白夜の炎

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薄煕来続報-谷開来の罪状

2012-08-03 16:09:36 | アジア
「中国重慶市の共産党委員会書記だった薄熙来(ポー・シーライ)氏(62)の妻で、英国人男性を殺害した疑いで拘束された谷開来(クー・カイライ)容疑者(53)が、党当局の調べに対し、殺人容疑を認める供述をしていることがわかった。

 谷容疑者は当時、海外への不正送金疑惑で当局の調査を受けており、送金にかかわった英国人を口封じのために殺した、と説明しているという。

 胡錦濤(フー・チンタオ)党総書記の秘書室にあたる党中央弁公庁がこのほど、捜査の中間報告書をまとめ、幹部らに通達。

 これを読んだ複数の党関係者によると、当局は自供を受け、谷容疑者を起訴する方針を固めた。同時に、薄氏が谷容疑者の行為を把握していたかどうかなどについても調べを始めたという。

 党関係者によると、谷容疑者は中国北部の政府関連施設に拘留され、調べを受けている。英国人実業家ニール・ヘイウッド氏(当時41)の殺害について、「精神的に追いつめられて犯行に及んだ」と供述し、具体的な殺害の状況についても説明しているという。

 また、当局の調べで、谷容疑者は1990年代前半から最近までの間、関係企業から収入を得ながら、当局に届け出ていなかった疑いがある。こうした不正蓄財を隠すため、60億ドルを米国や英国などの親戚や知人名義の口座に送金。ヘイウッド氏が、送金先の口座開設や両替などを手伝っていたとみられている。

 谷容疑者はこうした疑いについても、薄氏の地位を利用して複数の企業から現金を受け取ったなどと、収賄や海外への不正送金の容疑を認める供述を始めているという。

 当局は捜査の対象を谷容疑者だけでなく、薄氏にまで広げ、遼寧省大連市長時代の側近幹部や秘書のほか、運転手ら数十人を拘束し、集中的に取り調べている。さらに薄氏と会ったことがある会社役員や芸能人ら数百人を聴取し、裏付け捜査を進めている。

 6月中旬には、夫妻と親交があったとされるフランス人建築家パトリック・ドゥビレール氏(52)がカンボジアで警察当局に逮捕された。同氏は、谷容疑者らの不正送金にかかわっていたとの情報があり、中国政府はカンボジア政府に身柄の引き渡しを求めている。これに対し、フランス政府も同氏の身柄引き渡しを求めており、新たな外交問題が生じつつある。
 ヘイウッド氏が重慶市内のホテルで死亡しているのが見つかったのは昨年11月。薄氏がトップを務めていた同市当局は死因を過度のアルコール摂取と断定し、火葬した。しかし、党中央は今年2月、死因に不審な点があるとし、専門調査チームを設けて再捜査に踏み切っていた。

 4月、党当局は、谷容疑者が薄家で働いていた使用人、張暁軍容疑者とともにヘイウッド氏を殺害したとの疑いで拘束したと公表。薄氏に対しても「重大な規律違反があった」として、党政治局員の職務を停止する措置をとった。(北京=峯村健司)」

(http://www.asahi.com/international/gallery_e/view_photo.html?international-pg/0622/TKY201206210786.jpg)

絶望的な役人たち-経産課長の圧力メモ

2012-08-03 14:50:12 | 原発
「エネ庁課長 脱原発検討に圧力 原子力委員長へメモ

2012年8月3日 13時53分

 経済産業省資源エネルギー庁の原子力政策課長が昨年十二月下旬、内閣府原子力委員会の近藤駿介委員長に「脱原発シナリオの分析を行うことは、慎重派を勇気づける材料とはなっても、原子力を維持する材料にはならない」と、原発推進の妨げとなる分析を自重するよう助言するメモを手渡していたことが分かった。

 枝野幸男経産相は三日の記者会見で「政府の(脱原発依存の)方針と異なる受け止めをされるような記述があり、政府が原発を維持しようと画策していると国民に受け止められてもやむを得ない。国民の原子力に対する信頼を損なうものだ」と批判。エネ庁は三日、メモを作った吉野恭司課長に厳重注意の処分を出した。ただこれは懲戒処分ではなく、内規処分では二番目に軽い。エネ庁によると吉野課長は「疑義を生む言葉を使い軽率だったと反省している」と話しているという。

 原子力委は当時、原発の使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」について将来の原発依存度に応じた分析を行うかどうかを検討していた。一方で経産省の有識者会議「総合資源エネルギー調査会基本問題委員会」はこのころ、将来の原発依存度の選択肢を議論していた。

 これを受け吉野課長は部下と一緒に原子力委事務局がある内閣府を訪れ、脱原発シナリオ分析の回避を進言。メモでは「基本問題委の結論が出る前に核燃サイクルの分析を始めると、原子力を維持するシナリオが示され、原子力委の会議運営そのものに対する大きな批判が予想される」とも指摘し、原子力委での核燃サイクル分析そのものを先送りするよう提案していた。

 メモはA4一枚で、吉野課長自身が作成した。メモで吉野課長は「(基本問題委では)『核燃サイクルを維持するためにも一定の原発が必要』という議論が広く支持される見込みがない」と予想。この段階で分析を始めること自体が原発推進派にとって得策ではない、との趣旨を説明した。
(東京新聞)」

福島原発の深刻な現状-『週刊現代』より

2012-08-03 08:41:24 | 原発
 オリンピックばかりが流れる日本のメディアだが、はっきり言って個々人の生活には何の関係もない。

 生活に関係しそうなのが以下の記事である。

 福島原発の現状を大手メディアはなぜ報じないのだろうか?

 「『週刊現代』2012年7月14日号より引用

もう一度大きな地震が福島第一原発を襲ったら、日本は破滅する。優先すべきは4号機の復旧のはずなのに、原発再稼働に血道を上げる政府と原子力ムラの面々。暴走はもう止められないのか。

毎時10シーベルトという悪夢

 それは福島原発の復旧作業に携わる人たちにとって絶望的なニュースだった。6月27日、福島第一原発1号機の建屋内の圧力抑制室外側で、毎時10・3シーベルトという破滅的な放射線量が検出されたのだ。

「1号機建屋の地下1階には汚染水が溜まっていますが、東京電力が水面の直上の放射線量を計ったところ、この数値が出たのです。毎時10シーベルトは人間が浴びると即死するレベルです」(全国紙経済部記者)

 もはや1号機の中心は人間が立ち入れないレベルにまで汚染されている。

 原発事故から1年3ヵ月が経過したいまになっても、なお続く絶望的な状況。1号機だけではない。4号機においても、外壁にこれまで発見されなかった大きな傾きが生じていたことが、東京電力の調査で分かったのだ。

「去る5月に東電が4号機の(外壁)を調査したところ、原子炉建屋の西側に、水素爆発の影響によって傾きが出来ていたことが確認されたのです。

 そこで、改めて6月に詳細な調査を行った結果、先月の調査よりもさらに広い範囲で傾きが確認されたのです」(同)

 東京電力は「この傾きは建築基準法で定められた制限値を下回っている」と説明した上で、「解析した結果、耐震性に問題はない」と報告した。

 だが、建築基準法の制限値を下回っているからといって「安心である」と断言できるのか。そもそも4号機の地盤が不安定になっていることが専門家から指摘されている上、5月26日に公開された4号機建屋の無残な姿を見ると、とても大地震に耐えられるとは思えない。日本原子力研究所出身で技術評論家の桜井淳氏はこう漏らす。

「東京電力は4号機の耐震工事を行ったので、震度6強までの地震には耐えられるとしています。しかし、先の原発事故で4号機がどこまで壊れたのか、いまだに正確にはわかっていません。日々新しい損傷が発見されているような有り様で、『耐えられる』といえるわけがない」

 さらに、4号機の修復作業に携わる関係者からはこんな不安の声が聞かれる。

「たとえ東電の言うように、建屋が地震で倒れなかったとしても、別の問題がある」と内情を明かすのは、復旧作業に携わる東電協力会社の幹部社員だ。

「現場の人間が恐れているのは、建屋の崩壊ではなく、地震によって冷却システムのパイプが損傷してしまうことです。4号機の貯蔵プールには使用前・使用後のものを合わせて約1500体の核燃料が保存され、水を循環させることでこれらを冷却していますが、水を循環させるためのパイプが仮設のもので、どの程度の揺れに耐えられるのかまったく分からないのです」

 万が一このパイプが壊れたら、冷却が止まって核燃料が剥き出しになってしまう。しかし、この幹部社員によると「これを修理するための人材の確保や指揮系統の確立はまったくなされていない」という。

首都圏3000万人に被害

 脆弱すぎる4号機。仮に建屋が崩れて核燃料が剥き出しになったり、パイプが破損して核燃料が冷却できなくなった場合、どのような惨劇が起こると予想されるのか。前出の桜井氏が説明する。

「大きな地震や津波などによってこの貯蔵プールが壊れて、冷却水が抜けてしまえば、剥き出しになった核燃料の温度が上がり、崩壊熱によって放射性物質を格納している容器が燃え出してしまう。そうなると昨年の事故の十倍もの放射性物質が放出されることになります」

 もしそのような事態が起これば、確実に日本は破滅する、と同氏は警告する。

「放射能に汚染される地域は、昨年の事故で汚染された地域の10倍になる。近藤駿介・原子力委員会委員長が菅直人前総理に示した報告では、首都圏3000万人に影響が及ぶとされていた。ですから一刻も早く使用済み核燃料を安全な場所に移さなければならないのですが、いまだその作業は進められていません」

 4号機をめぐる状況は「最悪」の一言に尽きるが、そもそもなぜ危険な核燃料が、原発施設内に保管されているのか。それは「他に持っていく場所がない」からである。

 政府は各原発で大量に発生する使用済み核燃料について、青森県六ヶ所村で再処理を施してウランとプルトニウムを取り出し、再利用するという方針を進めてきた。

 しかし、現在六ヶ所村では再処理作業が停滞している。物理学を専門とする、弘前大学大学院の宮永崇史教授は、六ヶ所村の状況についてこう説明する。

「ウランとプルトニウムを抽出した後に生じる高レベル放射性廃液の処理が六ヶ所村で進められる予定でしたが、度重なる事故・トラブルによって、この処理を行う実験が完全にストップしている状態です。6月18日から再び処理実験が始まっていますが、基本的な技術面で問題が指摘されており、今後上手くいく見通しは少ないといえます」

六ヶ所村の再処理施設に投じられた総予算は約2兆円。ところがリサイクル計画は完全に破綻しており、ただの「使用済み核燃料の貯蔵地」となってしまっている。

 そして六ヶ所村も、現在保管可能容量の97%が埋まっているため、これ以上使用済み核燃料を受け入れられなくなっている。そのため使用済み核燃料は各原発施設内に設けられた貯蔵プールに保管しておくほかないのである。

 立命館大学名誉教授の安斎育郎教授は、このことが大惨事をもたらす可能性について、こう指摘する。

「各原発の貯蔵プールも、耐震設計はされていますが、建物も老朽化が進んでおり、大きな地震が発生すれば崩壊するかもしれない。福島第一原発4号機のプールだけが危ないのではなく、各原発の貯蔵プールでも同様のことが起こる危険性があるのです」

 いま、多くの原発施設で貯蔵プールの容量が満杯に近づいている。内閣府の資料によれば、2011年9月現在で大飯原発の貯蔵割合は69%、伊方原発は63%、玄海原発は78%、柏崎刈羽原発は79%に達している。間もなく貯蔵量のピークを迎えてしまうほどの使用済み核燃料を各原発は抱えこんでいるのだ。

 日本各地に「福島第一原発4号機予備軍」が存在するという恐ろしい状況。仮に大地震や津波によって貯蔵プールの冷却システムが破壊され、核燃料が剥き出しになるような事態が起これば、先の4号機のケースで説明したように、大量の放射性物質が放出されることになる。

 たとえば現在六ヶ所村には国内最大となる2860tの使用済み核燃料が保管されているが、原子力資料情報室の調査によると、なんらかの事故で貯蔵プールに保管されている使用済み核燃料が再燃焼し、そのうち約1%にあたる30tが放出されただけでも、北海道から首都圏にまで、急性障害を引き起こすほどの放射性物質が撒き散らされるという。

国を殺める大飯再稼働

 こうした状況を踏まえた上で、福島原発事故独立検証委員会の北澤宏一委員長は「すくなくともダメージが深刻な福島第一原発4号機の使用済み核燃料は、いますぐどこか別の場所に移さなければならない。それをやらないまま原発を再稼働することは、国を殺めることになりかねない」と指摘する。

 ところが政府はこの問題に解決の道筋をつけることなく、大飯原発の再稼働を決定し、国を殺める道を進もうとしている。

 7月から再稼働する大飯原発3、4号機。あいかわらずその安全性については大きな疑問が残されたままだ。その上、再稼働直前になって、次々と新たな「不安材料」が浮上している。

 6月27日未明には、3号機の高圧送電線の開閉所で、電流が地面に漏れて1時間以上に亘って警報が鳴る事故が発生。関西電力は「原子炉の安全性に問題はない」と発表したが、このタイミングでの事故には、近隣住民ならずとも恐怖を覚える。

 また、6月26日には大飯原発の「安全説」を揺るがす次のような事実が明らかになった。

「各方面から『大飯原発の真下に活断層がある可能性が高いから、調査してほしい』と要請を受けた保安院は、6月ごろから独自に調査を始めました。ところが、保安院が関西電力に『過去に政府に提出した、大飯原発3、4号機地下の破砕帯(脆弱な断層)に関する資料を提出してほしい』と依頼したのに、関電は『写真を探しているが見つからない』として、これを提出しなかったのです」(大飯原発の取材を続ける地元紙記者)

 自分たちにとって不利になるかもしれないことについては何でもゴマカす。これぞ「原子力ムラ」の体質だ。活断層があるとないとでは、その安全性に大きな違いがあることは言うまでもないのに、電力会社は「もう結果は分かっているので、詳細な調査は必要ない」と結論を下したのである。

 6月28日、与野党の超党派議員で構成される「原発ゼロの会」が、耐震性や地盤状況などを判断材料に作成した全国50の原発の危険度ランキングを発表した。堂々の1位は大飯1号機、2位が2号機。再稼働が決定した大飯原発3、4号機は26位であったが、稼働年数20年程の比較的新しい両原発が中間にランクインしたのは、やはりその地盤状況が不安視されている上に、情報の不透明さが不信感を与えているからだろう。

まだウソをつく東電

 政府は次の再稼働計画について、原発に関する新しい規制委員会が発足し、新たな安全基準が作られるまでは大飯以外の原発を再稼働させることはない、としている。

 耐震性を含め、新しい組織が原発再稼働についてどんな安全基準を掲げるのか、国民は注視しなければならないが、前出の安斎教授は、今後の「原発再稼働」の動きについて、「政府はひとつの原発を再稼働させたことで、他の原発もなし崩し的に稼働させる方向に向かっている」

 と悲観的な見方を示す。

 事実、6月27日に行われた各電力会社の株主総会では、「女川原発の再稼働に向けて、地域の皆様の理解をいただけるように努める」(東北電力)、「泊原発は11月までに再稼働できるよう努力する」(北海道電力)、「伊方発電所の運転正常化を早期に実現するよう努める」(四国電力)、「島根原発再稼働に向けた取り組みを継続する」(中国電力)と、各電力会社が原発再稼働に向けての意欲を見せている。

 そのなかでも伊方原発は早期にストレステストを実施し、政府が次に再稼働させる原発の有力候補といわれているが、ここでもずさんな「安全報告」が行われている。愛媛県議の逢坂節子氏が説明する。

「伊方原発は最大でマグニチュード9レベルの地震が起こる恐れがある南海トラフの間近にあります。現在、伊方原発の再稼働が可能かどうかの調査が行われていますが、原発の耐震性について十分な調査と議論がなされているとは言いがたい」

 四国電力は昨年11月、「伊方原発は想定する地震の揺れの1・86倍までなら耐えられ、炉心溶解に至らない」とする報告書を保安院に提出している。だが、保安院が審査したところ、実際は1・5倍程度までしか耐えられないことが判明した。最新のテストでは想定の2倍以上の揺れに耐えられることが認められたというが、逢坂議員は「それでも不安が残る」と続ける。

「たとえ想定の2倍の揺れに耐えられるという調査結果がでたとしても、なぜ2倍なのか。福島の事故は想定の3倍の揺れによって起こったわけですから、『想定の2倍』という数字ですら、妥当とはとてもいえないと思います」

 悲惨な原発事故が起きても反省をせず、事故が起こる前のルールと論理をゴリ押しして、それで理解を得られると考える原子力ムラの住人たちには、呆れるほかない。6月27日、東京・代々木第一体育館で東京電力の株主総会が行われたが、総会での東京電力の姿勢にもそのマインドが現れていた。総会に出席した、猪瀬直樹・東京都副知事が語る。

「東京都は東京電力の筆頭株主ですから、私は株主として東電側にいくつかの提案をしたが、その体質は事故前とまったく変わっていないと感じました。『信濃町の慶応病院のそばにある東電病院は相当高額で売却できる。病院のベッドの稼働率も低いのだから、売却して経営建て直しのための資産とすべきだ』と提案すると、東電側は突っ込まれたくないところだったのか、稼働率が低い理由について、『医師を福島に派遣しているため』というウソでごまかそうとした。こちらの調べで、病院から福島に派遣しているのは土日に一人だけ、と分かっている。

 こうした対応を見ていると、情報隠しの体質は少しも改善されていないのです。回答を聞いていても、いまだに殿様体質が抜けておらず、原発事故やその後の対応についても、反省しているとはとても思えない」

 福島の事故も収束せず、原発の安全性も十分に検証されぬうちに、反省なき人々の思惑によって、日本はなし崩し的に破滅への道を歩み始めている。

「週刊現代」2012年7月14日号より」