「【北京】英当局は中国に対し、重慶市の共産党委員会書記を解任された薄煕来氏一家と近い関係にあったとされる英ビジネスマンの死亡に関して調査を行うよう要請した。
重慶市で昨年、謎の死を遂げた英国人ニール・ヘイウッド氏事件が、薄氏の失脚を巡るスキャンダルの重要な要素として浮上してきた。
薄氏解任劇の発端は、重慶市の副市長兼公安局長であった王立軍氏が2月6日、成都市の米総領事館に保護を求めたとされることだ。王氏が総領事館内に入った後、中国の警察車両は総領事館の建物を取り囲んだ。翌7日に王氏は当局によって連行され、以来目撃されていない。
王氏はヘイウッド氏が毒殺されたと信じており、この件について薄氏と議論した後、薄氏と決裂したと訴えたという。事情に詳しい筋がウォール・ストリート・ジャーナルの取材で明らかにした。また、ある消息筋によると、薄氏の妻、谷开来氏はヘイウッド氏と仕事関連でもめていたという。
事情に詳しい米外交官らによると、王氏は米総領事館に政治亡命を求めた際、薄氏に関する証拠品だとして資料を提出したが、中国との関係悪化を恐れる米国側はこれを拒否したという。王氏は中国共産党の幹部に自分で手渡すよう説得され、中国当局は王氏を北京へ連行したという。
ヘイウッド氏は昨年11月、重慶市のホテルの部屋で死亡しているところを発見された。地元警察は、ヘイウッド氏は「アルコールの大量摂取」で死亡したとただちに宣言し、事情に詳しい関係者らによると、警察は検死をせずに火葬した。ヘイウッド氏の友人らは、同氏が禁酒主義者だったとして英国大使館に疑問を訴えた。
ヘイウッド氏の友人と知人らによると、同氏は企業に所属せず、コンサルタント業務などをしていたようだったという。
同氏は友人らに、自分は薄氏一家と近い関係にあり、重慶市での会合や取引に関する手配ができると話していたという。複数の友人らによると、ヘイウッド氏は同氏の中国人妻を通じて薄氏一家とつながりができた。同氏の妻は薄氏が1993-2001年まで市長を務めていた大連市の出身である。
ヘイウッド氏はまた、英自動車メーカー、アストン・マーティンの地元ディーラー、北京マーティンで非役員のディレクターをしていた。同社はこれを認めたが、ヘイウッド氏を直接雇用していたわけではなく、重慶市では何ら同社に関係する仕事はしていなかったという。
英大使館の広報官は、自身の知る限り、政府関連の仕事も最近はしていなかったと指摘している。
同広報官によると、ヘイウッド氏の家族は重慶市当局による事件処理に関して不満を表わしておらず、英大使館員らに対しても、事件の公表や昨年11月まで遡った事件の調査を求めることをしていないという。
米大使館の広報官は、王氏が総領事館で一晩を過ごした際にヘイウッド氏の事件について言及したかどうかについて、また米大使館員が同事件に関係する何らかの情報を英大使館に提出したかどうかについてコメントを拒否した。
英大使館広報官は他の大使館との私的なやりとりについて、コメントを拒否した。また、王氏が米総領事館を訪れたことを受けて、ヘイウッド氏に関する新たな調査を求めることになったのかという質問に対してもコメントを避けた。
その上で、中国当局に事件の再調査を要請したのは、中国の英国人コミュニティから大使館に疑問が寄せられた「今年の早い時期」だとしている。
同広報官は「(中国の)反応は、前向きに検討するというものだった」としながらも、どのような方法でいつ調査を行うのかについて中国側は明らかにしていないと述べた。
記者: Jeremy Page 」
重慶市で昨年、謎の死を遂げた英国人ニール・ヘイウッド氏事件が、薄氏の失脚を巡るスキャンダルの重要な要素として浮上してきた。
薄氏解任劇の発端は、重慶市の副市長兼公安局長であった王立軍氏が2月6日、成都市の米総領事館に保護を求めたとされることだ。王氏が総領事館内に入った後、中国の警察車両は総領事館の建物を取り囲んだ。翌7日に王氏は当局によって連行され、以来目撃されていない。
王氏はヘイウッド氏が毒殺されたと信じており、この件について薄氏と議論した後、薄氏と決裂したと訴えたという。事情に詳しい筋がウォール・ストリート・ジャーナルの取材で明らかにした。また、ある消息筋によると、薄氏の妻、谷开来氏はヘイウッド氏と仕事関連でもめていたという。
事情に詳しい米外交官らによると、王氏は米総領事館に政治亡命を求めた際、薄氏に関する証拠品だとして資料を提出したが、中国との関係悪化を恐れる米国側はこれを拒否したという。王氏は中国共産党の幹部に自分で手渡すよう説得され、中国当局は王氏を北京へ連行したという。
ヘイウッド氏は昨年11月、重慶市のホテルの部屋で死亡しているところを発見された。地元警察は、ヘイウッド氏は「アルコールの大量摂取」で死亡したとただちに宣言し、事情に詳しい関係者らによると、警察は検死をせずに火葬した。ヘイウッド氏の友人らは、同氏が禁酒主義者だったとして英国大使館に疑問を訴えた。
ヘイウッド氏の友人と知人らによると、同氏は企業に所属せず、コンサルタント業務などをしていたようだったという。
同氏は友人らに、自分は薄氏一家と近い関係にあり、重慶市での会合や取引に関する手配ができると話していたという。複数の友人らによると、ヘイウッド氏は同氏の中国人妻を通じて薄氏一家とつながりができた。同氏の妻は薄氏が1993-2001年まで市長を務めていた大連市の出身である。
ヘイウッド氏はまた、英自動車メーカー、アストン・マーティンの地元ディーラー、北京マーティンで非役員のディレクターをしていた。同社はこれを認めたが、ヘイウッド氏を直接雇用していたわけではなく、重慶市では何ら同社に関係する仕事はしていなかったという。
英大使館の広報官は、自身の知る限り、政府関連の仕事も最近はしていなかったと指摘している。
同広報官によると、ヘイウッド氏の家族は重慶市当局による事件処理に関して不満を表わしておらず、英大使館員らに対しても、事件の公表や昨年11月まで遡った事件の調査を求めることをしていないという。
米大使館の広報官は、王氏が総領事館で一晩を過ごした際にヘイウッド氏の事件について言及したかどうかについて、また米大使館員が同事件に関係する何らかの情報を英大使館に提出したかどうかについてコメントを拒否した。
英大使館広報官は他の大使館との私的なやりとりについて、コメントを拒否した。また、王氏が米総領事館を訪れたことを受けて、ヘイウッド氏に関する新たな調査を求めることになったのかという質問に対してもコメントを避けた。
その上で、中国当局に事件の再調査を要請したのは、中国の英国人コミュニティから大使館に疑問が寄せられた「今年の早い時期」だとしている。
同広報官は「(中国の)反応は、前向きに検討するというものだった」としながらも、どのような方法でいつ調査を行うのかについて中国側は明らかにしていないと述べた。
記者: Jeremy Page 」