでしょうね。

 

ところで、より科学的な考察をしたと思われる、資料があります。<大阪府津波浸水想定>があり、この関空の箇所を見ると、第1ターミナルのみ、浸水箇所が想定されています。

 

で、<津波浸水想定について(解説)>では代表地点における最大津波水位予測が示されていて、関空では第2ターミナルの南西角で2.6mとなっています(12頁)。これは南海トラフ地震津波を想定していますので、今回のような台風による暴風雨と高潮とは異なりますので、この想定をしていなかったということでしょうかね。

 

ともかくこの津波想定を前提に、13年から17年までかけて防潮堤を築造しています。それを<関西国際空港における南海トラフ地震津波への対策-防潮壁の築造->で解説しています。

 

興味深いのは、第1ターミナルが浸水するとの想定で、しかも第1ターミナルと第2ターミナルの間にある内水面からの浸水被害を想定し、第1ターミナルの内水面側の一部について、防潮壁築造と止水壁嵩上げなどを行っていますが、滑走路のある反対側の護岸対策はしていません。

 

今日の午後少し時間をかけて調べてみたのですが、どうもしっかりした台風豪雨・高潮対策を講じてきたとは思えないのです。むろん、ざっと見ただけですし、関空のホームページにはなかなかそういった情報が掲載されていないので、はっきりしたことはいえませんが、被災者である乗客への対応を見ても、責任ある姿勢は見受けられません。本来の安全対応も、予想される危険をしっかり把握して、前向きに対処してきたか、今後の調査できちんと明らかにしてもらいたいものです。

 

今日はこの辺でおしまい。また明日。


「ボランティア」治山 <尾畑春夫さんのボランティア精神>と<水害は人災>を兼ね合わせて考えてみる

2018-08-24 | 災害と事前・事後

180824 「ボランティア」治山 <尾畑春夫さんのボランティア精神>と<水害は人災>を兼ね合わせて考えてみる+補足

 

Newsポストの本日付ウェブ記事<2才児発見、尾畠春夫さんが説くボランティアとしての心がけ>を読むと、尾畑さんの魅力を改めて感じます。

 

最近の高齢者の話題というと、病気の心配からはじまって何をしたらいいかわからないとか、少しでも若返りたいとか、あるいは年金収入が目減りして将来が不安とか、孤立生活や孤独死のおそれ、さらにはお墓にしようか散骨にしようか、遺産争いにならないようにどうしたらよいか、などといった煩悩のようなものが尽きません。

 

ものは考えようですね。欲望を求めれば尽きません。不安をさがせば浜の真砂です。2歳児の超がつくすごい生命力にも驚かされましたが、その子を発見した尾畑さんには人間の生き方として魅力を感じさせてくれます。

 

だいたいボランティアの心構えが生き方としてすばらしいですね。

< 軽ワゴン車に食料や水、寝袋を積み込み、助ける側から一切、力を借りないことが信条だ。「自己完結するのが真のボランティアだ」と尾畠さんは語る。

「もちろん対価や物品、飲食、これらは一切いただきません。決して“してやる”ではなく、“させていただく”の気持ちで私は臨んでいます」>

 

尾畑さんは悠々自適で暮らしているわけではないのです。

<「私の収入は国民年金だけ。月に55000円です。お金がないなと思ったら、朝ご飯だけ食べて、昼と夜は食べない。それだけのことです」>

すがすがしいですね。78歳にになってこれだけ生一本のような生き方ができれば、あれこれ悩む心を超越しているようにも思えます。

 

その信条は次のようなところから日々つみかさねてきたのでしょうか。

<「かけた情けは水に流せ、受けた恩は石に刻め」──それが尾畠さんの座右の銘だ。>

 

尾畑さんの生き方をみていて、昔の僧侶というか、社会に尽くそうと思った人は古い時代からいたのではないかとふと思ったのです。

 

たとえば行基ですね。国家宗教として国家が認めない限り僧侶となることができなかった8世紀初め、優婆塞や優婆夷など多くの支持者を動かして、全国各地で、橋を架けたり、ため池や灌漑用水路を作るなど土木事業のほか、寺院道場をつくって導いたり、あるいは貧困者に布施屋など窮民施設を作って施したりと、ボランティア活動の先駆け的大事業を行いましたね。当初は活動を禁圧され排斥されましたが、最後は奈良大仏の造立責任者になるなど、彼の指導力は国家権力も動かしましたね。その彼を指導した道昭も先達として各種社会事業を行い、行基もその後を追ったのかもしれません。

 

その後も僧侶の中にはそういう社会事業、救済事業を率先して行ってきた人が数多くいますが、それが現在でも一部の僧侶などにも影響を与えているのかもしれません。

 

災害時は緊急事態ですので、本来は国家や行政が行うべき事業がなかなか対応できないのが現実ですから、個々、あるいは組織的なボランティア活動は必要不可欠だと思うのです。

 

そのボランティア活動について、社会規範的なルールというか、作法というか、心構えが自然に生まれたり、リーダーが規律することができればいいのですが、なかなかうまくいかないのが現実でしょう。そのようなとき昔であれば、行基のようなカリスマが生まれたかもしれませんが、現代では尾畑さんのような普通の人が理想的な姿を見せてくれるのも、現代的と言えましょうか。

 

ところで、ここからが今日の本論で、なぜ災害が起こるのか、むろん自然の脅威は人知の及ぶところでないことはまず理解しておく必要があるでしょうね。他方で、人為的な原因で起こる災害もあるでしょう。水害といわれるものは人災といって良いかもしれません。

 

小倉康幸著『水害は人災だ』では、自然の脅威によるものは別として、人災による水害が起こっていると指摘して、その対策を述べています。

 

近時の水害は、異常気象による異常局所的豪雨が頻繁に発生し、その結果、土砂崩れ、土石流、深層崩壊などの山林部での形態的な破壊が頻発するほか、山林部から流れる河川の合流部や支流で、越堤、堤防破壊などによる浸水被害をもたらし、人的物的にも甚大な被害となっています。

 

その原因をダム放流や堤防の強化などによる河川水量の制御を中心に進める国交省の従来型の姿勢に対して、長年林野庁で現場管理に従事してきた小倉氏は同著で「森は死んでいる」と述べて、治山・治水こそ重要だと指摘しています。

 

山林を健康に育てていれば、山林および下草がもつ保水力、土壌保持力などで、土砂崩れなどを防ぎ、最近よく取り上げられる流木の流出も防ぐことができるというのです(本書は13年前発行ですが)。

 

それには間伐や下草刈りを適切に実施することで、健康な山林、森林に育てることができるといのです。それにはどうするか、林業経営が市場経済の中で各林業者が経済的採算性を確保することが困難であり、国・行政の支援が必要と言うのです。

 

最近、ようやく国の財政において森林環境税が現実化する動きとなっていますが、このような問題提起が指摘されて、おそらく30年は経過しているでしょう。その間に、森林の治山力・治水力は大幅に低下してきたと思います。

 

そしてもう一つの問題は担い手です。緑の雇用制度の普及で、相当数の若い未経験者も林業社会に入ってきて、少しずつ木漏れ日が当たってきているように思いますが、まだ本来の治山力を発揮するには相当の時間を要するでしょう。

 

そんなとき、高齢者で時間をもてあましている人、若い人で仕事のない、あるいは仕事を見つけられない人、ボランティアとして林業社会に入ってくる人がいないかとふと思うのです。林業は木を切って、自然を破壊するといった一面的な見方をするのではなく、適切な間伐により木々を健康に育て、下草を育て土壌を保持して、治山・治水を有効に働かせ、事前の水害防止となることを考えてみて欲しいと思うのです。

 

災害後のボランティアの役割も大切です。災害が起こらないように活動するボランティアも求められていると思うのです。

 

今日は中身のある仕事の書面を書こうと思ったのですが、どうも乗り気にならず、つい尾畑さんの記事に目が移り、ブログを書いておしまいにしたいと思います。

また明日。


補足

私のブログの中でこの文が人気があるのですが、どんなことを書いたのか忘れていて今日、ふと覗いてみました。誤字脱字は相変わらずですが、内容は割合まっとうなことを言っています。我ながら意外といいなと思ってしまいました。それは尾畑さんの体験からほとばしる一言一句が心に響いてくるからでした。言行一致というか、言葉よりもを行いを大切にする、そのような人間としての真摯な姿勢に打たれてしまうのです。


私自身、この言葉と生き方を肝に銘じて、高齢者として生きたいと思うのです。尾畑さんは私にとって道しるべ的存在です。

 

 


豪雨被害への対応 <西日本豪雨 支援法で格差・・>などを読みながら

2018-08-14 | 災害と事前・事後

180814 豪雨被害への対応 <西日本豪雨 支援法で格差・・>などを読みながら

 

今日はお盆期間ということで、午前中階下で涼風を感じながらロッキングチェアに座って読書していました。遠くの高野の峰々を時折ぼんやり眺めながら、少しずつ個々の峰の形状が立体的に(3D画像とまではいかなくても)つかめつつあるようなイメージです。そんなことは風景を感じるときあまり意識しないのが一番ですが、やはり気になります。どのようにしてこの山容が生まれ、形成されていったのかなどと・・

 

と思いながらも、飛鳥文化に関する書籍に目をとしていたら、途中ですっかりいい気持ちになって眠り込んでしまいました。ロッキングチェアのいいところ?でしょうか。家具と言えば、大塚家具の経営も怪しくなってきたようですね。わが家ではたぶん一度くらいしか利用していないと思います(高すぎる!)が、前社長のやり方はある意味では理にかなった差別化だったかもしれません。ニトリやイケヤと似たような顧客サービス方式だと、あの低価格政策には太刀打ちするには構造的改革をしてもおいつかないかもしれませんね。

 

本日付アエラ記事<ヨドバシカメラに袖にされた大塚久美子社長が画策する延命策とは?>は業務提携や資金繰りなどが付け刃的で、本体の家具経営について持続性ある改革案になっていないことを示しているように思えます。これは家具販売店だけの問題ではなく、木材利用、そして林業、さらには森林管理にも関係することですね。

 

関係のない前置きがながくなりそうですので、このあたりにして、本題に入ります。

 

本日付神戸新聞記事<西日本豪雨 支援法で格差 支給半額の被災者「同じ災害なのに」>は、<西日本豪雨で住宅被害を受けた世帯を対象に、国が公的支援を行う「被災者生活再建支援法」を巡り、自治体ごとに分かれる同法適用の有無が、兵庫県内の被災者に格差を生んでいる。>

 

同記事では、支援法の基準と、兵庫県のそれを、それぞれ一覧表にしてわかりやすく説明しています。

 

支援法については、これまでもよくとりあげられており、全壊と大規模半壊で分け、さらにそれぞれ基礎支援金額に加えて、建設・購入か補修、あるいは貸借かによって、それぞれ異なる加算支援金となっています。これは全国一律ですから、どこでも変わらないと思われるかもしれません。しかし、同法が適用されるには自治体ごとに災害による一定数の被害が起きたかどうかで判断され、被害数が基準に達していないと適用されないことになります。

 

西日本豪雨では<11府県86市町村が対象で、兵庫県内では全壊12棟の神戸市と、同2棟の宍粟市に適用された。住宅の損害割合50%以上の全壊世帯に最大300万円、同40%以上50%未満の大規模半壊世帯に最大250万円を支給する。>

 

兵庫県でも両市以外は適用されないことになります。記事では、淡路市の住宅被害事例が取り上げられています。住宅自体はほとんど痛んでいないようにも見えるのですが、基礎地盤が大きくえぐられ、いつ建物ごと崩落するかもしれないような危険な状態です。

 

そのため<斜面に建つ自宅の基礎部分が豪雨で流出した淡路市の男性(71)。家屋の半分が宙に浮き、全壊と判定された。>

<だが淡路市は、ほかに全壊世帯がなく支援法は適用外に。県の支援金は対象になるが、男性は「家屋の解体や新たな生活資金などにいくらかかるか分からない。被害が小さな地域が支援法から漏れるのは疑問」と語気を強める。>

 

他方で、全壊、半壊、大規模半壊、などの損害割合の判定に納得できない被災者も少なく内状況はいつも話題となります。

 

<「住めない状態なのに…」。神戸市長田区の電気設備業の男性(51)はつぶやく。高取山のふもとの自宅は基礎部分の土砂が流出。リビングの下に空洞が広がり擁壁も崩れ落ちたが、調査の結果は「一部損壊」。神戸市に適用された支援法の対象から漏れた。>

 

各地の自治体は、国の支援法の適用がない場合に補完するために、それぞれ独自の支援制度を用意していますが、国と同じ金額もあれば、兵庫県のように半額にとどまるところもあり、自治体による格差も問題にされています。愛媛県のように支援法対象自治体でも、さらに上乗せ支援を用意しているところもありますね。

 

そんな問題状況を踏まえて、<日弁連災害復興支援委員会の津久井進委員長(兵庫県弁護士会)は「同じ災害では、全国どこでも同じ支援を受けられるのが原則だ。支援にばらつきを出さないため国の法整備が必要」と指摘する。(田中宏樹)>

 

津久井氏の意見も一応ごもっともです。それなら被害規模要件をなくして、すべての被害に支援法を適用すべきことになるかもしれませんが、はたしてそれが今度は局地的な豪雨で少数の住宅被災だけでも対象となってもよいのか、支援法の仕組み、制度目的とも関係して丁寧な議論をして欲しいところです。

 

適用対象の拡大、公平さの確保は当然のことですが、支援金の金額が極めて低いですね。これで全壊かあるいは大規模半壊か長い時間かけて議論することがどうかと思うことがあります。もっと本格的な支援金は無理なのかも検討してもらいたいですね。細かい区分けをしてその判断に費用をかけることの当否も検討してもらいたいものです。

 

とはいいながら、今朝の毎日記事の<記者の目元東京大空襲国賠訴訟団長の死 民間人被害の救済を=栗原俊雄(東京学芸部)>で指摘されていますように、東京をはじめ大空襲で多くの方が悲惨な最期を遂げていますが、軍人でないとして、一切補償されていません。最高裁も認めませんでした。それが現代の司法的正義のようです。

 

沖縄戦で多くの沖縄の民が自決を迫られたり、死亡しています。このような被害は、支援法の対象にはなりませんが、その問題を考えないで良いのでしょうか。

 

故翁長雄志氏は、沖縄の心を最後まで追求し、報われない沖縄の人の心を命がけで代弁したと思います。そういうことに命をかけることができた人を私は尊敬したいと思います。どんどん脱線しているようですが、私には大事なことなのでつい書いてしまいました。

 

ところで余分な一言になりますが、私は神戸新聞の記事が取り上げている建物の立地に驚きます。むろん建築当時の地盤形状や地質の状況をよく調べないといけませんが、地盤の安全性について、所有者として適切な対応をしていたのか気になります。むろん本来は土地売り主や建築物の設計をした建築士の問題もあります。

 

というのは私が以前、依頼を受けた方も、斜面地に自宅を建築しましたが、強固な母岩上に杭基礎をしっかり打って、土砂崩れ対策を含め地盤の安全性に対応していました。他方で、同じ斜面地に建っている他の建物はまったく基礎工事についてほとんど配慮していませんでした。中には斜面地(勾配が15度くらいの緩傾斜)上に、最近問題になったブロック塀を立てていました。で、土砂崩れがあり、他の建物は傾いたり、一部倒壊したりしました。

 

当該分譲地は谷地を埋め立てた造成地で、斜面地上の雨水排水処理も不完全で、斜面地に雨水が浸透し、盛土地層がすべり面ごと滑ったようでした。杭基礎などしっかりした安全対策を講じていればたぶんこのような被災に遭わなかったと思うのです。

 

神戸新聞の記事で扱われている物件が、私の指摘に当てはまるかどうかは分かりませんが、斜面地の上や下にある土地を購入するときは、専門家のアドバイスを受けて判断してもらいたいと思うのです。私も以前、崖地上の住宅を購入したとき、構造専門の建築士の判断を仰ぎ、アドバイスを受けて実行し、問題なく過ごすことができました。

 

ちょうど一時間となりました。このへんでおしまい。また明日。

 

 

 


浜の真砂と不法投棄 <西日本豪雨 不法投棄土砂、住宅目前に・・>などを読みながら

2018-07-26 | 災害と事前・事後

180726 浜の真砂と不法投棄 <西日本豪雨 不法投棄土砂、住宅目前に・・>などを読みながら

 

緑豊かな山の頂上に裸地がむき出しで無残な様子が映っています。キャプションには「不法投棄などで土砂崩れの原因となった造成地」とあります。たしかにひどい「造成」地と見えます。しかも場所は京都・伏見で、夜景や散策で有名?な大岩山の南斜面というのですから、こんなひどいことをと思わざるを得ません。

 

それは今朝の毎日記事<西日本豪雨不法投棄土砂、住宅目前に 崩落防止工事中に豪雨 京都・伏見>で、見事に切り取られた写真が物語っています。

 

どんな場所か、改めてGoogle Earthで確かめました。北方を見れば東山の名峰が続き、南に転じればは、木津川の沿いに広がる平野です。すぐ西方には桃山大地震で全壊した伏見城跡があり、決して安全なところともいえませんが、著名寺社仏閣が一杯ですね。

 

それはともかく、驚いたのは当該裸地をアップすると、とても造成地とは思えません。畑作地か以前水田耕作をしていたところに見えます。そして、道路付けを見ると、そこまでに膨大な数の太陽光発電装置が設置されています。そのための維持管理用道路かもしれません。それが土砂の不法投棄に利用されたのかもしれません。

 

それにしてもこの東山連峰に続く、南端に位置するこの緑豊かな山に太陽光発電装置をここまでやるかと慨嘆します。太陽光発電装置は、写真では設置してあまり時間が経っていないようです。周辺が裸地のままの状態です。通常は、草が繁茂するので、たとえば南高梅の畑の下で使われるような防草シートを設置することが多いと聞いていますが、ここではどうなんでしょう。

 

余分の話が長引きました。本論に戻ります。

記事によると、<京都市伏見区の大岩山(標高189メートル)の南側斜面で、不法投棄や無許可造成を理由に崩落防止の工事中だった土砂が、今月5~7日の西日本豪雨で崩れ、ふもとの農業用ため池を埋め尽くした。関係者が25日、明らかにした。ため池の10メートルほど下からは住宅街。市の指導で業者による工事は再開され、ため池の土砂も撤去される計画だが、作業の完了時期は未定。住民は台風シーズンを前に不安を募らせている。>

 

土砂の不法投棄と、無許可造成の土砂が、崩落防止工事中に、西日本豪雨で崩れて、下方にあるため池を埋め尽くしたというのです。

 

ところで、Google Earthの写真では不法投棄土砂が小山状に積み上がっていて、上記の通り田畑のような利用状況でした。それが今朝の写真では、小山状の部分がまだ残っていて、他方で田畑で会ったところが、階段状になっています。それが無許可宅地造成の跡としたら、あまり考えにくいですね。単純に崩落防止のために階段状の法面を作っていたとみるか?

 

いずれにしても階段状の法面からさらに一部が下方のため池に向かって土砂流出の後があります。

 

このような状態で、どのような崩落防止工事をしていたというのでしょう。それが問題だと思ったのです。

 

というのは私も15年以上前、無許可開発で山林を伐採し、土砂を不法投棄して山盛りにした業者を相手に、長い時間をかけて戦ったことがあります。いろいろな事情で、仮処分とか、裁判上の手続をとらず、行政の監督権限行使を要請したり、議会に嘆願して指導させたりして、相当程度改善させることができました。そのときむろん、山盛りにした土砂(条例上高さ規制などがあります)を削らせたり、下方に土砂が崩落しないように、H鋼を全面に打ち込ませて(これは私の方で提案したものではありません)、崩落を止めることができました。それがベストではないことはたしかですが、現在の崩落防止工事がどのような安全設計の元に指導したのか気になります。

 

私はさまざまな開発案件に取り組みましたが、斜面地での開発の場合、土砂崩れはかなりの頻度で起こっていたように思います。それに対する監督是正措置なるものが、さまざまな法制の中で抽象的に規定されているだけで、実際の安全対策は行政には持ち合わせていないのが現状ではないかと思います。

 

行政がもっているのは、国交省なりが過去決めた開発許可なりの技術指針を基にした

開発に向けての安全基準であって、違法な工事の場合の対応指針は具体的なものがないはずです。今回も当該業者に任せています。そうなんです。監督権とか是正措置といっても、具体性を欠いており、業者任せです。業者は採算に合わないことをいやいややるわけですから、そこには明確な基準もないため、費用を度外視してなんてことは考えないわけです。

 

記事では<不法投棄の土砂、崩落 法規制が必要 京都大防災研究所・釜井俊孝教授の話>も紹介されていますが、釜井教授の指摘するとおりです。私も以前、釜井教授やその弟子の方にお世話になりましたが、熱心で実践的です。

 

行政指導では、なかなか期限を指定して行うことがありませんが、その違法性が顕著であったり、あるいは危険性が迫っているときは、しっかり期限を指定して行うべきでしょう。以前、私が関与した別の事件で、横浜市がそういった指示をしたことがあった記憶です。

 

記事では、<崩落防止工事を請け負う業者は「不法投棄は別の企業が主導したもので、土地の所有企業は損害賠償訴訟を検討している。>と誰も直接的な責任をとらないような姿勢です。土地所有者は工作物責任を負うべきでしょうが、これは民事法の世界ですから、下方の危険に脅かされている住民の権限行使となりますね。では行政は生ぬるい方法でたいおうしてもよいのか、そろそろ考え時でしょう。

 

太陽光発電用の管理用道路の利用の仕方も問題と思います。最近、作業道を切り開いたところで、その先にわずかな森林が残っていて、その先に道路があり、その森林の一部に道を作れば道路が接続することになるので、そのような要望が上がりました。たしかに道路がどんどんつながると便利とも言えますが、それによって不法投棄や関係のない車の進入というデメリットも考えないといけない時代です。奥まった山では道ができると不法投棄が増える状況にあります。そのようなリスク対応を考慮せずに、開発することなど愚の骨頂かもしれません。

 

書き出すと切りがないのと、そろそろ1時間ですので、この程度でおしまいとします。また明日。


西日本豪雨その6 <船、漁網塞ぐ漂流ごみ 流木など3503立方メートル回収>を読みながら

2018-07-23 | 災害と事前・事後

180723 西日本豪雨その6 <船、漁網塞ぐ漂流ごみ 流木など3503立方メートル回収>を読みながら

 

NHKの<グレートネイチャーSP 地球事変ギガミステリー(4)「革命を生んだ小氷期」>という、以前録画してあった番組を昨夜見ました。小氷期は歴史的にも環境的にも大きな影響があったので、時折気になるテーマの一つでした。主にフランスの専門家の見解を基にした筋書きのように思えました。

 

12世紀から18世紀までを小氷期としてとらえつつ、1780年代頃、それまで干ばつと長雨などの異常気象が続いた後、アイスランドで100数十という火山噴火が長さ25km以上の断層で連続して発生し、数ヶ月にわたってヨーロッパ全体(画面上では西ヨーロッパ?)が雲と霧で覆われ、寒冷化が急速に進んだのです。

 

その結果、穀物がとれず、パンなどの値段が上昇し、庶民が飢えに苦しみ、主婦がパンよこせなどでたちあがったことを契機にフランス革命が起こったというのです。

 

たしかにわが国も平安期の11世紀頃?から18世紀まで地震津波はもちろん、干ばつ、火山噴火に台風・豪雨など自然災害が多かったと思われます。平穏だった江戸時代も、享保、天明、天保の飢饉で、百姓一揆や打ち壊しが各地で起こり不穏な状況もあったと思いますが、革命は起こらず、享保、寛政、天保の改革でなんとか乗り切ったのでしょうか。

 

小氷期だけで革命への道筋を説明するのは地域的には可能な側面もあるかもしれませんが、さまざまな条件を考慮する必要があるように思うのです。いずれにしても、わが国は災害がとても多いところではないでしょうか。明治維新までは海岸にも河川にも西洋風の堤防もなく、人は生活してきたのだと思います。その後各地で堤防が設置されてきました。

 

地震・津波・台風などで大規模な被災に遭うと、その都度、それがさらに進んだように思います。でも自然の驚異は人工物による対応を超えることはこれまでの歴史が示してきていないのでしょうか。東日本大震災・津波で被災のあった海岸線は、以前、湿地や潟湖といった低地であったところに堤防が敷設された地域が少なくなかったとの指摘もあります。

 

つい小氷期のTV番組を思い出し、前置きが長くなりましたが、今日の本題は毎日朝刊一面の<西日本豪雨船、漁網塞ぐ漂流ごみ 流木など3503立方メートル回収>を取り上げたいと思います。

 

西日本豪雨の被害は多様で、そのすべてを取り上げることはできませんが、漂流ゴミと船の航行妨害や漁業被害については触れてこなかったので、少し関連する問題と一緒に取り上げてみようかと思います。

 

記事によると<西日本豪雨により海に流れ込んだ大量の流木などの漂流ごみの影響で、旅客船や漁船が出港できないなどの被害が広範囲で続いている。国土交通省は8日以降、漂流ごみの回収を進めており、中国、四国、九州地方整備局によると、21日までに流木や木くずなど計3503立方メートルを回収した。年間回収量の7割を超える量だが、「現在も川からの流入は続いており、まだ先は見えない状況」という。>

 

流木や木くずゴミが3503m³といっても多いか少ないかわかりにくいですが、容積的にはとくに大きいとはいえないでしょうけど、海では漂流することによる被害が小さくなく、また、回収も容易でないため、実際は深刻とならざるをえないでしょう。

 

船の航行に影響を与えているようです。<船のスクリューが流木などを巻き込み、航行に影響するケースも出ている。広島湾で高速船を運航する「しまなみ海運」(広島県三原市)では、スクリューに漂流ごみを巻き込み1隻が故障。漂流ごみの多い航路で、夜間の往復1便を19日まで欠航した。津エアポートライン(津市)でも伊勢湾内に流木が漂流しているため、津と中部国際空港(愛知県常滑市)を結ぶ夜間便を18日まで運休した。>

 

漁業被害も各地で起こっているようです。<愛媛県大洲市では肱川(ひじかわ)上流が氾濫した影響で沿岸に大量の流木が流れ込み、底引き網が破れた。島根県では定置網に大量のごみが引っかかる被害が出ている。>など。

 

ところで、広島湾内で回収した流木が388本という数が多いか少ないかも簡単にはいえませんが、私見では、膨大な数の立木や倒木が流されたものの、途中の河川や決壊で町中に流れたりとどまったりしたため、海にまで運ばれた数はさほど多くなかったという印象です。

 

ここで言いたいのは、それでも海洋に流れ出された多様なゴミは漂流したり、海中に沈んだりして、多大の被害を与えると言うことです。その意味で、豪雨による土砂崩れ、ダムの貯水量を超える放流、堤防決壊による洪水など、多様な要因が被害を拡散、増大させていることを改めて感じます。

 

で、ここで付け加えたいのは、豪雨による海洋へ流れ出す多様なゴミも問題ですが、いま世界で注目されているプラスチックゴミについても、同時に、日常生活において意識を改める必要を感じています。

 

毎日の昨日の記事<プラスチック危機包装材規制、欧州が加速 海の環境、悪化の一途>が気になっていました。

 

<プラスチックごみによる海洋汚染の深刻化を受けて、使い捨てのプラ製品の規制に向けた動きが欧州を中心に急速に進んでいる。一部の業界では法規制に先行してストローなどの使用の禁止に踏み切る。自然に分解されにくいプラごみは、気候変動に並ぶ地球規模の環境問題として認知が広がっていることが背景にあり、国際社会の協調した取り組みが求められている。【ブリュッセル八田浩輔】>

 

この対策としてEUは本格的なプラスチック削減策を提示しています。

<欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は今年初め、2030年までに食品容器などを含む使い捨てのプラ包装材を全廃する方針を打ち出した。

 一連の対策として、5月末にはストローや食器類など一部のプラ製品の流通禁止を盛り込んだ法案を加盟国に提示。生活に関連した10種類の製品と釣り用品を対象に個別に規制を定め、スプーンやフォーク、皿などの食器類や、綿棒のうち軸がプラ製のものは流通を禁じ、代替素材への切り替えを求める。容器や飲料カップは禁止しないが、加盟国に削減目標の数値設定や有料化などの対策を課す。>

 

わが国は、なかなか前向きになりませんが、海に囲まれた島国として、そろそろ本気で取り組むべき時期にきているように思うのですが、国会も含め国全体として、そのような風が吹いてきそうもないですね。西日本豪雨災害を契機に、災害ゴミ対策から日常ゴミ対策に、拡大する旋風でも起きないかと期待しているこの頃です。

 

今日はこれにておしまい。少しいい話があったのですが、別の機会にします。また明日。