goo blog サービス終了のお知らせ 

たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

働く・有償性・技術 <大阪北部地震から5カ月 技術系ボランティア大奮闘>を読みながら

2018-11-09 | 災害と事前・事後

181109 働く・有償性・技術 <大阪北部地震から5カ月 技術系ボランティア大奮闘>を読みながら

 

災害列島日本では、常に災害を意識しておく必要があるわけですが、現実にはそうとは限りません。災害発生はあるとき、ある地域で起こり、被災した人は決して忘れることはないでしょう。でも、それ以外の人は情報としてはその怖さ、悲惨さを認識しますが、あまりに情報が過剰なためか、なかなか備える意識が育たないように思うのです。

 

本来、国・地方の行政がしっかり対応すべきことが少なくないと思うのですが、たとえば国会の状況は相変わらずお粗末な議論に熱中しているようです。その意味では、アメリカ政治・議会などにおけるトランプ現象を笑えないでしょうね。

 

今回の臨時議会でも、内閣改造を受けて、熱心な質疑?は片山、桜田両新大臣の資質や活動に集中しているようで、重要議案などは上の空の状況です。これは野党を構成する立憲民主党などだけの問題ではないと思います。一つは、自民党・公明党も野党時代は同じようなことを繰り返していた国会討議のあり方の問題ではないかと思います。もう一つは、大臣を任命する今回は安倍首相ですが、歴代の首相と与党との関係に問題があると思うのです。

 

アメリカ政治は決して民主制の見本となるわけではないですが、参考になるところもあるように思うのです。私自身よくわかっているわけではないですが、閣僚の選任について、上院に承認権限?があってその公聴会で資質をみる、まあいえば公開のフィルターを通す独立の手続があるようですね。やはり閣僚になるべき人は、その所管する分野について相当通暁していること、過去に不適切な行為がないことなど、とくにチェックされる必要があると思うのです。

 

それは通常、臨時を問わず、議案と関係なく、国会で審議されるべき物か疑問です。衆議院との違いを問題にされる参議院、あるいは両議員で構成するメンバーで、大臣の資質や行為を審議すればいいかと思うのです。そうすれば、論考勲章とかを理由に、仕方なく大臣にするといった、国民にとって大変迷惑な事態は、多少とも回避できると思うのです。今回の片山、桜田争議は、繰り返して欲しくないものです。幸い、毎日新聞は、今日の記事に一面も触れていませんでした。

 

と災害対応を取り上げるのに、冗長な前置きをしてしまいました。

 

さて本題は、今朝の毎日記事<くらしナビ・ライフスタイル大阪北部地震から5カ月 技術系ボランティア大奮闘 プロ集団始まり、活動拠点「茨木ベース」>です。

 

災害ボランティアは、少しずつ各地でその活動が評価され、受け入れがスムースになっているかと思いますが、それでもちょっと技術的な経験・知見が必要な作業となると、危険であったり、杜撰な内容となって、かえって問題を生じることになりかねません。

 

記事では<6月に起きた大阪北部地震から今月で5カ月。各地で災害が相次ぎ、業者が多忙になったことなどで壊れた自宅の修復が手つかずの被災者も多い。追い打ちをかけるように9月の台風21号で、壊れた屋根を覆ったブルーシートが飛ばされるなどした。建築関係者らの技術系災害ボランティアの大半は他の被災地に転進したが、大阪府茨木市では指導を受けた一般の人がボランティア活動を担い、応急処置にあたる。現地を訪ね、技術系災害ボランティアの支援活動を取材した。【御園生枝里】>と、そういった分野のうち、屋根の応急措置を取り上げています。

 

今年は台風の当たり年で、屋根の損壊は各地で起こったようです。そのためか修理を依頼しても業者の派遣は順番待ちでなかなか対応してもらえない状況にあるようです。

 

ところで、屋根の材質・葺き方なども最近は多様化していますね。その中で和風建築が激減し、当然、瓦屋根も田舎は別にして、あまり見かけなくなったと思います。そうすると、瓦職人も自然に減少しますね。瓦屋根を葺く作業を少し見たことがありますが、やはり相当の経験と技術を要するでしょう。またそれ以外の材質でもやはりプロでないとできないでしょう。

 

このように職人・業者が減少していることに加えて、大阪北部地震被害では屋根の損壊が一部だったことも、業者が対応に苦慮している要因とのことです。

<修理を順番待ちする原因の一つは、瓦屋根を扱う業者の減少とみられる。業界団体の全日本瓦工事業連盟(東京都)によると、加盟店は約2600社で、瓦屋根の新築住宅が減るなどして10年前に比べて約1000社減った。連盟事務局は「東日本大震災や熊本地震では大きな被害を受けた住宅が多く、他地域の業者の応援も呼べた。だが大阪は一部損壊が多い。工事費がまとまった額にならず、応援を呼ぶには採算面で難しい」という。こうした状況はしばらく続きそうだ。>

 

そうはいっても豪雨なども頻繁に襲ってきたのですから、雨漏り対策は是非とも必要ですね。そんなとき救援隊となったのが技術系ボランティアの人たちだったのです。

 

<高所作業などの技術を持つボランティアの活動拠点「茨木ベース」から11人>の<ボランティアは命綱を設置して、夫婦に家屋の現状と作業について説明。その後、壊れた箇所をブルーシートで覆ったり、防水テープを張ったりした。>

 

ボランティアの人たちも、自分たちの領分をわきまえているようです。

<茨木ベースを運営するNPO「レスキューアシスト」代表の中島武志さん(41)は「私たちは業者ではなく屋根の修理まではできない。応急処置や、会話することで被災者の気持ちを和らげたい」と話す。台風の被害が火災保険の対象になる場合があるが意識していない人もおり、情報提供もする。>

 

でもこの種の作業となると、人数も限られているため、作業がどんどん進むというわけではないようです。

<1日当たりの参加者は平日が6~8人、休日が20~30人。ブルーシート張りができるのは1日に住宅1~2軒が限度という。先月29日までに延べ1919人のボランティアが計348件の作業をした。>

 

技術系災害ボランティアは、まだ組織作りとかネットワークが確立しているとは言えないようですが、それでも徐々に普及しているようです。

<技術系災害ボランティアの先駆けは、2004年の新潟県中越地震で被災した建設機械を扱う会社の関係者らによるボランティアのグループ(後の「SVTS風組」)とみられる。06年の長野県の豪雨災害で作業した。グループの関係者らは07年に起きた新潟県中越沖地震を受け、県内でパワーショベルや、木材を切るチェーンソーなどを扱うための講習会を開いた。そして11年の東日本大震災を機に「DRT-JAPAN」「OPEN JAPAN」などが活動を始めた。>

 

知名度が十分でなかったり、ネットワークが確立していないためか、受け入れ・連係して共同活動するはずの自治体がもたもたしているようです。

<兵庫県立大学大学院の室崎益輝教授(防災計画)は技術系災害ボランティアについて「活動形態が特殊だということで受け入れを渋る自治体もあったようだが、熊本地震からは、専門知識を持った人たちとの連携が進んだ。消防士らが参加するなど裾野が広がっている」とみる。一方で、「まだ連携に消極的な自治体もあり、行政には被災者を守る責任を果たすために、制度化も含めて積極的に技術系ボランティアとの連携を図ってほしい」と指摘する。>

 

奈良時代初め、行基が各地でボランティア作業を指導し、優婆塞、優婆夷を率いて率先して救済活動として、土木事業や救貧活動などをしたのは有名ですが、これからの社会、もしかしたらボランティアこそ、本当のはたらく意義を人に付与するのかもしれません。

 

AIの進展で、有償で仕事をする必要がなくなるとも言われることがあります。それは機械的な作業にとどまらず、専門職・技術職・文化芸術職を問わず。それで人はただ享楽にのみ生きがいを認めるかというとそうではないと思うのです。はたらくということばは、それによって「はた」が「らく」になることを意識することで安楽や幸福な気分を得られるのではと思うことがあります。

 

そんなことをふと思った今日の記事でした。今日はこれにておしまい。また明日。


自然災害とローン <「自然災害債務整理ガイドライン」>を読みながら

2018-10-01 | 災害と事前・事後

181001 自然災害とローン <「自然災害債務整理ガイドライン」>を読みながら

 

台風24号が和歌山に上陸した後、一気に日本を縦断して、たしか上陸前は時速25kmから40kmくらいまで次第に早くなっていたのが、上陸後はどんどんアクセルを踏み続けたかのように北海道に達したときは100km近くになっていたかと思います。

 

私も昨日は昼頃には紀伊半島上陸と思っていたのが、上陸は午後8時を過ぎていましたか。風速が25m以上となったのは9時過ぎていました。その後はそれなりに雨戸をならすほどの暴風でしたが、思ったほどではなく安堵しました。実際、今朝いろいろと聞いてみても当地周辺ではあまり被害がなかったようです。とはいえ日本列島を縦断しているので、各地に相当な被害を与えたようです。

 

それでも台風24号の被害は西日本豪雨や北海道地震、台風21号に比べると、それほどでもなかったようで安堵します。でも豪雨と地震は、たしか災害救助法の適用になったかと思いますが、被災地では甚大な被害を受けましたね。

 

復旧作業がはかどらず皆さん大変な状況で、台風の連続パンチを受け泣き面に蜂ですみませんね。同情いたします。被災地の皆さんの状況を見ながら、ブラックアウトや水道停止などになったらどう対応できるか、浸水や建物倒壊、家族や近しい人の死亡に直面したらどうしょうかとふと思うのです。自分が死亡すること自体は、それはいつ起きるかも分からないことなので、考えるまでもなく仕方ないことと思うのです。それ以外の事態のときは心構えができているか自問自答しても答えは簡単ではないです。

 

そんなとき偶然、<「自然災害債務整理ガイドライン」>というのが、何かを調べているとき目にとまりました。弁護士会でも災害対応のさまざまな準備をしていますが、具体的で実践的な措置となると行政が担うことが求められていますし、これまで問題が発生した後にそれに対応する措置が講じられてきたと思います。

 

被災したときはまず、命に別状がないかとか、怪我はないかとか、病気にならないかとかが一番の先決ですね。そして次は衣食住ですか、その後復旧。で落ち着いたときはたと気づかされるのは、ローンの問題でしょうか。たいていの人は住宅ローン、車ローン、クレジットなど、さまざまなローンを抱えているでしょう。でも甚大な被災地では、仕事場を失ったり、収入が激減したりすることも起こりますね。被災前の収入を維持することが困難でローンの支払いもできなくなる人もいるでしょう。

 

政府広報オンラインで発表されていたのがそのガイドラインでした。私自身、被災地での法律相談とか対応したことがなかったので、自分でも参考になるのかと思い、読むことにしたのです。

 

ローンの額が増えて約定通りの返済ができなくなれば、破産や個人再生が法律で用意されていますが、ブラックリストにのり信用を回復するのが容易ではないですね。いまクレジットカードを使えないとかローンを組めないというのは日常生活や仕事をする上でも厳しいですね。

 

それで東日本大震災を契機に、甚大な影響を及ぼした自然災害の場合に、ローン債務者に救済制度を用意したと言うことでしょう。

 

そこではまず、<1.大規模な自然災害でローンの返済が困難になったときは?>と条件付きで、ローン返済の特例措置を用意しています。

 

<このガイドラインを利用することによって、住宅ローン等を借りている被災者が、破産手続きなどの法的な倒産手続によらず、銀行などの金融機関との話し合いにより、ローンの減額や免除を受けることができます。>

 

利用できる対象は<平成27年(2015年)92日以降に「災害救助法」(※)が適用された自然災害の影響>を受けた人で、ローンの返済ができなくなったか、近い将来それが確実と見込まれる人です。事業者個人はいいのですが、法人は除外されています。

 

上記基本条件に加えて次の要件を満たすことが必要とされています。

<•災害が発生する以前に、対象債権者に対して負っている債務について期限の利益喪失事由に該当する行為がなかったこと

•このガイドラインに基づく債務整理を行った場合に、破産手続や民事再生手続と同等額以上の回収を得られる見込みがあるなど、対象債権者にとっても経済的な合理性が期待できること

•債務者が事業の再建・継続を図ろうとする事業者の場合は、その事業に事業価値があり、対象債権者の支援により再建の可能性があること>このほか「など」もあるのでちょっと要注意ですね。

 

最初の要件は仕方ないかもしれません。次の要件は少し厳しすぎる感があり、これは金融機関との交渉事項でしょうから、厳密にやりすぎると救済される人が極めて限られることになりかねません。資産評価や収入評価の点で弾力的な運用を期待したいものです。

 

最期の要件も、被災当初は事業価値や将来性を見込むことは容易でなく、見方次第で簡単に再建可能性を消極的に見てしまいかねません。これこそ事業者の意欲や計画の合理性を丁寧に見てあげてもらいたいものです。

 

以上の要件を満たせば、ガイドラインを利用して債務整理(一部債務免除)ができます。

<「自然災害債務整理ガイドライン」により、債権者との合意に基づき債務整理を行うことで、こうしたデメリットを回避しつつ、裁判所の特定調停を利用して、債務免除を受けることが可能となります。>

 

この制度のメリットとデメリットがあげられています。

債務返済が困難になったときは、法的手続として、破産と個人再生がありますが、これらには先に挙げたように次のデメリットがあります。

<それらを行うと官報に債務者の名前が記載され、個人信用情報として登録されてしまうため、新たに借入れをしたり、クレジットカードをつくったりすることができなくなります。>

 

メリット1は、上記のデメリットがないので、新たな借入・クレジットカードの利用や新規会員にもなれます。

 

メリット2は<国の補助により弁護士等の「登録支援専門家」が無料で手続を支援します。>そうなんですね、弁護士などが登録支援専門家になって、無料で利用できるのです(知らなかった)。

 

メリット3は<財産の一部をローンの支払いに充てずに手元に残すことができます。>

<預貯金などの財産の一部を「自由財産」として残すことができます。>ただ、この自由財産自体は、法的手続でも一定額認められていますので、それが法的手続に比べてどのくらい認められるかによっては財産的なメリットは少ないかもしれません。被災者ですから、大目に見て欲しいものです。

 

<ガイドラインを利用した手続の流れは>まず借りている金融機関に<自然災害債務整理ガイドラインに基づく手続>の着手申し出をすれば、後は金融機関から同意が得られれば(これは基本的に上記の条件を満たせば同意するのが本来だと思います)、登録専門家に手続依頼でき、後はその支援を得てとなっていますが、専門家が債務整理の申し出や調停条項案の作成、提案等に加えて、簡裁に特定調停申し立てまでやってもらえるのだと思います。

 

着手申し出の際、同意を得ることが一つ大きなネックになるでしょうから、事前に弁護士など専門家のアドバイスを受ける方策も必要ではないかと思います。いま各地の弁護士会が災害時の弁護士の役割・対応策に取り組んでいる中には、こういったことも含まれているのでしょうね(私も名目上の委員ですが活動内容がフォローできていません)。

 

今日は私の勉強の時間でした。これでおしまい。また明日。


自然災害と保険 <大阪北部地震 保険金の支払額><住宅被災、保険で補償される?>などを読みながら

2018-09-21 | 災害と事前・事後

180921 自然災害と保険 <大阪北部地震 保険金の支払額><住宅被災、保険で補償される?>などを読みながら

 

自然災害が頻発しその被災状況が甚大化しつつあるような印象をうけます。今朝の毎日記事で小さな紙面ですが<大阪北部地震保険金の支払額 阪神超え866億円>が掲載されていました。

 

<日本損害保険協会は20日、今年6月の大阪北部地震と7月の西日本豪雨の保険金の支払額がこれまでに計2523億円になったと発表した。>この後、北海道地震や台風21号などの被災がありますので、その保険金はかなりの金額になることが想定できます。まだ9月下旬という時期であるにもかかわらず。

 

その保険金支払額に注目したいと思います。<大阪北部地震は阪神大震災の783億円を上回る866億円で、地震保険の支払額では過去3番目の規模に膨らんだ。>なぜでしょう。被災による被害金額はむろん後者の方が甚大ですね。理由は<地震保険の加入率が増えたことなどから、保険金の支払額が増加した。>ということです。

 

この自然災害に対する備えとしての保険金に依拠する姿勢は庶民、企業、公共団体いずれもさらに増大すると思われます。気候変動の影響は深刻化することは明らかで、今後も異常気象による暴風雨やスーパー台風などの災害はもちろん、地震・津波の頻発は避けられないのではないかと思うのです。

 

いま損保会社も企業方針として自然災害保険を種類や金額、さらに迅速な保険金支払のための調査法方法(ドローン活用など)を競って、保険契約の増大強化を、国内はもとより海外に市場を拡大しているようです。

 

その結果として、毎年の決算期には自然災害の増減の影響がもろに出ています。17年の決算では<損保大手3グループ過去最高益 自然災害大幅減などで>と、保険加入している海外市場を含めて自然災害が少なかった結果、過去最高益を得て、ほくほくだったのですね。

 

ところが<損保大手3社2社減益 米ハリケーン影響 18年3月期>によれば、18年の決算は逆に大手3社のうち1社のみ増益が確保できたものの、2社はハリケーンの被害による保険金増大で大幅減益となっています。

 

損保会社の収益構造を規定するほど、自然災害発生の頻度や程度が問題になってくるわけです。

 

では、被災の可能性のある人・団体はどうしたらいいのでしょう。通常、自然災害は不可抗力として被害は自己責任となりますので、災害による公的補助を受ける限度で一部救済されますが、むろんそれでは元の姿には戻れませんね。それで保険でカバーすることが現在の対応として求められているのでしょう。

 

保険は災害の種類、被災可能性のある物件によって、さまざまな種類がありますし、損保会社によって商品がことなるわけですから、それを費用対効果も考えて選択する必要があるでしょう。

 

たとえば毎日記事<質問なるほドリ住宅被災、保険で補償される? 災害の種類次第 契約内容の確認を>などはその心構えをしめしてくれています。

 

またこれはある保険会社のウェブサイトですが、<火災保険の自然災害ガイド>で、台風、竜巻、洪水、集中豪雨、土砂崩れなどに応じた保険の種類を解説しています。

 

ところで、損保会社は、自然災害保険の拡大を狙っているようですが、どうも商品化に当たって、適切なリスク対応商品を生み出せていないように思うのです。

 

たとえば、616日付け毎日記事<火災保険料設定、基礎引き上げへ 平均5.5%>では、上記の183月期決算で自然災害保険金の支払いが増大したことを受けて対応したのが、単に<火災保険の保険料を設定する際の基礎となる「参考純率」を平均5・5%引き上げる>というものです。

 

これでは自然災害の地域的な頻度や程度予測をまったく行っていない、ある種無責任な対応のように思えるのです。なるほどたしかにいくらAIが気象予報や、危険箇所の発見に一定の効果を及ぼすようになったとはいえ、リスク管理に直ちに利活用できるまでに至っていないのは現実でしょう。

 

しかし、自動車の保険料率でも、事故の発生率を年齢や性別、いくつかの要素を過去のデータから割り出して、詳細な差別化を図ってきたと思うのです。とするなら、自然災害においても、災害に応じたハザードマップや物件毎の被災程度をビッグデータを活用して、より個別的な差別化の識別基準を生み出すことができるように思うのです。

 

ま、いえば、損保会社が競って、データ解析で、地域的な安全度の差別化を図るとかすることで、リスクの高い場所は保険料も高くなるといったことはいずれ可能になると思うのですが、それは安直な発想でしょうか。ちょっとした思いつきでした。

 

もう一つ書こうと思いましたが、少し疲れましたので、古代をテーマにしたものですので、別の機会とします。今日はおしまい。また明日。

 


死と被災の心構え <住民主体で「防災マップ」>などを読みながら

2018-09-19 | 災害と事前・事後

180919 死と被災の心構え <住民主体で「防災マップ」>などを読みながら

 

稀勢の里関の危うそうで踏みとどまる我慢強い闘いに、多くの相撲ファンは心響くものがあるのでしょうか。私も帰った後NHKニュースでわずか流れるその場面を楽しみにしています。

 

日本人の国民性というと言い過ぎかもしれませんが、古代以来、火山噴火から地震、雷、台風、豪雨、火事などあらゆる風雪に耐え、忍耐強い生き方をしてきたのではないかと思うのです。

 

江戸時代末期まで、家の中にはたいした家財道具もなく、家は簡易な掘っ立て小屋のような建て方で、おおらかに暮らしてきたのは大半の庶民ではなかったのでしょうか。このような暮らしのあり方は、火災も含め、どのような自然の脅威が襲ってきても、それをやり過ごし、すぐに立ち直る生き方だったのかもしれません。それを幕末にやってきた西欧人は、貧相な清潔だけど、世界で一番幸せな国民と思ったほど、底抜けに明るかったのかもしれません。

 

その後西欧文化を取り入れ、戦後はさらにいっそう文明の利器を一番手で導入し、家にも家財道具にも多額の金をつぎ込み、一生懸命働く一方、家庭や生活のおおらかさや穏やかさは失いつつあるのかもしれません。

 

その多額の金を投じた家や家財道具などは、実のところ、自然災害の猛威の前では極めて脆弱な位置にあったり、軟弱地盤などであったりして、実のところは危うい状況にあるかもしれません。

 

最近の北海道地震では谷地を埋めた造成地で液状化が起こり、多くの家屋が全壊ないし半壊という被害を受けています。過去の造成地の被災でも、谷地の盛土地形が同様の被害を受けていたりして、以前から警鐘が鳴らされていたのですが、不動産取引ではあまり重視されないできました。土壌汚染も首都圏各地で時限爆弾のように潜在していますが、これまた見過ごされているように見えるのです。

 

地震や火山は一定の予測は可能と一定も、いつ発生するか分かりませんし、とくに前者どこで起こってもおかしくないのが日本の特質ですので、南海トラフなど超大規模なものだけ注意を払っているわけではすみませんね。

 

その点、豪雨や暴風は、局地的な異常気象でも次第に予測する報告に進んでいますし、まして台風は、今回の21号台風も相当早い段階で予想されていたのですから、本気で対応していたところは、相当被害を回避ないし減殺できたのではないかと思います。

 

と前置きが長くなりましたが、今日は45分程度で仕上げる予定ですので、本論は簡単にします。

 

今朝の毎日記事<+2℃の世界適応の現場から/5 住民主体で「防災マップ」>では、地元といえるかつらぎ町笠田が取り上げられています。

 

記事では<和歌山県北東部、町の中心部を東西に紀の川が貫くかつらぎ町。紀の川の北側に位置し、2本の支流に挟まれた場所に、140世帯が暮らす町営笠田(かせだ)団地はある。>という紀ノ川北岸で、河岸段丘の下に位置する地域ですね。私が大畑才蔵に関係して、なんどか取り上げた舞台でもあります。

 

そこでは<今年の西日本豪雨や台風21号で大きな被害はなかったものの、昨年10月の台風21号で支流があふれ、住民は近くの中学校などで一夜を過ごした。人的被害はなかったが、団地には高齢者が多くて移動に時間がかかるため、避難が大きな課題として浮かび上がった。>と氾濫被害を課題とし、防災マップづくりに自主的に取り組んでいるのです。

 

<同団地自治会長の中沢浩二さん(56)が中心となり、地区の防災マップを作るため住民参加のワークショップを今年3月に開催した。地区内と周辺地域を詳細に調べ、壊れやすそうな空き家がある場所や昨年10月の台風で浸水した範囲、浸水が早く始まる標高が低いところなどをマップに書き込んだ。仮に避難所まで遠回りになったとしても浸水しやすいところを避ける避難経路を決めた。まだ浸水していない時に高齢者が移動を始めても、浸水が始まったら立ち往生して被害に遭うことも考えられるためだ。>

 

むろん行政もすでにハザードマップをつくっていますが、それには限界があることは以前、このブログ?で書いた記憶があります。

 

で、この自治会では<支流が氾濫するケースは用意していない。>として、<中沢会長は「紀の川があふれる前に、まずは支流が氾濫する。それに対応した避難経路を想定しておかなければ安全に逃げられない。ワークショップは住民の意識向上にもつながったが、避難を敬遠する高齢者もいて課題となっている」と説明する。>

 

そうなんです。ハザードマップはため池とか、紀ノ川ないし支流の重要な河川くらいしか想定していませんし、その氾濫のシミュレーションも、氾濫源を中心に地形・標高だけで机上の推計で氾濫量や方向を決めていますから、実態に必ずしも合いません。複合的な要因とか地域の特徴に合わして考える必要がありますし、避難場所と、要避難者の避難ルートを実際にシミュレートしないと、現実の被災の時に対応できないおそれがあります。

 

だいたい、この笠田付近は、江戸時代くらいまでは氾濫源でしたから、紀ノ川が氾濫することを想定して土地利用が図られていたと思います。私が関心をもっている小田井の間が用水路も、記事で対象となっている地域よりもずっと標高の高い位置に築造されています。さらにその用水路の上に当たる位置に、昔の船着き場跡さえ残っています。

 

堤防によって紀ノ川の氾濫を抑えてきたわけですが、万が一決壊なり越流なりすれば、大変な惨事となりますね。支流の場合は、多くは樋門によって紀ノ川への流入が止められるので、堤防内の支流付近が氾濫するリスクがありますね。以前は田畑でしたから、それほど大きな被害がなかったと思いますが、いまは住宅や工場、商業地となっているので、氾濫して浸水したりすると、大変な被害となりますね。

 

その意味で支流の氾濫という問題に焦点を当てるのは合理的でしょう。支流は規模が小さいので、仮に流木などが出て、一旦どこかで塞がれると、すぐに氾濫してしまいます。そういった支流の維持・管理は日頃の注意が必要でしょうね。

 

なにか感想的な話になってしまいました。

 

最後に、今回の台風21号では暴風被害が当地で相当発生しており、その暴風対策を今後検討してもらいたいと思いつつ、参考までに、接近した94日の当地・気象データを引用します。<かつらぎ 201894日(1時間ごとの値)><かつらぎ 201894日(10分ごとの値)

 

雨量も相当なものでしたが、最大瞬間風速が20mを超える時間帯が結構ありましたね。

 

時間となりました。今日はこれでおしまい。また明日。

 

 


火山と地震とブラックアウト <北海道震度7 発電所停止の連鎖>と<軽石層、一気に崩壊>を読んで

2018-09-07 | 災害と事前・事後

180907 火山と地震とブラックアウト <北海道震度7 発電所停止の連鎖>と<軽石層、一気に崩壊>を読んで

 

いま和歌山の裁判所から事務所に到着して、30分程度でブログをまとめようかと思います。

 

今日は時間に余裕があり、ゆっくりブログをかけると思っていましたら、3時半頃に電話があり、被疑者の義母が死亡されたということで、勾留執行停止の申立をするため、急遽、被疑者と接見しその意思を確認し、すぐに和歌山に出かけ、申立書を提出して、リターンしたのです。嫌いなドライブですが、こういう場合は仕方がありません。

 

裁判所に到着したのが業務時間を過ぎていて、駐車場も閉鎖されており、通常のドアも閉鎖で、夜間入り口から当直に渡して、帰還したのです。途中、裁判所から連絡があり、担当検察官が出張ですぐに連絡できないということで、判断は明日に持ち越しかなと、急いで持参した割にはうまくいかないものです。

 

そんなわけ少々疲れ気味の中、簡単にブログを済まそうと、ちょうどいいテーマ、「忙しすぎる勤務医」が3人の医療専門家の意見が出ているのを参考にまとめようと思ったら、ウェブサイトにまだ掲載されていませんでした。

 

そうなるともう一つの大きな話題、北海道地震がいろいろ情報がアップされていて、これは読みながら、引用して、簡潔にまとめるのにいいかなと思い、これを本日のテーマにしました。

 

震度は7だったのですね。それにしても、まず驚いたのはあの大規模な土砂崩れです。これは過去に見た例に比べても大きな方ではないかと思います。それもなにか特徴がありそうに思ったのです。

 

この点を割合、整理していたのが毎日記事<クローズアップ2018北海道震度7(その2止) 軽石層、一気に崩壊>です。

 

土砂崩壊の後に見られる山肌には特徴的な色変化がありますね。

それは<石塚グループ長によると、支笏カルデラから放出された軽石は肌色、恵庭岳はだいだい色、樽前山は白っぽい。このほか、黒っぽい表層土壌もあり、それぞれの色が現場の写真から見て取れるという。>

 

つまり、黒い表層土を除き、共通するのは軽石で、それぞれ噴火で飛んできて堆積したもので、その噴火の源が支笏カルデラか、恵庭岳か、樽前山ということのようです。

 

より具体的には<産業技術総合研究所の石塚吉浩・火山活動研究グループ長によると、厚真町の西約40キロでは、約4万年前にカルデラの支笏(しこつ)湖を作った巨大噴火が起き、厚真町に大量の軽石が飛来して厚さ約4メートルに堆積(たいせき)。さらにその上に、支笏湖の北にある恵庭(えにわ)岳(1320メートル)と、南にある樽前(たるまえ)山(1041メートル)の噴火による軽石も厚さ約50センチずつ積もっている。>とのこと。

 

軽石が風化するととても震動に弱いようです。

<軽石層は「テフラ層」と呼ばれ、京都大防災研究所の千木良(ちぎら)雅弘教授(応用地質学)は、2016年4月の熊本地震で起きた阿蘇山周辺の土砂崩れとの類似性を指摘する。この地域でも、阿蘇山から噴出したテフラ層が広がっている。

 千木良教授によると、風化すると層の内部はスポンジのような小さな空洞が多くなり、震動に弱くなる。>

 

ところで、このテフラ層、日本が火山列島ですから、全国各地に堆積しているわけですね。いまは活動していなくても、火山活動盛んな時代には、各地で噴火が起こり、歴史上も最近では富士山の宝暦噴火のような、あるいはそれをはるかに上回る噴火で、こういうテフラ層など脆弱な地層が各地にあるのでしょう。

 

その意味では、改めて火山の痕跡をもハザードマップにきちんとマーキングしていないと、同じ問題がまた起こるリスクを見過ごしにすることになりかねませんね。

 

で、もう一つの問題が今回大きくクローズアップしました。ブラックアウトです。こういう問題はアメリカのような民間企業による電力事業競争の中で起こる危険があっても、わが国のように電力の地域独占を認めているので、そういう大規模停電なんて起こるはずがない?といわれてきたように思っていました。

 

アメリカでは北アメリカ大停電が有名で、2003814日、アメリカ合衆国北東部と中西部の一部、および、カナダオンタリオ州にまたがる広範囲で起こり、29時間続いたとされています。この原因については諸説あってまだはっきり解明されていないようにいわれているかと思います。

 

ところで、北海道では、そのブラックアウトが、北海道全域で起こりました。これはどういうことでしょう。

 

毎日記事<北海道震度7発電所停止の連鎖 主力電源を直撃>では、<6日未明に発生した震度7の地震は、北海道全域が停電するという前代未聞の被害をもたらした。>

 

<道内全域の約290万戸が停電した今回の大規模停電の原因は、電力需要の半分以上を担っていた苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所が停止し、電力の需給バランスが大きく崩れたことだった。>

 

その原因について、次のように経緯を説明しています。

<北電や経済産業省などによると、地震発生当時の電力需要は約310万キロワットだった。道内の主な火力発電所6カ所のうち、苫東厚真の3基(発電能力165万キロワット)を含む4カ所の計6基が稼働していたが、地震の影響で苫東厚真の3基が緊急停止。

 供給量が一気に減り、「みこしを担いでいた人たちの半分が一斉に抜けたような状態」(北電東京支社の佐藤貞寿渉外・報道担当課長)になった。>

 

需給調整の機能が崩壊したようです。その構造を次のように説明されています。

<通常、発電量は需要と常に一致するよう自動調整されている。バランスが狂うと発電機の回転数が乱れ、発電機や工場の産業用機器などが故障するためだ。地震などの災害で一部の発電所が緊急停止しても、普段は他の発電所の供給量を増やして対応できるが、今回は他の発電所でカバーできる量を超えていた。

 このため、地震の影響を直接受けなかった発電所も需給バランスの乱れによる故障を避けるため、自動的に次々と緊急停止した。みこしの下に残った人が押しつぶされそうになり、危険を感じて次々とみこしを放り出して抜け出したような状況だったと言える。>

 

すでに発送電分離の上、再エネ推進を邁進しているドイツでは、全土的な調整機能をAI等を活用してやっているようですが、今回のブラックアウトを踏まえて、新たに地域独占を超えた全国レベルの需給調整をシステマティックに行うよう検討すべきではないでしょうか。

 

今日は30分で切り上げることにしましたので、この辺でおしまい。また明日。