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『線量評価結果について』by近藤駿介原子力委員会委員長

2012-03-26 15:55:11 | 原発
 メディアでも報道された近藤原子力委員会委員長による事故後間もない時点での評価。

 『福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の最後に近藤氏の15枚のパワーポイントの資料がのせられているが、その最後の一枚が話題になった資料と思われる。

 このPPが作成されたのは2011年3月25日。以下が15枚目の資料の記載。


 「線量評価結果について

 ・水素爆発の発生の伴って追加放出が発生し、それに続いて他の号機からの放出も続くと予想される場合でも、事象のもたらす線量評価の結果からは現在の20キロという避難地域の範囲を変える必要はない。

 ・しかし、続いて4号機プールにおける燃料破損に続くコアコンクリート相互作用が発生して放射性物質の放出が始まると予想されるので、その外側の区域に屋内退避を求めるのは適切ではない。少なくとも、その
発生が本格化する14日後までに、7日間の線量から判断して屋内退避区域とされることになる50kmの範囲では、速やかに避難が行われるべである。


 ・その外側の70kmの範囲ではとりあえず屋内退避を求めることになるが、110kmまでの範囲においては、ある程度の範囲に土壌汚染レベルが高いため、移転を求めるべき地域が生じる。また、年間線量が自然放射線レベルを大幅に超えることを理由に移転を希望することを希望する人々にはそれを認めるべき地域が200kmまでに発生する(容認線量に依存)

 ・続いて、他の号機のプールにおいても燃料破損に続いてコアコンクリート相互作用が発生して大量の放射性物質の放出が始まる。この結果、強制移転を求めるべき地域が170km以遠にも生じる可能性や、年間線量が自然放射線量レベルを大幅に超えることをもって移転を希望する場合認めるべき地域が250km以遠にも発生する可能性がある。

 ・これらの範囲は、時間の経過とともに小さくなるが、自然(環境)減衰にのみ任せておくならば、上の170km、250kmという地点で数十年を要する。


 大変わかりにくい表現が続くが、要するに4号機のプールに貯蔵されている燃料が露出し、放射性物質が飛散し始めると、50kmの範囲では避難が必要。

 さらに土壌汚染の状況や、自然放射線量を大幅に超える事態を考慮すると、最大250km、あるいはそれ以上の地域でも避難の必要が生じる、と述べている。


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