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【報告】2/7武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)発足集会/ちきゅう座

2016-02-20 15:55:02 | 軍事
「10日ほど経ってしまいましたが、2月7日に開催した「武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)」発足集会のご報告です。

さる2月12日の夜にフジテレビで放映された<池上彰緊急スペシャル>「なぜ世界から戦争がなくならないのか」は、武器輸出や軍産複合体、民間軍事会社、戦争広告代理店などをわかりやすく解説した力作でした。こうしたテーマへの関心が徐々に高まっているように感じます。

NAJATはいよいよこれから、進行する武器輸出=戦争加担を本当に止めるために、具体的な活動を展開していきます。ご注目とご協力、そしてご参加をよろしくお願いします。後ろに賛同の呼びかけも付けていますので、ぜひ応援してください。

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【報告】武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)発足集会 「Made in Japanの武器はいらない」 http://bit.ly/20GdQnE

2月7日午後、東京・北とぴあドームホールで武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)の発足集会を行ないました。参加者は222人以上と関心の高まりが感じられました。

奈良本英佑さんによる主催者あいさつの後、3人が講演。まずNAJAT代表の杉原浩司は、「武器輸出のキーマンである堀地徹(ほっちとおる)防衛装備庁装備政策部長の名前を覚えておいてほしい。彼は2014年パリの武器見本市で「(イスラエルの)機体と日本の技術を使うことでいろいろな可能性が出てくると思う」と述べた。イスラエル軍が2000人以上を虐殺したことを知らないのか。猪口邦子軍縮大使(当時)が小型武器軍縮会議の議長時代、「モラルハイグラウンド」(道義的高み)と誇ったが、今や「モラルハザード」だ。当面、米国の後押しを得て仏独と競い合うオーストラリアへの潜水艦輸出と、露骨な殺傷兵器である空対空ミサイル「ミーティア」の日英共同研究(三菱電機が参加)を食い止めたい」。

池内了さん(宇宙物理学者)は、「「軍学共同反対アピール署名の会」を作り、署名運動をしている。2015年に防衛省が始めた「安全保障技術研究推進制度」は軍学共同の具体的バージョンだ。この軍事研究公募に参加する豊橋技術科学大学は、学長が日本学術会議の大西隆会長であり、学術会議の存在自体も問われている。また、理研やJAXAなど日本を代表する大研究機関が平気で軍事研究に手を出している。「科学技術の発達」「デュアルユース(軍民両用)」「防衛のため」などが軍事研究に手を染める言い訳になっている。「選択と集中」政策の強化の中、研究費不足から軍事研究になびいている。「研究者版経済的徴兵制」だ」。

古賀茂明さん(元経産省職員/フォーラム4)は、「秘密保護法は戦争するための法律。情報が嘘でも、最長60年間秘密にできるので「自分は責任取らなくていい」となり、戦争するハードルがものすごく下がる。また、検討途中の役所情報は秘密保護法ができる前からほとんど隠せる。情報公開法の改正が必要だ。フランス製戦闘機ラファールが2015年になって急に売れ始めた。「なぜ急に?」と聞かれたフランス国営テレビのレポーターは、後ろめたい感じもなく「やっぱりアフリカや中東で空爆をやって実績を見せましたからね」と答えた。製造するダッソー社の従業員もみんな喜んでいた。庶民が喜ぶようになると歯止めがなくなる。いずれ、「人が死なない戦争が起きればいい」と戦争を欲する人が出てくるだろう」。

パネルディスカッションでは、望月衣塑子さん(東京新聞経済部記者)が現場取材を踏まえて報告。「防衛省の研究公募に通った研究者に話を聞いたが、「基礎研究だから」「守る技術にしか適用できない」と説明し、「選り好みしている場合ではない」とも話されていた。しかし、防衛省の本音は、有事の際に攻撃を含めて優位に立てるかにある」。池内了さんは、「軍学共同の基本的問題は研究者の倫理観にかかっている。誰のための、何のための研究か、常に原点に立ち戻るしかない」「学生は軍事研究が人殺しにつながるときちんと話せば分かってくれる。軍事研究の問題を倫理教育の一環としてやるべき」と発言。

古賀茂明さんは「官僚が守りに回るようになってしまった。武器輸出は大きな利権に発展する可能性があり、天下りが堂々とできるようになる」「官僚も弱い人間。倫理観への期待は無理だ。いい事をすると出世する仕組みづくりと、仕組みを作り人事権を持つ政治家を選ぶことだ」と指摘。

連帯アピールでは、浜田盛久さん(軍学共同反対アピールの会)が、「科学者だけでは日本の軍事化の波に抵抗するのは難しい」として、オンライン署名運動を呼びかけ、集約して学長に届けると述べました。塚本美季さん(安保関連法に反対するママの会)は、「夢一杯の息子の未来に恨みをかう武器輸出は必要ない。子どもたちの命を犠牲に成り立つ経済成長を、見て見ぬふりでやり過ごす操り人形にはなりたくない」と強調しました。

内海旬子さん(NGO非戦ネット、JIM-NET)は、現場で会ったシリア人が「どうしたらシリア紛争は終わると思いますか?」との質問に「誰も武器を持ってこないことだ」と答えたことを紹介しました。

千葉泰真さん(SEALDs)は、「武器輸出ではなく反戦をビジネスにしよう。この国に根付いた戦後ナショナリズムは、日本国憲法を基調とした反戦平和のリベラルなナショナリズムだ」と述べました。

最後に、運営メンバーから5人が、軍需企業めぐり、企業への不買を含むキャンペーン、武器見本市への対抗アクション、選挙とメディアへの取り組み、ロゴマーク入りシールやタグ、バッジの活用などを提案しました。

大勢の方にご参加いただきありがとうございました。ご足労頂いたにもかかわらず、満員のため会場に入れなかった方には大変ご迷惑をおかけしました。今後、具体的な取り組みを通して、武器輸出にしっかりと歯止めをかけていきたいと思います。

◆さらに詳細な報告はこちらから(ぜひご一読ください)
http://bit.ly/1QD8lAP

http://chikyuza.net/archives/60464


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