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ロシア S-400 対空ミサイルシステム

2016-02-01 13:27:32 | 軍事
「アカデミー会員 A・A・ラスプレーチン記念「対空防衛コンツェルン『アルマース=アンチェーイ』」主要システム設計局(ロシア語版)により、従来の長射程高射ミサイルシステム(コンプレックス) S-300 の改良型として開発された。ロシア連邦軍が最初に採用している。以前は S-300PM3 (С-300ПМ3)もしくは S-300PMU3 (С-300ПМУ3)として知られていた。

このミサイルシステムは性能で従来のS-300シリーズを凌駕し、またアメリカ合衆国のパトリオットミサイルに比べ少なくとも二倍の射程距離を誇るとも言われている。

ロシアの資料によれば、S-400は400km先の六つの目標に対する同時処理能力を有しているとされる。
さらには高次元の対ステルス戦能力も備えているとされる。

S-400はS-300Pシリーズ用のミサイルが運用可能の他、9M96系列、48N6系列、40N6という3種類のミサイルを運用する。

9M96系列は短~中距離用で、元はS-300PMU2用に開発されたもので、弾道ミサイルへの限定的な対処能力がある。9M96E1と9M96E2があり、9M96E1は重量333kg、射程40km。9M96E2は重量420kg、射程120km。小型で48N6用キャニスター1本に9M96が4本入る。パトリオットミサイルPAC-3と類似点が多く、サイドスラスターを装備しており目標突入時にサイドスラスターの噴射で弾体を直接制御するモードを備える。

48N6系列は中~長距離用で、最新型の48N6DMが開発されている。
40N6は長~超長距離用で、超水平線(OTH)攻撃を可能とするセンサーとデータリンクシステムを搭載し、航空機、巡航ミサイル、そして弾道弾迎撃ミサイル制限条約の効力で縛られるため限定的だが、射程3500km、秒速4.8kmまでならば弾道ミサイルにも対処可能である。

S-400は将来的には2012年に完成が期待されるS-500シリーズに代替される可能性がある。

S-400システムの開発は1990年代末から開始された。ロシア空軍による正式発表は1999年1月。同年の2月12日にアストラハンのカプースチンヤールで行われた初試験が成功。この成功によってS-400は2001年の配備が決定した。

しかし同年、計画は事故により延期に直面する。2003年に配備への準備が整ったと明らかにされたが、しかし八月に二人の上級参謀によってS-400は陳腐化したS-300Pを用いた試験ではまだその段階には無いとの発表がなされた。

最終的に、開発終了は2004年2月だとされる。また同年4月に新型迎撃ミサイル48N6DMを用いた試験で弾道弾迎撃に成功した。

報道によれば、標準的なS-400装備の大隊は8機の発射機と32発のミサイル、移動司令部から構成される。将来的には23個師団にそれぞれ8から12機のS-400を2015年までに調達すると計画されている。

2007年5月21日、ロシア空軍は7月よりS-400をモスクワと中央ロシアへ実戦配備すると発表した。さらに情報では、詳しい配備場所はエレクトロスターリ近郊だと言われる。

2007年8月6日、ロシアのテレビ報道はS-400を装備した最初の連隊がモスクワ州のエレクトロスターシ近郊で活動を開始したと報じた。ロシアの情報では、この連隊は特別目的コマンド(Special Purpose Command)、第1防空軍軍団、第9防空軍師団、第606"ゼニス"ロケット連隊であるとされ、モスクワと中央工業地帯の防衛を担っている。

2008年2月8日、Vladimir Sviridov中将はロシア軍は北西においてS-300をさらに進化したS-400で代替すると発表した。これはロシアは彼らの弾道ミサイル防衛システムの主要要素を2020年ごろまでS-400に担わせることを計画していることを意味した。

S-400の簡略化版も輸出市場を狙っており、伝えられるところでは中国がすでに5億ドルを費やしたとされる。また、中国が開発計画の一部を担う可能性もあるとも報告されている。ロシアはアラブ首長国連邦とギリシャにも購入を打診した。また、イスタンブルで開かれた第9回国際防衛産業フェアにおいて、トルコも購入に意欲を見せたとされる。

イランのような国がこのミサイルの購入に意欲を見せることはアメリカの注意を呼ぶ。下院国家会議副議長ウラジーミル・ジリノフスキーは最優先でS-400をイランへ輸出することを促した。このようなモスクワとテヘランの関係を強化するように見える動きに対しワシントンは対応に苦慮している。

韓国はアルマズの支援を受けCheolmae-2と呼ばれるS-400の簡易版の開発を行っている。Cheolmae-2はアルマズ製多機能X-バンドレーダー車両、指揮管制車両、韓国版"9M96"ミサイルを装備した複数のTEL車両から構成される。主契約者はサムスン電子とタレス・グループの合弁会社サムソンタレス。

2009年3月17日、RIAノーボスチはロシアがS-400を数年以内に輸出することは無いと報道した。また翌日にはベラルーシが二個大隊分のS-400システムの輸入を正式に要請していたと報じた。

インドやイランがこのミサイルの購入に興味を示しており、トルコでは長距離対空ミサイルの選考においてS-400とパトリオット PAC3を比較し2010年に決定するとされる。
2009年8月26日、ロシアの高級将校は北朝鮮のミサイル実験への対抗処置としてロシア極東にS-400を配備すると発言した。
最近の報道では20億ドル分の輸出契約がロシアとサウジアラビアの間に成立したとされる。この契約の元、少なくとも8機の発射機と32発のミサイルが購入された。

S-400は400km先の空中目標の迎撃を想定している。
弾道ミサイル防衛能力は弾道弾迎撃ミサイル制限条約によって制限されるギリギリの能力を有する。
ロシアの軍事情報に精通するCarlo Kopp氏はS-400の先進的なレーダーシステムは低RCS目標へも十分な性能を有すると主張している。
レーダー探知距離は将来的に500~600kmへもなるとの説もある」

https://ja.wikipedia.org/wiki/S-400_(ミサイル)


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